性同一性障害と診断を受けた高校生を取材しました。
フジテレビ系(FNN) 6月14日(土)2時8分配信
心と体の性が一致しない性同一性障害。文部科学省は13日、子どもたちに関する、初の調査結果を公表しました。それによると、全国で小中高あわせておよそ600人が、学校側に悩みなどを相談していました。性同一性障害の高校生を取材しました。
私立鹿児島情報高校に通う石川 宗さん(17)。
病気で、常にサングラスを手放せないが、友人と談笑している姿は、どこにでもいる普通の男子高校生。
しかし、もともと宗さんは、女の子。
性同一性障害と診断を受け、現在は、男の子として学校に通っている。
性同一性障害を公表した宗さんは「自分がちっちゃいころから、ずっと、女の子じゃないって思ってて。女の子じゃないっていうか、もう自分は、絶対的に男だと」と語った。
性同一性障害とは、心と体の性別が一致せず、違和感や嫌悪感が続く状態のことで、専門医2人以上の診断で認定される。
未成年の性同一性障害の場合、学校側に対応が求められるが、現在、基準は設けられていない。
宗さんが通う高校では、プールで、男性用水着の上に、胸を隠す服の着用を許可するなど、独自のルールをつくっている。
また、トイレについて、宗さんは「いつも学校側から、個別でいただいた、このトイレを使ってます。(今、誰が使ってる?)僕だけです」と話した。
学校ごとに、独自の対応を進める中、文部科学省は、小学校から高校に通う児童・生徒の性同一性障害に関する初の調査結果を公表した。
それによると、学校側に相談があった件数は、606件。
しかし、特別の配慮をしている学校は、およそ6割にとどまる結果となった。
物心ついたときには、すでに、自分の体に違和感を感じていたという宗さん。
その違和感を最も強く感じたのが、中学校に入学した時だったという。
宗さんは「制服ですね。初めてセーラー服の採寸した時は、なんか、これを僕が着るのかみたいな...。似合ってるのかなみたいな...。やっぱりこれは、僕が着るものじゃないみたいな感じで。女装ですからね、毎日が」と語った。
入学して3カ月。
男子として通学できるよう、中学校に打診したが、「前例がない」と断られた。
しかし、母親の直子さんの懸命の訴えが認められ、中学2年の4月から、晴れて、男子生徒として通学することが許可された。
母親の直子さんは「もし自分の子どもだったら、もし自分の兄弟だったら、考えていただきたいっていうのがあるんですよね。この子たちは、どうすることもできない。お願いですからっていう、いつも許可制の中にいるんですよ」と語った。
生まれた時の名前は、「石川 まりあ」だったが、中学3年の時、戸籍上の名前も、今の「石川 宗」に変えることが許可された。
宗さんは「理解がないのは、知らないから。なぜ知らないかっていったら、興味がないから。だからまず、そこから変わってほしい。やっぱり、自分たちは理解してほしいので」と語った。
最終更新:6月14日(土)11時9分