イラク死者 ここ数日で数百人のおそれ6月14日 5時32分
イラクで国際テロ組織、アルカイダ系の勢力が北部の都市を制圧するなど戦闘が激化している事態について、国連人権高等弁務官事務所は13日、ここ数日で死亡した人数がすでに数百人規模にまで達したおそれがあるとして強い懸念を示しました。
スイスのジュネーブで記者会見した国連人権高等弁務官事務所のコルビル報道官は、イラク国内で活動する国連の組織の報告を基に、ここ数日の現地の状況などを明らかにしました。
それによりますと、北部の都市モスルなどイスラム教スンニ派の過激派組織が制圧した地域では、イラク軍の兵士や治安部隊の隊員が相次いで処刑されているほか、警察などに協力している一般市民も多数殺害されているということです。
この結果、ここ数日の死者の数がすでに数百人規模に上っているおそれがあると明らかにするとともに、けが人も1000人近くになっているとして強い懸念を示しました。
一方、反撃に乗り出したイラク軍の側も住宅密集地への砲撃を行ったことで、市民が最大で30人死亡したとされるなど、市民を巻き添えにする攻撃が見られると批判しています。
国連では、こうした戦闘ですでに50万人近くが住む場所を失い、避難を強いられているとしており、イラクの政治指導者に対して事態の沈静化へ向けた早急な対策を求めるとともに、避難民などに対する支援活動を強化することにしています。
[関連ニュース] 自動検索 |
・ イラク 過激派組織への攻撃本格化 (6月14日 12時02分) ・ イラク 宗教指導者呼びかけで戦闘激化も (6月14日 5時32分) ・ イラク 政権が反撃 一進一退の攻防続く (6月13日 19時45分) ・ 米大統領 イラクでの空爆も排除せず (6月13日 5時16分) ・ イラク軍 アルカイダに反撃開始 (6月13日 4時53分) |
[関連リンク] |
|