
長いこと「朝食を抜くと太る。」と世間一般では言われてきた。その理由として、朝食を取らなかったぶん、昼食や夕食を食べ過ぎてしまうとか、朝食を抜くと体温が下がり、基礎代謝量が減少し、1日に消費できるエネルギー量が減少するため、脂肪が燃焼しずらい体質に変わってしまうという説などがあった。
ところが最新の研究で、朝食を食べることが必ずしも減量ダイエットに効果的でないことがわかったそうだ。
アラバマ大学バーミングハム校のエミリー・ダランダー率いる研究チームは、300人以上の肥満者を対象に、摂取カロリーを同等に調節しながら16週間にわたる調査を行った。結論から言うと朝食を食べた人と朝食を抜いた人の間に減量の差はまったく生じなかったという。
ただし、朝食を抜くと別の意味で影響があるという研究がある。朝食を抜くことは、間欠的な飢餓状態に居ることを強要するため、代謝に影響することはよく知られている。悪い影響と良い影響、その両方があるという。

昨年、ある研究により、朝食を抜く生活は、冠状動脈心疾患を増加させることがわかった。これは飢餓状態が続くことにより、心臓の拡張および収縮時における血圧を上昇させ、血中インスリン濃度、トリグリセリド濃度、遊離脂肪酸濃度、LDLコレステロール値を増加させ、HDLコレステロール(訳注:善玉コレステロール)の血中濃度を低下させることによると言われている。

しかし、他の研究では、間欠的な飢餓状態は素晴らしい効能をもたらすとの報告もある。長寿遺伝子と呼ばれる「サーチュイン遺伝子」は、老化やがんの原因とされる活性酸素の抑制や、病原体のウイルスを撃退する免疫抗体の活性化、さらに全身の細胞の遺伝子をスキャンして修復するなど、さまざまな老化防止機能があることで知られているが、この遺伝子は空腹状態を保つことで活性化される。
また、マウスを使った実験で、カロリー制限をしたマウスはカロリー制限をしなかったマウスに比べ、認知能力と記憶能力が高く、攻撃性が少なく、アルツハイマー病を発症しないか発症が遅れる傾向があることがわかっている。

全米医療栄養学誌は、「体重を落とすために朝食を食べよとか、反対に朝食を抜きなさいとかいうアドバイスは、減量には全く役立たないということがわかった」と結論づけている。
via:io9・原文翻訳:LK
結局は摂取カロリーと消費カロリーの問題なので、朝食を食べる食べないに関係なしに、トータルのカロリー制限をしなければ痩せないということだ。
痩せる痩せない云々じゃなく朝食を取るか取らないかだが、朝食をとることで、体は活動を始め、脳は活性化する。学生は直ぐに授業があるし、一般的な勤務時間帯の会社員も朝から仕事がある。朝の活動を円滑に行うために、野菜ジュースや栄養補助食品など、なんでもいいから食べておいた方がいいだろう。
ちなみに私の友人は低血糖症で、朝食を食べないと倒れてしまう。手が震えだし血がサーっと引いていくのだそうだ。夜はあまり食べないのだが、朝はしっかり食べるという。すんごく痩せてるけどね。
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