「イラクショック」は回避、日本に重い原油価格上昇
[東京 13日 ロイター] - イラク情勢の悪化で市場に緊張感が走ったが、日本株は反発。「イラクショック」はいったん回避された。ただ、原油価格がこのまま上昇すれば、東日本大震災後、火力発電比率が高まっている日本にとって、円安も加わりダメージが大きくなる。
物価上昇圧力がかかるようであれば、日銀の金融緩和政策にも影響を与えかねず、「楽観」とは程遠いムードが広がりかねない。
<東京市場でいったん歯止め>
イラク北部で勢力を伸ばしているのは、イスラム教スンニ派の過激派武装組織「イラク・レバントのイスラム国(ISIL)」。シーア派のマリキ政権との対立が強まる一方、今度はクルド部隊が混乱に乗じて油田都市キルクークを掌握した。
現在のイラクは3つのグループが入り乱れる混乱状態となっている。さらにオバマ米大統領が攻撃の可能性も排除しないと明言したことで、一段と緊張感が高まった。
地政学リスクの高まりを警戒し、北海ブレント原油先物LCOc1は12日の市場で2%超上昇、113ドル台を付け、約9か月ぶりの高値となった。米ダウ.DJIも100ドルを超える下落となり、リスクオフの動きが強まっている。
ただ、13日の東京株式市場で、前場弱かった日経平均.N225は後場に入ると、プラス圏に浮上。前日比100円を超える上昇となり、一時1万5100円台を回復した。「SQ(特別清算指数)算出を無難に通過したこともあり、ヘッジ目的で売り建てていた先物に買い戻しが入ったようだ」(大手証券トレーダー)という。
原油先物価格は、東京市場でも上昇し続けているが、GLOBEX(シカゴの24時間金融先物取引システム)での米株先物<0#SP:>はプラス圏で推移しており、「イラクショック」には東京市場でいったん歯止めがかかったようにみえる。 続く...