日本SoftLayerユーザー会が第1回勉強会を開催
日本SoftLayerユーザー会は5月23日、都内で第1回SoftLayer勉強会を開催した。SoftLayerはいわいるIaaSレイヤーのクラウドサービスで、昨年IBMに買収され現在は同社の商品の1つになっている。IBMは国内での本格展開を発表しており、2014年中に日本データセンターの開設を予定している。
ユーザー会発足。改めてSoftLayerの魅力とは?
冒頭、クリエーションライン株式会社の浦底博幸氏が登壇し、コミュニティの発足をアナウンスした。同社はクラウドのインテグレーションを得意としておりIBMのパートナー企業の1社でもある。「クラウド時代はエンジニアのコミュニティから盛り上げていく必要がある」と訴え、ユーザー会を推進している。
SoftLayerは、自社のクラウドを「オンデマンドでコンピューティングリソースを従量課金で使えるシンプルでピュアなIaaSのサービス」と定義している。仮想環境のほか、ベアメタルと呼ばれる物理専有サーバーを提供しているのが大きな特徴で、カスタマイズされた物理サーバーに関しても1時間~デリバリー可能になっている。
また、SoftLayerのデータセンター間は10GBの専用接続線で繋がっており安定したネットワークかつトラフィックが無料なのも他サービスとの差別化の1つ。SoftLayerにはリージョン(データセンターが存在する地域)という考え方がなく、ダッシュボード内で世界中の複数のデータセンターをシームレスに管理できる。2014年内に日本を含め世界中40個へ拡大予定だ。
その他、SwiftベースのオブジェクトストレージやCDN(Contents Delivery Network)、トランスコーダー、メール配信などのオプションが選択でき、APIも提供されていてオートメーションが可能。現在、IBM内で資料の翻訳・整理が進められており、SoftLayer_JPNで公開されている。
SoftLayer上でメール配信サービスを提供
続いて、株式会社構造計画研究所の中井勘介氏が登壇。同社はメール配信サービスを提供するSendGridの国内正規代理店。SoftLayerにはメール配信オプションとしてSendGridの技術が組み込まれている。
昨今ではスパムのイメージが強いメールだが、中井氏はあらためてメールの重要性を解説。さまざまな魅力的なサービスがメールを活用しているが、スパムが増えることによってスパム対策のため正常な配信が困難になってきている問題点を挙げた。到達性を高める取り組みが必要だと説明する。
SendGridは確実なメール配信、低コスト、スケーラブル、アナリティクス、APIといった特徴をもったサービスで、SoftLayerとは2011年の6月にパートナー契約を締結している。ちなみにSendGrid自体もSoftLayerを使用して構築されているそうだ。
社内ネットワークから海外データセンターまで直接接続を実現
3人目はビットアイル株式会社の成迫剛志氏によるハイブリッドクラウドの解説。同社はマルチクラウドを標榜しており、すでにAWSやAzureとも専用線接続サービスを提供している。そこに新たにSoftLayerも加わる予定。これでインターネットを介することなく、社内のネットワークとSoftLayerが持つグローバルなネットワークを繋ぐ構成が簡単に実現できるようになる。
この記事の著者
Think IT編集部
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