「煽るより、煽られろ」:ラリー遠田×梅田カズヒコが斬る、「負の側面」が肥大化したTwitter

ついったー

インターネットラジオ『ハマれないふたり』の第6回放送分よりピックアップ。

第6回を迎えた『ハマれないふたり』、今回はツイッターに関するトークをご紹介します。業界の中では有名人でもあるラリー遠田さんや梅田カズヒコさんならではの視点で切る「ツイッター」、必見です。

ハマれないふたり

 

【しゃべるひと】

 

Twitterは 負の側面が大きくなりすぎた

ラリー遠田:最近、Twitterってちょっと「バカ発見器」みたいに言われるじゃないですか。

梅田カズヒコ:はい、ありますね。

ラリー:コンビニの冷蔵庫に入って写真を撮ってバイトをクビになる、みたいな。そういう負の側面が大きくなってきているでしょ。

梅田:去年あたりからですね。目立つようになって、ワイドショーとかでも取り上げるようなレベルになってきていえ。

ラリー:ぼくが象徴的だと思うのが、中川淳一郎さんのようなネットとか詳しくてバリバリやってる人が最近Twitterを見限り始めてるな、という気がしてるんですよ。

中川さん、ちょっと何か書くと「在日認定」とか「左翼だ」とか言って叩かれて、そういう無意味なメッセージが100件くらい流れてきて「もううんざりだ」って話してて。だから、『ウェブはバカと暇人のもの』と言っていた彼が、

梅田:とうとう、バカの相手が飽きたってことですかね?

ラリー:バカの相手で商売にはしてるけど、Twitterとかやってても本当にいいことねぇな、っていう。

梅田:うーん、そうですねぇ…。

ラリー:ぶっちゃけ、Twitterって仕事に役立つか?って言ったらあんまり役になってない気がするんですよ。

梅田:「広める」という点ではいいかもしれないですけどね。ぼくらも下北沢のB&Bでイベントをやって、いろんな人に告知してもらって、あれで何枚売れたかはわからないけど、そういうメディアがあるっていうのはいいことじゃないかな、と。

ラリー:Twitterのポジティブな価値は逆にそこだけですよね。

梅田だから、逆にわからないのが一般の人というか、そういうイベントをやる必要がない人。そういう人はむしろ「なんでやってらっしゃるのかな?」って思いますね。

 

ぶっちゃけ、親切心からくる指摘は要らない

ラリー:ああいうところで広まりやすいネタ、広まりにくいネタってあるじゃないですか。

梅田:ありますね。

ラリー:それが一般的な意味で「バズる」っていうじゃないですか。逆に言うとネットってそういうもんだから、広がりやすい方法でやっていくしかないんですよ、仕掛ける側は。それはわかるんですよ。その理屈はわかるんだけど、それにしても単純に「つまんねぇな」ってなって。

Twitterのメディアの特性に合った広まり方ってあるんですよ。

梅田:はい、ありますね。

ラリー:例えばぼくが「◯◯という芸人が〜」って意見を書くとするじゃないですか。で、もし漢字が間違ってたとすると、その意見に対して賛成か反対かを述べる前に、「その漢字間違ってますよ」みたいなのが100件くらいばーってくるんですよ。そうなると「なんだこれ?」って思うんですよね。そんなこと大事じゃないのに、って思うわけですよ。

梅田:上から目線ですかね…。

ラリー:いや、親切心で言ってくれる人もいるんですよ。

梅田:あっ、そうですか。なんか「粗があったら見つけてやろう」って思ってる人もいるじゃないですか。

ラリー:それも多いし、気づいたから言ってるだけなんですよ。

梅田:あっ、わかりますわ。

ぼくはこの仕事をやって10年くらいになるんですけど、インターネットで記事を書くようになると良い意見もあれば悪い意見もあって、それは当たり前なんでどうってことはないんですけど、最初の頃はちょっとでも言われるとすごく落ち込むんですよ。

当時はTwitterとかなかったんで「2ちゃんねる」とかで言われてたんですけど、「記事がつまんない」っていう人はいいんですよ、そう思ったのならしょうがないので。けど、知り合いですごく親切な人が「梅田さん、2ちゃんねるで悪口言われてますよ」とか僕に教えてくれるんですよ。「それいらないな」って思うんですよ(笑)

ラリー:あーすごく分かる。

梅田:それいらないじゃないですか。

ラリー:そういう人は本当は結構厄介な人ですよね。

梅田:逆にいうと、ぼくを貶めようと思って言ってるなら分かるんですよ。じゃなくて、本当に親切心で「こんなこと言われてますよ」っていう人がいて、そのほうが凹むんですよ。

ラリー:分かる分かる(笑)そういう人は止められないからね。「そんなのいらないですよ」ってことなんだけど。

梅田:でも、向こうは親切でやってくれてるんですよね。

 

煽るより煽られろ

ラリー:ぼくが思うのは、結局Twitterって…「儚いな」、と思うんですよ

梅田:儚いっすよ。

ラリー:例えば、フォロワーが多い人っているでしょ?それってごく一部を除いて、結局有名人とかですよ。もともとテレビに出ているとか、有名だからフォロワーが多いっていうだけでしょ。で、その人たちをフォローして、例えば有吉さんに直接リプライを送ったりできるわけじゃないですか。

梅田:できますね。

ラリー:その意見が届いた気になったりたまには反応してもらえて、有名人と繋がった気分になれるけど、所詮それだけじゃないですか。それだけのこと。だから、根本的には儚いものだと思うんですよTwitterって

梅田:あそこを軸にしちゃうと、グラグラの地盤に立ってるみたい。

ラリー:そうそうそう。

梅田:インターネットでも、例えばブログをやってるとか、活動の軸はあそこに無い方がいいですよね。

ラリー:うん。

梅田:それを告知するためのツールとして使うのがいいでしょうね。

ラリー:ネットに限らず、専門的な仕事をやってるとか、別に活動があってその告知ツールとしてはなるほど意味があると思うんですけど。

梅田:そうですね。

ラリー:これ言っちゃうと語弊があるかもしれないですけど、すごくありがちですけどフォロワー数よりフォロー数が多い人っているじゃないですか。つまり、自分はいろんな人のツイートを見てるけど、自分のツイートはあまり見られてない。なんか、そういうのって切ないんですよね。わかります?この感じ。

梅田:あー…、どうかなー(笑)

ラリー:全員じゃないですよ、全員じゃないけど、有名人とかに悪口言ったりやたら質問しまくって無視されてる人っているじゃないですか。

梅田:いますね(笑)

ラリー:そういう人に多いんですよ、そのタイプが。

梅田:あー、絡んでる人ね。

ラリー:そういうのを見ると、ただ切ないだけというか。

梅田:本人はどう思ってるんですかね?「釣れた!」って思ってるんですかね。「まんまとこいつ、俺の批判に食付きやがった!」みたいな。

ラリー:「煽り耐性低い、プップー(笑)」みたいな感じですかね。でも、そんな切ないことないでしょ、人間として。なんのためにこの世に生を受けたのかって。

梅田:そうですね。

ラリー:Twitterの負の側面を見るとそうなってしまいがちだなぁ、と思ってね。

梅田:いや、だから煽るより煽られてる方がいいんですよ。

ラリー:うんうん。なんかちょっと名言っぽくなって(笑)男なら煽るより煽られろ。黙って背中で受け止めろって(笑)

梅田:そういうことです。

ラリー:急に男らしいキャラに(笑)

 

最後、「煽るより煽られろ」ってもう名言ですよねこれ(笑)

こちらの記事(いまのネット社会はあまりに「ツッコミ」が多すぎる!:息苦しさを感じるなら『一億総ツッコミ時代』を読むべし)でも紹介し、今回の放送を聞いて、Twitterと「ツッコミ」の相性って最高にいいんじゃないか、と思うんですよね。

自分のこの発言すら「嫌なツッコミなんじゃないか?」と思ってしまうくらい、Twitterという世界はツッコミに溢れていて辟易します。

特にラリーさんの「そんな切ないことないでしょ、人間として。なんのためにこの世に生を受けたのかって。」 これはめっちゃ刺さりますねwズバズバきます。でもたしかに言ってやりたくなる気持ちも十分にわかります。人の足を引っ張ったり、無意味な批判ばかり繰り返して、そんなんで楽しいの?って。

 それが日本人の特性と言ってしまえばそうなのかもしれないですけど、雰囲気が息苦しくてTwitterを辞める芸能人もそりゃ出てきますよね…。

一方で、有名じゃない人、何かの志を持ってこれから始めようと思っている方にとってこんなに好都合な場所はないですよね。表現したものを発表したり、考えていることを大きな声で宣言することで賛同者は集まってきますし、時には同じ志を持った仲間を得られることだってあります。最近はフォロワーが少なく、影響力がさほどなくても「GHORUS」のようなサービスを使えば、魅力的なアイデアであれば一瞬で大勢の方の目にとまることだってあるわけです。

実生活でももちろんそうですが、ネット上、特にTwitterでは「ツッコミ」ではなく「ボケ」であり続けたいですね。

 

 

【書いたひと】

下津曲浩(@H_shimotsu

「ラジおこし」編集長。93年生まれの現在大学4年。好きなラジオ番組は『オードリーのオールナイトニッポン』、『ラブレターズのオールナイトニッポン0』です。お笑い芸人の単独ライブを見ることが生きがいです。

   


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