【専大校友を訪ねて】 
フジテレビジョンネットワーク局業務部勤務 坪井 貴史さん(平9・文)  
 

フジテレビジョンに入社6年目。全国のフジテレビ系列の地方局との編成面、営業面での調整セクションで活躍している。

 神奈川県大原高から文学部国文学科に入学。「サークルにも入らず、海外旅行や留学の経験もなし。映画館や劇場にばかり行っていました」と学生時代を振り返る坪井さんが一貫して追ってきたのが「笑い」だった。「世の中の断面を 『笑い』 のセンスで切り取ってみるのが面白くて。どちらかというと風刺ものが好みでした」。

 国文学科を志願したのも現代文学の中にある笑いを探ってみたかったから。在学中は立川談志の古典落語に凝り、日本ではあまり知られていないコメディの巨匠プレストン・スタージェスの映画に熱中した。先生との忘れられない出会いもあった。入試の時の試験監督だった大庭健教授。現代文学の柘植光彦教授、卒論指導の板坂則子教授。山崎勉教授 (現名誉教授) からは英文学の中のユーモアを学んだ。先生方からかけられた言葉はさまざまだったが「教室以外で学ぶことの大切さや、笑いの幅を広げる視点を教えていただきました」。

 団塊ジュニア世代で就職は厳しかった。特にマスコミは狭き門。だが就職活動でも自然体を通じ、フジテレビジョンに合格を果たした。

 入社後、念願のバラエティ番組の制作を3年間務めたが、2年前に現在の部署に異動。新しい職場は運命共同体である全国の系列27局との関係強化を担い、今後、デジタル放送時代を迎えるにあったっても重要な役割を持つ。

 「制作の仕事をあきらめたわけではないけれど、考え方が変わってきました。今では企業は多くのセクションに支えられ、それが少しでも欠けたら成り立たないと実感しています」

 テレビマンとしての幅を広げながら、ライフワークの「笑い」は追い続けている。

〔10月15日/ニュース専修10面〕

 

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