元W杯レフェリー:責めるべきは西村氏ではなく…
GOAL 6月13日(金)20時15分配信
ドイツの元レフェリー、マルクス・メルク氏は、12日に行われたブラジル・ワールドカップ(W杯)開幕戦ブラジル対クロアチア戦でのジャッジについて、日本の西村雄一主審を責めるのでなはく適切な指示を与えていなかったFIFAを批判するべきだと主張した。
W杯開幕戦では、後半にブラジルにPKを与えた西村氏の判定が世界的に大きな論争を呼んでいる。クロアチアDFデヤン・ロブレンとブラジルFWフレッジの接触はわずかだったようにも見える。ネイマールが決めたこのPKが決勝点となり、ブラジルは3−1で大会初戦を飾った。
2002年日韓大会、2006年ドイツ大会の2度のW杯に参加したほか、チャンピオンズリーグ決勝やEURO2004決勝などでも笛を吹いた元国際審判のメルク氏。同氏はPKの判断に否定的な意見を述べながらも、責任は西村氏個人にあるものではないと述べている。
GOALドイツ版の取材に対し、メルク氏は次のように語った。
「残念で仕方がない。サッカーをする一人の人間として心が痛む。ブラジルが勝利に値しなかったとは言わないが。この開幕戦という大事な試合で、あのPKはダメだ」
「日本人の主審を責めることはできない。彼は優秀で、W杯で審判を務めるのにふさわしい。だが、開幕戦で(大会の)基準をつくるには向いていない。経験も足りないが、それよりも重大なのは指示を受けていなかったことだ。笛を吹いた後、あのように逃げたレフェリーは見たことがないね。恥ずかしい気持ちになった。(だが)日本人の主審ではなく、FIFAやFIFAの理事会を批判するべきだ」
一方、1998年フランス大会の2試合で笛を吹いたタイのピロム・アンプラサート元主審は、PKの判定は決しておかしなものではなかったとGOALタイ版に語った。
「全体的に、日本の主審は良い仕事をしていた。ミスはいずれも小さなものだ。私としては、深刻な誤審はなかったと思う。西村氏のパフォーマンスは平均的なもので、彼はプレーを止めないように務めたため試合はスムーズに進んでいた」
「PKに関しては、彼にはあれを取る権利があった。ルールは明確であり、規則通りに与えられたPKだ。エリア内で相手のボールキープを妨害すれば、接触が激しかろうと軽かろうとPKを取ることができる。あとは審判の裁量次第だ」
取材: Hassan Talib Haji(GOALドイツ版)/Pitisak Chotpibulsap(GOALタイ版)
(C)Goal.com
最終更新:6月13日(金)20時15分
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