イラン:「革命防衛隊を派遣 イラク政府支援」米紙報道

毎日新聞 2014年06月13日 19時29分

 【テヘラン田中龍士】米紙ウォール・ストリート・ジャーナル電子版は12日、イスラム教スンニ派の過激派組織「イラク・レバント・イスラム国(ISIL)」と衝突するイラク政府を支援するため、イランが革命防衛隊を派遣したと報じた。イラン政府の正式発表はなく、イラン安全保障関係筋が同紙に明かしたという。

 同紙によると、派遣されたのはイランの革命防衛隊の精鋭部隊「コッズ」。ISILが制圧したイラク北部の要衝ティクリート奪還に向け、イラク・マリキ政権の政府軍支援を開始。これまでにティクリートの約85%の地域を奪還。首都バグダッドなど主要都市でも守備についている。

 イランはこれまで、同じシーア派が主導するマリキ政権を擁護する立場を強調。ISILの侵攻について「暴力とテロ活動は容認できない」(ロウハニ大統領)などと強く非難している。イラン外務省は11日の記者会見で「イラク側から支援の要請はない。イラク軍は(自ら)この事態を対処し得る」と説明し、部隊派遣に言及しなかった。

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