保守派の草の根運動「茶会」が恐るべき復活を遂げた。米中間選挙に出馬する各党候補を決める予備選で共和党のカンター下院院内総務が負けたのは、米政界版の「反乱」といえる。
今や共和党のすべての勢力、最も保守的な層までもがパニックに陥っている。共和党の次のリーダーと目されていた下院共和党ナンバー2の敗北は、オバマ米大統領にとっても悪い知らせだ。カンター氏の敗北で、移民制度改革など重要法案が年内、さらにはオバマ氏の在任中に成立する見通しが遠のくからだ。今回の予備選前でさえ、ワシントンは冷え切った状態にあったが、再び凍り付いてしまう恐れがある。
このため、現職の共和党議員はカンター氏の敗因を拡大解釈しないことが肝心だ。パニックに陥るあまり、同氏が十分に保守的ではなかったためバージニア州の地元有権者の信頼を失ったとの見方も出ている。カンター氏の実績はベイナー下院議長よりもかなり右寄りだったのだ。この見方が正しいとすれば、安泰な共和党議員はほとんどいないことになる。もっとも、カンター氏の議員生命が終わったのは自業自得の面もあるという証拠がある。
■体制派とみられたカンター氏
支持基盤を満足させておくことが政治の鉄則だ。カンター氏の選挙区はワシントンから車でわずか数時間だが、地元有権者は同氏を「不在地主」のように見なしていた。これに対し、最近実施された予備選で勝ち残ったベイナー氏などは、地元有権者に入念に配慮している。カンター氏の落選に教訓があるとすれば、体制派とみられるのを避けることだ。茶会はワシントンを敵視している。どの現職議員もワシントンに取り込まれたというイメージを人々に持たせる失態を犯すわけにはいかない。
とはいえ、カンター氏の敗北は茶会にとってだけ朗報だ。共和党の体制派は今回の予備選まで、茶会の全盛期は過ぎたのではないかと考えていた。だが今では息を吹き返し、移民排斥論者は勢いづいている。
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