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【サッカー】

本田、メディアに異例のお願い 批判は大会後に

2014年6月13日 紙面から

練習中に イレブンと言葉を交わす本田。「批判は大会後に」。報道陣には異例のお願い=イトゥで(沢田将人撮影)

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 サッカーの第20回ワールドカップ(W杯)は12日、最多5度の優勝を誇る開催国ブラジルとクロアチアがサンパウロ・アリーナで対戦して開幕。約30億人がテレビ観戦するとされ、世界を熱狂させるサッカーの祭典は、日本の約23倍の広大な国土に点在する12都市で開催される。ブラジルでの開催は1950年大会以来2度目。隣国ウルグアイに優勝をさらわれ「マラカナンの悲劇」として知られる64年前の雪辱などが注目される大会は、7月13日(日本時間14日)の決勝まで約1カ月、熱戦が繰り広げられる。

 日本代表は11日、サンパウロ北西部にあるベースキャンプ地のイトゥで、現地時間14日に迫った1次リーグC組初戦のコートジボワール戦に向け、ザッケローニ監督が構築してきた戦術の仕上げに入った。本調子ではないFW本田圭佑(27)=ACミラン=はメディアに対して批判の先送りと異例の「共闘」を求め、日本全国民に一致団結を呼び掛けた。

 刻一刻と迫るW杯本番に向け、本田は楽しそうだった。「サプライズは偶然、起きてくるものだと思っているので、ごくごく普通に生活している感じ」

 この4年間、一本気な向上心でチームを刺激してきた。自身の成長、日本の進化だけに心を砕いてきた。その自信と自負がある。柔和な表情には、緊張、重圧とは正反対にある穏やかなエネルギーが充満していた。

 すべてを自らのエネルギーにしてきた。背負う必要のない世論、メディアの批判さえも一身に背負ってきた。ただ、それは過程に限っての話。「集大成」と位置付ける最終局面に向け、本田は珍しく、真摯(しんし)な思いを丁寧な言葉で紡いだ。

 「ぼくは直接、国民の皆さんと話しているわけではない。メディアの皆さんとこういう(取材の)場を持たせてもらっているわけです。(メディアとは)持ちつ持たれつなので、感謝しているところもあれば、腹を立てるところもある。それはお互いさまでいいのではないかと思う」

 チームを取り巻くメディア、その先にはファン、サポーター、日本国民がいる。そこまで、本田は見ている。いまは見る側にも覚悟と決意、そして、何よりも団結を求めた。

 「今からは、たたく(批判する)としても大会が終わってからにしてほしいなあと思う。大会中はメディアとしてではなく、日本人として、日本代表を応援してほしい。日本人として、われわれの一員だというような気持ちで一緒に戦ってもらえれば、戦ってほしいなあというのが私の願いです」

 七転び八起きのサッカー人生だった。だから、本田は「最悪の想定をむしろ大前提に置きながら、どう勝つ確率を1%でも上げるかという作業をする」と言った。すべてを出し尽くす覚悟は、本田の腹で固まっている。 (松岡祐司)

 

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