西武−広島 8回に勝ち越し点を奪われた中田(中央)が肩を落としてベンチに戻る=西武ドームで(園田高夫撮影)
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◇西武5−4広島
西武は3点リードを追い付かれた直後の8回、メヒアの安打と送りバントで1死二塁とし、金子侑が左翼線へ勝ち越し二塁打を放った。広島は2年ぶりの7連敗。打線は粘りを見せたが、8回に登板した中田が誤算だった。
1点を追う9回2死一塁、ロサリオの左飛を見届けると、野村監督は足早にベンチから姿を消した。泥沼の7連敗。自らが指揮を執ってから、5年連続となる交流戦負け越しが決まった。
敗戦後、指揮官は「野手が意地を見せてくれた」と第一声。連敗中、初めて劣勢から同点に追いつき「打つべき人が打つと、こういうゲームになる」とうなずいた。
スコア1−2の7回、2点を失った。敗色濃厚となった8回、1点差まで追い上げると、2死から、松山の打球は右中間に舞い上がった。そのままコイ党が陣取る右翼スタンドに着弾。この日一番の歓声が沸いた。同点の5号ソロとなった。
指揮官は積極的に采配を振るうことで執念を見せた。先発の九里を3回であきらめた。「キレが良くない。一気に失点する前に流れを変えたかった。その通りにはなった」。懸命な継投で野手の奮起を呼び込んだ。
8回裏に中田が決勝点を許したが「勝ち越せないのが今の流れ。その流れに飲み込まれた」と嘆いた。交流戦の失速を「たくさん応援があるのに申し訳ない。だが試合は続く。何とか踏ん張りたい」と、顔を上げて話した。
松山も「負けはしたけれどズルズルとはいかなかった。最後まで粘れた」と前を向いた。普段は敗戦後に多くを語らない菊池も、この日は「自分たちがやれないとは思わない。明日ですよ、明日」と言い切った。
明けない夜はない。連敗は続いたが、光は確かに見えた。 (山本鋼平)
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