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イラク軍 アルカイダに反撃開始
6月13日 4時53分

イラク軍 アルカイダに反撃開始
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イラクでは、国際テロ組織アルカイダ系の勢力が北部の都市を制圧し、首都バグダッドに向けて南下を続けているのに対し、マリキ政権はヘリコプターを使って空からの攻撃を開始するなど反撃に乗り出し、戦闘がさらに激しくなることも予想されます。

イラクでは、国際テロ組織アルカイダとつながりがあるイスラム教スンニ派の過激派組織が、10日までに第2の都市、北部のモスルを制圧したのに続いて、その南にあるベイジやサマラへの攻撃をしかけ、首都バグダッドに向けて攻勢を強めています。
これに対し、マリキ政権は12日、モスルやティクリットで軍のヘリコプターを使って過激派組織の拠点への攻撃を開始したほか、市街地での地上戦に当たる特殊部隊を前線に派遣するなど、奪われた都市の奪還に向けた準備を進めています。
過激派組織がこれまでに掌握したのは、モスルなどイスラム教スンニ派が多く暮らす地域で、シーア派のマリキ首相に対する住民の反発につけ込む形で勢いを強めているとみられ、バグダッドから北におよそ100キロの地点まで迫っています。
一方、バグダッドや南部は、マリキ首相を支持するシーア派住民が多数を占め、政権側は義勇兵を募って立て直しを図っており、戦闘がさらに激しくなることも予想されます。

安保理が緊急会合

イラクで、国際テロ組織アルカイダ系の勢力が首都バグダッドに向けて攻勢をかけ、イラク軍も反撃して戦闘が激しさをますなか、国連の安全保障理事会では12日、緊急の非公式の会合が開かれました。
会合のあと、議長国を務めるロシアのチュルキン大使は記者団に対し、安保理各国が一致してアルカイダ系のイスラム過激派組織を強く非難し、イラク政府の対応を全面的に支援する姿勢を示したことを明らかにしました。
そして、「テロとの戦いが、依然として終わっていないことが改めて明らかになった。
中東全体でイスラム過激派がどのような活動を行っているか、より広範に把握する必要がある」と述べ、安保理として実態を把握するための情報収集を急ぐ姿勢を示しました。
一方、チュルキン大使は、現時点では安保理理事国の中からただちにイラクを支援する軍事行動を起こすべきだといった意見は上がっていないとしています。

イラン イラク政府支援を表明

イラクで国際テロ組織アルカイダ系の勢力が台頭していることについて、これを警戒する隣国イランのロウハニ大統領は12日に演説を行い、「テロリズムは許容できず、イランは戦う用意がある」と述べて、イラク政府の支援に乗り出す考えを表明しました。
イスラム教シーア派のイランは、みずからの影響力を高めようと、同じくシーア派が主体のイラクのマリキ政権を支えており、ここにきて敵対するスンニ派のアルカイダ系の勢力が攻勢を強めていることに警戒を強めています。
イランのザリーフ外相は11日、イラクのゼバリ外相と電話会談を行い、スンニ派の過激派グループに対抗することで連携を確認し、支援を申し出たということです。
ロウハニ大統領は、近く国の最重要政策を決める最高安全保障委員会を開き、具体的な支援策を検討することにしており、今後の出方が注目されます。

仏外相「イラクの一体性と主権の危機」

イラクで国際テロ組織アルカイダ系の勢力が台頭していることについて、フランスのファビウス外相は声明を発表し、「イラクの一体性と主権が著しい危機にさらされている」と述べて、懸念を示しました。
そのうえで、イラク政府に対し、テロの脅威に対じするとともに、避難を余儀なくされている人々の安全確保に当たるよう求めました。

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