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阪神株主が和田采配とフロントを痛烈批判!

THE PAGE 6月13日(金)15時1分配信

2人目の質問者は、「江夏豊以来、40年以上の阪神ファン」と名乗った男性の株主。和田監督の采配批判の次は、「メジャー凱旋選手などの外部からの補強に頼らず、自前の選手を育てるチーム作りをしていくべきだ」という正論を持って球団フロント批判を繰り広げた。

「阪神のチーム作りに忸怩たる思いをしています。大リーグで使われなくなった選手を巨額な費用で買いあさる。その選手が金額に応じた活躍もしない。そういう高額な選手との交渉では、出場数などの密約があるのでしょうか。もし、それがあるとするならば若い選手の出場機会がなくなって残念です。西岡に代わった上本が素晴らしい活躍をしています。スカウトが卓越した目で取ったのでしょう。パのソフトバンクやオリックスでは、名も無き選手が次々と活躍しています。今、掛布雅之さんが2軍で教えられていますが、掛布さんでも、今の時代の阪神ならば(出場機会を与えられずに)活躍していなかったのではありませんか。ぜひ自前の選手を育てて欲しいのです。お金で強くするというのでは、青少年に与える影響も悪く、第一、親御さんが、こういう球団に選手を任せられなくなります。スカウトを信頼して、強いタイガース、競り合いに強いタイガースを、日ハムの藤井さん(元社長)が、地道にチームを作りをしたように作っていただきたい。それでなければ、本当に変えなければならないのは、フロントの方々ではないかという気持ちにならざるをえない。金でチームを作るのは、やめていただきたい」

昨年オフに、掛布雅之氏を阪神のDCに招いた際、南社長は、その理由として、生え抜きを内側から育てなければならないというビジョンを口にしたが、株主やファンからすれば、その姿が、今シーズンの阪神からは見えないのである。野手では、梅野や緒方らの若手が出てきてはいるが、“掛布チルドレン”と呼ばれた伊藤隼太や森田一成は一度も1軍に呼ばれていない。一方で、外から優勝請負人として来た福留が、打率1割台で、その場所に居座っていれば、株主が「なぜ自前で選手を育てないのか」と苛立ちを覚えるにも当然だ。しかし、1軍は優勝争いが宿命づけられている。フロントとしては、多少出費してでも優勝争いのできる戦力を整えるのは、これもまた当然の仕事。

再び答弁に立った南社長は「チーム作りに自前の選手育てろ!というご意見をいただきました。(チーム作りの)王道は、ドラフトで取った選手を根気よく育ててレギュラーにすることです。それは十二分に認識しています。フロント、ファーム、現場共に共通認識があります」と、まずは、その意見に頷いた。「根気強く育てろ!という意見を、いろんな方々からいただきますが、勝負で負けると、監督が悪い、コーチは何をしている、フロントが悪いと、お叱りを受けます。勝負と育成のバランスに頭を悩ませるものですが、1軍は、勝負を捨ててまで育てるというスタンスでは戦えません。難しいですが、勝ちながら育てることです。若手が競争に打ち勝って、自分の力でレギュラーを取ることが必要です。そういう競争が生まれるとチーム全体の力にもなります。外国人、FA、メジャー帰りの選手という高額な選手のやみくもな補強は、いたしません。より慎重に検討して戦力を整えていきますので、ご理解をください」。

南社長の答えは正直だ。つまり、若手育成をチームの課題にしているが、勝負に勝つための補強戦略を捨てるわけにはいかないというフロントが永遠に抱える命題である。株主総会での株主の意見が、今後の阪神タイガースの人事や戦略に大きな影響を与えることはないが、ファンを代表する声としての重みはある。おそらくフロントにすれば、自分たちの理想とファンの考えに、そう相違のないことを認識したのであろう。

だが、そういう理想を実行、実現するのは簡単なことではない。南社長は、現場介入を避けることを質疑の中で明言したが、株主の言った「わけのわからん采配」が、今後も目立つようであれば、和田監督の采配に対して、なんらかのアクションを起こさねばならないだろう。

(文責・本郷陽一/論スポ、アスリートジャーナル)

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最終更新:6月13日(金)15時3分

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