【阪神】新井良、満塁一掃打!虎版「ルーズヴェルト・ゲーム」で貯金0免れた
◆交流戦 ロッテ7―8阪神(12日・QVCマリン)
阪神は打線が2度にわたり「ルーズヴェルト・ゲーム」を地で行く派手な逆転劇を演じ、連敗を止めた。7回に4点を奪われ、2点ビハインドとなった8回2死満塁で代打・新井良が中前に落ちる走者一掃のタイムリー二塁打。首位・巨人と3・5ゲーム差は変わらないが、負ければ勝率5割となる一戦で意地を見せた。
一塁へ走りながら新井良が祈った。「マジで落としてくれ」。思いは通じた。ロッテの中堅・岡田がグラブに収めたかに見えたボールが、前方へダイブした衝撃で転げ落ちた。走者が1人、2人、そして一塁から上本も生還。2点を追う8回2死満塁で、中前へ走者一掃の逆転二塁打を放った。
まさに「ルーズヴェルト・ゲーム」だ。点を取られては取ってのシーソーゲームに決着をつけた。初回に3点を取られたが、5回にゴメスの逆転3ランなどで逆転。だが、7回に4失点して再びリードを許し、敗色ムードが漂うなか、代打で出番が回った男が結果を出した。「最高に気持ちいいです」と興奮を隠せなかった。
定位置を争う三塁は最近、今成と兄の新井貴が出場機会を得て、6月に入って自身の先発出場は1試合。2割9分5厘と高打率を残していても、出番に恵まれない苦しい立場だが与えられた機会で結果を残した。
ホームゲームでは鳥谷らと、午後6時のプレーボールから逆算して午前10時半ごろからアーリーワークを開始。「トレーニングして、少々体が張っているのがベストコンディション」と、体を鍛えながら試合に出るコツもつかんだ。ベスト体重を把握し、増えれば夜間の食事量を減らすなど、体調管理に努めている。
7点取られても、8点取れば勝てる。負ければ貯金ゼロとなる崖っぷちだったが、粘り強く反撃してつかんだ大逆転白星。和田監督は「苦しいなかでも取ったことを、今後に生かしていきたい」と、汗をぬぐった。(辻 圭太郎)