中国:記憶遺産「申請、受理された」 日本の要求拒否

毎日新聞 2014年06月12日 20時37分(最終更新 06月12日 21時04分)

 【北京・工藤哲】中国政府が国連教育科学文化機関(ユネスコ)に対し、旧日本軍が関与した南京大虐殺と従軍慰安婦に関する資料を世界記憶遺産に登録する申請をした問題で、中国外務省の華春瑩(か・しゅんえい)副報道局長は12日の定例会見で、ユネスコが既に申請を受理したと明らかにしたうえで、日本政府の取り下げの要求には応じない立場を示した。

 華副局長は会見で「ユネスコは必要な手続きを一歩ずつ進めることになる。もし日本側が歴史問題で誠実で責任ある態度を取ることができないなら、こうした資料は(日本にとって)ますます重いものになる」と述べた。

 国営新華社通信によると、「南京大虐殺記念館」(南京市)などが2009年から申請準備を始め、今年3月に関連書類をユネスコに提出した。南京市の公文書館に加え、遼寧省や吉林省、上海市の公文書館など7館で保存されていた11種類の資料で構成されている。

 資料は、1937〜1948年に集められたもので、▽南京で判決を受けた日本人戦犯の判決文▽南京大虐殺後に生き残った人物の証言▽外国人の現場の目撃記録−−などが含まれている。

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