集団的自衛権:72年の政府見解説明へ…与党協議

毎日新聞 2014年06月13日 07時10分(最終更新 06月13日 09時12分)

公明党の山口代表(左)と安倍首相
公明党の山口代表(左)と安倍首相

 公明党は12日、集団的自衛権の行使容認を巡る与党協議で、行使を一部容認する閣議決定の議論を、政府が示した15事例より先行させる検討を始めた。安倍晋三首相が22日までの今国会中の閣議決定を強く求める一方、与党協議で個々の事例を巡る合意が遅れているため。13日の与党協議では、公明党が一部容認の根拠とする1972年の政府見解について、政府側が説明する見通し。同党は一部容認で与党が早期合意すれば、国会閉会後に事例を詳細に検討できるとみている。

 ◇閣議決定、先行を検討

 公明党は72年見解の「国民の権利を覆される急迫、不正の事態」に行使容認を限る閣議決定に加え、さらに行使容認に関する8事例を仕分けし、行使容認に具体的な歯止めをかけたい考えだ。しかし今国会閉会が迫る中、15事例を巡る同党内の意見集約が難航。閣議決定の先行論が浮上した。

 同党幹部は「閣議決定の議論を事例より先行させることはあり得る」と述べた。閣議決定後の与党協議が7月以降にずれ込んだ場合、首相が秋の臨時国会までに行う内閣改造・党役員人事などの政治日程に影響する可能性もある。

 一方、公明党は72年見解に基づく一部容認案を適用できる事例も検討。周辺有事で退避する邦人を輸送する米艦の防護は容認する方向。日本近海でミサイル防衛に当たる米艦の防護や、強制的な船舶検査(臨検)も認める検討をしている。

 ホルムズ海峡などで武力攻撃が発生し、機雷で封鎖された事例は、政府・自民党内に容認を求める声が強い。だが公明党は急迫不正の侵害に該当しないとして見送る方針だ。米国への弾道ミサイルを迎撃する事例も除外する方向だ。【田所柳子、高本耕太】

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