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最終更新:2014年6月13日(金) 0時52分

鎮静剤投与で男児死亡、東京女子医大が医療事故認める

 東京女子医科大学病院で全身麻酔に使う鎮静剤を投与された2歳の男の子が死亡した問題。ほかにも同じ薬を投与された12人の子どもが死亡していたことがわかりました。

 「心からお詫び申し上げたいと思います」

 謝罪するのは東京女子医科大学病院の幹部たち。医療事故からおよそ4か月が経った12日、初めて会見を開きました。

 事故があったのは今年2月。東京女子医大病院で首の腫瘍の手術を受けた2歳の男の子が鎮静剤「プロポフォール」を投与された後に死亡しました。この鎮静剤「プロポフォール」は人工呼吸中の小児患者への使用が原則、禁じられている薬です。しかし、男の子は人工呼吸器をつけた状態でこの鎮静剤を4日に渡って投与され続け、その量は大人の許容量の2.7倍にも及びました。

 両親によると、もともと男の子の手術は注射針を刺すだけの簡単なものでした。7分ほどで終了した手術の後、男の子は集中治療室で経過観察することになりましたが、両親には「プロポフォール」を投与する事は事前に知らされていませんでした。

 「子どもに話して聞かせた内容は、お医者さんと看護師さんがここの首の膨らみを治してくれるから、そうしたら家にすぐに帰れるから」(母親 今年5月)

 さらにこの問題の対応をめぐって病院を運営する学校法人と病院、そして大学側との内部対立が表面化します。今月5日、「大学」の医学部長らが異例の告発を行いました。遺族に謝罪を行わない学校法人の理事長らを「命の重さを軽視している」J$I$HHcH=$7$?$N$G$9!#

 「プロポフォールの使用が常態化していた。これもまた驚がくの事実」(大学側の会見 今月5日)

 批判を受けた学校法人と「病院」側はその後、過去5年間に15歳未満の小児患者63人に、プロポフォールを投与していた事も認めました。

 そして、「病院」側は12日午前中の会見で63人中、12人が死亡していたことを明らかにしたのです。病院側は「プロポフォールとの因果関係は不明で詳しく調査する」としています。そして「病院」側の謝罪会見から4時間後、同じ厚生労働省で大学の学長らが会見を行いトップらの退陣を求めたのです。

 「本当に申し訳ありませんでした。(理事長ら)全員の退陣を要求しました。国会で緊急に調査をして、国民に対し適切な対応を示していただきたい」(東京女子医大 笠貫宏 学長)

 病院を運営する理事長らの退陣要求まで飛び出した今回の事態。男の子の母親は取材に応じ、このように話しました。

 「(内部)対立があるということ・・・私たちを翻弄しないでほしい」(男児の母親)
(12日22:27)

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