2014年3月5日20時37分
東京女子医大病院(東京都新宿区)で2月、首の手術を受けた男児(2)が、3日後に死亡していたことがわかった。同病院がホームページ(HP)で公表した。鎮静剤が原因だった可能性があり、東京都は病院への立ち入り調査を実施。警視庁も業務上過失致死容疑で捜査している。
同病院によると、男児は2月18日に首のリンパ管腫の手術を受けた。その後、集中治療室で経過をみていたところ、21日に急性循環不全を起こして死亡した。院内調査の結果、鎮静剤「プロポフォール」が作用した可能性があるという。
プロポフォールは全身麻酔や人工呼吸器を使う際に用いられるが、量が多すぎると呼吸が止まる恐れもある。添付文書で「集中治療中の小児に使うこと」は原則禁じられている。専門家のそろう小児医療施設では、量に十分に注意したうえで使うことはあるという。
同病院は「患者、ご遺族に多大な苦痛とご心痛を与えてしまい、おわび申し上げます」とHPで謝罪。取材に対し、プロポフォールを使った経緯は「現時点では回答できない」とした。
東京都福祉保健局の担当者は「あってはならないこと。病院に早急に事実関係を調べるよう求めた」としている。日本大の小川節郎教授(麻酔科学)は「小児に対する安全性はまだ確立されていない。使う場合は蘇生の対応がとれるなど、十分な管理のもとでやらなければならない。検証の必要がある」と話している。
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朝日新聞社会部
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