2014年6月12日15時31分
集団的自衛権を使えるようにすることに慎重な公明党から、安倍晋三首相が唱える「限定容認論」をさらに狭めた形で容認する案が浮上してきた。1972年の自衛権に関する政府見解を基に、集団的自衛権を使う事態を厳格にする案が議論される見通しだ。だが、党内には行使容認そのものへの慎重論がなお根強く、まとまるかは不透明だ。
政府・自民側はこれまで、公明党の北側一雄副代表に対し、72年の田中内閣が示した政府見解の「自国の平和と安全を維持しその存立を全うするために必要な自衛の措置」という考え方を根拠に集団的自衛権を認めるとする閣議決定案を打診した。だが、公明側は行使の歯止めがないなどとして難色を示している。
ただ、安倍首相が今国会中の閣議決定へ強い意欲を見せる中、公明は連立政権を壊すべきではないというのが基本路線だ。こうした中、一部の公明幹部が、72年の政府見解で「国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆されるという急迫、不正の事態」が起きた場合、自衛権が発動されると明記された点に着目。この事態に限って集団的自衛権の行使を認めるようにすれば、朝鮮半島有事など日本周辺に行使の範囲が狭められるとして党内調整を進める考えだ。党内や支持母体の創価学会の理解も得られるのではないかとの見方もある。
一方、山口那津男代表は行使そのものに極めて慎重なことなどから、別の党幹部の一人は「これで党内がまとまるかはわからない」と話している。
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