nanapiのSEOはチーム戦!検索流入数を前年比166%にした施策


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こんにちは、ディレクターのまつもとです。

nanapiでは以前からSEO(検索エンジン最適化)に取り組み続けていますが、検索流入数は数年継続して伸びており、直近の5月でも前年同月比166%という結果になりました。

さて、SEOに関して技術的なことや概念的な情報はたくさん存在するものの、チームとしてどう取り組んでいるのかなどの情報が少ないと感じたことはないでしょうか?

SEOをメインとした集客設計は技術的な側面だけではない、編集・コンテンツ制作が複雑に絡んだチーム戦なので、全て私が行っているわけではありませんが担当として、今回は業務領域毎に施策をご紹介しようと思います。

施策というよりはベースとなる仕組みといったものになるかもしれませんが、参考になればうれしいです。

前提となる考え方

施策をご紹介する前に前提として、数字とチームの全体像についてこう考えているよ!ということをお話いたします。

数字の全体像

まず数字の全体像としては、検索流入数=KW数×流入数/1KW毎 というのが一番シンプルな考え方かと思います。図にするとこんな感じです。

検索流入数の考え方

検索流入数の考え方

成長させるには、KW数を増やすか、1KW毎流入数を増やすかのどちらかだよね!と分解しておきます。

チームの全体像とSEO

次にチームの全体像に関しても整理しておきます。

例えば一般的なWEBメディアであれば開発・マーケティング・編集コンテンツ制作というチームが多いかと思います。そのようなチームでのSEOを成長させる要素は以下の図のように各分野の領域にまたがっています。

チームの全体像とSEO

チームの全体像とSEO

効果を出すためには、各領域での動きをバラバラにするのでなく多くの領域のちからを集約できる場所を見極めて(図の★)、そこに注力するのが一番効果的と言えます。
そのためにSEOの重要性をチームで共有するというのは大前提で大切なことと言えると思います。

nanapiのSEOはチーム戦!領域毎の施策をご紹介

続いてnanapiで行った施策をご紹介していきます!上記の全体像とご自分のチームの現状を比較しながら読んで頂けると、参考になるかもしれません!

表示速度改善でUX最適化

まず開発領域の施策に関してご紹介します。SEOの取り組みは広い意味で「ユーザー最適化」なのでUXなども直接的な影響はなくとも大事にしたいところですよね。nanapiでも以下などページの表示速度改善を行いました。

  • 記事内画像サイズの最適化とプログレッシブJPEGに変更
  • CTRが低い関連記事枠などを減らし、プログラムの処理を減らす
  • 必要ない背景画像やアイコン画像をテキストやCSS描画に変更
  • 背景画像やアイコン画像を圧縮
  • すべての広告タグを非同期タグに変更
  • load timeが長い外部JSを削除(分析サービスやリタゲ用タグなど)
  • また、本施策に関しては担当の者が以下の記事に詳しく書いています。こちらも是非のぞいてみてください。
    たった7つの施策でnanapiのPV単価が144%になった話

    さらに技術的な施策について知りたいよ!という方はこちらをどうぞ!
    ユーザーのためが最強のSEO!nanapiのSEOで何をしているか – nanapi社長日記 @kensuu
    CSS Nite LP24フォローアップ(6)『事例で考える「SEOの力」』(辻 正浩さん) | CSS Nite公式サイト

    中長期KW戦略でニーズをおさえた流入獲得

    次にご紹介したいのがマーケティング領域の中長期集客設計です。

    nanapi.jpでは世の中の課題に対してハウツーを提供していくことで世の中の「できることをふやす」を実現しようとしています。検索キーワードは、世の中の課題ニーズトレンドとほぼ一致しているため、検索キーワードを意識した記事制作を行っています。

    そこで、中長期で解決したい課題(=検索キーワード)にこたえながら全体で解決できる課題数を増やしていくため、様々な調査によってリスト化し集客戦略を立てています。
    そのリストが以下の図です。

    中長期対応KW例

    中長期対応KW例

    拡散に強いコンテンツ作りで良リンク獲得

    続いて編集・コンテンツ制作領域です。

    SEOで被リンクは重要な要素の一つです。nanapi.jpでは、「被リンク=ユーザーからの支持を得た結果」としているため、より支持が得られるコンテンツ制作を心がけており、時代にあった制作方法や拡散方法を日々模索しながらがんばっています。

    例えばnanapiではこんな記事や拡散方法にチャレンジしています。

    【 専門家への取材記事で100ツイート超え 】
    nanapiではこれまであまり専門家さんへの直接取材というのはやっていなかったのですが、より質の高いコンテンツにチャレンジしよう!ということで以下の記事などがうまれました。
    快眠セラピストが教える、睡眠の質をよくする11の方法
    【プロ直伝】最強のアイスコーヒーを作る方法

    【 ひと目でわかる!カード型コンテンツで過去記事が200ツイート 】
    これは拡散時の表現手法を工夫したよ!というご紹介です。元々nanapiにあった記事を再利用して一枚のイラストを拡散時に加えたよ!というのが以下です。

    ※ツイート数はイラストではなく、記事のツイート数です。

    SEOライティングで周辺の課題ニーズにも対応する

    こちらもコンテンツ領域に関するご紹介。

    「Facebook 退会」で流入の多い記事がnanapi.jpではあるのですが、ニーズを見てみると「Facebookを退会したい」という人だけではなく、「Facebook やめたい」、「Facebook 登録解除」など、キーワードは違いますが、課題ニーズの元は同じことがあります。そのような課題ニーズに対応するため、周辺ニーズを意識したSEOライティングを行っています。

    以下の例では「Facebookを退会したい」という課題解決に対して、そもそものユーザーの声や悩みを具体化して文章にしたり、「Facebook やめたい」、「Facebook 登録解除」などの周辺ニーズにも対応できるようにしています。

    ひとつの課題に対して、検索キーワードは様々

    ひとつの課題に対して、検索キーワードは様々

    ※編集者やライターにとってはあまり馴染みがないので背景や目的などをきちんと説明して、あくまでユーザー目線でのライティングを心がけましょう。

    コンテンツ品質に関連することはマメにオペレーションに落としこむ

    上記のSEOライティングのところでも少し触れましたが、続いてオペレーションへの落とし込みのお話をしたいと思います。

    こちらに関しては以下のSEMリサーチの引用でご説明します。

    ページの長さや文字数、更新頻度(内容変更頻度)は(順位とは関係なく)問題ではありませんが、同時にこれらは品質を決定する要素でもある、という点に注意しなくてはなりません。つまり、SEO の運用上は、どの要素が品質に影響するかを見極めた上で、更新作業を意識する必要があるということです。

    SEO:コンテンツの文字数や更新頻度は本当に関係ないのか?::SEM R (#SEMR)
    上記にあるように、直接順位には関係ない要素が、結果品質に影響するため、考え方の話だけで終わってしまうと肝心なコンテンツやサービスが置いてけぼりになってしまう恐れがあるのです。それを防ぐために「正解はない」「SEOはユーザー最適化」という前提を共有した上で、オペレーションに落としこむことをおすすめします。

    例えば弊社では、タイトルの付け方や考え方、記事のベースとなるテンプレ、記事執筆の際の注意点等を共有し、日々更新しながら運用したりしています。ルールではなく目安として、必ず守らなければいけないわけではないけど、そこで迷うくらいならこうしてみてね、という認識で使うとよいかもしれません。

    記事執筆に関するものだけで100個くらいありそうだったので一部抜粋します。

    【 タイトルの付け方の背景となる考え方 】

    **意識したいこと
    意識してもらいたいところは以下の1点です。

    ***クリックしたあとに、期待値がズレないこと

    たとえば、ものすごいいい内容なのにタイトルが悪いとクリックしてもらえません。これは内容が素晴らしいのにいいタイトルがつけられていないということになります。

    一方で、おもしろそうなタイトルなのに内容が悪いと、サイトの信頼度が下がります。

    これは極端な例だけではありません。たとえば、「女性に好きといってもらえる3つの方法」のようなタイトルだった場合、ある程度のボリュームと、見たことない情報をユーザーは期待します。しかし、それが「「とにかく清潔でいよう」「相手を思いやろう」「自分から好きになろう」のように、一般論であると期待値と大きく乖離します。あたりまえじゃないか、と思ってしまうのですね。

    こういう場合は「女性に好きといってもらうための基本中の基本3選」などとすると、「ああ、当たり前のことが書いてあるんだな」という期待値になるので、問題がなくなるのです。

    タイトルを見た時の期待値と、内容が一致完全になるように意識してください。

    **参考
    記事タイトルをつける際に大事なことは「期待値コントロール」である

    正しい情報共有で各々の判断をスピーディーに

    最後は地味だけどやっておいたほうがいい「情報共有」に関することです。

    SEOに関する理解度がチームの中でまちまちだとチームメンバーがいろんな情報に振り回されてしまったりします。各々が自分の判断でスピーディーに行動できるのが一番望ましいですよね。

    シンプルですが「正しい情報を共有する」ことはチームでSEOを強くしていく上でとても大切なことなのではないでしょうか。
    特に大事なのは「SEOはテクニック論ではなく、広い意味でのユーザー最適化」だと共有することだと思います。

    例えば弊社では数週間に一度最新情報を共有したりしています。

    Qiitaで情報共有

    Qiita:Teamで情報共有

    このような啓蒙活動が地味にきいてくるのがSEOという中長期の取り組みでおもしろいところだと思っています。

    また、SEOの考え方に関してはこちらでも古川が触れています!合わせて是非ご覧ください。
    アルバイトから社長まで知っておくべきSEOにたいしての考え方

    さいごに

    nanapiではSEOに関する攻めと守りの施策を関連分野毎に日々推進しています。

    SEOの取り組みは短期的に結果を求めるのは難しく、また決してひとりの力では達成し得ない仕事だと思いますが、そのような難しいチーム戦だからこそ成果を出せた時の喜びを人一倍感じられる仕事だと思います。

    チームでSEOに取り組まれている方の参考になれば幸いです。

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