ビッグデータ

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楽天におけるビッグデータとその収集・解析基盤の構築

2014/06/13
平手 勇宇=楽天、王 永坤=楽天 (筆者執筆記事一覧
出典:情報処理学会デジタルプラクティス Vol4, No.1, January 2013  
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

 楽天は1997年の創業以来、会員数・流通額・提供サービス数を急速に拡大させており、楽天市場を中心とする楽天のシステムでは、様々なサービスから生成される多種多様な大規模データが日々蓄積され続けている.ビッグデータと呼ばれるこれらのデータ群を、いかに統一的なプラットフォームで収集、解析し、ビジネス側に迅速かつ的確にフィードバックを行うかが、楽天にとって重要な課題となっている.この課題に対処するために、楽天では現在、楽天スーパーDBと呼ばれる大規模ユーザ属性DBプラットフォーム、およびグローバルイベント解析プラットフォームを構築・運用を行っている.本論文では、楽天でのビッグデータの例を紹介するとともに、2つのプラットフォームの紹介を行う.

1. はじめに

 楽天は、 1997年にオンラインショッピングモール「楽天市場[1]」のサービス提供を開始して以来、会員数、流通額を伸ばしており、2011年は楽天市場における年間流通額が1兆円を突破した.また、楽天市場だけではなく、オンライン旅行サイト「楽天トラベル[2]」や、ポータル・メディア事業、銀行やクレジットカード等の金融事業など、提供するサービスを拡大させてきている.さらには、楽天はグローバル化を進めており、アメリカ、フランス、イギリス、ドイツ、タイなど、ECサービスを提供している地域を拡大させている.

 事業の拡大に伴い、楽天グループのシステムでは、多種多様なフォーマットの大規模データが、至る所で日々生成され続けており、これらのデータをいかにして、横断的に収集・蓄積し、解析をすることでサービスに活用していくのかが重要な課題となっている.このような状況を踏まえ、現在楽天では、多種多様な大規模データの収集、蓄積、解析を実現するプラットフォームの構築・運用に取り組んでいる.本稿では、その中の取り組みの例として、7,500万人を超える会員のユーザ属性情報を一元的に管理するDBプラットフォーム、およびグローバルイベント解析プラットフォームの構築・運用を取り上げ、楽天におけるビッグデータへの挑戦について述べる.

 本論文では、以降、次のような構成をとる.第2章にて楽天で取り扱っているビッグデータの例を示し、第3章にて楽天スーパーDBについて紹介を行う.第4章では、グローバルイベント解析プラットフォームについて紹介を行う.第5章にてまとめを行う.

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