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 在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)中央本部の土地・建物(東京都千代田区)の売却が決まってから1カ月たつものの、手続きがほとんど進んでいない。競売で落札した不動産投資会社「マルナカホールディングス」(高松市)に、東京地裁から手続きの書類が届いていないためだ。

 同社代理人の白井一郎弁護士は「資金は用意できているが、手続きが進まないため困惑している」と話している。書類が届かないことについて地裁からは、「これまでの審理の記録が最高裁から戻らないため、手続きが始められない」との説明を受けたという。朝鮮総連の不服申し立てを受けた最高裁が、慎重な審理をしているとみられる。

 昨年10月の入札で約50億円で落札したモンゴル企業が書類不備で購入できなかったため、地裁は今年3月、2番目の金額だったマルナカHDへの売却許可を決定。朝鮮総連の不服申し立てを東京高裁が先月12日に退け、同社への売却がほぼ決まった。

 朝鮮総連は同月16日、最高裁に特別抗告したが、売却手続きは高裁の決定に基づいて開始される。通常であればすぐに、約1カ月の期限が示された書類が落札者に届き、期限内に代金を納めれば所有権が移転する。(千葉雄高)