Updated: Tokyo  2014/06/13 07:38  |  New York  2014/06/12 18:38  |  London  2014/06/12 23:38
 

米国債:上昇、30年債入札好調-景気回復まだら模様との見方

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  6月12日(ブルームバーグ):米国債相場は続伸。米国の景気回復は依然まだら模様との見方やイラク情勢の緊張を背景に、30年債入札では需要がここ1年余りで最高となった。

既発30年債利回り は2週間で最大の低下。入札では海外の中央銀行を含む間接入札者の落札比率が過去8年で最大となった。

ユナイテッド・ネーションズ・フェデラル・クレジット・ユニオン(ニューヨーク)の最高投資責任者(CIO)、クリストファー・サリバン氏は「経済成長は予想を若干下回っている。第2四半期は考えられていたほど上り調子ではない。よって債券投資にとってはかなり前向きな状況だ」とし、「米30年債は他の先進国に比べてかなり高い利回りを提供している。需要は極めて強い」と指摘した。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後5時現在、30年債利回り は前日比6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の3.41%。下げ幅は5月28日以来で最大。同年債(表面利率3.375%、2044年5月償還)価格は1 1/32上げて99 11/32。

10年債利回りは4bp下げて2.6%。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの指数によれば、30年債の月初来リターンは前日までで2.8%。1-5月では14%だった。30年債利回りは5月29日に3.26%にまで低下。前日には一時3.49%に上昇した。

30年債入札

30年債入札での最高落札利回り は3.444%。入札直前の市場予想は3.463%だった。

投資家の需要を測る指標の応札倍率 は2.69倍と、13年2月以来で最大。過去10回の平均は2.35倍。

間接入札者 の落札比率は51.8%と、06年2月以降で最大。前月の入札では40.4%だった。過去10回の平均は41.3%。

プライマリーディーラー(政府証券公認ディーラー)以外の直接入札者 の比率は21.8%。前月の入札では8.4%だった。過去10回の平均は16.1%。

プライマリーディーラー の比率は26.5%と、財務省が入札参加者のデータ公表をはじめた03年以降で最小となった。

イラク情勢、米経済情勢

ED&Fマン・キャピタル・マーケッツの米債券金利責任者、 トーマス・ディガロマ氏は入札前に「地政学的な不透明さが再び増し始めている。イラクは完全な混乱に陥っているようだ」と指摘した。

オバマ米大統領はイスラム過激派が攻勢を強めているイラクで、同国政府の反撃を支援するため空爆の選択肢も排除しない考えを示した。イスラム過激派は主要都市を掌握しており、宗派間の対立から内戦に突入する恐れが出ている。

オバマ大統領はオーストラリアのアボット首相とホワイトハウスで会談後、イラクは「明らかに非常事態」であり、同国政府は一層の助けを必要としていると述べた。

商務省が発表した5月の小売売上高 (速報値)は、季節調整済みで前月比0.3%増加した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は0.6%増だった。前月は0.5%増(速報0.1%増)に上方修正された。

労働省が発表した先週の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は31万7000件と、前の週に比べ4000件増加した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値(31万件)も上回った。

FTNファイナンシャル(テネシー州メンフィス)の機関債調査責任者、ジム・ボーゲル氏は景気回復は「依然としてあまり確信の持てる状況ではない。年初には非常に楽観していた」と述べた。

原題:Treasuries Rally as Uneven Recovery Bolsters 30-YearAuction(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Daniel Kruger dkruger1@bloomberg.net;ニューヨーク Susanne Walker swalker33@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:Dave Liedtka dliedtka@bloomberg.netKenneth Pringle

更新日時: 2014/06/13 06:42 JST

 
 
 
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