理研:解体、納得できない…再生研の研究員ら複雑

毎日新聞 2014年06月13日 01時35分(最終更新 06月13日 01時44分)

理研の「発生・再生科学総合総合研究センター」の建物=神戸市中央区で2014年6月12日、本社ヘリから後藤由耶撮影
理研の「発生・再生科学総合総合研究センター」の建物=神戸市中央区で2014年6月12日、本社ヘリから後藤由耶撮影

 理化学研究所の改革委員会に「解体」を迫られた神戸市の理研発生・再生科学総合研究センター(CDB)。改革委が東京都内で記者会見した12日夜、一部の研究者がCDBの一室に集まり、インターネット中継に耳を傾けたという。

 北島智也チームリーダー(35)は厳しい内容の提言を聞き、「問題が起きた以上、外部の意見は重く受け止めないといけない」と自身に言い聞かせるように話した。しかし、「解体とは具体的に何を想定しているのか。研究室の廃止というなら到底納得できない。そうでなくても、今後の研究に支障が出ると非常に困る」と不安を漏らす。

 別の30代の研究室のリーダーは「解体が単なる見せしめなら反対」と不満そうに話す。センターは、若手の積極的な登用で知られ、海外から国内に戻る若手研究者の貴重な受け入れ先になってきた。「若手の登用や縁故採用の廃止という現在のCDBの方針と逆行するなら大変残念」と訴えた。

 一方、CDBを中核に医療関連産業の集積を図る「医療産業都市」を推進している神戸市の久元喜造市長は「iPS細胞などの研究実績の評価は確立している。再発防止の取り組みや組織風土の改革を積極的に進めて、早期の信頼回復を図ることを望んでいる」とコメントした。市医療産業都市・企業誘致推進本部の幹部は「再生医療を担う機能は、医療産業都市に必要。理研には速やかに、きっちりと対応してほしい」と話した。【斎藤広子、神足俊輔】

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