自衛隊機に中国戦闘機が異常接近 東シナ海6月11日 17時20分
11日昼前、東シナ海の日中中間線付近で、監視飛行中の自衛隊機が中国軍の戦闘機から一時、およそ30メートルまで異常に接近されました。
中国機による自衛隊機への異常接近は、5月下旬に続いて2度目です。
防衛省によりますと、11日午前11時ごろから正午ごろにかけ、東シナ海の日中中間線付近で、航空自衛隊のYS11電子測定機と海上自衛隊のOP3C画像データ収集機が、中国軍の戦闘機から異常に接近されたということです。
接近したのは、中国軍のSu27戦闘機で、航空自衛隊機には一時、およそ30メートル、海上自衛隊機には一時、およそ45メートルまで、いずれも追い抜くようにして近づいたということです。
写真からは、左の翼の下に白いミサイルのようなものが確認できます。
防衛省によりますと、自衛隊機への被害はないということです。
自衛隊の2機は通常の監視飛行中で、異常接近を受けたのは、日本と中国の防空識別圏が重なる空域だということです。
東シナ海では先月24日にも、今回とほぼ同じ空域で、監視飛行中の自衛隊機に中国の戦闘機が一時、およそ30メートルまで異常接近し、政府は極めて危険な行為だとして中国側に抗議しています。
一方、日中間では、不測の事態を回避する取り組みが、おととしの日本政府による尖閣諸島の国有化以降、進展していません。
小野寺防衛相「中国軍はしっかりとしたモラルを」
小野寺防衛大臣は東京都内で記者団に対し、「前回も含め、中国軍機の一方的な行動は偶発的な事故につながりかねない大変危険な飛行で、決してあってはならないことと認識している。日本のパイロットが危険を感じるような、大変荒い飛行だったと報告を受けた。中国の軍当局に、しっかりとしたモラルを持っていただきたいということに尽きる」と述べました。
そのうえで、小野寺大臣は「今後も日本の領土、領海、領空を断固として守っていくという考え方のもと、警戒監視を続けていきたい。また、日本と中国の防衛当局者が緊急時に連絡を取り合う『海上連絡メカニズム』の構築は重要だ」と述べました。
外務省参事官が電話で抗議
外務省アジア大洋州局の下川参事官は11日夕方、東京にある中国大使館に対し、「先月、同様の事案が起きた際に、厳重に抗議したにもかかわらず、再び、こうした事態が起きたことは誠に遺憾だ」と電話で抗議したうえで、詳しい状況の説明や再発防止を求めました。
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