2014年6月12日22時59分
理化学研究所の小保方晴子ユニットリーダーらがつくったとしているSTAP細胞について、理研統合生命医科学研究センター(横浜市)の遠藤高帆・上級研究員らが、別の万能細胞(ES細胞)だった疑いを指摘していることがわかった。理研改革委員会は会見で、STAP細胞はES細胞の可能性があるとの見方を示した。
改革委は、遠藤氏らから聞き取った内容を提言書に記載。それによると、遠藤氏らがSTAP細胞として公表されている遺伝子データを解析したところ、8番目の染色体が3本ある「トリソミー」という異常があった。
STAP細胞論文では、生後1週間のマウスからSTAP細胞をつくったとしているが、この異常があると通常生まれることができない。ES細胞を培養したときに、この異常が生じることが知られているという。
また、STAP細胞からつくったとされる細胞も、同様の解析で、ES細胞などを混ぜたものの可能性が高いという。
委員の塩見美喜子・東京大教授は「この結果は信憑(しんぴょう)性が高い。STAP細胞は、マウスからとってつくったのではなく、どこからか(ES細胞を)持ってきたのではないか」と述べた。
東京大の菅野純夫教授(ゲノム制御医科学)は「意図的な混入の可能性が高いのではないか」と話している。
一方、理研CDBの竹市雅俊センター長は会見で指摘への受け止めを問われ、「(遠藤氏から)説明は直接は聞いてない」として答えなかった。
STAP細胞の再現実験を担当しているCDBの丹羽仁史プロジェクトリーダーは4月の会見で、「胎児と胎盤の両方に同時に変化できるSTAP細胞は、ES細胞などを使ってつくることはできない」とES細胞の混入では説明できない現象があると反論している。
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