NHKスペシャル 日本新生「日本の医療は守れるか?〜“2025年問題”の衝撃」 2014.05.31

私たちの命を守る医療。
その医療が今深刻な事態に直面しています。
高齢化に伴い病院に患者が殺到。
救急患者の受け入れにも支障が出始めています。
毎年1兆円規模で伸び続ける医療費。
4月から消費税の税率や高齢者の自己負担の一部を引き上げたもののとても賄いきれません。
このままでは10年後日本の医療は重大な危機に陥るおそれがあります。
2025年問題と呼ばれています。
2025年戦後のベビーブームで生まれた団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となり医療を必要とする人が一気に増えます。
その結果医師や病院がひっ迫。
命に関わる場合でも治療が受けられない事態に陥るというのです。
そしてその時国の医療費は54兆円。
現在の1.5倍に膨れ上がります。
どう賄うのか?既に国は膨大な借金を抱え税金や国債に頼るのは限界があります。
保険料を上げればただでさえ年金の負担に不満を持つ若い世代に更にしわ寄せが行きます。
かといって自己負担を増やせば病院に行くのを控えるお年寄りが出てくるおそれがあります。
国も危機感を募らせています。
医療と介護を一体として捉え制度を抜本的に見直す法案を国会に提出。
現在審議が続いています。
2025年10年後に迫る日本の医療の危機。
どうすれば乗り越えられるのか考えます。
(拍手)こんばんは。
こんばんは。
命を支える病院。
お年寄りが増えて2025年にはベッドが大幅に足りなくなります。
病院今も混んでますよね。
それがその比じゃないかもしれないという。
医療といえば川島さんがんの手術をされて…。
今年でしたよね?そうです。
結構大きな手術?そうですね。
12時間かかりました。
元気になられてよかった。
むちゃくちゃ元気です。
手術の直前まで全然元気でしたし何の症状もなかったので。
12時間の直後はかなり3日間ぐらいしんどかったですけどあとはもうすぐ元気になりました。
…だといいですね。
高齢な方がまだまだこれから増えてくると今よりも病院は更に間違いなく混み合います。
1人の方がいくつもの診療科を受診されるので実は…そういう状況って太田さん?ありますね。
1人重症患者が来れば次はごめんねって。
サボってる訳じゃないですよ。
1人やってるので次は受けられないって状況があって今はそれでも東京とかだと隣の病院とかがあるからまだたらい回しって言えますけど……っていう事はあると思います。
今日は日本の医療の方向性を決めてきた日本医師会会長の横倉さん。
そして元厚生労働省の事務次官の水田さんも交えてみんなで議論を深めていきたいと思っております。
さあこの2025年問題どうしていけばいいんでしょうか?まずは日本の医療はどんな状況になっているのか詳しく見ていきます。
2025年までおよそ10年。
医療の現場では既に深刻な事態が広がっています。
東京・大田区にある大森赤十字病院。
救急患者の命を救いがんや脳の疾患など高度な医療を行うのが役割です。
ところがここ数年症状の軽い高齢の患者が増え外来の窓口には1日800人以上が押し寄せます。
診察室を増設し医師を2倍近くに増やしましたが追いつきません。
入院病棟もほぼ満杯。
ベッドの9割以上が常に埋まっている状態です。
入院した高齢の患者が長くとどまるケースが増えているからです。
いずれ本来の役割である重症の患者の受け入れも難しくなると危機感を強めています。
10年後の2025年事態は更に悪化。
日本の医療は崩壊の危機に直面すると警告する専門家がいます。
国際医療福祉大学の…試算によると2025年75歳以上の後期高齢者が全国的に増加。
特に大都市圏で急増します。
その結果現在でも医師不足が深刻な地方に加え都会でも医師がひっ迫。
命に関わる事態が起きかねないといいます。
10年後の医療の危機はなぜ起きるのか。
それは団塊の世代と深い関係があります。
戦後のベビーブームで生まれた団塊の世代。
昭和22年からの3年間270万人前後の人が生まれ日本社会に大きな影響を与えてきました。
この団塊の世代が2025年75歳を越える事で医療が必要な後期高齢者が一気に増加。
現在より600万人多い2,180万人に達するのです。
例えばお金の問題。
後期高齢者の医療費は年間89万円。
若い世代の8倍もかかるの。
ええ〜っ!2025年の日本の医療費は54兆円に膨れ上がる。
介護と合わせると年金を上回る規模になると予想されているの。
病院を作るのにもお金が要るでしょ。
国の財政も厳しいのよ。
そっか…。
それに少子化の問題もあるの。
お医者さんや看護師を増やそうと思っても働く若い世代が減っていくでしょ?病院を作るのはなかなか難しいのよ。
ご覧頂いたように日本の病院は大変切迫していてこのままですと重症患者の治療にも影響が出かねない状況なんですね。
佐藤さん。
テレビとか新聞とかで救急病院をたらい回しされて亡くなる方もいたなんていうのがあるんですけど都市部に…横浜なんですけどそういう事あんまりないんであれだったんですけどこれから…そう思うとちょっと心配ですね本当に。
真壁さん看護学生ですよね?ある病院に実習に行った時に患者さんがすごく不安がってて手術の日もまだ聞いてないとか日付が近くなって聞かされるとかいう状況だったので患者さんも今の医療の現状で苦しんでいるというか不安になっているので…。
病院が忙しいからね。
もっと医学部を増やして医者をもっと増やしてほしいと思います。
今毎年9,400人入学してます。
これはこの5年間で1,400人増やしてる。
医学部1つ作るとそこに数百億の税金を導入しないといけない。
お金がかかるんですね。
今医学部を作ると決めても卒業して…そうするとその時は人口落ちてくるでしょ。
その時に過剰になった時にどうなるかという問題が一つある。
若い皆さんどうですか?今の。
本当に私とか普通の学生で多分医療の事を考える機会なんて全くなくて多分こういう機会があるからこそ考えると思うんですけど…税金もそうですけど。
やっぱり社会保険料が年々上がってってますんで自分もそういうので生活を圧迫されてそういうのを考えるとやっぱり高齢者にもそれなりの負担をして頂かないと困るなというのが正直なところですね。
でも何か話を聞いてると普通の産業だったらこれだけ不満がたまってる消費者がいらっしゃるならよしチャンスだと思う起業家が出てくるはずですよね。
ラーメン店が混んでる場合は大体…だから総合病院に3〜4時間待ってるお客さんがいらっしゃるなら向かい側にすぐ行けるクリニックとか作ってもいいんじゃないかと思うんです。
飯野さんどこに問題があるというふうに思いますか?ちょっと調べてみると日本の社会が高齢化してこれから患者が増えていくという事は1970年代ぐらいから議論になっていた訳ですよ。
これまで30年間何をやってきたのかという事で言うとやっぱり私たちみんな行政もそうなんですけれども医療関係者も患者の側もあいつが悪いこいつが悪いって言ってるだけで何かみんなで共有して考えていく機会をずっと作ってこなかったという事があってそれは是非水田さんにお聞きしたいんですけれども国の厚生労働省としてこういう状態になる事は前から分かっていたのにどうしてここまで進んでこなかったのか。
どういうふうにお考えですか?あの…。
(笑い声)それなりにいろんな手は打ってきたんですけれどもなかなか有効な手段が…。
日本は社会資源を全部統制している国でもありませんしみんなが自分の判断で選ぶんだというフリーアクセスの問題もありますしそういう中でどういういい姿を作っていこうかという事だったんですけれども医療も含めて介護も住まいも準備されているような環境を作ろうと。
それを本当はやりたかったんです。
10年前にもやりたかったんだけれども…4月の消費税増税でようやくコンセンサスが出来て一歩を踏み出せたという事なんでその全体像の理解があった上で負担するものは負担して頂くという事で初めて…。
それはほんの僅かの効果ですよ消費税っていったって。
これからずっと消費税を上げていかない限り社会保障給付費っていうのは増える一方ですからGDPが増えない限りは消費税は10%では全然足りないんです。
だから支出の方をなんとか合理化しなければいけない。
もちろんそうなんです。
多分20年ぐらい前までは少なくとも21世紀になる前日本の医療制度は相当いいんですよ。
よく出来てるんです。
だけれども高齢者が増えてきた。
医療のできる事が増えてきた。
受け皿としてはパンパンだし医療に行きたい人もどんどん増えてくる。
この時に…あるいは社会の変化ほどのスピードで行われなかったというのが一番大きい問題で。
これが問われている事は分かりました。
それをこれからみんなで見ていこうと思います。
キーワードは「病院から地域へ」。
誰でも大きな病院で見てもらえる今の仕組みを変えて地域のお医者さんに行ってもらおうというの。
大きな病院は高度な検査機器などでばく大な費用がかかっている。
だから体調が悪くなっても病院には行かずまず地域のお医者さんにかかってほしいっていう事。
そして重い病気で入院してもできるだけ早く退院して在宅に移ってほしいっていう事。
えっ?さっさと病院から出て行けって事?そんな事言われても…。
「病院から地域へ」。
実現するのは難しいのが現実です。
東京大森赤十字病院。
地域の医師とネットワークを結び病状が安定した患者に自宅近くの医師を紹介。
そこに通ってもらう事で病院に来る患者を減らそうとしています。
2年前心不全で緊急入院した患者です。
今は容体が安定し月に1度この病院に通っています。
高齢の患者が殺到する2025年問題。
解決の糸口は見えていません。
病院に来る患者さんを制限すべきだという動きも出ているんですよね。
中島さんはどういうふうに思われますか?やはり24時間という1日の時間が決められていてフル稼働できるだけの力も私たちもありませんので私たちも休まなければいけなくなってくる。
疲労困ぱいの医師の手術を受けるという危険性も当然ある。
やはり質のいい医療を…危険な医療は提供したくないというのが私たちの思いなのでそこへ更に多くの患者さんが来られると十分対応はできない。
結局医療っていうのは最初から限られた資源しかないんですよ。
どういう形でシェアするかっていう議論にならないと最初からみんなが思いどおりの医療を受けられる事はどこでも絶対無理なんですよね。
患者の側も考えてくれよっていう事ですが佐藤さん。
どういうふうに考えればいいのかなって感じがしますね。
だけど不要不急な救急って自分たちは分からないじゃないですか。
同じ病気だったらここはまだ我慢できるなとかこれはちょっと違うから行こうかなと思うけど初めて経験する病気だったら…やっぱり一回病院に行かざるをえないんじゃないかなと思うんですよ。
(宮近)そういう時にかかりつけのお医者さんを持つといいんですね。
(佐藤)「かかりつけ医」って言ったって総合科っていうのはないじゃないですか。
クリニックは。
だから内科だとか外科だとか…。
(宮近)内科でいいんじゃないですかね。
何でも内科でいいんですか?
(宮近)え?何でも内科でいいんですか?最初は。
外傷以外は内科の先生にまずは相談したらいかがですかね。
(角田)いやちょっと私反論です。
私8年ほど前に心房細動…不整脈になりました。
会社の健康診断で3年続けて引っ掛かりました。
行きますとね「まあ様子見ましょうか。
ワーファリンでも入れますか?」ぐらいだったんです。
結局3年ぐらいたったら心臓が寝しなに止まりましてドンと来る訳ですよね。
いわゆる発作。
という事はお医者様は…信頼してますよ。
すごく信頼してるんだけど…横倉さん今のなかなか近所のお医者さんに行ってもあるいは専門分化してどうしていいか分からない。
そういう指摘にはどういうふうに思われますか?私ども今皆さんさっきお話があったかかりつけ医を持って下さいと。
国民全てが1人ずつ自分のかかりつけ医を持ってもらおうと。
これは健康を守るという意味でも非常に意味がありますし何か病気をされた時も気軽に相談できるようなお医者さん持って下さいと。
心房細動から多分発作性の頻拍になってドンと発作が起きたと。
そうなる前に一度詳しい検査をしてほしいんですね。
そうなると地域の中で…ですから検査をしました。
36時間とか2回もやった。
そしたら結果的に…「飲みますか?」で止まっちゃったの?止まったの。
それがずっと続いて最終的には毎日ですよ寝しなに。
かかりつけのお医者様をちゃんと持つというのはすごく難しいと思うんですよ。
私はまず人間ドックで大学病院の大きなところで腫瘍が見つかってそれでどうしたものかと。
もうとにかく自分で身の丈ほどの医学書読んでいろんな人の意見を聞いて…。
それでセカンドオピニオンサードオピニオンフォースフィフスシックスセブン…。
とにかくありとあらゆる大きな病院のところにセカンドオピニオン聞きに行ったらその中で私が「あっこの人にだったら自分の命を任せてもいい」っていうお医者様にやっと出会えて。
結果それだけ悩んで選択した自分の医療ですので大成功しました。
そしてこれから自分の命を預けた先生のところに定期的に通ってずっと診て頂こうと思ったらその先生は…もう患者じゃなくなったら興味なくて「もう元に戻って下さい」というか「主治医のところ戻って下さい」と言われて「え〜!?」って。
私としては本当にそこに…命預けたのに腫瘍が無くなったらもう私に興味なく…。
だからさっきのVTRのおばあちゃんの気持ちがすごく分かるの。
あのおばあちゃんがせっかくここで治してもらったんだからずっと先生に診てもらいたいのにとおっしゃってたでしょ。
だから自分が一回命を預けたらずっとそこで診てもらいたいと思うのにそうやって「元気になったから行って下さい」と言うから自分のホームドクターを持つというのは大変大変難しい事なんです。
八代さん。
どうぞ。
すみません。
川島さんの言う事はよく分かるんですけども問題はやっぱりかかりつけ医ですね。
先ほど横倉先生が言われた…。
どのかかりつけ医かが大事なんですね。
それは単なる内科医さんじゃなくてやっぱり家庭医というものが必要になってくる訳です。
家庭医というのはもう一人で複数の病気を対応できる。
そういう家庭医が日本にいないという事が実は問題なんですね。
家庭医という新しいタイプのお医者さんが2025年問題を解決する切り札になると期待しているからなの。
近所のお医者さんじゃ不安だから病院に行くって言ってたよね。
だから病院は混雑するし医療費も増える。
これを解決するには近所に信頼できるお医者さんを作るしかない。
それが家庭医だっていう訳。
ふ〜ん。
20年近く前から家庭医の育成に取り組んできた人がいます。
家庭医はこれまでの医師と一体どこが違うのでしょうか。
医療は症状の重さに応じて3つの段階に分けられます。
最も軽いプライマリ・ケア一次医療と呼ばれる部分が全体の8割を占めています。
日本ではプライマリ・ケアを内科外科精神科などそれぞれの専門医が別々に診察しています。
これに対し家庭医は病気の種類にかかわらずプライマリ・ケアの全てを一人で行います。
西教授は日本に家庭医が広まれば大きな病院への患者の集中を防ぐ事ができると考えています。
海外では家庭医は広く普及しています。
その先進国イギリス。
家庭医になるためには3年間の専門的な研修を受けた医師が認定試験に合格する必要があります。
治療は問診や触診が中心。
むやみに高額な検査は行いません。
病気の予防にも力を入れ医療費の削減に大きな効果を上げています。
去年国はこの家庭医のように幅広い分野をカバーする総合診療医を育成していく方針を打ち出しました。
具体的にどう認定し広めていくのか現在検討が続いています。
2025年の問題にこの新しいお医者さんというのはちゃんと切り札になるんでしょうか?期待したいという方手を挙げてみて下さい。
あららららら!あら〜!八代さんの宣伝が効きましたかね?すごい!ほとんどの方が挙げていらっしゃいますね。
吉岡さんどういうところが?そこのところをプロの方が診てどうしたらいいかを判断してくれるっていうそこのところが助かると?そうですね。
不安を解消してくれるような先生で…地元にいらっしゃるんだったらその先生を信頼してやっぱりそこに行こうとは思うと思うんです私。
なるほど。
全く同感ですよ。
僕初めて日本の病院行った時は「すみません。
先生診てもらいたいんですけど」って受付の方に言ったら「何科ですか?」と言われて。
「急に何の話ですか?いやおなか痛いんですけどどうすればいいんですか?」と。
「じゃあ内科ですね」と言われて「そうですか」と思って…。
新しく出来るお医者さんはそこだけで全部診て全部治療して終わりという訳じゃないですよね?それだと困っちゃうんだよね。
なるほど。
基本的に…いいですか?実はここに…大変長らくお待たせ致しました。
ご紹介致します。
イギリスで家庭医をやっておられる澤先生でございます。
どうも。
今の質問どうお答えになりますか?決してこういった僕たちで終わるという訳じゃなくて例えば佐藤さんがスペシャリストの方にかかりたいと言えば僕たちでもそうやって紹介させて頂いたりとか僕たちでも例えば佐藤さんが風邪の症状で来られて呼吸器の専門の先生にかかりたいという時はこれはしっかり風邪であるという事を説明させて…。
なぜそれが肺炎とかそういった疑いそういった重篤な問題でないのかというのも説明させて頂きます。
もしそれで僕の説明に納得いかないのであれば僕が電話機を取って呼吸器の先生に電話したりとかだから佐藤さんのやる事はほとんどミニマルでそっちの方にパッと行けるようになっております。
(佐藤)いいですねそれは本当に。
先ほどの人と全く同じ意見なんですけどそういうふうにしてもらえれば本当にいいなと思うんですけど。
御手洗さんが手を挙げました。
一つなる方からも心配なところがありましてこれ非常に広い分野を…。
常に医学の進歩ってもう目まぐるしく進歩していきますからそれを…。
今日は眼科を勉強して明日内科学会に行かなきゃとかそういうのも含めて…。
全部やんなきゃなんないからね。
…というところで広く浅くですけれどもそれで何もできないような医者にはなりたくないという危機感が常に学生の方からもありましてそこが不安ですけれども…。
その危機感どう受け止めますか?すごくよく理解できるというか…。
イギリスではそういった家庭医療の専門性っていうのは例えば何でも幅広く診れるからという訳じゃないんですよね。
患者さんを人として尊重してそういった患者中心の医療を提供するというのを僕たちはすごい大切にしていて。
あと何でも知っているという訳でもないんですよ。
でも医療はすごい面白い事に…だからいろんな事がコモンに起きてきてそういったのは僕はかなり全て知ってる感じなんですけどあと家庭医としての特徴としては自分がミスってはいけない疾患。
例えばがんであったりとか脳の出血であったりとかそういうのは僕たちはすごい集中的にトレーニングされるんですね。
そういった教育を受けてそれで分からない場合とかこれはちょっと専門の先生に紹介した方がいいんではないかとかそういったとこでやっていくんですけども…。
澤先生のお話伺ってると専門医に比べて一番患者さんの心に沿ってくれるというか心のケアもして下さるそういう信頼感がありますね。
何でも相談できるという…。
特に気持ちが一番…「病は気から」って言いますからその辺のケアを一番して下さるような…。
でもね…。
海野さん手が挙がりましたね。
私は手を挙げたんですけれども半分は期待して半分はちょっとクエスチョンマークがついてるんですけども。
日本の開業医のいいところはある程度専門をやってそのあと開業する先生がすごく多くて私の周りでもそうですけどもこれは得意だよこれは専門だよというのを抱えながら更にその周りを埋めていって。
日本の開業医はそういうパターンが多いので例えば患者さんが…僕は循環器ですけどもとりあえず心臓は診てもらえるという事でうちに来るとそこで大病院に紹介しなくても専門の検査や専門のある程度の治療はできてもうワンストップなんですよね。
そこから紹介する必要はない。
消化器だったら消化器の先生に僕から紹介して消化器でカメラをやってもらってもう問題は解決してしまう。
それはそれで日本のすごくいいところじゃないかと僕は思ってます。
平松さんどうぞ。
現実問題としてできるかというところなんですね。
人数の問題ですよね。
現状で医師不足だといわれてるのに対してかかりつけ医を増やす開業医を増やすという方向になるので地域に…例えばこの市の中で何件かは全部家庭医にしますという形になるとそんなに医者いるんですかというのもちょっと不安なとこですね。
多分今家庭医を育成しててもそれだけでは間に合わないんじゃないかととても2025年に。
それはそうだと思います。
ですから新卒採用型じゃなくて中途採用としてなんですが今既存のお医者さんが当然家庭医になるという道も残さないといけない訳でただその時はレベルが大事なんですよね。
グローバルスタンダードの家庭医っていうのはきちっとしたレベルがあって医師の国家試験を通った人が別に家庭医の研修を受けなきゃいけない。
しかも5年に1度ずつフォローアップするために新たな知識を身につけなきゃいけない。
そういう条件を踏まえて初めて家庭医になれる訳ですね。
やはり質の高い家庭医でないと患者はとても信頼できない訳で…横倉さんその指摘はどういうふうに受け止めてます?その入り口としてかかりつけ医という話をしました。
今澤さんが言ったように患者さんに寄り添う気持ちをまず第一に持つという。
家庭医能力といいますか総合的診療能力と私どもは言ってますけどもそういう力をみんなレベルアップしようという事で今やってますのでそういう方向になっていくと思います。
ただ医師会のかかりつけ医という概念は病気ごとのかかりつけ医という話だと思うんです。
1人の人が全部メンタルも診るという事でよろしいんですね?もちろん国民一人一人がかかりつけ医を持ちましょうというのはそういうスタートです。
ですからお医者さんの方が…だから当然そういう仕組みはしていかなければいけない。
横倉さんがこれから養成研修をしていかれる開業のお医者さんたちがどういう研修を受けてどこまで力を持っているのか私たちが納得できる情報なり評価をちゃんと見せてくれないと「自分は家庭医です。
力があります」って言われても分かんないからやっぱり病院行こうってなっちゃう。
そういう意味で言うと医師会が今研修しようとしている中身だとかどこまでの力をつけさせようとしてるのかそれを私たち知りたいですよね。
どうでしょうか?今そういうプログラムをちゃんと考えてます。
是非中身とかどこまでっていうのは知りたい。
しかもそれはグローバルスタンダードと同じものでないといけないんです。
山本さんポイントは何だと思われますか?2025年に向けてっていう話でいいますとね私は家庭医あるいは総合診療医必要だけども十分ではないと思ってるんです。
信頼できるお医者さんがいるっていうのが大事だっていうところまでは埋まると思うんです。
ただ家庭医といった時の役割の一つとしては患者さんの気持ちをくむあるいはいらっしゃったあとの道筋をつけてあげるだけではなくて見逃されているリスクあるいは本人が気付かないような医療リスクそれを見つけに行く事が専門職の定めというか使命だと思います。
それは水田さん医療というものの考え方在り方を結構根底から変えるもののような気がしますが…。
健診結果で非常に悪いはずなのにドクターにかかってない人とかそういうのはレセプトという診療報酬明細書で分かりますから本当はそこと照らし合わせれば本当に受診が必要なのに行ってない人は誰かっていうハイリスクグループが見えてくるんですね。
発想としてやっぱりただ待ってるというんじゃなくてそういうハイリスクグループを判別する仕組みも今やITでもって出来ようとしてますのでそれを活用すればもっと効率的な医療ができると思いますしその結果がまたその地域にフィードバックされて総合診療医の方々がそのフォローをされれば安心して地域で暮らせるという絵が出来てそうすると病院に入院しない。
あるいは病院にかからないといういい循環が出来るんじゃないかと思うんです。
今までの話で今までの医療になかった予防というものをどういうふうにこれから考えていくかお医者さんだけではない私たちの側の事も何か問われているようなそんな気がしますね。
医師や病院がひっ迫する2025年問題に患者はどう向き合えばいいのか。
住民が自らの力で医療の無駄を減らそうと取り組んでいる町があります。
「地域医療を守るのは一人ひとりの心がけ」。
きっかけは7年前。
地元の病院から小児科が無くなるかもしれないという危機に直面した事でした。
住民のいつでも診てもらえて当たり前という意識から真夜中でも病院に押しかけるコンビニ受診が横行。
小児科の医師は連日ほとんど徹夜で次の日の診察に臨むという状況に追い込まれました。
そしてついに「もう辞めたい」と訴えたのです。
医師がいなくなるかもしれない。
母親たちは自分たちが意識を変えない限り問題は解決しない事に気付きます。
どうすれば医師の負担を減らせるのか。
母親たちはコンビニ受診を減らすためパンフレットを作成。
子どもの具合が悪くなった時すぐに受診する必要があるかどうか自分で判断できるようにしたのです。
現在このパンフレットは市の保健師が子どもが生まれた全ての家庭に配っています。
確かに…。
患者にも考える事があるのかも…。
海野さん。
夜中の1時2時になって1週間前から腰が痛いっていうおばあちゃんが担ぎ込まれたりあと昼間から具合が悪いのに夜中にかかる。
なぜかと言うと…家族がいないから連れてきてくれなかったとか。
そういう事で医療資源を無駄遣いされるっていうのは非常に医者としては疲弊してもう昼間の外来や手術に力を注げなくなってくるんですよね。
丸山さんどのように思われますか?今は医療ってサービスとして捉えられているのでだからそういうコンビニ診療みたいに夜中ちょっと具合悪いから来るとかそういうふうになっているので。
例えばまずメタボの人例えば大量飲酒をしている人喫煙をしている人あるいは生活習慣病って診断された人の医療費は一旦上げる。
ペナルティで上げるけどよくなったら下げる。
例えばいい事を維持してたら医療費がどんどん安くなる。
生活習慣病に限りですけど。
自分の体を健康を守るという事がすごく大事なのでそれでそれを不摂生して具合が悪くなるのはやっぱりペナルティが必要かなというふうに思います。
アメリカ人からの感覚から見れば間違いなく日本の方は病院にかかり過ぎです。
昔同僚がちょっと遅れて来る朝いち。
「どうしたの?」って。
「風邪ひいちゃって点滴うってきた」と。
「何じゃそりゃ」と思ったんです。
何で風邪で点滴うつ。
点滴うつぐらい風邪ひいてるなら…治し方おかしいと思ったんですよね。
もう風邪ぐらいで病院に行き過ぎるんですよ私たち。
私もそうでした。
絶対迷惑かけたくないから自分の代わりはいないって感じで。
ちょっと熱が出たらすぐお医者さん行って点滴して解熱剤うって仕事に臨むってそんな事でしたけどもこうやってやっぱり大きな病気をやってみると…それはちょっと違うと思いますよ。
佐藤さん反論ある。
重病になってから行くとかえって医療費がかかるはずなんです。
早期のうちは早いうちから発見して治療してく。
でも風邪ぐらいじゃ絶対に病院に行っちゃいけないと思う。
自分が風邪ぐらいだって分かるんだったら自分で治せますよね。
でも我々はそういう知識がないから何かちょっとおかしいなと。
普通と違うなといったら行く。
川島さんね風邪ぐらいでっておっしゃるけど若いからそうおっしゃるんですけど高齢者はちょっとした熱でも駄目になる事あります。
(佐藤)そうだよね。
本当に。
実はこちらにいらっしゃる八尾さんと芦田さんは今の丹波市の病院で病院のサポートをしておられる方なんですが。
芦田さんはお医者さんに夜食の差し入れをされて?はい。
何で夜食の差し入れをしようと思ったの?今出てきた小児科を守るお母さんたちの活動に触発されたのは事実なんです。
私たちはその中でひとつ何かできる事がないかなというので。
夜勤の先生とか当直の先生にお弁当の差し入れをしてるんです。
何か変わってきました?ええ。
私たちも…
(芦田)それまであんまりお医者さんというのはちょっと近寄り難い存在だったんですけども医局へお弁当運ぶんですね。
そしたらおられる先生とお話したり。
「今日はどうでしたか?」とか言うといろんな冗談を言ったりして帰るっていう。
そうすると関係も変わってきた?
(芦田)はい。
一生懸命して下さる先生の姿を見て私たちもすごく心を動かされました。
そしてすごい危機的状況なんだという事を共有する事ができました。
そこから私にできる事は何だろっていうふうに市民が動き出したように思います。
横倉さんがいつになく大きくうなずかれて。
これは2025年問題は大都市周辺の問題が1つあります。
それともう一つはいわゆる…地域の病院が本当に医者が確保できるかどうかというのは今から大きな問題になってくる。
しかしこれだけ理解して頂く市民の皆さんがいらっしゃる所だったら…本当にもうこのまま自分の生涯はここで終わっていいというような事になっていくので。
本当にありがたいと思いますね。
非常にすばらしい事なんですけどもこれを美談で終わる訳にはいかないんですよね。
それはなぜかと言いますと今の制度に大きな問題があってつまりここはおかあさんたちの努力によってコンビニ受診がなくなってお医者さんの負担も減ったんですが…。
ですからそれで病院の経営が随分困ってるはずなんです。
今の診療報酬体系は出来高払いで病人が増えるほど医療機関の収入が増えるというシステムなのでこれを病人が減るほど患者が人々が健康になるほど医療機関がちゃんとペイするという方向に変えていかなきゃいけない。
それが高齢化社会におけるやはり新たな医療制度の基本だと思うんですよね。
出来高払いのありようについては医師会はどういうふうに考えられますか?徐々に今急性期の入院医療については6割以上の病床が包括の方に移ってますしだんだんそういう方向に移ってるという事ですね。
包括払いといって病気の種類ごとに1日当たりの医療費をあらかじめ決めておくもの。
だから検査や薬を増やせば増やすほど病院の利益が減ってしまう事になるの。
出来高払いとは全然違う仕組みなんだね。
横倉会長が「出来高払いは長い歴史があるからそう簡単には」とおっしゃったんですが急速に環境が変わってきてますからこれはやっぱり診療医の方にも開業医の方にも包括払いを速やかにやらないと患者が増えるほど開業医がもうかるというこの仕組みは高齢化社会ではパンクするしかないんですよね。
だから問題は家庭医とか予防の問題というのはそういう事をして医療機関がちゃんと経営できるような報酬体系に変えなきゃいけない。
それはイギリスとかオーストラリアでは一種の登録制度といいまして患者が病院に来る事でお金を得られるんじゃなくて最初から登録している人々の住民の数においてお医者さんとか病院が収入を得る仕組みになっている。
だから予防すればするほど患者を減らせば減らすほど逆に医療機関はちゃんとした収入が得られると。
このやり方を導入しないと結局もたない訳です。
ちょっともうかるという話についてだけ。
私ども医療に携わる者は基本的に自分たちの利益を追求するという心は持ってないと私は信じてます。
中の上の生活をできるような環境は作っておかないとそれだけ責任ある事をやりますのでね。
それ以上のもうかるという事を言われると非常に抵抗感があるのでひと言だけ。
利益を得ると言ったらいいんですか?利益を得なければ営業できませんからね。
だから何が適正かを自分で決めておられたら同じ事じゃない。
それはマーケットで決めるものなんですよね。
出来高払いという制度だとお医者さんは心を尽くしてやろうとするのでどうしても医療費が高くなる。
そこを皆さんどう思われるか。
はい角田さん。
私35年ほど商社で営業をやってました。
ものを供給価値を提供する時に見積もりをします。
この見積もりね。
こういうものはこの効果があるからこういう事ですよ。
私いろんな病気しました。
(太田)診療してる途中でその瞬間に発生するんですよね。
いちいち同意をとってたら診て下ろして話をしてまた診てやって下ろしてという事がその瞬間まで分からない。
お医者様のおっしゃる事だからおっしゃるとおりお支払いしますけど普通だったら考えられませんよね。
普通はこちら側が決める事なんです。
本当の皆さんにとってのハッピーな治療方法が何なのか現場も分からないんです。
ただ自分たちはできる最高の医療を皆さんに提供したい。
それは僕らの逆にプライドですのでそこは僕たちは落とせない。
皆さんがあとどう選択されるかだと思います。
根本的なシステムを2025年問題に向けて問われている。
それから周りの私たちも問われている。
さあこれから何をすべきなのかまた考えていきます。
「病院から地域へ」。
国は今入院患者についてもできるだけ早く退院してもらい在宅に移そうとしているの。
今は高度な医療が役割の病院に症状が安定した患者がとどまりそのまま寝たきりになってしまうという事が起きているの。
その結果ベッドがいっぱいになり救急患者の受け入れにも支障が出ているし医療費も随分かかっている。
ふ〜ん。
そこでできるだけ早くリハビリを担当する病院に移ってもらい在宅への流れを作ろうという訳。
でも家に戻ってこられても家族は困るんじゃない?そこで地域包括ケアといって医療や介護の担当者行政や住民が協力して地域ぐるみで患者を支える体制を築こうとしているのよ。
国が目指す病院から在宅への転換。
そのモデルとして注目されている滋賀県東近江地区です。
野崎俊雄さんは去年脳卒中で倒れました。
右半身と言語機能に障害が残りましたがリハビリを続けながら自宅で生活しています。
脳卒中で入院するとそのまま寝たきりになってしまうケースも少なくありません。
野崎さんが自宅に戻る事ができたのは手厚い支援体制があったからです。
この地区では7年前から月に1回医師やリハビリのスタッフ保健所の担当者など100人以上が参加する会議が開かれています。
さまざまな患者のケースについてどう連携して自宅に戻すのか話し合います。
しかし会議が始まった当初複数の病院や介護施設などが連携するのは容易ではありませんでした。
野崎さんが脳卒中で倒れた時の支援体制です。
救急病院での治療が続く中早い段階でリハビリの病院から担当者が訪問。
転院後のリハビリの計画が検討されました。
リハビリの病院に移ると今度は自宅にリハビリの担当者と介護計画を立てるケアマネージャーが訪問。
退院後の支援体制を家族と話し合いました。
そして自宅に戻ってからも病院のリハビリ担当者やホームヘルパーが生活を支える全国的にも珍しい支援で在宅を可能にしています。
せ〜のよいしょ。
妻の千代子さんは地域ぐるみの支援とともに家族の助けも借りながら夫の在宅での暮らしを支えています。
病院から在宅への転換には地域で患者を誰が支えるのかという課題があります。
大森赤十字病院では入院患者ができるだけ早く退院できるようリハビリに力を入れています。
リハビリは早く始めるほど高い効果が見込まれます。
集中治療室の段階から始める事も珍しくありません。
しかし患者の退院は思うように進んでいません。
高齢者の場合退院後介護が必要となるケースが少なくないのです。
退院して施設に入ろうとしても費用が問題です。
東京で24時間医療や介護が受けられる老人ホームは入居する時に数百万円月々20万円前後かかるのが一般的です。
費用の安い地方の施設に行かざるをえない人。
やむなく自宅での独り暮らしを選択する人も少なくありません。
今後東京周辺では独り暮らしの後期高齢者が激増すると見られています。
2025年その数およそ130万人。
状況は更に深刻化します。
皆さんはどう思いますか?どうでしょう?近藤さんどういうところが?私実際に祖母が在宅でやってたんですね。
行政の介護士さんついてもらってたんですけど結局日中しかいられないので深夜から見てあげなきゃいけなくなるじゃないですか。
もうず〜っと寝てても起きて寝返り打ちたいというのも何回も何回も言ったり。
やっぱり家族も限界を感じてきてしまって結局最終的にホスピスに入ったんですね。
やっぱり限界があるかなと。
在宅での介護という事はやった事があるとどんなに大変かすごくよく分かるんです。
そこに認知症というものが入ってこんな言い方をすると失礼なんですがだんだんちょっと壊れていっちゃうんですよね。
そうなった時に…家の中が暗くなっちゃうんですね。
私は祖父母が地方に住んでいてちょっと離れて暮らしてるんですけどそこでまた…遠くでどうなってしまうのかなという不安がもやもやあるんですね。
自分の仕事もあるし介護の状態になってもなかなか自分は行けない。
でしたら何か病院の中に入っていて24時間体制とまでは言いませんが完璧にサポートして医療を受けられる環境下にいる方が安心だなと。
看護の現場の方もいらっしゃるし中島さん。
介護するお世話するという事は生活でなくて労働なので誰でも8時間労働というのは当たり前なのに24時間労働を強いる。
それが際限なくいつまでという期限が分からずに強いられるのでお世話してる方が心や体を壊してしまうと。
こういうのはやっぱり…私はむしろ…水田さん。
これは難しいとおっしゃってるんですが…。
どんなにいい病院でも在宅に比べていいところはないはずですので。
その流れを作ろうという事でいろんな手を打ってきたつもりなんですけれども残念ながらさっき言いましたようにもっと安心して暮らせる地域を作るというところに資源を配分できなかったというのが心残り。
一つの決め手になるのは24時間対応の定期巡回・随時対応というすごい長い漢字の名前なんですけれども。
要するに夜も含めて定期的に回りましょう。
その時何か事があれば随時に対応しましょう。
言ってみるとその地域が一つの病院と言ったら言い過ぎですけど施設みたいな。
ある一定の地域が全体を見る。
総合的に見る介護事業者さんがいてかつそこに連携のとれるさっきの総合診療医やかかりつけ医の方がおられれば安心して暮らせると思うんですね。
「れば」ですよね?ええ。
残念ながら今まだ300か所だったかな?…の地域で手を挙げてやって頂いている訳なので。
それのある意味ではビジネスモデルがきちんと確立すればそれはぐっと有効な手段になると思います。
大山さん。
私は高齢の方を主にお世話させてもらってる地域包括支援センターなんですがやっぱり現場で見ていて独り暮らしで寝たきりでず〜っと家にいて時間でケアが来てくれるからそれでいいのかといったらやっぱりすごく寂しい気持ちもあると思いますし人の声も聞こえないので。
ただそれなしには2025年は語れないのかなという感じにはなってると思います。
在宅ケアというのは要するに…いつ寝ていつごはん食べていつ起きるかというのを自分で決められるのがそれが在宅の場で。
その環境というのは別に一軒家の自分の持ち家である必要はなくてサービス付きの高齢者住宅って今大変たくさん出てます。
そこにあるのは…あくまでもそこは自宅ですから借りてても自宅ですからものが決められるんですね。
それが実は一番ポイントで…
(水田)それが必ずしもよくないんじゃないかと。
本当に医療の必要な人本当に介護の必要な人はもちろん施設という選択肢があってもいいと思うんですけど多くの場合はやっぱり自分でものを決められるその時間をなるべく長くしていくというのが基本にあってそこのところで外の外部のサービスをどう入れていくか。
(佐藤)その時にそれを受ける人はやっぱり自分で動けないと駄目な状況ですよね。
要介護の度合いが高い人についても看護師さんも入って看護介護それが24時間でその必要に応える事ができるというのがどこまでできるかというのを今全国でやっているんですがかなりいい成果も上がってきております。
そういう意味での在宅看護という事ですか?もちろん。
その地域に資源があるのがもちろん…。
もしそうなったらもう僕は在宅やめたいと思ってるんです。
在宅はしたくない。
病院に入院でいいからと。
入院で死ぬまでやってもらってもいいし介護施設でもいいと。
その方がいいのあと。
それは…横倉さん。
やっぱり在宅の人を支えていくために大変な思いをされている人もいる。
お医者さんの存在はすごく重いと思うんですよ。
今急速に開業の先生方のマインドが変わってます。
今日実はね在宅医療の研修会だったんです。
会場満杯です。
驚きました。
それぐらい今後の医療在宅で支えないと駄目だという意識が全国に浸透してきたなって。
地域の医師会と行政とそしていろんな介護関係の職種の皆さんと力を合わせてやっぱり地域包括ケア会議というのを地域地域で立ち上げていくという方向になっていくと思いますがこれね1〜2年で相当進んでいくと思います。
現実問題として2025年になって高齢者が増えていくと病院にずっと置いて下さいと言っても置いておけない状況もあるので。
やっぱり今まで苦労した方たちの声も聞きながらどう改善していって。
やっぱりなるべく住み慣れた地域でどういうふうに暮らしていくのか。
時間がないという事もある事を考えると若い方たちも今のうちから関心を持って自分の地域でどんなサービスがあるかも知っておいて…山本さんどうですか?みんながね納得感がないのが最近の医療だと思いますよ。
何でこんなお金払ってるんだろうだとか。
介護も何でこんな苦しいのにどうやっていいのか分かんないと。
どこかではうまくやってる事例も聞くんだけどもうちの家はうまくいかないというもどかしさと納得感のなさが今いろんな医療でも介護でも予防でも起きていると思います。
その納得感をどうやって業界あるいは社会として作っていくか。
これものすごい大事で。
そういうリーダーシップを求めたいですよね。
団塊の世代が後期高齢者となる2025年。
生活の場はどうあるべきか。
社会実験に乗り出した自治体があります。
千葉県柏市の豊四季台団地。
既に75歳以上の後期高齢者が住民の4割を占めています。
市がまず取り組んでいるのはインフラの整備です。
老朽化した団地を再開発し中心部に地域医療の拠点を作ろうとしています。
その一つが先月オープンした…センターの運営には…市の取り組みをバックアップしています。
センターの隣には民間の事業者が団塊の世代の入居を見越したサービス付き高齢者向け住宅を建設。
1階には診療所や訪問看護ステーション在宅介護を支援する小規模多機能ホーム認知症の人向けのグループホームなどが備わっています。
この日の見学会には老後の生活に不安を抱く団塊の世代も数多く訪れました。
部屋は将来体が不自由になっても対応できるよう設計されています。
目の前の公園も車椅子で気軽に出かけられるよう段差のないバリアフリーとなっています。
この社会実験が目指すのは2025年の新たなライフスタイルの実現です。
今介護の現場では人手不足が深刻です。
この特別養護老人ホームでは元気な高齢者が1日数時間という無理のない範囲で働いています。
この試みには医療費を削減するねらいもあります。
定年退職後の団塊の世代に生きがいを持つ事で健康を維持してもらおうとしているのです。
佐藤さんどうご覧になりました?いやそれに参加できればいいですけどどうすればいいのかっていうのが分からない。
どうやっていけばいいんでしょうね?柏は興味ありますけども。
こちらにね柏市の方がいらっしゃるんです。
松本さん。
さっきの高齢者が働いてる現場というのがあったかと思うんですけど私のおやじなんかを見てもそうなんですけど今の団塊世代の方というのは高齢者とかシルバーとかですねそういうふうに言われるのがすごく嫌な方が多いので今みたいな働く現場というのは高齢者の今まで培ってきた経験とか知識をそういったものを地域で生かして下さいという形でPRしてましてセカンドライフの新しい活躍の場というPRをしています。
そういったような少し視点を変えてですね…そういったような視点も必要なのかなと思っています。
今回ね団塊の世代の方たちなんですねこれから大変になるのはね。
団塊の世代の方たちってこれまで自由を求めてね…これからの高齢化社会地域の中での高齢者の住みやすい町づくりについても各地域で団塊の世代の方たちが中心になっていって頂ければいいなというふうに思います。
残念ながら団塊の世代なんですけど…だから楽しい老後を送れるような町づくりの提案をしてほしいなという感じがします。
(光岡)作っています。
地域の中で団塊の世代ですけれどやっぱり私たちが作るしかない。
壊してきたって私たちは作ってきたと思っています。
これからも作り続けてさっき言って下さったようにこの10年間元気な高齢者がちょっと介護を必要とするような高齢者を私たち同士が支え合えるその仕組みを作ってできるだけ若い人の負担を減らしたいというふうに考えております。
大変難しいけどねチャンスもありそうな感じも致しますが。
すごくすばらしい取り組みだと思うんです。
柏市の事は国も取り上げていろいろと情報を頂く事はあるんですけどやっぱり先ほども出たリーダーシップを発揮される首長なのか地域包括センターなのか医師会なのかそれとも住民なのかこういう方たちが集まって立体的に取り組めるところがまだまだ少ない。
ですからそういった成功事例をまねればいいんですけどなかなかまねられない自治体が数多くあるのでそれに対する国側のリードというのが今後すごく必要なのかなと思うんですけど。
家庭医の澤さんは今の日本のさまざまな事を聞いていて何が必要だというふうに…。
まず医療が誰のためにあるのかという事をまず議論する必要があるんじゃないかなとそういったところで患者さんのため住民のためとなってくるんですけどまずそういったところで方向性を決めてですねそこからシステムを作っていく必要があると思うんですよね。
かつて若い高度成長の時代で人口も若かった時代とこれからって高齢化が進んで負担する現役世代も本当にお給料が少なくてね負担する事もなかなか難しい時…ただ先ほどからも「2025年問題って何ですか?」っておっしゃる方は非常に多くてこれからの10年間が本当に大変になるという危機感を本当に…それができてない事が一番大変な問題で共有できてみんなで協力してやっていこうよという動きにまだなっていない。
これを急がないと。
川島さんどういうふうに?そうですねやはり自分自身が健康でいる事が社会貢献なんだって実感しました。
だって自分がやっぱり今もそうですし2025年になった時に病院のお世話にならないという事は誰か1人のためのベッドが1つ空く訳ですからそのために健康でいたいですし主人がやっぱり暴飲暴食したらそれこそペナルティをね科すべきだと思いました。
若い皆さんどうですか?今の。
今回の全体のテーマの中でこれからの経済とか医療費を負担する若者として是非上の世代の皆さんに言いたいのは…2014/05/31(土) 21:00〜22:15
NHK総合1・神戸
NHKスペシャル 日本新生「日本の医療は守れるか?〜“2025年問題”の衝撃」[字]

日本の未来を見据え、様々な課題を市民とともに考えるシリーズ日本新生。今回のテーマは「医療」。2025年にはベッドが不足し、救急患者に対応できない危機の可能性が?

詳細情報
番組内容
団塊の世代が75歳になる2025年。このままでは日本の医療が大きな危機に直面する。特に問題なのは都市部。ある試算では医師やベッドの数が足りなくなり救急救命にも支障が出る恐れがあるという。この危機をどう乗り越えるのか?これまでの医療を見直す、さまざまな改革が議論されようとしている。殺到する患者への対応に苦悩する医師、家族の負担の重さに悲鳴を上げる在宅医療の経験者などが医療の未来を徹底討論する。
出演者
【出演】横倉義武,水田邦雄,八代尚宏,川島なお美,パトリック・ハーラン,山本雄士,澤憲明

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
ニュース/報道 – 報道特番

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