(出囃子)江戸前にはそばすし天ぷらいろいろございますけどもこいつが無いと始まらねえっていうのが「バカ」でございます。
いやバカと言いましても私の事じゃございませんでねバカはバカでも「バカ貝」。
え?知らない?ほらあのシャリの上でツンととんがった鮮やかなオレンジ色の口の中に入れるとムフッとこういい香りが鼻に抜けるあの握り。
これをおすし屋さんではバカ貝というと都合が悪いというんで「アオヤギ」と言い直してるこれがバカ貝でございます。
こいつの貝柱がまた絶品だ。
口の中に入れるとシコシコフワ〜っと甘い味が口の中に広がる。
こいつは東京湾のあちこちでそれこそバカみたいにとれた。
船の上から大きなカゴを海の中に突っ込んで砂の中のバカ貝をとる。
千葉県木更津の伝統漁でございます。
ベテラン漁師さんになりますと長い棒から伝わってくる微妙な振動で海の中の貝の音が聞こえるっていうんですから大したもんだ。
そいつをおばちゃんたちがせっせこせっせこむきましてようやく我々が食べられるという大変手間のかかる貝なんですよ。
ところで何でバカ貝なんて名前が付いたのか。
見た目がこんな顔してるんです。
そんなバカな話あるかという方もいらっしゃるかと思いますがそれは見てのお楽しみ。
というわけで本日はバカ貝。
(2人)おはようございます。
今日はいつもの「うまいッ!」と違って落語から始まりましたが。
そう。
木更津出身の柳亭芝楽さんバカ貝大好きという事で一席打って下さいました。
じゃきっとうちの相方の事も好きかも分かんないです。
え〜!それは違うんじゃない?しかも今日は東京湾江戸前ですからね。
どんなんでございましょうか。
あのアオヤギとバカ貝は大体同じものなんですか?そういうお話がありましたけど。
おはようございま〜す。
食材ハンター鎌苅健太です。
千葉放送局アナウンサーの結城さとみです。
さあ持って来ましたよ今が旬のこちら東京湾でとれたバカ貝です。
こんなデカいの?そうなんですよ。
ハマグリほどの大きさの二枚貝なんです。
これはデカい!サングラスみたいになっちゃった。
え〜これはデカい!立派な。
ハマグリより大きいぐらいだね。
そうです。
立派でしょ。
これ正式名称はどっちなんですかアオヤギなのかバカ貝なのか。
これがびっくりする事に正式名称がバカガイ科バカガイ属バカ貝なんですよ。
バカ3つ付くの?正式に言うともっと付いちゃいますから。
生っ粋のおバカさんねこれは。
ちょっとでも名前がねという事でバカ貝のかつて一大産地であった現在の千葉県上総国には青柳村というのがありましてそこから取って「アオヤギ」とおすし屋さんでは言われるようになったんですね。
じゃあ落語家さんが言ってたとおりなんですね。
産地は他にも北海道や愛知県などもあるんですがしかし東京湾でとれた江戸前のバカ貝これが味も香りも格別だというので市場での評価が非常に高いんです。
格別ですけれどもそんなバカ貝さあ一体どのようにしてとっているのか東京湾のバカ貝漁を密着しました。
千葉県木更津市の目の前に広がる盤洲干潟。
東京湾最大級の広さを誇ります。
5月の連休はアサリの潮干狩りを楽しむ人たちで大にぎわい。
年間20万人以上が訪れる人気スポットです
とれた!とれた!とれた!
実はこの潮干狩り場のすぐ沖合が全国有数のバカ貝の漁場なんです。
東京湾を横断するアクアラインのすぐそばで現在およそ50人が漁を行っています
腕利きの漁師さんがいると聞き近くの港を訪ねました
あっ貝。
こんにちは。
斉藤さんですか?そうです。
鎌苅です。
よろしくお願いします。
あっこれは…
(斉藤)うん。
こちらバカを連発しているのはこの道40年のベテラン…
どうしてバカと呼ぶのか聞いてみると…
このバカっぽい姿が名前の由来とも言われているんです。
でも味の方は?
ちょっといい言葉ですね何かね。
いよいよバカ貝漁へ
和子さんおはようございます。
おはようございます。
漁の相棒は妻の和子さん。
結婚して38年。
夫婦でバカ貝をとってきました
斉藤さんは港から500mほど走らせたところで船を止めました。
ポイントの近くに来たようです
え〜っ!?
これまでの漁の経験から海底の様子が分かるという斉藤さん。
バカ貝がいそうな浅瀬を見定めいかりを下ろしました。
そして取り出したのが…
ていうかメッチャ大きいですね。
重さおよそ35kg。
この巨大なカゴを船の上から操ります
はい。
カゴが入りました!
水深は1〜2m。
斉藤さんは6mもある長い棒を巧みに動かし砂に潜っている貝をとっていきます
えっこの深さの…10cmとか分かるんですか?
それならと海底の様子を水中カメラでのぞいてみました
カゴの刃から白いロープまではおよそ12cm。
入ってくる砂はこのロープの高さを保っているんです。
まるでカゴに目がついているかのようですよね
刃の入り具合が浅いとバカ貝を傷つけちゃい深いとカゴに砂が入り過ぎて貝がこぼれてしまいます。
カゴを揺らして砂を抜きながら削る深さを常に一定に保つのがポイントです
これ簡単そうにも見えますが実は熟練だからこそなせる技なんです
バカが踊ってるっていうのは?そうか。
という事で再び水中の様子を見てみると…
(貝の音)
この音ジャラジャラ言ってるでしょ。
これがバカ貝がカゴにぶつかる音なんですがほら踊ってるようにも見えますよね。
斉藤さんはこの音を聞いていたんです。
音は振動として棒に伝わります。
それを頼りにカゴを操っていたんです
いいんですか?うん。
いいかい?はい。
いや〜もうだって僕…お〜!やっぱり…いやていうか何であんな軽くできる?お〜!いやもうあっちのウインチのボボボボという音しか分かんないです。
残念ながら僕はバカ貝の音を全く聞き分ける事ができませんでした。
何より経験が物を言うバカ貝漁。
斉藤さんもここまでできるようになるまで10年以上かかったそうです
カゴを引く事15分果たしてその成果は?
うわ〜スゲエ!入ってるバカ!
一回の漁でおよそ200個。
多い時で一日4,000個以上もとれるんだとか
このベロ出してると。
(斉藤)ほんとに。
(斉藤)おととし生まれたバカだ。
2年もののバカ貝は数が少なく高値で取り引きされる高級品です。
去年生まれた1年ものと比べると甘みも香りも格段に強いといいます
とったバカ貝は和子さんがふるいにかけて選別します
ふるいの間隔はおよそ2cm。
この幅より小さな貝は海に帰します
漁のあと斉藤さんが取って置きの食べ方を教えてくれました。
地元定番の「ゆでバカ」です
サッとゆでたらうまみたっぷりのゆで汁は取っておきます
なるほど。
(斉藤)これが秘けつなんだよ。
バカ貝は砂を吐きにくいので水を替えながらひたすら洗います。
砂が取れたら5分ほど上澄みにつけてうまみのエキスを戻します
やっと出来上がった。
いや〜待ちに待った…。
斉藤さん流ゆでバカの完成です
はいいただきます。
ゆでバカで乾杯。
いただきます。
うん。
どうだ?これはうまい!
(斉藤)全部しみ込んだね。
なんすかこの風味というか。
いやこれメチャクチャうまい!今日は一日を通してずっと斉藤さんがニコニコね。
あくまでも褒め言葉ですよね今のはね。
斉藤さんの漁のしかたが面白くて。
あれ見えてるみたいですよね?海の中。
本当にあれは一定のこれぐらいの差で。
10cm20cmぐらいを…。
いやもう1cm2cmですから。
そこで削っていかないと逆に貝を傷つけたりあと口を閉じちゃって舌が切れちゃうという…。
そうすると売り物にならないんだもんね。
そうなんです。
そういうのを無くすために。
音で聞いてる。
かっこいいですねあの技が。
そうですね。
バカにはできない技でした。
また東京湾も思った以上にきれいだったような印象が。
ちょっと透き通って見えましたよ。
そうなんですよ。
全然底も見えますし僕が勝手に思ってた東京湾何かちょっと汚いかなというイメージが払拭されましたから。
全然きれいでしたよ。
そんな斉藤さんが愛するバカ貝食べたいでしょ?食べたいよ。
今日は是非江戸前ならではの味を味わって頂きたいんです。
ただ最近しけが多くてバカ漁に出れないとかあまり大きいのがとれないという事もあったんですけれど今日は漁師さんが頑張ってとってきてくれましたのであちらの方へどうぞ!さあ江戸前でバカ貝といえばおすしという事で今日は特別にすし職人の森隆嗣さんにおいで頂きました。
よろしくお願いします。
江戸前の魚にこだわって握ってらっしゃるんですね。
森さん早速よろしくお願いいたします。
江戸前しか握らないという森さんです。
やっぱり違うんですか?江戸前のバカ貝と他の所のバカ貝は。
そうですね。
東京湾のアオヤギはとても香りも。
これは他の貝にはないような香りありまして歯応えもいいのがありますけど。
どうぞ。
きれ〜い!森さんは握りにちょっと工夫がおありなんですってね。
ええ。
このアオヤギは角みたいなこれがピンと立ってないと価値がないんでこれをうまくきれいに見せるように握るのが。
そうか。
斉藤さんもこれ言ってたもんね。
これがね。
キュキュッとこう。
ピンと立ったのがきれい。
これ普通に立つものなんですか?
(森)そうですね。
これは仕込みの時にちょっとお湯を通して湯引きをしてそれでクッと氷水で冷ますんですよ。
キュッと締めるんだそれで。
そうするとピンと。
そのピンとなったところをポンと頂こうかな。
いい?
(森)どうぞ。
天野さんの鼻からいい香りがしてくる。
香りすごい。
(森)そうですね。
これ海のものではないようなまた不思議なね。
海のものじゃないの?うん。
何か草原を走ってるような。
ほんと?鎌苅君いかがですか?
(森)独特の他の貝にないような香りですよね。
本当に草原というか磯の香りはするんですけど全然磯くさくないというか。
爽やか〜な。
すごいシャキシャキ独特の食感もあって。
(森)ええ。
これはやはり東京湾でないと出ない味。
他の所にいろいろ大きいのとかあるんですけどもやっぱりこの東京湾のは香りが良くて。
いや〜初めて俺貝の香りをこんだけ集中したのは。
食感もいいんですね?
(結城)そうなんです。
その食感はね舌みたいに見えるオレンジ色の部分足なんですが海の中で足を出して動き回るんですバカ貝が。
バカが足を出して動き回ってるんですね。
なので筋肉質で非常に弾力があるという事なんですが場所をよく変える貝という事で場所替え貝場替え貝バカ貝。
何で「え」を取っちゃったんでしょうね。
場替え貝でよかったのにね。
バカ貝にしちゃったから。
そういう説があるんですね名前の由来がね。
そして続いて貝柱です。
この貝柱が小柱だったって事に私は初めて気が付いたんですがというか知ったんですけど。
ちょっとオレンジ色っぽいの何でかなと思ってたんですよ。
これバカ貝の貝柱だったんですね。
そうですね。
これがアオヤギにバカ貝ですねそれに小さいのと大きいのが一つずつついてて。
それを…取って。
ええ。
そのまま握るんですね。
そして?あらこののりは。
あっ軍艦に。
これもちなみに東京湾の。
え!じゃあもうこれ東京軍艦。
ええ。
うわ〜!ちょっとお魚の形したみたいなかわいらしい。
じゃあちょっといってみますか。
どうぞ。
のりが湿気ないうちに。
そういうものですから。
あ〜パリッパリッパリッ。
うまい!何か踊ってらっしゃいますね。
口の中踊ってる。
これもやっぱり江戸前のアオヤギのものは違う感じ?そうですね。
やっぱり東京湾がそれだけいいんですよね。
何で東京湾がいいんですか?やっぱりこんだけいろいろ河川が入ってますからね栄養あるんでしょうね。
いただきます。
皆さんがねうまいと思ってる10倍うまいですね。
え〜!
(森)そう。
多分他の貝にないような香りですよね。
何でこんなに甘いんですか?ね。
甘さもあるし。
これは今は全然少なくてねとても貴重なものになってるんで。
ホタテみたいな貝柱とはまた全然違う良さですね。
これ無くなっちゃうと困っちゃいますね森さん。
そうですね。
だからあとはもう漁師さんの皆さんに頑張ってもらって。
それとやっぱり東京湾をきれいにしていけばもっととれるようになるんじゃないかなと。
そうか。
このネタを食べたら大事にしなきゃと思いますよこれは。
やっぱその小柱の一個一個が宝石みたいでしょ。
口の中がバカ騒ぎ。
すばらしい!あらうまい。
やっぱりおすし屋さんではバカ貝とは呼ばないんですね?そうですね。
やっぱしアオヤギって。
お客さんでバカ貝と言う方もいらっしゃいますね。
「ちょっとバカちょうだい」という人もいますか?
(森)います。
例えばうちの相方行くと「はいバカ貝です」って。
そんな事はないですね。
でもほんとピンと立てるのも大事な事なんですね?そうですね。
見た目も良くないといけないんでピュッとね。
やっぱり漁師さんがせっかくとってきたものをきれいにね。
それが何か新鮮な表れみたいなところもあるんでしょうね。
そうですね。
やっぱし物が良くないと。
やっぱり漁師さんがせっかくとって下さったものをきれいにというそういう思いが。
そうですね。
やっぱしこれをお客さんにどうやっておいしく届けるかなんで。
すばらしい。
ありがとうございました。
おいしかった〜。
このまま残って頂いてね。
永遠に一緒にいたい感じが。
それにしましてもでもねバカ貝って普通スーパーであまり見なくないですかね。
貝の状態で見た事ないですね。
ネタの状態でたまにね。
見る事がありますけどね。
貝殻に入った状態はないですね。
それはですねアサリなどと比べて砂抜きが非常に大変なんですよ。
だからさっきVTRでも洗ってましたけどかなり時間がかかるとかっていう手間もありますので。
ただそのために貝のまま出荷される事はない。
だからその間にいろんなものを取るんですけれどもその様子も今日は取材してきましたのでどうぞご覧下さい。
斉藤さんたち漁師がとってきたバカ貝はすぐさま仲買や加工業者に渡されます。
貝の中でも鮮度が落ちやすいので急いで加工する必要があるんです。
その中にひときわ元気な女性がいました
うわっすごいですね。
力ないですよ。
ちょっと手伝わせて下さい。
礒初子さんです。
バカ貝を加工して40年になります
うん。
むき子とはどんな人たちなのか。
加工場のある富津市へ行ってみる事に。
到着したのは一軒のお宅
こんにちは。
(林)こんにちは。
どうも。
どうもご苦労さま。
こちらがむき子の林さん夫婦です。
貝は加工場ではなく自宅でむくんです。
現在林さんのようなむき子は富津市におよそ400人います。
貝をむいて身の部分と貝柱に取り分けます。
多い日は1,000個以上むく事も
むき賃は一日5000円ほど。
お小遣い稼ぎにちょうどいいんだとか
初子さんは8人のむき子さんを抱えていますが次に向かったのは最高齢の方のお宅です
貝を待っていたのは…
18歳で結婚して以来時間を見つけては貝をむいてきました
すごいなぁ。
ウグイスの声を聞きながらの。
むいた貝を集めて加工場に戻ると総仕上げです
ここでの作業の中心は息子の寛さんです。
洗う時に使うのは海水と同じ濃度の塩水。
うまみを逃さないためです
優し〜く洗うんですね。
(寛)そうですね。
しかし洗っても砂粒など細かいゴミは取れません
一つ一つ指でそっとつまんでは取り除く気の遠くなるような作業です
あっこれ…
貝殻の破片からこんなに小さな砂粒まで一つたりとも見逃しません。
この日は2時間かけて全て取り除きました。
バカ貝はこうして多くの人たちの手仕事を経てようやく市場へと出荷されます
品物を送った時なんかね「届きました。
ありがとうございました。
おいしかったですよ」ってそういう電話昨日かなんかも頂いたんですよ。
いやほんとそうですね。
まあすばらしい。
そんな手間のかかったものを召し上がってたんですね。
ね。
お口に入れただけでね。
申し訳ないです本当に。
いやでもあのむき子さんたちの手さばきとそのあとこうやってきれいに洗ってあんなちっちゃいこれも取って。
あれ機械じゃ無理だね。
いやもうほんとに食べてもらう人に絶対に砂とかを味わわせんためにという思いが。
すばらしい。
貴重でございます。
本日の専門家ご紹介いたしましょう。
おなじみ水産庁職員のウエカツさんこと上田勝彦さんです。
バカはバカでも魚バカと言われて。
江戸前のお魚多々あれどアオヤギっていうのはやっぱりザ・江戸前という感じがいたしますね。
それからねその技術もすばらしいけどもあの関わる人たち一体となってるでしょ。
もともとバカ貝というのは砂が出しにくいし鮮度が命だからそのとる人と加工する人が一体となって地域を成して初めてこうやっておいしく食べられるという。
一つ欠ても駄目なんですね。
(結城)でもそんなバカ貝なんですがだんだん水揚げが減少しているんですね。
一番盛んだった昭和40年代ごろと比べますと今ぐらい年間2,000〜3,000tぐらいまで減ってきてしまっているんですね。
これは何か原因があるんですか?東京湾も随分変わってきてます。
一時期大ピンチを迎えましたけどもそこから復活して今小ピンチ。
何がっていうと海が変わってきているんですね。
東京湾も埋め立てられて形も変わってきていますし潮の流れも変わっている。
その中で大きなものが少なくなってきた。
量も少なくなってきたっていう事なんですよ。
じゃあ水がきれいになってるように見えてちょっといろいろ魚の状態も変わってきてるんですか?そうですね。
そうか。
護岸が工事されたりいろんな事が変わってきて。
(上田)そう。
住み場所がやはり少なくなってきている事も大きいですよね。
昔は浦安なんか一大産地だったわけだから。
今ちょっと小ピンチ。
でもきれいにはなってきているよくなってはいるという事ですね。
そんなバカ貝も海の中で実は重要な役割を果たしているんです。
ご覧下さい。
5月上旬隅田川の河口から東京湾にかけて赤潮が発生しました。
プランクトンが大量に増えた事が原因です
実はバカ貝この赤潮を防ぐのに一役買っているんです。
東京湾の貝類を研究している鳥羽光晴さんに実験をお願いしました。
赤潮の原因の一つ植物プランクトンを海水に加えてそこにバカ貝を10個入れます。
果たして海水はどうなるんでしょうか?しばらくするとバカ貝は一斉に水管を出し海水と一緒にプランクトンを吸い込み始めました。
時折自慢の舌をペロリ。
生き生きしてきましたでしょ。
実験を始めて1時間後海水はほぼ透明になりました
そして更にバカ貝漁そのものが海を元気にしている事も分かってきました
砂から掘り起こされる餌を求めてスズキが集まってきました。
そしてカレイまで
こうした東京湾の営みを子供たちに伝えようと地元の小学校では毎年盤洲干潟で野外授業を行っています。
ゴミ拾いや生き物と触れ合う活動。
斉藤さんたち漁師の皆さんも参加しています
(斉藤)うんそう。
あっカニがいた!
斉藤さんは次の世代を担う子供たちにこの豊かな東京湾を残していきたいと考えています
え〜すご〜い!バカ貝がちゃんと海のフィルターじゃないけどそうやってきれいに掃除してくれたり。
たくさんプランクトン食べてくれてきれいに。
しかもバカ貝の漁自体が土を耕すのと同じような感じで漁場を豊かにしてくれていると。
バカ貝頑張っているんです。
すごい!で放射性物質が気になる方もいらっしゃるかもしれませんが木更津のバカ貝についても検査が行われてましてこれまで検出はされていないと。
貝類軟体動物は放射性物質を取り込みにくいですから今のところ数値は全然出てないですね。
そういう意味では安心だね。
それにしても東京湾って本当に汚れてるってイメージでしたが随分きれいに。
昔の汚れたイメージを持っておられる方は今の東京湾を見たらびっくりすると思います。
先ほどね海が変わりつつあるって言いましたけども東京湾でとれる魚なんかもねアジなんか周年おいしくとれるような魚になりましたしスズキやメバルイシモチサッパなんてのはむしろ増えてる魚なんですよね。
昔からある江戸前ってアナゴとかシャコとかあるでしょ。
それとは別に新しい江戸前の世界がね…。
今現代の江戸前がまたできつつあると。
(上田)そうそう。
サワラとかブリの子なんてのはベイブリッジの下まで入ってくるような。
え〜!昔はもっと遠くでとれてたのがそこまで入ってくると。
都会育ちのおいしい魚ですね。
ブリの子もいるんですか?
(上田)いますいます。
じゃあ種類も増えてるって事?
(上田)増えてる。
東京湾だけでね研究者の人に言わせれば750種類ぐらい魚がいるそうですね。
カジキの小さい稚魚なんかも入ってくるそうですから。
カジキまでいるんですか?え〜!?そうそう。
シイラとかね。
じゃあ江戸前の握りの内容もまた変わってきますね。
それも面白いんじゃないかなと思いますね。
またねこう思うんですよ。
東京湾を大切だと思うという事はさそこから恵みを受けてこそ初めて思えるわけじゃないですか。
この大都会に隣接している目の前の海でその恵みと再生が行われているというこの事実をみんなが知って味わう事によってまたみんなの目が東京湾に向いてそして再生につながっていくっていうそういう流れをね。
さっきの子供たちみたいに小さいうちから知ってもらうと。
もう金の卵ですよ。
いい顔してましたもんね皆ね。
ふるさとの海を感じてもらっていいですね。
意外な所にそんな。
だから昔の江戸前と平成の江戸前みたいなそんなのあると面白いですね。
どんどん変化していくんですね。
今の江戸前がこんなに豊かになってるなんて。
さて鎌苅君どうでしたか?今回バカ貝を取材に行かれて。
いや本当に東京湾澄んでてこんな近場であんなふうに東京湾とか東京を守ろうとしてる人がいるっていう事を知れて本当によかったです。
すごかったですね。
バカ貝求めてスズキが現れた時にね完全にうちの相方を思い出しました。
ウド鈴木ちゃんでございまして。
いや〜でもちょっと見直しちゃいました東京湾。
東京湾っていうとアナゴとかそういうイメージだったけど貝類も豊富なんですね?すばらしいね。
シジミもいるしハマグリもいるし。
それで新たな今まで取れなかった魚も入ってきて。
これからの東京湾ちょっと楽しみでございます。
またおすし屋さんにも食べに行こう。
皆さんバカ貝見つけたらアオヤギどうぞ召し上がって下さい。
次回もどうぞお楽しみに。
2014/06/01(日) 06:15〜06:50
NHK総合1・神戸
うまいッ!「“江戸前”の代表!絶品バカ貝〜千葉・木更津市〜」[字]
「うまいッ!」と声をあげたくなるほどおいしい食材を取り上げ、魅力を再発見する番組。今回は千葉県の「バカ貝」。江戸前料理に欠かせないバカ貝の知られざる魅力に迫る。
詳細情報
番組内容
“青柳”と呼ばれ、江戸前料理に欠かせない東京湾の「バカ貝」。鮮やかなオレンジの身はにぎりのタネに、小柱と呼ばれる貝柱はかき揚げに。特有の香りと甘みが、味にうるさい江戸っ子たちを魅了し続けてきた。番組では、東京湾屈指の漁場、千葉県木更津市の沖合で行われる漁と、独特の方法で加工される現場に密着。ユニークな名前を持つ貝の知られざる魅力を、江戸前の味を支えるさまざまな人々の思いとともに伝える。
出演者
【司会】天野ひろゆき,武内陶子,【解説】ボランティア団体RE−FISH代表/水産庁職員…上田勝彦,【リポーター】鎌苅健太,結城さとみ
ジャンル :
情報/ワイドショー – グルメ・料理
バラエティ – 料理バラエティ
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
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