NNNドキュメント「ひきこもりのシェアハウス」 2014.06.02

社会とのつながりを絶ちひきこもる若者達がいる
劣等感焦りいら立ち
空手教室を営む林さんは子供のことで悩む親の相談を受けある場所をつくった
「しぇあはうす百笑」
ひきこもる若者達のちょっと変わった共同生活が始まった
携帯電話もつながらない山奥石川県加賀市の一軒家に2人の若者が引っ越して来た
林さんが借り受けたこの家
家賃は1人月2万円でした
卓さんは25歳
その日によって気分の波が激しく攻撃的だ
桶さんは30歳
人とかかわるのが苦手
「手伝おうか?」のひと言が言えない
林さんはあるルールを作った
夕食は自分達だけで作り一緒に食べること
料理を手伝わない桶さんに卓さんは少しいら立っていた
卓さんは3人兄弟の末っ子
高校卒業後庭師として働いていたが3年前仕事の失敗を上司に責められ部屋から出て来なくなった
「みんなが自分の悪口を言っている」
そう感じたという
母親は「育て方を間違えた」と泣き兄は「何で出て来ないんだ」とドアを蹴破った
学生時代の親友が自殺
それが部屋から出るきっかけだった
母親の知り合いだった林さんに出会いシェアハウスに入ることを決めた
一方桶さんは小さい頃から真面目で反抗期もないいわゆる「いい子」だった
技術畑を希望したが配属先は営業だった
働く意欲はなくなり1年で退職した
その後派遣も経験したがリーマンショックによる雇い止め
仕事は見つからず人の目を避けるようになり気が付けば4年が経っていた
全国におよそ70万人いるといわれる「ひきこもり」
その大半は自分の興味ある場所やコンビニなどには行くが社会とかかわろうとしない
シェアハウスでの生活が始まって2か月
オーナーの林さんは地域のお年寄りを集めたイベントを開いた
2人にも外の世界と触れ合ってほしい
(拍手)
林さんは卓さんに受付を任せた
(大久保さん)じゃあお釣り…。
一方桶さんは怠けているようにしか見えない
「やろうとは思うができない」という
ひきこもりからの回復過程によく見られる状態だ
林さんが親達からの相談を受け始めたのは25年前
校内暴力などを起こす非行少年
親や学校に反発する彼らには体当たりでぶつかればよかった
しかし10年ほど前から相談が増えた「ひきこもり」は違った
強く言えば言うほどこもって行く
何でも世話をしてくれる親元とは違う環境をつくり少しずつ自立を促そうとシェアハウスを始めたのだ
(林昌則さん)あんま口出さずに。
ほんなら気を付けて行ってくださいよ。
うんいってらっしゃい。
(桶橋さん)いってきます。
お願いします。
林さんは社会とかかわりを持ってもらおうと「便利屋」を始めた
この日は家の掃除と庭木の剪定
卓さん3年ぶりの庭師の仕事
調子に乗ってやり過ぎたら変な形になる。
一歩一歩ステップを踏む卓さんの傍らで…
桶さんは「家に帰りたい」と言い出した
帰宅を望む母親の気持ちをくんでのことだ
いろいろちょっと…。
林さんが桶さんのお母さんを呼んだ
やっぱりあの…。
特に…。
うん…。
「長男として家を継ぎ早く孫の顔を見せてほしい」
母親は折に触れそう口にして来た
またよろしくお願いします。
ありがとうございます。
親の期待や愛情がプレッシャーとなり「いい子」ほど吐き出すことができない
「母と子が距離を置く必要がある」
林さんはそう考えていた
久しぶりに実家に立ち寄った卓さん
この親子にも長くつらい時間があった
自殺をほのめかす息子に母親は疲れ切っていた
でも気付いたことがあるという
卓が林さんの所に「もう大丈夫」って言って出掛けた時何かねぽっかりしたんですここが。
何かちょっと寂しいな的な…。
「えっこれって何よ」って思って。
…部分もあったなみたいな。
「息子に自立しろと言いながら実は自分のほうが依存していたのではないか」
シェアハウスに来て半年
林さんは卓さんに「そろそろシェアハウスを出てみたら」と告げた
山が雪で閉ざされる冬の間シェアハウスは街中に移る
そこに新しいメンバーがやって来た
中学3年生の…
母親と2人暮らしで6年前から不登校だ
桶さんと卓さんは陸君に話し掛けようともしない
30分後
卓さんが陸君のフィギュアを撮影し始めた
すると…
(丸小陸君)これ…。
(大久保さん)あっべジータかそうか…。
(桶橋さん)あっ付けとったけどあれ取ったんですよ。
(大久保)そうやったげ?
でもお母さんとは口を利こうとしない
陸君は小学3年生の頃から不登校気味になり中学2年の途中からほとんど行かなくなった
(順子さん)はいくちゃくちゃ。
この部屋にこもったきり看護師として働く母親とはもう1年以上まともに会話をしていない
何で学校に行かないかが分からない。
理由がホントに分からなくて。
入居して2〜3日は昼夜逆転の生活が続いていた陸君
各自の部屋に暖房は置いていない
温まるには居間に下りて来るしかない
朝食は自分で用意する決まりだが陸君はストーブの前でアイスを食べ始めた
シェアハウスに来て3週間
自然と触れ合わせようと林さんは陸君を山に連れ出した
田んぼの冬支度
すると陸君に変化が
小さい頃はよく山や川で遊び回っていた
(桶橋さん)何が?
(桶橋さん)いやこれ…。
心の中の何かが動き出したように見えた
この日の午後
陸君が台所に立った
(陸君)はいはいどうぞ。
私達にも分けてくれた
(スタッフ)ありがとうフフ…。
(スタッフ)ありがとう。
最初に来た時よりは全然ちょっと違う。
よう喋るようになって来た。
アハハハ。
卓さんが長期のボランティアに出掛けた
(桶橋さん)やっぱり…。
桶さんが陸君の面倒をよく見るようになった
でもしばらくすると陸君がゲームを始めた
(桶橋さんの声)…っていうのが分かりますね。
あ〜…。
…っていうかそれだなっていうのが。
陸君との生活で見えて来た「自分」
その3週間後
お菓子や日用品を買うためみんなが出し合って自由に使えるお金
ノートにレシートを貼るのが決まりだがその合計と残金が合わない
桶さんやお手伝いでやって来たスタッフも心当たりがないという
どこ行っとった?えっ図書館です。
図書館。
(桶橋さん)あ〜図書館か。
陸はどうや?何かそのお金のことで知っとる?
話し合いの結果何も話そうとしない陸君の部屋を見ることになった
こんなん買うたばっかりやん。
何冊か発売されたばかりの漫画があった
えっ言うてみ?
ひと言断わって買えば何も問題なかったこと
林さんはルールを守ることの大切さを分かってほしかった
1時間が経った頃桶さんが切り出した
どっちや?顔上げて。
はい。
みんなで真剣に向き合ったこの出来事がこの後陸君に大きな変化をもたらした
同じ敷地にある林さんの自宅で陸君が勉強を始めた
高校進学を目指すという
すごいな社会はえ〜。
(林あけみさん)いってきます。
いってらっしゃい。
ご苦労さま。
遅い。
林さんの空手教室にも通い始めた
シェアハウスに来て4か月
陸君にここでの生活について聞いてみた
「将来」
陸君から初めて聞く言葉だった
3月そんな陸君が「中学校の卒業式に出る」と言い出した
それもそれで何かすごいな。
(陸君)もう俺ホント…。
あ〜そういうことね。
何度も不登校をやめようとした
誰にも伝えていなかったことを桶さんに明かした
卒業式当日
ボランティアから戻って来た卓さんが陸君に朝ごはんを作ってあげた
1人ソワソワするのは桶さん
(拍手)
少し窮屈な制服
陸君は3年間で15cm身長が伸びた
・丸小陸・
体の成長と心の育ちがずれることだってある
少し回り道はしたけど胸を張って臨んだ卒業式
みたいな感じで…。
…やったんじゃないかなと思うけどな。
皆さんのおかげで無事…。
・ホントか?・ハハハ…。
・こらこら・合格することができましたありがとうございました。
・おめでとう!・
(拍手)
見事志望校に合格
少し大きめの体操服を選ぶ陸君
(陸君)でもこれ…。
(順子さん)え〜?だって…。
この母と子には今確かな「将来」がある
え〜?行かんて。
・予定は分からんわな・
大工の仕事を始めた卓さん
もう一つ自分の役割を見つけた
ひきこもり経験者などがひきこもりで悩む家庭を訪問し支援する国の事業
シェアハウスで得た経験を生かしたいと研修を受けることにした
一方31歳になった桶さんは…
(鈴の音)
(住職)桶橋さん自身はどうなの?お坊さんになってみたいと思ってるの?そうですねなってみたいなっていう気持ちはありますはい。
小さい頃から近所に寺がありお坊さんの仕事に興味を持っていた
自分から何かをやりたいと言い出したのは初めてだ
学校も行かず仕事もせずひきこもっていた彼らを見て「甘えている」という人もいるかもしれません
よっしゃ〜あがり!
でももしも全てを受け入れるこの場所がなかったら3人の笑顔を見ることはできたでしょうか?
毎朝弁当を作って学校に通うこの姿を見ることはできたでしょうか?
・いってらっしゃい・いってきます。
卓さん桶さん陸君
ちょっと変わったシェアハウスが背中を押したそれぞれの春です
全国で相次ぐ倒木事故
管理の行き届かない樹木が悲鳴をあげています
安全対策に抜かりはないのか?
身近に潜む危険を検証します
2014/06/02(月) 00:50〜01:20
読売テレビ1
NNNドキュメント「ひきこもりのシェアハウス」[字]

去年、石川県加賀市にひきこもりだけが入るシェアハウスがオープン。失業中の30歳、25歳の元・庭師、不登校の中3生…風変わりな共同生活の中で笑顔を取り戻していく。

詳細情報
番組内容
社会とのつながりを絶つ若者たち…約70万人いるといわれる「ひきこもり」が社会問題化して久しい。去年、石川県加賀市の一軒家にひきこもりだけが入居できるシェアハウスがオープンした。長年、子どもたちと向き合ってきたオーナーの林昌則さんは、気持ちを共有できる仲間の存在が大切だという。派遣社員で雇い止めにあった30歳、25歳の元・庭師、不登校の中3生…風変わりな共同生活の中で、若者達は笑顔を取り戻していく。
出演者
【ナレーター】
チョー
制作
テレビ金沢

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
ニュース/報道 – 特集・ドキュメント

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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ステレオ
サンプリングレート : 48kHz

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