ららら♪クラシック「響け!俺のバンドネオン〜ピアソラの“リベルタンゴ”〜」 2014.06.02

あのクラシックの名曲をあなたのものに。
人生を豊かにしてくれる一曲を一緒に見つけませんか?今回は…。

(「リベルタンゴ」)クラシックのコンサートでも多く取り上げられているタンゴの名曲です。
この曲タンゴとはいっても普通のタンゴとはちょっと違います。
作曲者はピアソラ。
彼もまた普通ではない作曲家でした。
そんな彼に貼られたレッテルは…一体何をしでかしたのでしょうか?スタジオでは「リベルタンゴ」の普通とは違う特徴をご紹介。
ゲストの小林綾子さんは…。
本当になんか躍動的というかメリハリがすごいある感じがしますね。
今日はバンドネオンが鳴らすタンゴの響きであなたのハートをつかみます。
「ららら♪クラシック」今日はピアソラの「リベルタンゴ」をご紹介します。
非常に情熱的でねかっこいい曲ですよね。
それでは本日のお客様をご紹介しましょう。
女優の小林綾子さんです。
(一同)よろしくお願いします。
ようこそお越し下さいました。
ありがとうございます。
小林さんがクラシック音楽に興味を持たれたきっかけというのは何だったんですか?小学校2年生ぐらいまで音楽教室に通っていたりちっちゃい時にバレエを見に行ってオーケストラで踊ってるロシアのバレエを拝見した事ありましたね。
意外と小さい頃からクラシックには触れる機会があって。
意外と「おしん」の山形の世界と全く違っていたんですね。
バレエやピアノの方がむしろ身近だったと。
はい。
社交ダンスの方もたしなまれるという事なんですがタンゴの音楽全般にはどんなイメージありますか?リズムが体に入りやすいですし非常にタンゴは踊りやすいと思います。
ただメリハリをつけるのがちょっと大変ですけどね。
でも今日ご紹介するピアソラの「リベルタンゴ」というのはその踊りやすいタンゴの世界を一気に覆してしまったんですよね。
そうなんですね。
タンゴはアルゼンチンで生まれたダンス。
またこのダンスのための音楽でもあります。
歯切れのいいリズムと哀愁に満ちたメロディーが特徴です。
19世紀前半にキューバで流行した舞曲がアルゼンチンにもたらされこれにヨーロッパの音楽などが混ざり合いタンゴが生まれたと言われています。
このダンスにアルゼンチンの多くの人々が夢中になり街の至る所でタンゴを楽しむようになりました。
踊りのステップに欠かせないのがこの楽器バンドネオンです。
特徴は歯切れのいいリズムを生み出せる事。
ちょっと聴いてみましょう。
「電撃」とも言われた鋭いリズム。
これがタンゴのステップにぴったりだったんです。
こうしてバンドネオンのリズムに彩られたタンゴはアルゼンチンのダンスシーンに欠かせないものとなりました。
一方ピアソラの「リベルタンゴ」は…。

(「リベルタンゴ」)普通のタンゴとはちょっと違うんです。
曲名はリベルタ「自由」と「タンゴ」をつなげてピアソラが名付けた造語。
つまり「自由なタンゴ」という意味です。
一体何が自由なんでしょうか。
タンゴはそれまでアコースティック楽器が中心でした。
しかしピアソラはエレクトリックギターやエレクトリックベースなどを加えました。
時にはドラムをたたいてロックのテイストも!更にジャズのような即興まで。
幅広い音色と複雑な作りで「踊る」というタンゴの縛りから自由になったこの曲。
そう「リベルタンゴ」は音楽自体が主役になった「聴くためのタンゴ」なのです。
いかがでしたか?かっこいいですねやっぱり。
曲の感じがなんかちょっと若者に向けたかっこいい感じがする。
この曲って言ってみればそれまでの伝統的なタンゴからは邪道だって言われていたんですけれど小林さんも何か自分で発見してやってみてよかったなんて事あります?お芝居の事で言いますと私はやっぱり先輩方とか演出家の方からずっと台本どおりにきちんと演じてしゃべらなければいけないというような思いがあったんですがこの間舞台の話なんですけど台本にはない事なんですがアドリブでその場の空気をキャッチしてお客様とキャッチボールしながら…どちらが大変ですか?決まったセリフを言うのとアドリブって。
私はやっぱりどちらかと言うと決まったものをきちんと演じる方が得意なんですけれどもでも…やっぱりこういう事もこれからはしていけたらいいなとちょっと思いましたね。
「リベルタンゴ」を作曲したピアソラはなぜ従来とは違う自由なタンゴを目指したんだと思います?やっぱり型にはまっているのが面白くなかったからとかそういうところでしょうかね?では自由になりたかったピアソラその時の気持ちはどんなだったんでしょうか?見てみましょう。
アルゼンチンに生まれたアストル・ピアソラ。
8歳の頃タンゴ好きの父親から買い与えられたバンドネオンを始めました。
みるみるうちに腕を上げたピアソラはタンゴの本場ブエノスアイレスで一流のタンゴ楽団に入団。
ナイトクラブやダンスホールで演奏し数年後には自分の楽団を持つまでになりました。
しかしピアソラは次第にタンゴの演奏に行き詰まりを感じるようになります。
ダンス音楽のタンゴには形式が定められ制限が多かったからです。
「タンゴはちっぽけな音楽だ。
もうバンドネオンを演奏するのが恥ずかしい」。
ピアソラは楽団を解散しタンゴ界から姿を消します。
その後自分の音楽を模索したピアソラはクラシック音楽を学ぼうと…そこである先生に自分の作ったオーケストラ作品を見せる機会を得ます。
…と彼女は聞きました。
ピアソラが自分のタンゴの作品を弾いて聴かせると…。
彼女の目の色はみるみるうちに変わっていきました。
このひと言がピアソラの人生を決めました。
「諦めてはダメだ。
僕は自分のタンゴをつくろう」。
パリからブエノスアイレスに帰国したピアソラは再びタンゴの世界に身を投じます。
そして型にはまらない自分らしいタンゴをつくろうとしました。
「ブエノスアイレス八重奏団」を結成し生み出したのは踊るための制限に縛られない新しいタンゴ。
それは聴くためのタンゴだったのです。
しかしそれまでのタンゴとのあまりの違いに聴衆からは猛反発を食らいます。
客が怒りだし…ピアソラが街を歩けば通行人から罵声を浴び…。
タクシーには乗車を拒否され…。
それでもピアソラはタンゴへの情熱を捨てずより完成度の高い自分の音楽を追求し続けます。
そして1970年代。
彼は当時若者たちに人気だったロックを自分のタンゴに取り入れようとしました。
それが「リベルタンゴ」でした。
この曲についてピアソラは次のように語っています。
(斎藤)やはりもっと多くの人に聴いてほしい。
ただし…そこも大事だと思います。
困難に屈する事なく新たなタンゴの世界を切り開いた男の熱い思いがこの曲には込められているのです。
踊るタンゴではなくて聴いてもらうタンゴをつくるがためにあんなに大変な思いをされてたんですね。
やっぱり新しい事をする人目指す人っていうのはいつの時代もああいうふうな事って乗り越えなきゃいけないんでしょうかね。
やっぱどんな音楽でも…これはお芝居でも小説でもそうだと思うんですけど…そのおかげですてきな曲が生まれたわけですもんね。
小林さんはピアソラみたいに何か壁にぶつかってそれを乗り越えたみたいな経験ってあるんですか?そうですね…。
「おしん」の話ですと橋田壽賀子先生の書かれたセリフは非常に長くてましてや山形弁っていう方言がありましてそれを母と二人三脚でずっと撮影に入る1か月以上前から毎日毎日練習をして小学校4年生の体にはほんとに体力的にはきついところもあったんですけど…ピアソラは自らを「音楽の労働者」というふうにいっていて寸暇を惜しんで作曲やアレンジに取り組んでいて文学や音楽の勉強も続けているという非常に努力家の作曲家だったんですね。
ちょっと珍しいタイプですよね。
そういうところはルーズなのかなと思ったらそんな事はないんですね。
演奏家としての面もあるのでやっぱりそういうメンバーとのいろんなやり取りとかはしっかりとやっていたんでしょうね。
非常に周りの音楽家からもあつい信頼を得ていたようで時にはいたずらなんかもしていたそうですけどみんなピアソラを愛していて非常に信頼関係うまくいっていたという事なんですよね。
でも新しい世界をつくる人って自分が開拓者ですからそのあとについてくる同志をちゃんとつくれる人じゃないと1人だけだとどんなに突っ走っても潰れてしまいますから。
限界がありますよね。
そういう意味で…クラシックにまつわる素朴な疑問にお答えしま〜す!この質問にはステージでたくさんの「ブラボー」を受けるオペラ歌手の錦織健さんにお答え頂きましょう!
(拍手)「ブラボー」以外となりますと語尾を変化させて……とか言いますけれどもじゃあそれを言わなかったから無知だとかやぼだとかそういう事は全くないので「ブラーボ」で一応いいと思います。
一番注意すべきはタイミングだと思いますね。
曲が終わってその残響が響いてそして……っていうのはいいんですけどそれが終わりきらない間に拍手や「ブラボー」を…これが遅すぎる分には全く問題ありません。
どんなに遅くても…番組ではクラシックにまつわるあなたの疑問・質問をお待ちしていま〜す!今日の名曲は…作曲したピアソラは「踊る」というタンゴの常識を覆す「聴くためのタンゴ」を生み出しました。
しかしそれまでのタンゴとのあまりの違いに…それにもめげずピアソラは自分のタンゴを目指して模索を続け従来のタンゴの縛りから自由になった「リベルタンゴ」を発表。
続いては作曲家の美濃さんが「リベルタンゴ」はどう自由なのかを解き明かします。
まずはリズムの自由。
タンゴっていうとまずそもそも何拍子か…?4拍子。
そうなんです。
「1・2・3・4」っていうこのリズムが非常に大事。
例えばタンゴで有名な「ラ・クンパルシータ」。
これをちょっと演奏してみますのでもしよろしかったら是非小林さんにステップなんかを踏んで頂けると…。
私がですか?音に合わせてじゃあ…。
分かりました。
でもやっぱり石田さん今日きまってらっしゃるので是非タンゴ踊られないと。
ほんとにむちゃぶりをする。
ほんと恐ろしいですね。
手はこうですか?はい。
こういう感じで。
さんはい。
前進みます。
…みたいな感じですね。
すごいすごい!すてき。
うわぁ〜!生まれて初めてやりました。
すばらしいですね。
ありがとうございます。
いえいえとんでもない。
衣良さんやってみて…?ちょっと楽しいですね。
踊れた気になる?なります。
さあこの「ラ・クンパルシータ」は「1・2・3・4」でしたね。
では今度は「リベルタンゴ」を弾いてみます。
複雑な感じがしますね。
鋭いですね。
そうなんです。
実は「リベルタンゴ」は「1・2・3・4」とカウントするというよりも……というカウントをするんですね。
これは彼の他の作品にもよく出てくるピアソラのトレードマークのようなリズムなんですけれども「3・3・2」というのは…。
「1・2・3」「1・2・3」「1・2」。
「1・2・3」「1・2・3」「1・2」。
というふうにリズムを感じていくという事なんですね。
ちょっと手拍子で参加して頂きましょうか。
リズムを感じて頂きたいと思います。
いきます。
さんはい。

(手拍子)そうなんです。
これピアソラリズム。
ではここで先ほどの「ラ・クンパルシータ」こちらも「3・3・2」のリズムで演奏するとどうなるのかちょっと聴いて頂きたいと思います。
どうですか?全然印象が変わりましたね。
ほんとになんか…こんなように「3・3・2」を使うとさまざまな曲があっという間にピアソラ風タンゴに早変わりしてしまうんですよね。
へぇ〜面白い!従来のタンゴに縛られない自由さもう1つの点は形式の自由。
「リベルタンゴ」はタンゴの曲なんですけれども……というのから出来ているんですね。
「リフ」って聞いた事ありますか?リフ…?もう聞いたらすぐ分かると思うんですがロックで有名な…。

(「スモーク・オン・ザ・ウォーター」)これが…。
そうなんです。
ディープパープルの「スモーク・オン・ザ・ウォーター」。
このリフが次のメロディーを呼び起こすような形で出てくるメロディーが…。
…っていうふうに入っていくわけなんですね。
「リベルタンゴ」の場合はどのようなリフかというとこちらです。
これがリフになるんですね。
そうなんです。
そしてこのリフに呼び起こされて出てきたメロディーがこちらです。
すごく息の長い…。
情緒的というか。
美しいメロディーを呼び起こす「リフとメロディー」の形式これはロックやジャズの形式を使ったタンゴの部分なんですよね。
従来のタンゴの縛りから自由になっているというのがこういう部分なんですよね。
でもピアソラすごいですね。
その軸さえぶれなければいろんなアレンジがあってもいいわけですよね。
なるほど。
このあとはバンドネオン奏者の小松亮太が登場。
ピアソラの音楽仲間たちと共演を重ねた日本が世界に誇るアーティストです。
ご紹介しましょうバンドネオン奏者の小松亮太さんです。
(一同)どうぞよろしくお願いします。
演奏家にとって「リベルタンゴ」という曲はどういう辺りが魅力なんでしょう?「じゃあ3秒後に燃えて下さい。
1…2…3…はい」。
「燃えました!」みたいなふうになってしまう曲なんですよ。
でもそれは演奏家だけじゃなくて会場全体もそうですもんね。
いきなりそうなるんです。
そもそもタンゴの楽譜というのはクラシックとは違うんですよね?
(小松)そうですね。
よく言われるのが例えば…ジャズがもうほんとにコードネームだけ書いてあってあとアドリブをとりなさいっていう世界ですね。
その中間。
中間だけどどっちかって言うとクラシックに近いのがタンゴっていう世界ですね。
だから例えばちょっとしたメロディー弾く時も…今からやる「リベルタンゴ」なんかは…。
これしか書いてない。
これを…。
…っていうふうに。
そこの部分は今自由にやってらっしゃるわけですね。
今何となくやりました。
(小林)すご〜い。
(小松)そのメロディーラインを…崩すんだったらかっこよくやってくれないと困るというのがいつもとてもちょっと怖いとこなんですけど。
それでは「リベルタンゴ」お聴き下さい。
ワンツースリーフォー。

(拍手)すばらしい!かっこいいですね。
すごい。
小松さんがこの曲始まった途端にみんなが燃えるって言ってましたけどスタジオの雰囲気もガラッと変わりましたよね。
「3・3・2」でしたっけこのリズムはなんか血がたぎりますね。
それが延々とね繰り返されるこの燃え燃えな感じが…。
ジワジワジワジワこう上がっていくんですよね。
でもセクシーですよねやっぱり。
さっきの聴いててもほんと情熱的なんだけどやっぱりこうエロティシズムを感じるというか。
これ曲のタイトルが全部をシンボリックに言ってるんでしょうね。
「自由なタンゴ」。
自由になるためには過去のルールをちょっと壊さないといけない。
だから抵抗も受けるんですけどそれを乗り越えると逆にそのタンゴ全体の新しい宝が生まれるんですよね。
僕たちもなんかね考えずにルールに従ってますけどここら辺りでちょっとね…自由に壊して。
小林綾子さんをエキサイトさせたこの曲。
皆さんにはどう響きましたか?2014/06/02(月) 10:25〜10:55
NHKEテレ1大阪
ららら♪クラシック「響け!俺のバンドネオン〜ピアソラの“リベルタンゴ”〜」[字][再]

リベルタンゴの作曲者ピアソラは前代未聞のタンゴを書き続けた。そんな彼に貼られたレッテルは“タンゴの破壊者”。彼はいったい何をしでかしたのか…。

詳細情報
番組内容
タンゴは、アルゼンチンで生まれたダンスで、また、そのダンスのための音楽。しかし、ピアソラは、常識を覆す前代未聞のタンゴの作品を次々と発表し続け、“タンゴの破壊者”のレッテルを貼られてしまった。「リベルタンゴ」もそんな作品の一つ。曲名は、自由とタンゴをつなぎ合わせたピアソラによる造語。彼は、どんな音楽を目指したのか…。ピアソラの人物像を見つめながら、この曲の魅力をひも解いていく。
出演者
【ゲスト】小林綾子,【出演】バンドネオン…小松亮太,バイオリン…近藤久美子,エレクトリックギター…天野清継,コントラバス…田中伸司,ピアノ…林正樹,【司会】石田衣良,加羽沢美濃,【語り】服部伴蔵門

ジャンル :
音楽 – クラシック・オペラ
趣味/教育 – 音楽・美術・工芸
劇場/公演 – ダンス・バレエ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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