猫のしっぽ カエルの手「テーマのある庭」 2014.06.03

新緑に包まれた京都・大原は風薫る5月。
伸びやかに羽を広げたトンビが空を舞う。
野に咲く白い花はイチリンソウ。
三方を山に囲まれた大原の里。
ふき替えたばかりの瓦屋根が初夏の日ざしに照らされている。
ゆがみのない美しいいらかの波には火事などの厄よけを願う意味があるという。
築100年の古民家の庭。
この数日ですっかり緑が濃くなってきた。
朝起きたらまずはガーデニングからベニシアさんの1日が始まる。
(ベニシア)ここ何かジャングルみたい。
春の花の後始末と夏に向けての準備。
これはスイセンの葉っぱでちょっときれいにします。
スイセンの葉っぱ取ったら駄目ですからくくってる方がいい。
毎年欠かさないスイセンの手入れ。
花のあと葉を根元で縛っておくと光合成を続け土の中で球根が太ってくれる。
そして今度ホップス。
ホップスがものすごく強いから。
ぐんぐん伸び始めたホップのツル。
ベニシアさんホップの力を借りて作りたいものがある。
皆さんビール飲むでしょ?ビールのパワーはこのホップスのパワーね。
ビールはここ作ってないけどこれが伸びたらいいカーテンになるんですけどね。
まっすぐ上に行って1回そこの樋っていうの?樋の上に行って2階まで行きますね。
だからすごいパワーがあるのね。
繁殖力の強いホップ。
あっという間に屋根まで届くはず。
自然のカーテンは陰を作り涼をもたらす。
迷わずに伸びていけるようにツルを絡ませるワイヤーを張り巡らす。
夏になると朝早く庭入りたい。
何か誰もいないから静かで自分の世界にいるっていう感じで。
自分の家が一番落ち着く場所ですから自分の家が居心地がいいように作ればすごくリラックスできて楽しい場所。
14年かけて造ったこの庭は私のパラダイス。
ベニシアさんはいつも言う。
家を囲む40坪の庭は楽しんで考えたテーマごとに小さなコーナーで構成されている。
ここの庭この辺のスペースは一応ジャパニーズガーデンっていうんですけど最初からの木もあったし大きい岩が3つあるのね。
それは日本の庭の独特のものですからだから日本の花もあります。
これフジバカマ。
秋に咲くやつとミヤコワスレが最初からあったのねここの家。
でもハーブ作りたいからちょっと花壇作ったのね。
まずここの所花壇を作って今ハーブが…ローズマリーとボリジとかそういう日本の花とハーブを交ぜて。
これはローズマリーが門になってます。
ここの世界から別の世界に入るためにローズマリー2つ。
ここの庭は私は平和の輪っていうんだけどコテージガーデン。
イギリス流のコテージガーデンは結構背の高い花…例えば今ヤグルマソウが咲いてますね。
そのあとにメドオウセージが出てくる。
メドオウセージもすごく背が高い。
向こうは不思議な事で地蔵さん見つけたの。
これ最初からあったのね。
見つけた時「えっ?自分の庭に地蔵さんがある」ってすごいラッキーって感じてじゃあこの平和の輪のデザインは一応この地蔵さんのためにデザインをしたのね。
家の北側背の高い木々に囲まれたフォレストガーデン。
木製のブランコが森のアクセント。
ユズやウメの木はベニシアさんが越して来る前からここにあった。
大体みんなねこの裏にまた庭あると思わないからね。
ちょっと驚く。
だからこの辺歩いたら…。
ウオールガーデンの壁にもう終わってるけどムスカリが…。
終わったけどムスカリ植えて。
こっち入ったら別世界。
この庭は今の季節一番きれいです。
スパニッシュガーデン。
フラメンコの衣装を思わせるような鮮やかなチューリップが満開を迎えている。
テーマ何にしようと思ったらここ井戸があるから。
井戸はコンクリートであんまりきれいじゃなかったからモザイクつけたらこれはスペインみたいかなと思ってじゃあスパニッシュガーデンにしようって。
私5歳の時スペインに1年ぐらい住んでたから結構思い出があるのね。
スペインの国は何て言うかなカラフルな感じよね。
だからこういうカラフルな庭造ったの。
色は一年中黄色かオレンジか赤。
大体その3つのコンビネーションで。
向こうは最後にどうしようと思ったらワインガーデンにしたんだけど。
ワインカラーの花を眺めながらワインを楽しむための庭。
ここの庭は絵描いたり本読んでる。
御飯を食べる時もあります。
ちょうどここ造ってた時と同時にここの土間のおくどさんがやっぱり要らないと思ったのね。
でもおくどさんは日本の台所の神様みたいの。
ただ壊してほかすのアカンと思ったのね。
だから取ったレンガを主人がここのパティオみたいに造ったのね。
これ息子2人が手伝ってくれたの。
越してきた頃土を掘り起こしてみるとゴロゴロと大きな石が出てきた。
プロの手を借りず家族で協力しながら造ってきた庭。
ガーデニングは楽しむ事が一番大切。
何かテーマを考えたらいいと思うけどね。
どんなテーマにするのかはみんな自由と思うんだけど色とか考えて自分の庭の特別…大体自然が教えてくれるけどね。
ここの壁があったからこうしようっていうのもあったし。
それを見て自分の家の周りを生かすっていう感じよね。
自然の恵みが与えてくれるものに感謝。
ベニシアさんの庭から爽やかなハーブの香りが漂ってくる。
庭で育ったハーブを使って虫よけオイルを作る。
ガーデニングとハイキングの時いつも私が使ってるオイルを作ろうと思ってます。
それを塗って強烈なミントも入ってるから虫が来ない。
材料はホホバオイル。
ホホバオイルは筋肉痛に。
その隣はツバキ油。
紫外線をカットする力がある。
このオイルは大体1回つけたら一日中もつからクレージーガーデナーのためとハイキングが好きな人のためのすごくいいオイルで。
最初は油を入れますから。
ホホバオイルとツバキ油を混ぜる。
まあ10滴か12滴。
ペパーミントとユーカリの香り。
虫は嫌いだけれど人には爽やか。
これはユーカリ。
12滴ぐらい。
最後はミントの葉っぱ。
これ庭から取ったんですけどスペアミントでもペパーミントでもどっちでもいいんですけどね。
これをちょっと潰すのね。
生のスペアミントを足すと虫よけの効果が長もちする。
このぐらい。
ドライだったらあんまり水分が出ないからね。
フレッシュの方がいい。
水入ってるでしょ?うん。
う〜ん!これミントが…頭がスッとする感じ。
そしたらここに入れます。
お気に入りの小さいガラス瓶に移す。
これポッケの中に入れたらいいし。
使う時は数滴染み込ませるように肌に塗る。
虫が増える季節このオイルが手放せなくなる。
田植えを終えた水田が山を映し出している。
ベニシアさんの日課大原散歩。
川と緑と初夏の光。
この自然にすっかり魅了されているベニシアさん。
もともと大原にあった植物がすごく貴重ですね。
自生の植物がちょうどこの大原の天気とか水の量とか暑さとか完璧にあるから育ちやすいのね。
初めて大原に来た時結構調べたのね。
歩きながら。
山に囲まれて雨も多い大原。
さまざまに自生する草花を見つけるのが楽しい。
こんにちは。
(辻)ああこんにちは。
何してるんですか?この土手結構いろいろ生えているんですけどキチョウジが…。
大原の草花を研究している…地元の草花なら何でも知っている。
これイギリスに似てるのがあるけどイギリスでバターカップというんですけど日本で何ていうの?ウマノアシガタとかいうんですね。
ウマノアシガタっていうの?馬のひづめに似ているから…これユリですか?これはナルコユリですね。
うちの庭でもあると思うけど。
これうちの庭と一緒。
日本語でナルコユリ。
鳴子いうて鳥とかを田んぼとかで追っ払う時に下げてガチャガチャッと風で揺すれて音がして追っ払うような道具と似てるんで。
それでナルコユリ。
ユリの仲間なんでナルコユリっていう名前付けたみたいですね。
これは何千年前にこういうものありました?これは後から入ってきた植物ではないと思うんですよ。
もともとあったもの?ええ。
昔はごくありふれてあったんでしょうけれども今となってはどこでも見られるものでもなくなってきてるんでこういうのを大事にしないといけないなと思いますよね。
いにしえの人々が名前を付けいとおしんだ野に咲く草花を守りたい。
辻さんはその豊富な知識から大原にある苗木屋を任されている。
山野草を実際に自分で育ててみる事を大切にしている辻さん。
これはチョウジソウという植物なんですけれども大体今頃の天気にこういう細い花が咲くんです。
やっぱり自分で作ってみると性質がかなり分かってきますね。
図鑑だと全く分からない情報になりますので。
その辺りはやっぱり自分で作ってみるとよく分かりますね。
植物は生き物。
それぞれが元気に育つためにどうしてあげたらいいか確認して伝えたいから。
その思いに応えるように花たちは傷一つなく咲いている。
大原生まれの大原育ち。
写真の中の辻さんはいつの時代も大原の自然に囲まれている。
高校の農業科を卒業し苗木屋へ就職。
それから約20年草花一筋の人生。
地元でこういう所で好きな事を仕事にするっていうのは最近ないんで自分は結構幸せな方だなと思ってますね。
辻さんが生まれ育った自宅。
ここには小さい頃から慣れ親しんだ大原の草花が大切に育てられている。
例えばこれなんかはホウチャクソウっていいまして結構ここらの山には普通にあったものなんです。
最近はだいぶ衰退はしてるんですけどもうちの庭では結構木漏れ日が当たるんで増えてきていますね。
こういう下向きに咲く花で下が開いている花は結構蜜を吸う蜂が集まりますね。
今来てますよね。
ちょうど。
やっぱりこういう蜂との共生関係にあるというかこういうものを残しておかないと虫とかもいなくなって受粉ができなくなって生えなくなってしまいますね。
ベニシアさんの庭にも咲いていたミヤコワスレも昔から伝わる花。
こちらの花がいわゆる大原菊…ミヤコワスレミヤマヨメナといわれるやつでもともと祖母が山で取ってきてこちらに植え込んだものです。
最初は小さい株だったんですけどかなり環境が合ってるのか増えてきていますね。
鎌倉時代時の天皇が「都を忘れるほど美しい」と歌ったという。
天皇が眠る大原の御陵にミヤコワスレが群生していた事から通称大原菊として呼ばれ里の人は大切にしてきた。
ミヤコワスレをお得意さんのもとへ。
この宿の庭ではもともと山にあった草花を生かしている。
心和む大原の花でもてなしたいという思いから。
辻さんはコケのそばにそっと花を植えた。
ああこんにちは。
主人の山本さんもミヤコワスレを見てうれしそう。
大原菊いうて…。
(山本)大原菊やな。
大原菊はホントいうてだいぶ無くなってきましたんで特にこの山は割合育ちがええわね。
(辻)木の陰になるような所が一番環境的には増えると思いますし。
まあええもんですやっぱりね。
自然のやつが一番いいですよ。
やっぱりこういう雰囲気に合ってるというか。
昔からその地に根を下ろしているものがその場所で一番美しくいられる。
かれんな花が教えてくれた。
辻さん取って置きの場所にベニシアさんを案内したいと言う。
あ〜きれい。
すごいきれい!いっぱい…。
たどりついた先には…。
クリンソウの花が群生していた。
昔からあったものじゃないんですか?自生というかね。
自生のものですね。
きれいよね。
びっくりするぐらい。
もし子どもだったらこっち来たらこれ見たら多分ちっちゃい子だったら感動すると思う。
これは人間には作れないなという風景がどうしてもありますよね。
それは自分らの…植物同士のせめぎ合いみたいな形で…。
助けてあげてるというところもあるしね。
共生してそういう風景を作り出しているところが人間が見て感動するところになるんでしょうね。
ホントそう。
自然もすごい大きな庭を造ってるからやっぱり自分の庭も大切だけど自然の庭も大切というかみんな感動してほしいなと思うのね。
無視したらかわいそうと思う。
自然が作り出す美しさには何ものもかなわない。
だから大切に謙虚な気持ちでいたい。
光さす森の中で2人は思う。
全て新しいものに替えられた瓦屋根。
役目を終えた古い瓦をリサイクル。
すごく今屋根がきれいになってだけど屋根からいろんな瓦が残ってるのね。
これ見たらプランターにできるかなとちょっと思ったんですけど。
1つにしたら花植えたらいいと思って。
普通の土…。
愛着の籠もった瓦を花を植えるためのプランターするという。
こんな花選んだんです。
これはロベリア。
花が小さいんだったら根っこもそんなに深くなくても大丈夫ですから。
あとで入れます。
この家の思い出もあるしね。
この瓦。
いろんな使い方あると思うのね。
出来ました。
もう一つの小さな庭が出来上がった。
2014/06/03(火) 12:25〜12:55
NHKEテレ1大阪
猫のしっぽ カエルの手「テーマのある庭」[字][再]

新緑の京都・大原。ベニシアさん、テーマごとに分かれた自宅の庭を紹介。大原散歩に出かけ、山野草のクリンソウに出会い、感激。古い瓦をリサイクルしてプランターにする。

詳細情報
番組内容
新緑の薫りに包まれる京都の大原。ベニシアさんは、花の終わった水仙の葉を根元で縛り、ホップのツルを使ってテラスの日ざしよけを作る。14年間かけて造った、テーマごとに分かれた自宅の庭を紹介。特製の虫よけオイルを塗り、日課の大原散歩へ。大原の山野草店で働く辻誠さんと出会い、一緒に大原の山野草を見て回る。クリンソウの群生を見て、感激する。古い瓦は捨てずにリサイクルし、花を植えるためのプランターにする。
出演者
【出演】ベニシア・スタンリー・スミス,【語り】山崎樹範

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
趣味/教育 – 園芸・ペット・手芸
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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