聖母・聖美物語 #46【成長篇〜母の幸せ】 2014.06.03

(波津子)じゃあ頂きましょう。
(一同)はい。
いただきます。
(繁郎)陽。
無理しなくていいからね。
食べられるだけにしときなさい。
(波津子)どうかしたの?
(繁郎)うん。
けさ少し熱っぽかったんです。
(陽)おばあちゃん。
卵焼きおいしいね。
(波津子)ああよかった。
じゃあおばあちゃんの分もあげちゃおうかな。
(繁郎)はい。
(陽)ありがとう。
おばあちゃん。
(波津子)うん。
心配なさそうね。
この調子なら。
(繁郎)ええ。
(波津子)峻ちゃん。
あなたもたんと召し上がれ。
(峻)はい。
(波津子)意地張ってないでこっちに来て一緒に食べたら?
(愛美)私のこと?
(波津子)ひかりだって四六時中あんたとべったりじゃ。
そろそろ離乳食でしょ?みんなとにぎやかに食べた方がいいじゃない?
(せき)
(峻)あっ。
大丈夫?陽君。
(せき)
(繁郎)あっ。
陽。
どうした?陽。
どうしちゃったの?急に。
(繁郎)ああ…。
陽。
ほら。
お口開けてごらん。
(陽)息…苦しい…。
(繁郎)峻君。
お幕だお幕。
(峻)はい。
(陽のせき)
(繁郎)さあ。
よいしょ。
(波津子)ああっ。
(繁郎)大丈夫か?陽。
(陽のせき)・
(愛美)ホントいい根性してるよね。
(聖美)愛美。
(愛美)よくもまあぬけぬけと。
どの面下げてお帰りになったのかしら?
(愛美)恥知らずって姉さんのことよ。
先にお母さまにご挨拶を。
(愛美)誰もいないわよ。
朝からみんな出掛けてる。
家にいるのは私とひかりだけ。
ひかり。
ひかりちゃん。
変わってないわこのにおい。
こんなに大きくなって。
ありがとう愛美。
ひかりを育ててくれて。
それに今まで陽のことも。
(愛美)聞いてるはずよ。
陽の面倒なんてろくに見ちゃいないって。
具合が悪くたって知らん顔。
最近は食事だって作っちゃいない。
ひかりはもともと私の子なんだからお礼を言われる筋合いはない。
それで今までありがとうってどんな皮肉?勝手に出てっといて帰ってきたらはいそうですかって簡単に元通りの場所を明け渡してもらえると思ってんの?そんなつもりじゃ。
(愛美)私は姉さんの留守を預かっていたわけじゃない。
(愛美)姉さんに代わって私がこの家を仕切るはずだった。
あなたが怒るのも無理ないわ。
私はいつもあなたを傷つけてばかりいる。
この家を出てやっと気付いた。
思い知らされたわ。
自分がどんなに身勝手で傲慢だったか。
それが分かったなら何で帰ってきたの?何でまた私をここから追い落とそうとするの?追い落とそうなんて思ってない。
嘘言わないで。
母として生きたいの。
母親である私が本当の私。
母として生きたい。
生きるべきなんだって身に染みて分かった。
だからここへ帰ってきたの。
(愛美)誰の母親よ?陽の?それとも陽とひかりの?陽もひかりも母として愛したい。
姉さんはちっとも変わってない。
あんたは今だって極め付けの傲慢女よ。
あなたも一緒にお母さんになって。
2人で一緒にお母さんになろう。
陽とひかりと峻君の。
できるわけないじゃない。
そんなこと。
無理なのよ。
できっこないのよ。
2人一緒に母親になるなんて。
なのに姉さんも繁郎さんも能天気なことを。
繁郎さん?繁郎さんが何を?姉さん。
前にもおんなじようなこと言ったわね。
2人でこの世の聖母になろうって。
でもあれは口先だけ。
私に赤ちゃん産ませるための方便だった。
方便なんかじゃない。
本気だったわあのときも。
もちろん今だって。
もうだまされるもんか。
私はね全部奪ってやりたかったのよ。
あんたが持っているもの全て。
繁郎さんも。
子供たちも。
この家も。
病院も。
何もかも。
みんな私のものになるはずだった。
なのにしれっと帰ってきて当たり前みたいな顔してまた私から奪い返そうとする。
だからそれは…。
(愛美)奇麗事ばっかり並べてないではっきり言いなさいよ。
私が邪魔だって。
もう用はないからここから出てけって。
言いなさいよ。
言ってみなさいよ。
その口で正直に。
言いなさいよ。
言ってみなさいよ。
あっ…。
(愛美)言いなさい。
言いなさいよ。
言いなさいよ!・
(波津子)何騒いでるの!大きな声出して。
(愛美)言いなさいよ。
(波津子)聖美さん。
(愛美)早く言いなさいよ。
(波津子)ちょっと。
(愛美)言えって言ってんのよ!
(波津子)やめなさいよ!お母さま。
どうせ大歓迎ですもんね。
お母さんは。
姉さん追い出した張本人のくせに。
ころっと態度が変わっちゃって。
みんな待ってた。
姉さんの帰りを首を長くして。
(波津子)聖美さん。
早く病院へ。
病院?
(波津子)愛美さん。
あなた言わなかったの?陽のこと。
陽が?何かあったんですか?
(波津子)もうそりゃあひどいせきで息もできないようになって…。
ああ。
聖美さん。

(足音)・陽!
(峻)伯母さん。
(繁郎)聖美。
陽。
陽。
どうしたっていうの?何があったの?
(繁郎)軽い気管支炎だ。
気管支炎?
(繁郎)最初は慌てたよ。
移植の後遺症で免疫反応を起こしたんじゃないかって。
でも大事には至らなかった。
後遺症じゃないのね?間違いないのね?心配いらない。
よかった。
よかった。
陽。
陽。
分かる?ママよ。
(陽)ママ?僕夢を見てるのかな?
(峻)夢なんかじゃないよ。
陽君。
ママが帰ってきたんだ。
陽んところへ。
ごめんね。
今までさみしい思いをさせて。
(陽)ママ。
もうどこへも行かない。
ずっと陽のそばにいるからね。
ママ。
ママ。
現金だな。
陽のやつ。
君の顔見たら急に元気になっちゃって。
2〜3日入院させて様子見るつもりだったけど。
あの分ならもう明日にも家に戻れそうだ。
そんなに焦らなくたって。
今のあの子にはママのそばにいることが一番の薬なんだよ。
おかえり。
聖美。
ありがとう。
戻ってきてくれて。
いいの?ホントに。
いいって何が?短い間だったけど私は他の人と…。
諏訪先生と本気で生きていこうって思ってた。
そんな私をあなたは本当に許せるの?妻として受け入れてくれるの?男に二言はない。
陽だけじゃない。
僕にも君が必要だから君を天女になぞらえてああ言ったんだ。
奪われた羽衣は陽であり陽の命を救ってくれたひかり。
母親である聖美が本当の聖美。
もう一度羽衣を身に着けて本来の姿に戻った聖美を僕は見たいって。
私もあなたのその言葉に導かれた。
繁郎さんのその言葉があったから私はまたここへ帰ってくる勇気を持てた。
あれは僕の二度目のプロポーズだったんだ。
あなた。

(峻)分かってるよね?もう覚悟はできてるよね?
(愛美)覚悟って?
(峻)約束したじゃないか。
伯母さんが帰ってきたら2人でここを出ていこうって。
(愛美)あんたが勝手に決め付けただけ。
私は約束なんかしてない。
まだ居座るつもりなの?そんなことして何になるの?最初に決めたとおりひかりちゃんは伯父さんと伯母さんの子として育てるのが一番いい。
何度もそう言ってるじゃないか。
子供に何が分かるのよ。
(愛美)人一人ひかりの人生が懸かってるっていうのに。
簡単に言わないで。
(峻)ひかりちゃんだけじゃない。
僕は母さんのためを思って言ってるんだ。
(愛美)私のため?
(峻)ここにいたって母さんは幸せになれない。
母さんが幸せじゃなかったらひかりちゃんも幸せになれない。
(峻)分かってるよ。
ひかりちゃんと離れることがどんなにつらいかってことぐらい。
(峻)分かってるよ。
赤ちゃんのとき母親から引き離された母さんだからこそひかりちゃんを同じ目に遭わせたくないっていう気持ちぐらいは。
でもそのせいで母さんはただ不幸なだけだった?
(峻)反対におばあちゃんと一緒に暮らしてきた聖美伯母さんだって母さんの知らない苦労をしてきたんじゃないの?僕は母さんの幸せそうな顔をいっぱい知ってる。
明るくて元気でカワイイ母さんを誰よりもよく知ってる。
早く戻って。
あのころの僕の大好きな母さんに。
話してこよう。
伯父さんと伯母さんにこの家を出るって。
今しかないんだ。
今がそのときなんだよ。
あんたに指図される覚えはない。
あんたが今日までここで何不自由なく暮らしてこれたのは私が体を張ってこの子を産んだからじゃないか。
親に向かって二度と偉そうな口利くんじゃないよ。

(峻の泣き声)
(愛美)ひかり。
あんたってば何うれしそうに笑ってんの?あんたがそうやってにこにこ笑っていられるように私だって一生懸命…。
(愛美)おなかすいてない?おっぱい飲もっか。

(愛美)おいしい?そうか。
ママのおっぱいはおいしいか。
たくさんお飲み。
好きなだけ。
おっぱいが空っぽになるまで。
全部飲んでいいんだからね。
(愛美の泣き声)
(波津子)陽。
今日退院できるんでしょ?ええ。
僕も今日は非番だし後でみんなで迎えに行きましょうか。
(波津子)喜ぶわね陽。
ママが帰ってきて家族みんなでお出迎えなんて。
あっ。
峻君。
峻君も一緒にお迎えしてあげてね。
(峻)あっ。
僕は…。
あっ。
ううん。
何でもない。
愛美。
(峻)母さん。
どうしたの?その格好。
(愛美)あんたたちの変わり身の早さにはもうついていけなくなった。
変わり身?あんたのことよ。
繁郎さん。
この3カ月まるで何にもなかったみたいに夫婦揃ってにこにこ朝ご飯なんか食べちゃって。
(波津子)あんた。
ひかりを連れて出ていくつもりじゃないでしょうね?
(愛美)清々するでしょ?邪魔者がいなくなって。
清々って。
冗談じゃない。
あんたはともかくひかりだけは置いてってちょうだいよ。
(愛美)何でもかんでもそっちの都合どおりになると思ったら大間違い。
そう簡単にこの子を渡してなるもんですか。
愛美さん。
僕らは別に君のことを邪魔だなんてさ。
どうしてもこの子が欲しいっていうんなら考え直してやってもいいわよ。
条件しだいでね。
条件?繁郎さん。
はい?あんたこの子に幾ら出してくれる?値段を?
(愛美)ばあちゃんならカワイイ孫に幾ら出す?
(峻)やめて母さん。
何でそんなこと言うの?
(愛美)あんたは黙ってな。
親のやることに口を出すな。
そう言っただろ。
さあどうする?見合うだけの額を払うかしみったらしく金を惜しんでこの子とさよならするか。
いいわ。
込み込みで3,000万出しましょう。
込み込み?あなたの妊娠出産の慰労と報奨金。
それから子守を含めた家政婦としての報酬。
今まで支払った分も含めて込み込み3,000万。
(愛美)たったそれっぽっち?あんたたちの大切な陽の命を背負って生まれてきたこの子の価値がたったそれだけ?もちろん1億出したっていいんですよ。
でも1億出したらその代わり今後一切うちとは関わらないという念書を書いてもらいます。
念書?
(波津子)あなたまだ若いんだし先々何が起こるか分からない。
目の前の大金より柳沢の親戚という切り札を残した方が後々役に立つでしょ。
後腐れなく切り離して野放しにするか多少面倒でもつながりをキープしておくか。
キープの方が私にとってもこの家にとっても安全ってことね。
いかようにも。
いいわ。
交渉成立。
3,000万で手を打とうじゃない。

(戸の閉まる音)
(波津子)峻ちゃん。
峻君。
(峻)待って母さん。
僕も行く。
僕も…。
僕も母さんと。
僕も一緒に連れてって。
2014/06/03(火) 13:30〜14:00
関西テレビ1
聖母・聖美物語 #46[字][デ]【成長篇〜母の幸せ】

繁郎(原田龍二)の説得で聖美(東風万智子)が柳沢家に帰ってくる。怒りをあらわにする愛美(三輪ひとみ)はすがる峻(谷藤力紀)を置いて出て行く。そして10年が経ち…

詳細情報
番組内容
 繁郎(原田龍二)の説得が功を奏し、聖美(東風万智子)が柳沢家に帰ってくる。愛美(三輪ひとみ)は勝手な姉を批判し、怒りをあらわに。しかし、繁郎や波津子(丘みつ子)は聖美を迎え入れ、体調を崩していた陽(平林智志)もすぐに元気になる。
 峻(谷藤力紀)は、この家に自分たちの居場所はもうないのだ、と愛美に対して一緒に家を出るよう訴える。
番組内容2
生活は貧しくなろうとも、以前の明るい母さんに戻ってほしいと峻は涙ながらに懇願するが、愛美は息子の話を聞こうとしなかった。
 翌日、愛美は波津子にとんでもないことを言い出す。
出演者
柳沢聖美:東風万智子
森尾愛美:三輪ひとみ
柳沢繁郎:原田龍二
柳沢弘明:金子昇
柳沢波津子:丘みつ子
星川真輔:風間トオル ほか
スタッフ
企画:横田誠(東海テレビ)
原作・脚本:いずみ玲演
演出:西本淳一(東海テレビ)
プロデュース:西本淳一(東海テレビ)
中頭千廣(TSP)
神戸將光(TSP)
齋藤頼照(TSP)
音楽:辻陽
主題歌:「炎の花」ハルカ ハミングバード(ユニバーサル ミュージック)
制作著作:TSP
制作:東海テレビ
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ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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