NHK高校講座 生物基礎「葉緑体とミトコンドリアの起源」 2014.06.03

(アリスウサギ)面白い!あっ!ハンプティ・ダンプティ!
(ハンプティ・ダンプティ)落とすんじゃないぞ。
生き物の不思議を解き明かす「生物基礎」の世界へようこそ。
生物のエネルギーに関わる細胞小器官。
それが葉緑体とミトコンドリアだ。
これらの重要な細胞小器官はどのようにして誕生したのだろうか?今日は葉緑体とミトコンドリアの起源に迫りますぞ。
こんにちは八田亜矢子です。
今日も楽しく「生物基礎」を勉強していきましょう。
よろしくお願いします。
東京アヴァンギャルドの丸沢丸と…。
綾瀬マルタと…。
森の精のミドリ君です。
今日もイケメンだねぇ。
よろしくね。
よろしくね〜。
はい今日のテーマは…葉緑体とミトコンドリアについては前の回で学びましたが覚えていますか?はい…うん…そうでしたね…う〜ん?あれっ丸君何で悩んでるの?実はちょっと不思議に思ってる事が一つあって。
ん?不思議?なになに?あ…私たち何で全身緑なんだろうとか?そうそう。
僕らは植物なのか動物なのかそもそも生き物なのか…違う!そこじゃない。
あぁそうですか。
何で…言われてみればそうだね。
でしょ?何でなんだろう?2人ともいいところを突いておるのう。
その疑問を解くには生物の進化の過程で植物細胞と動物細胞がどのようにしてできたのかその起源をたどらなければならんのじゃ。
えっ!細胞の起源ですか?そうじゃ。
では丸君今日のキーワードを出してくれたまえ。
はい。
ジャン!
(マルタ)ん?「祖先をたどれ!」ですか?はい。
じゃあたどってみましょうか。
僕の祖先はおじいちゃんとおばあちゃん。
…のおじいちゃんとおばあちゃん。
そのまたおじいちゃんとおばあちゃんでしょ。
でおじいちゃんとおばあちゃんがいておじいちゃんとおばあちゃんのおじいちゃんとおばあちゃん。
おじいちゃんとおばあちゃん…。
しつこい!それでは今日は「細胞の起源」について考えていきましょう。
最初のポイントはこちらです。
それではまずは……について考えてみましょう。
はい!それについては僕が答えましょう。
お〜教えて教えて。
生命が誕生したのははるか遠い昔。
場所はですねぇ…。
どこどこ?どこがいい?あっ?知らないんかい!最初から知らないって…。
もう声かれてるわ!亜矢子さん教えて下さい。
お願いします。
それでは生命誕生の謎をひもといていきましょう。
こちらをご覧下さい。
地球は今からおよそ46億年前に誕生した。
そのころの地上には生物に有害な強い紫外線が降り注ぎ火山活動が活発で陸上は生物が生存するには厳しい環境だった。
一方…海の中にはいろいろな物質が溶け込み更に放射線や紫外線のエネルギーなどによってさまざまな物質が新たにつくられていた。
その中には生物に欠かせないタンパク質の構成成分アミノ酸やDNAの構成成分核酸なども含まれていた。
そして海の中に集まった生命の材料からおよそ38億年前最初の生命といわれるものが誕生したと考えられている。
地球が誕生して間もないころの環境とよく似た場所を今でも深い海の底で見る事ができる。
ここがその場所。
ブラックスモーカーと呼ばれていて300℃以上の熱水が噴き出している。
生命が最初に誕生した場所はこのような地球内部の熱が噴き出す海底だった可能性が高いと考えられている。
へぇ〜最初の生命ってあんなに過酷な所で誕生したんだね。
僕は無理ですよ。
熱いの苦手だもん。
あんたの事じゃないって。
最初の生命だって言ってたでしょ。
ねっ亜矢子さん。
はいしかも熱いだけではないんですよ。
えっそんなひどい環境の中でどんな生物が誕生したんですか?はい実は…北アメリカ大陸最大の火山地帯…100℃近い熱湯が泥と一緒に噴き出している。
酸性度はpH1という強い酸性。
しかもこの熱湯に酸素は含まれていない。
実はこの熱湯の中で暮らしている生物がいる。
その生物を電子顕微鏡で見てみると…。
細胞の中に膜で覆われた核を持たない「原核生物」だ。
地球に誕生した最初の生命は酸素をつかわずに有機物を分解しエネルギーをつくり出す事ができるこのような原核生物だったと考えられている。
はい!亜矢子さん質問です。
地球にはもともと酸素がなかったのにどうして今みたいに酸素がたくさんある地球になったんですかね?それはこの生物シアノバクテリアのおかげなんです。
シアノバクテリアについては前にも学びましたが覚えていますか?
(マルタ)はい。
最初に光合成をした生物ですよね。
はいそうです。
そういえばシアノバクテリアって今でも見る事ができるんですよね。
はいそうなんです。
こちらを見て下さい。
ここはオーストラリアのハメリンプールにある海岸。
シアノバクテリアはこの岩のようなものの表面にいる。
表面から泡が出ている。
シアノバクテリアは光と水と二酸化炭素があれば光合成ができる。
そのためブラックスモーカーのような熱水が噴き出す深い海底を離れ光と水のある場所つまり光の届く浅い海で繁殖していった。
その結果たくさんの酸素がつくられ地球は大気の中に酸素を持つ星になったのだ。
こういった地球環境の変化はもちろん生物にも影響を及ぼしたんじゃよ。
えっ何が起こったんですか?光合成によって…お〜!出ましたよ酸素を利用する生物。
出ましたね。
意外かもしれませんが実は…だから初期の生物にとって酸素は毒だったんです。
ところが酸素の濃度が高くなるにつれて…わ〜毒だったものを逆に利用するってのはその細菌のアイデアがすごいね。
いやいや細菌はアイデア持たないから。
そうか。
でも劇的変化っていうのは確かにすごいよね。
何でわざわざ毒である酸素をつかおうって思ったんだろうね。
それは…つまり偶然酸素をつかってみたらものすごいパワーが生まれたからこれを利用しない手はないぞって考えてみたんですね。
いやいや細菌は考えられないと思うよ。
あっそうか。
うん無理だって。
酸素がある環境で酸素をつかう細菌の方が生き残りに有利だったというのは確かでしょうね。
でそのあとは酸素を味方につけ一気にパワーアップした生物がどんどん進化して現在につながってるって事だ。
そのとおり!と言いたいところじゃが…えっ違うんですか?実は生物の進化の過程でとっても不思議な事が起こったのが分かってきたんです。
それが次のポイントです。
では丸君マルタさん生物の進化についてここまでに分かった事をまとめたまえ。
はい。
まずですね地球上に最初に誕生したのは…
(丸)やがてシアノバクテリアが誕生して光合成を行う事によって酸素を発生させました。
光合成によって地球上に酸素が増えていくと今度はその酸素をつかう細菌が登場したんです。
そのとおり。
では2人に聞こう。
人間つまり…そりゃあ簡単ですよ。
人間は酸素がないと生きていけないから祖先はこの「酸素をつかう細菌」です。
(マルタ)うんそうそう。
残念でした。
実は……に行き着くんじゃよ。
えっどういう事ですか?だって酸素をつかわないご先祖様から酸素をつかう子孫が生まれるって何か変じゃないですか?ではこちらで説明しましょう。
我々の祖先は…ところが酸素をつかう細菌が酸素をつかわない生物の細胞の中に入り込んで一緒に生活するようになったんです。
(丸)え〜!
(マルタ)細胞の中で別の生物が生きてるって事ですか?はいそうなんです。
しかも細胞の中に入り込んだ細菌は酸素をつかわない生物の細胞の中で酸素をつかってエネルギーをつくりそのエネルギーを細菌を取り込んだ細胞に与えるようになったんです。
(丸)えっ何それ。
信じられないねぇ。
そしてそのかわりと言っては何ですが取り込んだ細胞に入り込んだ細菌は自分のタンパク質をつくってもらうようになったんです。
(マルタ)じゃあ全く性質が異なる2種類の生物の細胞レベルで…。
ギブアンドテークが成立したって事か。
そしてもはやお互いなしでは生きていけない関係になったんです。
このように生物が別の生物を取り込んで共に生きる事を「細胞内共生」といいます。
(丸)細胞内共生ですか。
そしてまだはっきりとは解明されていませんがこの過程で核膜ができて真核生物になったと考えられています。
(マルタ)ふ〜んなるほどね。
そしてこの細胞内に入り込んだ細菌は現在のミトコンドリアになったと考えられています。
やがてこの細胞内共生を行った細胞が動物細胞に進化したと考えられているんです。
(丸)お〜すごい話ですねぇ。
じゃあ植物細胞はどうやって誕生したんですか?植物細胞の場合はこうなります。
ミトコンドリアを持つようになった細胞が更に光合成ができるシアノバクテリアを取り込んで植物細胞ができたと考えられています。
つまりこのシアノバクテリアが葉緑体になったんです。
(マルタ)なるほど。
だから植物細胞にはミトコンドリアと葉緑体両方あるのに動物細胞の方にはミトコンドリアしかないんだ。
でもちょっと亜矢子さん僕まだこの話信じられません。
確かに信じられないようなお話なんですが実はこの細胞内共生説証拠があるそうなんです。
それがどんな証拠なのかは生物案内人の先生に聞いてみましょう。
先生こんにちは。
(奥脇)はいこんにちは。
どうぞ。
どうもありがとうございます。
先生細胞内共生説の証拠って何なんですか?はいそれはミトコンドリアを見ると分かるんですよ。
まずこちらを見て下さい。
ミトコンドリアは以前に見たように外側内側二重の膜に包まれていましたね。
えっどういう事ですか?それではこちらをつかって説明をしましょう。
この細胞の中にこちらの細菌が入り込むとします。
こうやって入り込んでいくと入り込んだ細菌の細胞の膜を取り込んだ細胞の膜が包む事になりますよね。
こうやって二重の膜になったと考えられているんです。
はぁ〜なるほど。
つまり…そのとおりなんです。
しかも実際にこの膜の成分を調べてみるとミトコンドリアの外側の膜はこの取り込んだ細胞の細胞膜の成分にミトコンドリアの内側の膜は入り込んだ細菌の細胞膜の成分によく似ている事が分かってきたんです。
え〜なるほど。
しかもそれだけではないんです。
こちらの顕微鏡写真を見て下さい。
この写真では細胞内のDNAがある所を黄色く染めています。
この細胞の中心にDNAがたくさんある場所が核です。
核の周り赤く染めてあるのがミトコンドリアなんですがこの赤く染まっているミトコンドリアの所にも黄色く染まっている部分つまりDNAがあるのが分かりますか?という事は…そのとおりなんです。
このようにミトコンドリアそれから葉緑体の中には核の中のDNAとは違うそれぞれ独自のDNAを持っているんです。
へぇ〜独自の。
しかもこのDNAの中の情報を調べるとミトコンドリアのDNAの情報は酸素をつかう細菌のDNAの情報に葉緑体の中のDNAの情報はシアノバクテリアのDNAの情報によく似ているんです。
という事はこれだけの証拠があれば細胞内共生説が有力視されるのも分かるような気がします。
そうなんですね。
我々の祖先はもともと別の生き物だったものが一緒になった事によって進化したんだ。
うん。
生物の進化って本当に不思議がいっぱいだよね。
知れば知るほど面白いな〜。
では亜矢子さん今日の「実になる一言」お願いします。
今日の「実になる一言」はこちら…
(丸マルタ)「進化のキーワードは細胞内共生」。
ミトコンドリアや葉緑体はもともと別の生き物だったものが細胞の中で共生し細胞小器官になったものと考えられています。
このように共生関係を持つ事で原核生物から真核生物が誕生しやがて私たちの祖先が生まれたと考えられているんです。
今日のさブラックスモーカーって所が出てきたじゃない。
うん。
あそこに行きたい。
いやいや。
溶けちゃうよ大丈夫?あそこで進化したい。
あぁ…もう一度進化し直す?光合成によって…2014/06/03(火) 14:40〜15:00
NHKEテレ1大阪
NHK高校講座 生物基礎「葉緑体とミトコンドリアの起源」[字]

生物を学ぶ事は自分自身を知る事です。ヒトとはどんな生物なのか?体のしくみや健康に暮らすための知識等々、本格的に「生物」を学ぶ前に「生物基礎」でその準備をします。

詳細情報
番組内容
生命が誕生したころの地球の大気には酸素がなかったが、シアノバクテリアが光合成によって酸素を作り出し、やがて酸素を使うことのできる細菌が誕生した。真核生物の祖先は、酸素を使うことのできる細菌やシアノバクテリアを細胞内に取り込むことによって、呼吸や光合成ができるようになったと考えられている。【出演】八田亜矢子・東京アヴァンギャルド、【講師】奧脇亮
出演者
【解説】開成学園中学高等学校教諭…奥脇亮,【キャスター】八田亜矢子,【リポーター】東京アヴァンギャルド,【語り】増谷康紀

ジャンル :
趣味/教育 – 中学生・高校生
趣味/教育 – 生涯教育・資格
バラエティ – その他

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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