ストロベリーナイト #09 2014.06.03

(叫び声)
(忠治)《ねえよ何でねえんだよ》
(忠治のため息)
(忠治)《ごめんな耕介。
晩飯何にもねえ》
(耕介)《うん》《ホントにお前…》《おい何やってんだ。
おい!》《ハッ。
畳食わねえとやってらんねえか》
(忠治)《んっ?》《そんなに腹減ったか》
(耕介)《大丈夫。
給食たくさん食ったから》《嘘つくんじゃねえよ!》《腹減ってんだろ!》
(耕介のうめき声)《えっ?腹減ってんだろうが》
(耕介のうめき声)《おい正直に言えよ》
(忠治)《畳食っといて何が大丈夫だお前!》《腹減ってんだろう!?》
(忠治)《ごめんなこんな父ちゃんで》
(耕介)《父ちゃん何で泣いてんの?》
(玲子のうめき声)
(ナイフの刺さる音)
(玲子)《あっ!》
(玲子)
全てはあの13年前の夏に始まった
(忠治)《殴るなら顔だ殴るなら顔だって自分に言い聞かせるんですよ》
(忠治)《顔を殴れば学校の先生が虐待だって気付いてくれる》《そしたら耕介は施設に連れてってもらえてましな生活ができる》《けど殴れねえ》《殴るつもりがほっぺたなでちまう》
(忠治)《高岡さん子供います?》
(高岡)《いえ》《子供のほっぺたってね柔らかくってあったかくって優しいんですよ》《頬ずりすると泣けてきてね》《あいつ俺のひげが痛いはずなのに。
きっ汚えし》《けど聞いてくるんですよ。
「父ちゃん何で泣くの」って》《もうね謝るしかないですよ》《「こんな父ちゃんでごめんな」って》《すいませんねこんな話あんたに》《もう覚悟できてますから》
(忠治の叫び声)・
(落下音)
(作業員)《落ちたぞ!》
(作業員)《落ちた!》
(作業員)《落ちた!》
(作業員)《あ〜!あ〜!》
13年前の夏私は死に…
そして生まれた
それでも時々言いようのない思いが頭をもたげるのは家族の重たさときっとあの夏がどうしようもなく暑かったせいだ
《坊や!》・
(高岡)《坊や!》
(高岡)《三島さんの息子さんか?》
(高岡)《やっぱり。
目の辺りがよく似てる》《ああおじさんな友達だったんだお父さんの》《おじさんもうすぐで仕事終わるからよかったら一緒に飯食わないか?》・
(男性)《坊主!》《表で待ってろな》
(男性)《おっいたいた危ねえ。
香典渡すの忘れてた。
はい》《分かるこれ?お金。
やった〜。
フフフッ。
大事にしろよ》《うまいか》《そうか》《大丈夫だ何にもしねえから》《ほら食え》
(ため息)
(葉山)ご苦労さまです。
(湯田・石倉)ご苦労さまです。
(菊田)ご苦労さまです。
あらありがとう。
(湯田)國奥先生のところですか?そう。
(菊田)主任。
んっ?
(菊田)けさ早く科捜研に持ち込まれたものを遠山が色々嗅ぎ回ってるみたいです。
(湯田)何が持ち込まれたんですかね。
(菊田)ありがとう。
(石倉)橋爪管理官が科捜研に張り付いてるって話です。
(葉山)でかいヤマってことですかね。
でかいの大好き。
日下主任。
(日下)何だ。
何か面白いネタでもありました?
(日下)ネタ?何のことだ?またまた。
朝から情報収集に忙しそうじゃないですか渡り廊下の向こうの科捜研とか。
(日下)ガンテツのまねか?はっ?
(日下)やめとけ。
俺から情報引き出そうなんて10年早いよ。
ちょっと待ちなさいよ。
私がいつガンテツのまねなんかしたのよ。
姫川。
待ちなさいよ。

(橋爪)殺しだ。
蒲田に帳場たてるぞ。
臨場うちですよね?
(橋爪)ったくよあいつらもやりゃあできんだよ。
あの「あいつら」って?
(橋爪)科捜研の連中だよ。
案件が重なってて順番待ちだなんて言いやがるから俺が直接乗り込んで真っ先にやらせたんだ。
(橋爪)肝心なのはスピードだからなスピード。
で臨場班は。
(今泉)両方だ。
日下姫川両班態勢だ。
(ため息)
(日下)それでマル害は。
左手首だ。
左手首?・
(井岡)玲子ちゃん!またあんた?
(井岡)愛ですよ愛。
僕と玲子ちゃんをつなぐ鋼鉄のごとき赤い糸。
(菊田)そんなにしょっちゅう異動があるわけないだろう。
(井岡)あんねんなあそれが。
(葉山)まさか昇任に伴う異動?
(湯田)えっ昇任したんすか?
(井岡)ピンポン。
ということは巡査部長。
(井岡)ピンポンピンポン。
(井岡)ジャン。
やっと追い付いたで菊やん。
悪いけどこれからはタメ口利かせてもらいますわ。
お前が今まで俺に敬語使ったことあるか?あんお前?ちょっと!まさかうちじゃないわよね?もちろん玲子ちゃんのバディ仰せ付かりました。
(ため息)
(日下)姫川お前そっちだろ?
(井岡)しょうがないですよ。
年功序列の世界や。
(橋爪)よし始めるぞ。
(今泉)日下。
(日下)気を付け。
敬礼。
休め。
(橋爪)第一回捜査会議を始める。
まずは事件概要。
今泉。
はい。
本日早朝大田区西六郷2丁目34番地付近多摩川土手の路上に放置駐車されていたワンボックス軽自動車の下から成人男性のものと思われる左手首が見つかった。
(井岡)何で左手首だけ。
(今泉)発見者の証言と切断現場に残された指紋との照合により左手首は大田区仲六郷2丁目47番地10号アパート「のぞみ荘」に居住する高岡賢一45歳のものと判明した。
(今泉)次事案認知までの経緯。
けさ6時ごろ同区仲六郷2丁目にある賃貸ガレージに大量の血痕があるとの通報が入った。
通報者三島耕介22歳。
ガレージの賃借人は高岡賢一。
高岡は会社組織ではないが「高岡工務店」を名乗り大工工事の請負をしていた。
三島耕介は同工務店従業員。
ちなみに三島耕介のアリバイだが恋人の中川美智子19歳美容専門学校学生から当該時刻に一緒にいたという証言を得ている。
高岡賢一と彼の所有する車が消えていることから紛失車両のナンバーを照会したところ午前2時と午前5時に認識されていた放置車両と一致。
(警察官)《おい前も血痕だらけだ》
(今泉)検分したところ車体下からレジ袋に入れられた高岡賢一の左手首を発見。
(警察官)《おい誰かの手首だ!》なお左手首の切断に使用したと思われる電動のこぎりはすでにガレージで発見されている。
(今泉)ガレージの血痕放置車両の血痕それと左手首。
採取された3種の血液型はいずれもA型でありDNAも一致した。
切断現場に残された出血量が明らかに致死量を超えていると判断できたため高岡賢一は死亡本案件を死体損壊遺棄事件と認定し高岡賢一が殺害された可能性も視野に入れ捜査する旨を決定した。
遺体なき殺人事件ですか。
過去の例からすると比較的立証が難しいケースですね。
(橋爪)俺がせっかく科捜研にスピーディーな仕事させたんだお前らもスピーディーに頼んだぞ。
係長どうしてまた私があいつと。
組み合わせの文句は管理官に言ってくれ。
決めたのは俺じゃない。
(川田)蒲田南署刑事課長の川田でございます。
今回のヤマどうぞよろしくお願いします。
姫川主任にはうちの一番のエース井岡博満をつけさせていただいてますので。
はっ?本署に来てまだ日は浅いですがとにかくもう大活躍ですから。
どうぞ安心して使ってください。
では失礼します。
嘘でしょ?よかったじゃないか姫川エースだぞエース。
(ため息)これ先に見るか?はい。
他の部位は多摩川に遺棄したものの左手首だけうっかり落としてそのままってことですかね。
(今泉)通行人に見られそうになって左手首だけ残して慌てて逃げたことも考えられるな。
そうすれば車両を放置したことも説明がつく。

(日下)やめていただけませんか。
現時点でそのような予断は捜査の妨げになります。
(今泉)まあそう堅いこと言うな単なる参考意見だ。
姫川のはともかく係長の発言は指示ともとられかねません。
慎重にお願いします。
分かった。
気を付けよう。
(日下)失礼します。
どうにかならないんですかねあの性格。
もうホントやりづらい。
「予断は捜査の妨げになります」デカなら勘の一つも働かせてみろっていうんですよ。
まあそう言うな。
お前みたいに勘や思い付きで動くデカばっかりでもそれはそれでやりづらいと思うぞ。
あの私は別に…。
ほら相棒が待ってるぞ。
(ため息)相棒交代検討お願いします。
(今泉)おう。
(バイブレーターの音)夜はまったくの暗闇になるわね。
(菊田)遺体遺棄には格好の暗さですが苦労もしそうです。
(葉山)日が昇ったら昇ったで相当な返り血を浴びてるでしょうから人目を避けるのは難しいでしょうね。

(小峰)やっぱりお嬢ちゃんか。
ご苦労さまです。
(小峰)最近つくづく思うんだけどよこの手のえげつないヤマお前が呼びこんでんじゃねえのか?はっ?何なんですかそれ。
冗談だよ。
吐くなよ。
(小峰)おいこっち。
(ため息)冗談言うならそれらしい顔で言えっつうの。
いい?日下班になめられるんじゃないわよ。
このヤマ絶対とるからね。
(一同)はい。
じゃあよろしく。
(一同)はい。
(井岡)さあ玲子ちゃん。
僕らはあっちですね。
行きまひょか。
ハハハッ。
腕組んだ方があったかいですって。
玲子ちゃん。
おっ照れてはったんですね。
(井岡)ほい玲子ちゃん。
ほい。
(井岡)んっ?何で1つだけ?
(井岡)あああれですか。
何か反対側に水飲むとことかトイレとかあるんであっちに集ってますわ青テント。
すいません。
(男性)あっはい。
ちょっとお尋ねしますが。
(男性)あっ何でしょう?あのテントいつごろからあるんでしょう。
(男性)あああれね1年…あっいや2年ぐらいあるんじゃないのかな。
そうですか。
(男性)ああ。
(井岡)玲子ちゃんホンマに行くんすか?当たり前でしょ。
ホシが遺体を運ぶの目撃してるかもしれないじゃない。
井岡!
(井岡)はい。
(井岡)おっうわっ。
何やこれ臭っ。
(井岡)痛っ。
すいませんごめんください。
(井岡)留守みたいですね。
戻りまひょか。
すいませんいらっしゃいませんか?お邪魔します。
以上です。
(橋爪のため息)
(橋爪)どっちの班もぴりっとした報告は一つもなしかよ。
姫川に至っちゃホームレスが風邪ひいて寝込んでたとくるもんなあ。
そういえばお前ちょっと臭うぞ。
(今泉)いやまあ今日は時間にも限りがありましたし。
(橋爪)とにかくまずは高岡賢一の一番近くにいた三島耕介だな。
はい。
姫川。
三島耕介の聴取ぜひ私に。

(日下)管理官。
(橋爪)何だ日下。
(日下)その三島耕介の交際相手の中川美智子ですが若い女性ということもあり姫川相手の方がしゃべりやすいでしょう。
女は女同士ということで姫川に任せ三島の聴取は私が。
(橋爪)俺もそう思ってた。
ただし姫川くれぐれも予断を持って臨むなよ。
女は女同士?あ〜!ホントムカつくやつ。
その上バカの一つ覚えみたいに「予断」「予断」って。
(菊田)湯田生もう一つ…。
あっ焼酎。
グラスグラス。
(湯田)はい。
いらない。
あ〜取り調べしたかったなあ。
どう考えても事件の一番近くにいるのは三島耕介なんだから。
(ため息)こうなったら高岡賢一のことがっつり調べるわよ。
(菊田)はい。
けどあしたは朝一で中川美智子の…。
分かってる。
女は女同士ちゃんとやります。
脇役から真実がこぼれ落ちるってこともありますからね。
今のところ三島のアリバイを証明できるのは彼女だけですし。
2人が共謀して高岡をやったっちゅうことかいな。
可能性がゼロなわけじゃないからね。
でも三島耕介今日の所轄…痛っ。
(井岡)大丈夫かいな。
(湯田)今日の所轄の聴取で高岡賢一のこと父親代わりって言ってたんですよね?とは言っても他人なわけだから本当の親子みたいにはいかないだろう。
ホントの親子だからって別に。
まあ取りあえずみんなは三島と高岡の関係を徹底的に洗って。
私は高岡の過去から当たってみる。
(一同)はい。
はい。
どうしたの?えっ?ちょっちょちょっちょっと待って。
(井岡)えっ?誰から?男?なあ男?
(湯田)まさか。
まさかってことはないだろ。
(石倉)主任だって女だからな。
なあ菊田。
(菊田)何で俺にふるんですか。
いや何となく。
(美智子)お待たせいたしました。
(耕介)ありがとう。
(美智子)大丈夫?
(耕介)まあそっちは?
(美智子)うん。
(忠幸)おっ来たか。
心筋梗塞って?
(忠幸)ああ。
ちょうどおばさんと電話してたときなんで運がよかった。
そう。
仕事忙しかったか。
うん留守電入れてくれればよかったのに。
きっと忙しいと思ったから。

(瑞江)ごめん。
寝言だ。
さっきからうなされてる。
(瑞江)ごめん玲子ごめん。
仕事あるから戻る。

(忠幸)玲子。
忙しいだろうけどたまには顔出してあげなさい。
電話お母さんからだと思って出なかった。
ああお父さんの携帯にお前の番号入ってなかったからさ。
(ため息)怒ってもいいのにお父さん。
何で電話に出ない親よりそんなに仕事が大事かって。
大事よ。
おやすみなさい。
《やめてよ》《何でそうなるのよ》《もういいかげんにして!》
(瑞江)《心配しちゃいけない?》《私がいなくなったらって思ったことあるでしょ》
(瑞江)《そんなこと思ったことないわよ》何か分かったの?高岡賢一のこと?左手以外の遺体の一部でも見つかった?あっそれとも三島耕介?もしかして中川美智子がアリバイ証言翻したとか?そうよね。
もっとすごいことなのよね。
電話じゃ済まないような。
でなきゃわざわざここに。
(ため息)こんなときここに…。
何でいるのよ。
おかえりなさい。
行くわ。
大丈夫ですか?ええ。
おやすみなさい。
あ〜!
(高岡)《耕介君耕介君》
(高岡)《耕介君》《覚えてるかい?おじさんのこと》一昨日の夜のことをもう一度伺いたいんですが三島耕介さんとはどこで一緒でしたか?
(美智子)10時くらいに彼が私のバイト先に来て12時すぎに一緒に店を出てここで3時前くらいまで。
その間三島さんに誰かから電話がかかってきたりしたようなことはありませんでしたか?ないです。
あなたがバイトのときはいつもそうやって彼が送って?
(美智子)まあわりと。
そうですか。
彼とのお付き合いはいつごろから?1カ月くらいです。
(日下)事故で亡くなったあなたのお父さんと高岡さんは当時同じ会社だったということですか?
(耕介)いえ。
おやっさんは中林建設にいて親父はその下請け会社でとびやってました。
その会社の名前は?木下興業です。
「こうぎょう」の「こう」という字は「農業」「工業」の「工」ですか?いえあの興味の「興」と書いて。
あっそっちの方ね。
はい。
父は木下興業と。
2カ月前にお父さまを亡くされたばかりじゃ中川さんも大変でしたね。
(美智子)はい。

(物音)・
(男性)何やってんだよ。

(女性)痛いでしょ何すんのよ。
(井岡)おっ?
(井岡)おう何や何や。

(女性)あんたが行きなさいよ。
井岡。
(井岡)はい。
ちょっと見てきて。
(井岡)おっはいはい。
(女性)ちゃんと出さないのがいけないんでしょ!?どうしました?
(男性)あっうるさかった?
(井岡)あっいえいえ。
大丈夫ですか?あっはい。
(杉原)高岡さん?ああいい大工だよ。
腕がよくて真面目で無愛想なとこあるけどおとこ気があってさ。
(杉原)高岡さんがどうかしたの?ええ。
実は…。
(関口)高岡さんそりゃあ耕介のことかわいがってましたよ。
(関口)甘やかすとかじゃなくてね…。
(関口)厳しいけどちゃんと愛情があるっていうね。
そうですか。
(杉原)そういえば高岡さんから家族の話って聞いたことないなあ。
(菊田)そうですか。
けど中林の人間なら分かるかもな。
中林というのは?
(杉原)建設。
中林建設。
中林建設。
(日下)あの左手首を見てどうしてすぐに高岡さんだと分かったんですか?
(耕介)ここに傷の痕があったんで。
おやっさん仕事中に電のこでざっくりやっちゃったんすよ。
なるほどそういうことでしたか。
ではもう一度ちょっと中川美智子さんのことについて。
(日下)川崎の仕事帰りに「ロイヤルダイナー」に寄ったのが中川美智子さんとの最初の出会いなわけですよね?
(耕介)ええ。
でも川崎方面から車で帰宅している途中というとあの店に入るにはわざわざUターンして反対車線に入らなければなりませんよね?
(日下)そんなことしなくてもあの道沿いには他の店も…。
好きなんすよ「ロイナ」が。
そうですか。
ではどうしてあなたは中川美智子さんに声を掛けようと思われたんですか?あのそれはおやっさんが死んだことと何か関係あるんすか。
それはこちらで判断させていただきます。
(日下)どうして中川さんに声を?ちょっとカワイイなと思って。
(日下)あなたそう思うとすぐにそうやって声を掛ける方ですか?いいかげんにしてくれよ!聞きてえのはおやっさんのことだろうが。
彼女は関係ねえだろう!
(日下)三島さん私は事件に関係ないことを聞いたりはしません。
(日下)また何かありましたらよろしくお願いします。
(里村)何で今どきの若いのっていきなりキレますかねえ。
いい手をしていた。
(里村)えっ?
(日下)職人の手だった。
そうですかねえ。
(バイブレーターの音)
(日下)どうした。
仕事中だぞ。
(ため息)それでまた部屋にこもってんのか。
帳場がたってるんだ。
しばらく無理だ。
ちょっと電話が入った切るぞ。
(日下)日下だ。
ああいやそっちは俺が回る。
ああ。
この辺よねえ高岡賢一の実家の住所。
(井岡)全然様変わりしてしもたみたいですね。
はい姫川。
どこ?中林建設ね分かった。
ありがとう。
じゃ。
中林建設がどないかしました?高岡賢一が前にいた会社だって。
知ってるの?田嶋組のフロント企業です。
大和会系指定暴力団の田嶋組?
(井岡)ええ。
同期のやつで組対に行ったやつに聞いたことあります。
そんなとこにいたんだ。
(日下)自殺?三島耕介さんのお父さんがですか?
(清水)結局は違ったんですけどね。
あっどうぞ。
借金のことがあってそういう話も出たりして耕介君つらかったと思います。
でも高岡さんが何かと気に掛けてくださって耕介君の父親代わりになってくださってたんです。
なるほどそういうことでしたか。
(耕介)《速い速い速い速い》
(高岡)《うわ〜》《いや〜笑った笑った。
なっ》
(耕介)《嘘だ〜。
おじさんジェットコースターで泣いてたじゃん》《俺がいつ泣いたよ》
(耕介)《泣いてたよ。
「お〜お〜」って》《そんな顔してたか?》
(耕介)《うん》《ホント久しぶりに笑った》《ホント久しぶりに笑った》
(耕介)《一緒だね僕と》《耕介もう一度乗るかジェットコースター》
(耕介)《いいよ怖いんでしょ?》《だから下で見ててやるから》《おじさんが乗らないなら僕も乗らない》
(鈴木)あああああそこにあったたばこ屋の高岡屋さんね。
そこの息子さんの賢一さん覚えてらっしゃいますか?
(鈴木)いや会社勤めしてる息子さんがいるって話を奥さんから聞いたことがあるくらいで。
(鈴木)確か鉄道会社だったかな。
鉄道?中林建設にお勤めだったんじゃないんですか?
(鈴木)まさか!そんなことあるわけないじゃないですか。
高岡屋の奥さん中林に殺されたようなものなのに。
どういうことです?
(鈴木)あそこのマンション中林建設が建てたんですけどねそのときの地上げを同じグループの中林ハウジングがやっててそりゃもうひどい嫌がらせの嵐だったんですよ。
それで高岡さんのお宅も?
(鈴木)ええ。
亡くなったご主人が残してくれた店だからって奥さん最後まで頑張ってたんだけど家に猫の死骸放り込まれたり客装って来たやつに因縁つけられたりでそりゃもう精神的に参っちゃったみたいで自殺をね。
あ〜。
そりゃまあ中林建設に殺されたみたいなもんですね。
(水野)ここですね。
(菊田)行きましょう。

(日下)菊田。
(菊田)日下主任。
(日下)お前何でここに。
(菊田)ええ。
高岡賢一の仕事仲間から彼が以前ここに勤めていたと聞いたもので。
そうか。
でもここは俺が当たるからお前は高岡のアパート周辺を回れ。
いやそこはもう葉山や湯田たちが…。
菊田俺たちは同じ十係だ。
ということは姫川だけではなく俺もお前の上司だ。
だよな?はい。
(高岡)《耕介ちょっと考えてたんだけどな》《お前…》《大工になる気はねえか?》《お前にその気があるなら俺がしっかりと仕込んでやる》
(耕介)《俺やりたいっす》《そうか。
やりたいか》
(耕介)《はい》
(高岡)《今日からここがお前んちだ》《って言っても今まで何度も来てるから珍しくもねえか》
(耕介)《けど自分んちだと思うとちょっと新鮮っていうか》《二十歳までな》《二十歳まではここに置いてやる》《それからは自分でアパート借りて自立しろ》《それまでに俺が大工の基本たたき込んでやる》
(高岡)《甘くねえぞ。
覚悟はできてるな?》《はい。
よろしくお願いします》で?中林建設で何か分かった?
(菊田)ああそれが会社の前でばったり日下主任と会って。
日下と?中林建設は自分が行くからと。
追い返された。
すいません。
別に謝ることじゃないわよ。

(湯田)主任。
中林建設の資料揃いました。
ありがとう。
先会議室行ってる。
(湯田)はい。
(湯田)あれ?もしかして自分まずいとこ来ちゃいました?バカ言ってんな。
まずいとこ来ちゃったんだ。
言い争い?高岡賢一と三島耕介が?2カ月くらい前に。
話を聞いた人間も遠目に見ただけなので内容は分からなかったらしいんですが何しろ2人が言い争うことなんてなかったそうなので驚いたそうです。
そばで見ていた人間がいないか当たっているところです。
2カ月前。
(葉山)ええ。
でも翌日にはいつもの様子に戻ってはいたみたいです。

(井岡)玲子ちゃん。
見つかりましたよ高岡の昔をよう知る人間。
ホント?幼なじみで高岡が実家の土地を売る直前まで会うてたそうです。
(井岡)あした体空けてもらうようにしました。
よくやった井岡。
(日下)三島耕介の父親忠治は13年前に…。
(橋爪)おい日下その父親がこの事件と関係あんのかよ。
(日下)はい。
今回のヤマにつながる保険金詐欺疑惑の関係者と思われますから。
保険金詐欺だあ?
(日下)中林建設が田嶋組のフロント企業であることは先ほど報告したとおりですがその田嶋組が保険金詐欺に深く関わっているものと考えます。
三島忠治はおそらくその犠牲者です。
(日下)三島忠治は13年前中林建設の下請け会社木下興業でとびとして働いていた際に足場から転落して死亡。
あの…。
(日下)何だ。
(井岡)その「こうぎょう」の「こう」という字は興味の「興」という字ですか?ああ。
それがどうした。
中川美智子の父親も木下興業でとびをしていてつい2カ月前に転落死をしているもので。
その父親に借金は。
いえそれはまだ。
(日下)確認しろ。
はい。
(日下)転落事故死として処理された三島忠治の件以降昨年までを調べただけでも木下興業のとびの中林建設の現場での転落死が8件。
(湯田)1日ですごいネタ持ってくるもんですね。
(日下)転落死した人間は全員田嶋組の息のかかった街金に借金をしておりいずれも死亡後に保険金で相殺されています。
これらが偶然とは考えにくく保険金詐欺を疑うには十分かと。
(橋爪)だからそれと高岡の殺しとどう関係があるんだよ。
13年前高岡賢一は中林建設に勤めており三島忠治が転落したとき最後に一緒にいたという証言を当時の関係者から得ています。
(橋爪)ってことはあれか高岡は中林建設で保険金詐欺に関わっていて三島耕介の父親を殺した。
(橋爪)おいおいそうなると三島耕介には高岡殺害の動機がじゅうぶんあるじゃないか。
(日下)まだそこに至るまでの材料は出ていませんので…。
(橋爪)分かってるよ。
もちろん中林関係者が高岡の口を封じたっていうこともある。
そうだろ?予断に陥ることなくあらゆる方向からの捜査が必要かと考えます。
以上です。
はい。
(今泉)姫川。
つまり高岡賢一は保険金詐欺に深く関わりながら一方で三島耕介をわが子のように育てていたということですか?
(日下)高岡のその心理は現時点の捜査材料では測りかねるが何が言いたい?もし高岡賢一が罪滅ぼしの意味で三島耕介の面倒を見ていたのだとしたらそう考え行動する人間がなぜそもそも中林建設に入ったのか高岡という人物像に矛盾を感じるんです。
姫川。

(橋爪)お嬢ちゃん。
高岡だって入社時点では中林がそんな会社だとは知らなかっただけだろう。
知っていたんです。
高岡は嫌というほど中林建設を知っていました。
(橋爪)おいおい。
お前は保険金詐欺の線に文句でもあるのか?いえそれはありません。
ですがこのヤマにはそれ以外の何かがある気がするんです。
(橋爪)また勘かよ。
今大事なのはお前の勘なんかじゃなくて誰が高岡を殺したのかってことなんだよ。
そのためにも高岡という人間を知ることが大事なんです。
(日下)姫川だったらここで予断並べててもしょうがないだろう。
デカならちゃんと材料揃えてこい。
そうします。
(高岡)《三島耕介ですまだがきですけどこれからみっちり仕込みますんでどうぞよろしくお願いします》
(作業員)《はいよろしく》
(耕介)《三島耕介です》《よろしくお願いします》
(作業員)《はいよろしく》
(高岡)《仕事の邪魔にだけはならねえようにさせますんでどうぞよろしくお願いします》
(耕介)《よろしくお願いします》
(作業員)《お〜っとっとっと》
(高岡)《耕介邪魔だどけよ!》
(耕介)《すいません》
(作業員)《大丈夫だよ》
(作業員)《大丈夫だから!》
(高岡)《すいません》
(耕介)《すいません》
(沢井)誰ですこの人?最近の高岡さんですが。
(沢井)いや違います。
これ賢ちゃんじゃありません。
えっ?
(井岡)いやでもそれ確かに高岡賢一さんの…。
(沢井)ちっちゃいときからずっと一緒だったんです。
最後に会ったのが13年前っていったって賢ちゃんかどうかぐらい分かります。
(沢井)これ賢ちゃんじゃありません。
高岡賢一じゃない?
(沢井)《賢ちゃん。
俺だよ雄司。
沢井雄司だよ》
(沢井)《賢ちゃん大丈夫?》
(高岡)《雄ちゃん僕もう駄目だよ》
(沢井)幽霊みたいな顔して。
賢ちゃん慌てて否定してましたけど自殺しようとしてたんじゃないかと思うんです。
自殺?
(井岡)先お会計済ましときますね。
あなたは誰?2014/06/03(火) 15:53〜16:48
関西テレビ1
ストロベリーナイト #09[再][字]

「ソウルケイジ」
竹内結子 西島秀俊 小出恵介 丸山隆平 遠藤憲一 生瀬勝久

詳細情報
番組内容
 多摩川土手に放置されたワンボックス・カーから、血塗れの左手首が発見された。近くにある工務店のガレージが血の海になっており、発見者の証言と切断現場に残された指紋との照合により、工務店経営の高岡賢一(石黒賢)の手首と判明した。遺体なき殺人事件として捜査が開始される。臨場班は日下守(遠藤憲一)、姫川玲子(竹内結子)の両班体制だ。
 高岡工務店には、三島耕介(濱田岳)という従業員が勤務していた。
番組内容2
高岡のガレージが血まみれになっているのを通報したのが三島だ。三島のアリバイは、恋人の中川美智子(蓮佛美沙子)から当該時刻に一緒にいたという証言を得ている。
 三島の父は、13年前に、木下興業の建設現場で事故死している。その当時、高岡は中林建設にいて、三島の父はその下請け会社でとび職をやっていた。そして、高岡が勤めていた中林建設は田嶋組のフロント企業だとわかった。
番組内容3
 井岡(生瀬勝久)と組んだ玲子は高岡の住んでいた家の近所の鈴木不動産の主人から、高岡はたばこ屋の息子で、鉄道会社に勤めていたことを聞く。高岡は中林建設に勤めるわけがないと主人は言う。中林建設の激しい地上げによる嫌がらせで、高岡の母が自殺したというのだ。
 田嶋組は保険金詐欺に深く関わっており、三島の恋人の美智子の父親も木下興業でとび職をしていて、2カ月前に転落死をしていた。
出演者
竹内結子 
西島秀俊 
小出恵介 
宇梶剛士 
丸山隆平 
津川雅彦 
渡辺いっけい 
遠藤憲一