PREVIOUS NEWS
2014.6.12 THU
TEXT BY BRANDON KEIM
TRANSLATION BY TOMOKO TAKAHASHI/GALILEO
WIRED NEWS(US)
image: SHUTTERSTOCK
1人を殺せば5人の命が救われるというときに、あなたならどうするだろうか?
この残酷な問いでは、「汝、殺すなかれ」という倫理的な原則と、「5は1より大きい」という単純な計算が対立している。「トロッコ問題」として知られるこの思考実験を外国語で考えると、母国語で考えた場合と結果が異なる、という研究結果が発表された。
具体的には、「より多くの命を救う」選択をする確率が大幅に高まることが、一連の実験で明らかになったという。
意思決定には、慎重な思考と計算だけでなく、それとは対照的な「本能的で感情に根差した心理メカニズム」も影響しており、ふたつの相互作用によって決定がなされるとする研究(PDFファイル)が蓄積されつつあるが、今回の実験結果もそうした説に合致するものだ。
シカゴ大学のボアズ・ケイサーが率いる研究チームは、2012年の研究において、第二言語でものを考えると、人間はリスクを伴う選択に関してよりバイアスの少ない判断を下す傾向があると明らかにした(日本語版記事)。流暢に考えられないことが慎重な思考を促し、「損失のおそれ」に対する感情的反応に流されなくなるのが理由だと考えられた。
倫理的な選択に焦点を当てた今回の研究では、古典的なトロッコ問題のヴァリエーションが用いられた。古典的なトロッコ問題では「トロッコの進路を決めるスイッチを切り替える」かどうかが問われるが、今回のヴァリエーションでは、そのトロッコを止めるために、橋の上に立っている1人を自分で線路の上に突き落とすかどうかが問われた。
ポイントを切り替えるだけのヴァージョンでは、より多くの命が助かる選択をする人でも、この設問では、橋の上で尻込みをすることが多い。感情の処理に言語が本当に影響を及ぼすのなら、この質問にどう答えるかも言語によって変化するはずだと、ケイサー氏のチームは考えた。
SPECIAL
コメントをシェアしよう