聖母・聖美物語 #47【成長篇〜誕生祝い】 2014.06.04

(峻)待って母さん。
僕も一緒に連れてって。
(愛美)あんたゆうべ私に何て言った?幸せになってほしいんでしょう?それがあんたやひかりのためでもあるんでしょう?
(峻)母さんを一人にしとけない。
僕がそばにいて母さんを守る。
バカ言わないで。
私はねこれからはもらったお金で自由に生きるんだ。
分かんないかな。
あんたみたいなでっかいこぶがついてたら足手まといになるってことぐらい。
(峻)母さん。
(繁郎)愛美さん。
そんな言い方やめてくれよ。
(繁郎)峻君は君のことを思って。
(愛美)峻はひかりと違って売り物にならない。
悪いけどタダで引き取って。
峻。
あんたはひかりの抱き合わせで仕方なく置いてもらうんだ。
自分の立場をよくわきまえて伯父さんたちに迷惑掛けるんじゃないよ。
(峻)母さん。
母さん!母さん。
(泣き声)
(峻)うっ…。
母さん。
(泣き声)
(峻)母さん。
(聖美)峻君があんなふうに泣くなんて。
愛美さん身を引いたのかもしれない。
峻君とひかりのために。
悪ぶってお金がどうこうなんて言ったけどホントはどうでもよかったんじゃないか?そんなこと。
どういうこと?彼女に言ったんだ。
聖美が戻ってきたら愛美さんがひかりの母親であることを公表するって。
3人で力を合わせてやっていく。
そのためにはそれしかないって。
愛美は何て?物心付いたひかりが事実を知ることを恐れてた。
自分は陽を助けるために生まれたドナーベビーだった。
もしそのことをひかりが知ったらって。
どうしても受け入れられなかったんだわ。
愛美には。
真実を知った苦しみをひかりに味わわせなきゃならないことが。
今まで以上の修羅を地獄を峻君に目の当たりに見せてあの子の細い肩に耐え切れないほどの重荷を負わせることが。
これ以上この家にいたら真実を隠しておくことはできなくなる。
自分の存在が2人を苦しめることになる。
それで自分が出ていくしかないと思い詰めて。
(愛美)お母さん。
峻とひかりを守ってあげてね。
私はもう何にもいらないから。
私にまだ運とかつきとかそういうものがちょっとでも残ってるなら全部あの子たちにあげるから。
その分きっと2人を守ってあげてね。
お願い。
お母さん。
(泣き声)私が追い出したんだわ。
愛美を。
私はいつだってあの人を利用して苦しめて。
その揚げ句に…。

(波津子)その程度の覚悟で戻ってきたんじゃないわよね。
愛美さんに代わりが務まるって思うんならわざわざ帰ってくる必要なんてなかったはずだ。
お母さま。
(波津子)あの人だってそれ相応の覚悟で出ていったんです。
(波津子)ここであなたが自分を責めて泣いたりわめいたりしたら子供を置いていったあの人の立つ瀬がないでしょう。
母さんの言うとおりだ。
これからの僕らにできるのは父として母として子供たちを愛しぬくことだけ。
子供たちを愛しぬく。
それが私の…。
私たち夫婦が手を携えて歩むべき道。
ようやっとこれもいらなくなったわね。
離婚届。
まだ提出してなかったんですか?心のどっかで予感していたのかもしれないわ。
こうなることを。
だけど家族の中にはいつ壊れてもおかしくない何かが必ず潜んでる。
どんな家族だってきっとそう。
家族なんてあるのが当たり前って思い込んで漫然とあぐらをかいてたらいつその危機がひょっこり顔を出すか分からない。
それを知っただけでも大きな収穫だったわ。
あなたたち。
後はもう前を向いて歩くしかありませんよ。

(看護師)帰ってきたんだ。
院長の奥さま。
(看護師)駆け落ちしたっていう噂だったけど。
小児科の諏訪先生と。
(看護師)どうなってんの?・
(林田)奥さま!ああ。
お戻りになられましたか。
ご心配おかけしました。
林田さん。
(林田)ああ…。
お元気そうで何よりでした。
(林田)いやぁ。
わずかの間に院内もすっかり変わって。
長い間苦楽を共にした婦長もとうとう辞めてしまって。
瑞穂さんが?僕もずいぶん引き留めたんだけどさ。

(陽)ママ!陽。
駄目よ。
そんなに走っちゃ。
たった今みんなでお迎えに行くところだったのよ。
待ちきれなくて飛び出してきたんだな。
(陽)だって早くママに会いたかったんだもん。
うん。
ねえ。
よいしょ。
ハハハ。
ママ。
(一同)・「ハッピーバースデートゥユー」・「ハッピーバースデーディアひかり」・「ハッピーバースデートゥユー」おめでとう。
ひかり。
(聖美・陽)おめでとう。
(波津子)いや。
早いもんね。
あなたがもう10歳だなんて。
(ひかり)お兄ちゃんも一緒にフーッてして。
(陽)何で僕が?お前の誕生日なのに。
(ひかり)お兄ちゃんにとっても今日はもう一つのお誕生日みたいなものでしょ?10年前に私が生まれてへその緒から血を採ってそれでお兄ちゃん元気になれたんだもん。
ああ。
そのとおりだ。
陽がこうして元気でいられるのもひかりのおかげだな。
あなたは神様が授けてくれた奇跡の赤ちゃんだったのよ。
はいはい。
感謝してますよ。
ひかりには。
ホントひかりはママっ子なんだから。
(笑い声)お兄ちゃん。
早く。
(陽)分かった。
じゃあいくよ。
はい。
せーの。
(波津子)あっ。
ちょっと待ってて。
ちょっと待っててね。
はいはい。
あっ。
繁郎邪魔。
邪魔。
いいじゃないか。
(陽)駄目だって。
後で。
分かった分かった。
(陽)いくよ。
せーの。
(波津子)はい。
せーの。
(シャッター音)
(波津子)アハハ。
うわぁ。
(一同)おめでとう。
じゃあケーキ切ってくるわね。
(陽)おばあちゃん。
ちゃんと撮れてる?大丈夫?
(波津子)撮れてる撮れてる。
さあさあさあ。
大人はワインで乾杯だ。
ひかりが生まれた2000年のボルドーだよ。
(陽)やっぱまださこの…。
誰も聞いてないか。
(波津子)そうなのよ。

(峻)お幕!あっ。
峻君だ。
お兄ちゃん。
(陽)えっ?分かった分かった。
いくよ。
せーの。
(クラッカーの鳴る音)
(一同)わっ。
おお。
(峻)ハッピーバースデー!ひかりちゃん。
(ひかり)峻君。
よかった来てくれて。
(峻)はい。
プレゼント。
(ひかり)ありがとう。
(峻)おめでとう。
峻君。
ありがとう。
(峻)弘明叔父さんも一緒だよ。
(弘明)お誕生日おめでとう。
ひかり。
すごい。
叔父ちゃん。
ありがとう。
(弘明)うん。
(拍手)
(ひかり)ママ。
これもらったよ。
うん?わぁ。
すごい。
弘明さん。
ありがとうございます。
さてはワインのにおいを嗅ぎつけたな。
(峻)ハハハ。
ひかりが生まれた2000年のボルドーは結構いい出来なんだ。
ほら。
弘明。
(峻)僕はまだ仕事が残ってますから。
ああ。
そうだった。
まだまだ勉強中の身で明るいうちから酒なんか飲んでる暇はないよね。
(波津子)相変わらずのんきね。
院長先生は。
峻君。
(峻)はい。
ケーキだけでも召し上がれ。
(峻)あっ。
頂きます。
どうした?陽。
浮かない顔して。
疲れてるのよ。
センター試験が終わったばかりだから。
(峻)いまひとつ芳しくなかったみたいですよ。
それでしょげてるんだよね?
(陽)うるさいな峻君は。
余計なこと言わないでよ。
(峻)ごめんごめん。
んっ。
そうだ。
(峻)これ。
うちのおふくろからひかりちゃんに。
(ひかり)わぁ。
何だろう?
(峻)開けてみようか?
(ひかり)うん。
(峻)よし。
(峻)相変わらずだなおふくろの趣味。
うーん。
いいんじゃないか?これはこれで。
個性があって。
わざわざ預かってきてくれたの?
(峻)どうしても今日渡してほしいから店まで取りに来いって。
忙しいこと分かってるのに強引なんだから。
見たかったんでしょう。
峻ちゃんの顔が。
元気だった?愛美。
おかげさまで。
店も結構繁盛してるみたいです。
いやぁ。
大変だろうな。
酔っぱらい相手に女一人で店を切り回すのは。
叔母ちゃまっていつもひかりにだけプレゼントくれるのよね。
何でかな?まあ僕は嫌われてるからね。
小さいころからずっと。
何で?
(陽)さあ?知らない。
女の子には何か買ってあげたくなるものなのよ。
カワイイものを見ると素通りできないの。
(陽)っていうかカワイイのかなこの服。
(ひかり)私は好きだよ。
こういうの。
(峻)それはよかった。
おふくろも喜ぶよ。
(峻)あっ。
まただ。
(峻)しつこいな。
病院から呼び出しかい?ええまあ。
すいませんけど僕はこれで。
(ひかり)もう行っちゃうの?
(峻)うん。
ケーキおいしかったよ。
じゃあひかりがいってらっしゃいのお幕してあげる。
(峻)うん。
伯母さん。
ごちそうさまでした。
あっ。
いいえ。
(峻)よし。
(ひかり)お幕。
(峻)お幕!
(ひかり)峻君。
(繁郎・陽)ハハハ。
(弘明)さてと俺も退散するかな。
叔父ちゃんはまだ行っちゃ駄目。
(弘明)えっ?お酒飲んだらもうお仕事できないでしょ?分かった分かった。
お前さんには逆らえないよ。
さすがの弘明もひかりにあったら形無しだな。
ハハハ。
悪いわね弘明さん。
付き合わせて。
(ひかり)悪いわね弘明さん。
(笑い声)
(せきばらい)で?どうなの?繁郎さん。
最近の峻ちゃん…。
じゃなかったわね。
峻先生は。
うん?
(波津子)お休みもほとんど取らないで毎日のように仕事してんでしょう?離れより病院で寝てることの方が多いくらいじゃない。
それは優秀ですよ彼は。
僕が留年までしてぎりぎり出してもらった大学の医学部。
もうトップクラスで卒業した逸材なんですから。
(波津子)偉いわよね。
甘えていいって言ってんのに奨学金とアルバイトで学費はほとんど自分で賄って。
うん。
峻君がいればわが柳沢病院の将来は安泰です。
(波津子)ああ。
(ひかり)お兄ちゃんだっているわよ。
いつかはお兄ちゃんが院長先生になるんでしょ?駄目だよ。
どうせ僕なんか。
いざってときになるといつだってうまくいかないし。
肝心なときに何か熱が出たり息が苦しくなったり。
こんなんじゃ医者になるどころか大学にだって。
お兄ちゃんには私がついてる。
何かあったら助けてあげる。
赤ちゃんのときみたいに。
私はきっとお兄ちゃんを守るために生まれてきた。
何だかそんな気がするの。
力強いな陽。
お前もひかりを大事にしなくちゃいけないぞ。
(ひかり)ねえママ。
うん?
(ひかり)あの絵見せて。
ほら。
あのお兄ちゃんが小さいときに描いた。
(陽)えっ?ああ。
ちょっと待ってて。
(陽)えっ。
ちょっと待って。
何何?
(ひかり)いいからいいから。
何だよ?あっ。
ああこれこれ。
はい。
(陽)えーっ?
(陽)あっ…。
(ひかり)この天使が生まれてくる前の私なんでしょ?
(陽)何だってこんな古いものを。
ひかりが見つけたの。
この前一緒にお片付けしてるときに。
懐かしいな。
思い出すよ。
あのころのこと。
《こっちは誰?》《天使》《天使?》《僕のこと守ってくれるちっちゃい天使がお空にいるんだって》《弘明叔父ちゃんがそう言ってた》私はお兄ちゃんを守る天使。
お兄ちゃんの病気を治すために生まれてきた。
そう思ったらひかりすっごくうれしくなったの。
私が生まれたことをみんなが喜んでくれた。
それだけでうんと幸せな気持ちになるの。
ああ…。
いいよもうこんな。
恥ずかしいよこんな下手くそな絵。
ハハハ。
(陽)もう。
あっ。
そうだ。
そんなことよりさこれ。
うん?
(陽)バースデーカードじゃないの?
(波津子)あっ。
そうだったのよ。
さっき届いて置きっ放しにした。
よかったねひかり。
こんなにたくさん。
ほら。
これは?うん?Maria。
いたかしら?マリアちゃんなんてお友達。
ううん。
知らない。
ドナーベビー?ねえママ。
ドナーベビーって何?
(峻)見回りを1時間ごとにしてください。
(看護師)はい。
(峻)あと血圧のチェックも忘れずに。
(看護師)はい。
分かりました。
(峻)よろしく。
(峻)結花。
どうしてこんな時間に?
(結花)あなたに会いに来たの。
どうかしてるよ。
職場まで押し掛けてくるなんて。
(結花)いくらメールしても返事はない。
電話したって出てもくれない。
それで不安にならない方がおかしいわ。
(峻)いつも言ってるだろ?まるっきり暇なしなんだって。
(結花)メール1本打つ暇も?
(峻)そうだよ。
(結花)そんなはずない。
今日だって病院抜け出してお母さんのところへ行ったりひかりちゃんのお誕生会に顔を出してたりしてたじゃない。
(峻)何で知ってる?そんなこと。
(峻)僕のことを探って貴重な時間つぶすよりもっと有益なことをしたらどう?
(結花)有益なこと?何で司法試験受けなかったの?せっかく大学院まで出たっていうのに。
僕には理解できないね。
(結花)それはあなたのために。
僕のため?
(結花)だって私はいずれあなたと…。

(百合子)峻先生。
(百合子)やっと見つけた。
捜したんですよ。
(峻)師長。
どうかしました?
(百合子)例の緊急入院してきた患者さん。
どこだったか大きな会社のお偉いさんとかっていう。
(峻)ああ。
(百合子)何だか先生のことバカに気に入ったみたいで。
今すぐあの若い医者の卵を呼んでこいって大騒ぎ。
困っちゃうわ。
自分の言うことは何でも通ると思ってるんだから。
了解。
なだめてきますよ。
あんまりわがまま言わないように。
大丈夫?相当頑固よ。
あの手の年寄りは比較的得意なんです。
(結花)峻。
待ってよ。
峻。
(百合子)峻先生ってクールでまったく隙がないでしょう?まるで心に氷のよろいをまとってるみたいなのに時々とろけるような笑顔を向けてくれる。
あの微笑みを見せられたら誰だってあっという間にとりこになっちゃうわ。
あなたも魅入られた口ね。
あの人の魔性の魅力に。
他の人と一緒にしないでください。
私と峻は昨日や今日の間柄じゃないんです。
(百合子)重症ね。
残念ながらその病に効くお薬はどこの病院にも置いてない。
お気の毒さま。
(百合子)お帰りは裏口からどうぞ。
ハハッ。

(ノック)・
(峻)失礼します。
(江原)ああ。
君。
(江原)君。
やっと来てくれたね。
(峻)素晴らしい回復力ですね。
ゆうべに比べてお顔の色艶もすっかりよくなって。
(江原)まさかこんなところでまた君に会えるなんて。
医者になってたなんて思いも寄らなかった。
何たる幸運。
何たる至福。
少しでも長くここにいさせてほしい。
1週間でも2週間でもひとつきでも。
君の姿をずっと眺めていたい。
(峻)すぐに退院できますよ。
(江原)えっ?僕がこうして医者になれたのもあなたのような方々が応援してくださったおかげ。
感謝を込めて1分1秒でも早く治してさしあげます。
(江原)えっ。
あっ。
君。
「ドナーベビー生誕10周年」何て悪質な。
いったい誰がこんなものを?2014/06/04(水) 13:30〜14:00
関西テレビ1
聖母・聖美物語 #47[字][デ]【成長篇〜誕生祝い】

繁郎(原田龍二)の説得で聖美(東風万智子)が柳沢家に帰ってくる。怒りをあらわにする愛美(三輪ひとみ)はすがる峻(谷藤力紀)を置いて出て行く。そして10年が経ち…

詳細情報
番組内容
 愛美(三輪ひとみ)が突然、柳沢家から出て行く。峻(谷藤力紀)もついて行こうとするが、愛美はそれを拒む。これまで、どんなことが起きても冷静に対応してきた峻だったが、初めて大声をあげて泣く。繁郎(原田龍二)はそんな峻を慰めながら、愛美の本心を察する。
番組内容2
 それから10年後。ひかり(小林里乃)が元気に愛らしく成長した一方で、陽(上遠野太洸)は、病気が再発することはなかったものの体調を崩すことが多く、どこか陰を帯びた少年になっていた。
 家族揃って、ひかりの誕生日祝いをしていると、ひかりも聞き覚えのない“マリア”という人物からバースデーカードが届いていることに聖美(東風万智子)が気づくが…。
出演者
柳沢聖美:東風万智子
森尾愛美:三輪ひとみ
柳沢繁郎:原田龍二
柳沢弘明:金子昇
柳沢波津子:丘みつ子
星川真輔:風間トオル ほか
スタッフ
企画:横田誠(東海テレビ)
原作・脚本:いずみ玲演
演出:西本淳一(東海テレビ)
プロデュース:西本淳一(東海テレビ)
中頭千廣(TSP)
神戸將光(TSP)
齋藤頼照(TSP)
音楽:辻陽
主題歌:「炎の花」ハルカ ハミングバード(ユニバーサル ミュージック)
制作著作:TSP
制作:東海テレビ
ご案内
東海テレビ昼ドラをもっと知りたい方に!
【公式サイトURL】http://tokai−tv.com/seibo/ 昼ドラ公式ツイッターアカウント@hirudoraTokaitv、LINEアカウント@hirudora、YouTube東海テレビ公式チャンネルも好評配信中!

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

OriginalNetworkID:32724(0x7FD4)
TransportStreamID:32724(0x7FD4)
ServiceID:2080(0×0820)
EventID:10308(0×2844)