(今泉)左手首は高岡賢一45歳のものと判明した。
(橋爪)まずは高岡賢一の一番近くにいた三島耕介だな。
(日下)その三島耕介の交際相手の中川美智子ですが若い女性ということもあり姫川相手の方がしゃべりやすいでしょう。
・
(物音)・
(男性)何やってんだよ。
(耕介)彼女は関係ねえだろう!
(日下)私は事件に関係ないことを聞いたりはしません。
(玲子)何でいるのよ。
(橋爪)高岡は中林建設で保険金詐欺に関わっていて三島耕介の父親を殺した。
もし高岡賢一が罪滅ぼしの意味で三島耕介の面倒を見ていたのだとしたら。
(沢井)違います。
これ賢ちゃんじゃありません。
(沢井)最後に会ったのが13年前っていったって賢ちゃんかどうかぐらい分かります。
あなた誰?
(高岡のうめき声)
(耕介)《おやっさん大丈夫ですか》
(橋爪)高岡が高岡じゃないだあ?はい。
勤めていた鉄道会社の人間にも確認をとりました。
(今泉)つまりこの男が高岡の戸籍を奪ったってことか?はい。
そのことと今回のヤマ絶対つながってます。
姫川断定はまだ早い。
13年前本物の高岡賢一は中林ハウジングと中林建設の土地の地上げによる執拗な嫌がらせを受けてるんですよ。
そして今回のヤマにも中林建設の保険金詐欺疑惑が絡んでる。
つながってると思うのが自然じゃないでしょうか。
今はどれも点にすぎない。
点と点をつなぐ線があって初めて…。
とにかく13年前に本物の高岡賢一と今の高岡賢一に何があったのかを調べる必要があります。
(橋爪)ちょっと待て。
いいか今回の事件のマル害はこいつだ。
この男がもう13年も高岡賢一として生きてるんだったらその間のことを調べるのが先だろうが。
捜査は効率よくやれよ効率よく。
その方が効率がいいと思うから申し上げているんです。
何だと?
(今泉)管理官こうしましょう。
高岡賢一に関して日下は13年前より現在までのことを姫川は13年より以前のことを当たれ。
ただし行確の人員配置に関してはお前らのその割り振りにかかわらず両班態勢でいく。
いいな?
(玲子・日下)はい。
それと中川美智子の父親の件ですが。
まだ何かあんのかよ。
彼女に確認したところ生前の借金が保険金で相殺されていました。
そうか。
だったら姫川中川美智子は保険金詐欺関連ということで俺が引き継ぐ。
彼女との接触は私が続けます。
女は女同士そうおっしゃったのはあなたでしたよね?いやしかし…。
さすが日下主任。
確かにそのとおりでした。
彼女繊細なところがあって男性はあまり。
それでなくても日下主任は顔が…。
ですから彼女のことは女の私にお任せください。
(今泉)日下ここは取りあえずそういうことにしよう。
(水野)中で何してるんすかね。
(井岡)13年前の地上げのことについて…。
(男性)中林建設の連中そりゃあもうひどいもんでしたよ。
(男性)毎日柄の悪いのが店に来るもんだからお客さんが全然来なくなって。
(女性)うん。
(男性)うちの近所のそば屋なんて食中毒出されたからね。
ありゃどう考えたって連中が仕込んだんだ。
(女性)普通の家だってもう年がら年中こう周りうろつかれてどんだけ怖かったか。
皆さんその男たちの顔覚えてらっしゃいますか?
(男性)そりゃあのしょっちゅう来てたやつなら。
この人に見覚えはありませんか?
(男性)えっ?いや。
(男性)これは見たことないなあ。
こんな人いなかったわねえ。
私が覚えてんのはほら夏でもこう派手なコート着た気味の悪い男。
(男性)ああいたいた。
親玉だろ?
(井岡)それは嫌がらせの親玉っちゅうことですか?
(男性)はい。
その男の名前分かりますか?
(木下)なにぶんにも社員の保険については全て担当者に任せておりますんで。
ではその人をここに呼んでください。
(木下)それが今日は来てませんでして。
お休みですか?必要なときだけいらっしゃるというか。
いらっしゃる?お宅の社員ではないんですか?はい中林建設からの出向というか。
ハハ。
なるほどそういうことでしたか。
「ご協力ありがとうございました」
(井岡)「ありがとうございました」本物の高岡は中林ハウジングに土地を売ってすぐに姿を消したんですよね。
その本物の高岡は土地を売る前今にも自殺しそうな様子だった。
そしてこの町から姿を消した直後仲六郷に今の高岡が現れた。
(井岡)どこでどうやって入れ替わったんすか。
高岡はどうして土地を売る気になったんだろう。
それは嫌がらせに耐えかねてでしょ。
自殺…。
(井岡)んっ?高岡が死んで相続する人間がおらへんようなったら土地は国に接収されますよね。
そしていずれ競売にかけられる。
中林建設は素早く土地を手に入れることが不可能になる。
そのことを高岡が知ってたとしたら。
僕は中見てきます。
(菊田)ああ。
(菊田)何か変わりありましたか。
(石倉)いや。
そっちは?
(菊田)こっちも特に変わりは。
(石倉)主任高岡のことで何かつかんだかな。
分かってはいるんですが行確で聞き込みに時間が割けないのはつらいとこですね。
ああ待つのも仕事だ。
(菊田)今日も彼女のバイト終わりまで待つつもりですかね。
(石倉)うん。
お前あの2人つけてて何か思ったか?もしかして保さんも思いました?
(石倉)うん。
恋人同士にしてはクールっていうか。
ああ。
でも送り迎えは毎日欠かさない。
ああやってずっと彼女のそばにいる。
見ようによっちゃ張り込みですけど…。
何かを見張ってるんですかね。
木下興業の社員の保険業務を担当してる人間が分かりました。
中林建設から出向してきている戸部真樹夫。
(玲子・井岡)えっ。
おい写真出してくれ。
(係員)はい。
(日下)戸部真樹夫42歳。
母親の姓を名乗っていますが父親は田嶋組初代組長田嶋正勝。
母親はその田嶋の愛人だったホステス戸部由子。
彼女はすでに病気で他界しています。
(橋爪)つまりこの戸部が保険金詐欺の中心人物ということか。
(日下)中林建設が田嶋組のフロント企業であることを考えるとほぼ間違いないでしょう。
でその戸部なんですが高岡が殺害された翌日から姿を消しています。
姫川何か言いたいことあんのか。
はい。
私たちも今日その戸部真樹夫の名前に遭遇しているもので。
どこでだ。
はい。
13年前高岡賢一の実家周辺の土地の地上げに大きく関わったのが当時中林ハウジング勤務の戸部真樹夫です。
彼は住民に対する執拗な嫌がらせの中心におり本物の高岡賢一もその被害に遭っています。
その後戸部は今日下主任からあったように中林建設に移っています。
そして殺害された高岡賢一も中林建設にいた。
つまりこの戸部って男は2人の高岡賢一と面識があったってことか?はい。
(湯田)主任一歩リードっすね。
さらに高岡賢一の幼なじみの沢井雄司に確認したところ高岡家の土地は賢一以外に相続人はいなかったそうです。
つまり高岡賢一が死ぬと国によって土地は競売にかけられ中林ハウジングは土地を取得できなくなる。
何が言いたいんだお嬢ちゃん。
沢井雄司によると高岡賢一はそのことを自覚していたそうです。
そして最後の手段として自殺を選んだ。
はあ?
(日下)姫川。
その死体を高岡賢一に死なれては困る中林建設の関係者が発見し秘密裏に始末した。
そして身代わりを立て書類にサインさせ土地を手に入れた。
身代わりになった男はそのまま高岡賢一としての人生を送り続けた。
姫川。
やめだやめ。
お得意の妄想はそこまでだ。
妄想を話してるつもりはありません。
・
(日下)だったら高岡賢一が自殺しその遺体を中林建設の人間が始末したという客観的証拠を言ってみろ。
それはこれから。
・
(橋爪)これからだあ?だいたい身代わりなったっていうこの男は誰なんだ?分かってんだよな?お嬢ちゃんはもういい。
とにかくだこの戸部って男の所在確認いや身柄確保が第一ってことだな日下。
取りあえず目黒区祐天寺の戸部のマンションおよび父親である田嶋正勝の自宅周辺を張らしています。
目黒区のマンションには戸部の内縁の妻といえるホステス小林実夏子もいますので併せて彼女の動きもおさえさせています。
(高岡)《帰ったぞ》
(遠山)高岡賢一が自分に保険をかけていたことが分かりました。
受取人は三島耕介。
額は1,000万。
さらにもう1人内藤君江。
額は5,000万。
(今泉)何者なんだその女性は。
(遠山)足立区北千住で小さな定食屋兼飲み屋をやっています。
年は48歳。
独身。
高岡賢一との関係はまだ不明ですが行確対象者になり得る人物と考えます。
(湯田)いつの間にかすっかり日下班のペースですよね。
(今泉)次遺体を遺棄したと思われる現場近辺のその後は。
(葉山)はい。
新たな遺体の一部および遺留品の発見には至っていません。
また新たな目撃者の証言もありません。
しかし近辺の変化としてちょうど事件後から多摩川を挟んで現場の反対側辺りのホームレスたちの金回りが急激に良くなり連日宴会を開いているという情報が入っています。
何だそりゃ。
事件に関係あんのか。
一応事件後の変化ということで。
(橋爪)おいおい姫川班ちゃんとした獲物釣ってこいよ。
(ざわめき)
(葉山)以上です。
(菊田)ご苦労さまです。
ああお疲れ。
(菊田)みんなは?うん今日は疲れたから解散にした。
でも飯行ったみたいよ。
連絡してみたら?じゃ。
(菊田)主任。
んっ?ちょっと時間いいですか?いやあの中川美智子のことで。
ああ。
何。
周りを見張ってる?それって三島耕介が行確に気付いたとかじゃなくて?
(菊田)いやバイトの行き帰りの三島と中川美智子2人の様子からするともっと別の何かを恐れているようでした。
特に中川美智子の方が神経過敏になってるようで。
そう。
あの2人何か隠してるんじゃないっすかね。
私もそう思ってる。
もしかして主任それが何かも。
たぶん三島耕介は中川美智子を誰かから守ってる。
でも守られてるだけじゃ駄目なのよねえ。
菊田。
はい。
あした行確を保さんと交代したら戸部真樹夫の所在確認に回って。
戸部がこのヤマの鍵を握ってる。
(菊田)はい。
(君江)あっおはようございます。
この間はどうもね。
(男性)どうもねどうも。
(野村)ごく普通のおばさんですね。
(野村)あれが高岡の愛人か。
(葉山)まだそうと決まったわけじゃあ。
(野村)だって5,000万ですよ?愛人でもなきゃねえ。
(野村のため息)しかし日下主任ていうのはすごいですね。
あれだけ細かい上に仕事も早いって最初ちょっと煙たがってたうちの担当も今じゃ感心してますよ。
あの日下班でよかったって。
(美智子)あのまだ何かあるんですか?中川さん木下興業の戸部真樹夫さんをご存じですか?お父さまの保険金のことで会ってると思うんですけど。
(美智子)あああの人。
はい。
戸部さんとはどんな話をしました?
(美智子)どんなって保険の書類のことで話しただけです。
最近会ったことは?ありません。
そう。
あのもういいですか?授業あるんで。
ああごめんなさい。
美容専門学校って実習とかあって忙しそうですもんね。
美容師は昔からの夢だったの?ちょっと待って最後に一つだけ。
今何か困ってることない?ありません。
ありませんっちゅう顔やないねあれは。
(菊田)おい。
すいませんちょっとお尋ねしますが。
(八代)また戸部さんのことですか?
(菊田)それもありますが今の青年と何のお話を?
(八代)戸部さんは来てるか聞かれたので「来てない」って言ったら帰っていきましたけど。
そうですか。
それでその後戸部さんから連絡は?
(八代)ありません。
お願いですから早く逮捕してください。
はっ?
(八代)戸部です。
前は社長がいたから言えなかったんですけど戸部とんでもない男なんです。
うちの若い女の子なんてどれだけ泣かされてるか。
保険のことだってひどい噂ばっかりだし。
保険?
(野村・葉山のため息)・
(ドアの開く音)追います。
(野村)あっ車置いてきます。
(葉山)お願いします。
(高岡)《耕介ちょっと来い》《はい》
(高岡)《ここの仕上げ全部やってみろ》
(耕介)《えっ?いいんすか?》
(高岡)《その代わり失敗は絶対に許されねえからな》
(耕介)《はい》《お前もうすぐ18だよな》《はい》
(高岡)《休みやるから合宿行って車の免許取ってこい》《えっ?》
(高岡)《俺らの仕事運転できなきゃどうしようもねえからな》《いやでもまだ俺そんな貯金…》《社長命令だ》《社長が金出すに決まってんだろうが》《その代わり最短日数で一発で受かれよ》《はい》じゃあ高岡さんは戸部さんの口利きで中林建設に?
(作業員)ああ。
戸部さんが言ってたからそうなんじゃないの?2人は相当親しかったんでしょうか。
そうじゃないかなあ?戸部さん「俺がいなきゃ高岡さんは生きていけない」みたいなこと言ってたから。
お忙しいところ申し訳ありませんでした。
ご協力ありがとうございました。
(作業員)ご苦労さまです。
はい姫川。
内藤君江が病院に?
(君江)あっこんにちは。
どうも。
(君江)雄ちゃん来たわよ。
(君江)どう?んっ?
(葉山)ナースセンターによると内藤君江のおい内藤雄太は13年前7歳のときの交通事故が原因で全身まひ。
母親はその事故で亡くなりましたが父親についてはただ亡くなったとしか聞いていないと。
そこの病院にはいつから?ここに転院してきたのは4年前でそれまで幾つかの病院を転々としてたみたいです。
その13年の間内藤君江がずっと世話を?そうみたいですね。
ただここのところ入院費の支払いが遅れることが多いみたいです。
つまり金を必要としてるっていうことですね。
高岡の保険金が入ればその心配もなくなる。
分かった。
とにかくその13年前の交通事故調べてみるわ。
(チャイム)
(実夏子)戸部なら帰ってないわよ。
もう何度も同じこと言わせないでよ。
他の女んとこ行って1週間も2週間も帰ってこないなんてしょっちゅうなんだから。
(日下)本当に…。
(日下)失礼。
本当に戸部からは連絡もないんですか?ありません。
ねえこっちは眠いの帰ってよ。
(日下)では必ず。
戸部のことが分かったら連絡でしょ?ったくいちいちうるさいんだから。
はいはい分かりました。
じゃあね。
(菊田)まずはつかまりやすい現役の外交員から始めましょう。
(水野)しかし現役の者が書類改ざんのことなんか吐きますかね。
(菊田)そこは反応を見るだけで十分でしょう。
まずは最近の戸部の様子を知っておいた方がいい。
内藤内藤。
・
(井岡)あった。
これ。
これやこれや。
どれ?
(井岡)「二十七日午後五時四十五分ごろ埼玉県川口市の県道で内藤和敏さん32歳が運転する乗用車が中央分離帯に乗り上げて横転した」「この事故で同乗していた妻の麻子さん28歳が頭部を強く打って死亡し長男の雄太くん7歳が重体和敏さんも胸などに重傷を負った」「調べによると現場は片側二車線の見通しの良い直線道路で事故はダンプトラックが内藤さんの運転する車に幅寄せしそれを避けようとしたために起こったものと見られている」これって。
(呼び出し音)あっノリ?内藤君江の行確の交代は頼んだからノリは至急埼玉の川口中央署に行って内藤雄太の父親内藤和敏のことを調べて。
そう内藤和敏。
お願いね。
(勝俣)開けろ。
(毬谷)誰です?五係の主任です。
あれ?お前姫川んとこの小僧だな。
はい。
(勝俣)あああれだあれだ家族揃って警官って湯田だ。
お前ここで何やってんだ。
そちらこそ。
何だその口の利き方は。
女のぱしりやってるくせにこの野郎。
おい車出せ。
出せません。
(勝俣)車出せ。
任務中ですから出せません。
ガンテツが?そううん分かったじゃああんたは自分の仕事しっかりやんなさい。
いいわね。
ガンテツがどないかしましたか。
いきなり来て康平に絡んだらしい。
また何で?分かんない。
どうせガンテツのことだからまた何か因縁つけてくるかも。
あ〜めんどくさい。
(菊田)ご苦労さまです。
日下と何の話?
(菊田)世間話をちょっと。
(菊田)主任戸部の保険金詐欺を裏付ける証言が出ました。
どこから?保険の女性外交員です。
戸部のやつ彼女たちと関係を持っては脅迫まがいなことをして書類を改ざんさしていたんです。
なるほどね。
よくやった菊田。
あっそれと三島耕介が木下興業に戸部を訪ねてきました。
えっ?戸部にはそのことを知られたくない様子だったらしいんですが三島も戸部と面識があるってことですかね。
菊田。
(菊田)はい。
そのことまだ伏せといて。
はい。
(橋爪)殺された高岡が内藤君江の弟だあ?はい。
まず内藤和敏についての報告を葉山。
(葉山)はい。
配布した資料にもありますように内藤和敏は13年前交通事故を起こし妻は死亡息子は全身まひで今も病床にあります。
このとき内藤和敏自身も胸に大ケガを負って入院していますがその2カ月後に退院。
しかしその翌月内藤和敏は妻と子供そして姉の君江へのわび状を残し首をつって自殺しています。
内藤和敏が首をつったのは足立区江北の中林建設が建築中のビル工事現場でした。
(ざわめき)このとき内藤和敏の死亡保険金3,000万円が姉の君江に支払われています。
ありがとう。
内藤君江がこの金をおいの治療費に充てたことは容易に想像できます。
(橋爪)それと高岡とどう関係があるんだ。
ですから本物の高岡賢一は自宅で首をつって死んだ。
高岡に死なれては困る中林建設が遺体を自社の現場に運び内藤和敏の自殺遺体のように細工をした。
おそらく首謀者は戸部真樹夫です。
そして実際の内藤和敏は息子の治療費を獲得した代わりに高岡賢一となって土地売買の書類にサインをしたんです。
姫川ちょっといいか。
質問はもうしばらく待ってください。
高岡はその後戸部の口利きで中林建設に入社しています。
さらに戸部は高岡のことを「俺がいなくては生きていけない人間だ」と周囲に話しています。
13年前の犯罪でつながり大きな秘密を共有していた2人の関係が何らかの理由で崩れ今回の事件につながったと考えます。
いいか?どうぞ。
内藤君江は内藤和敏の自殺遺体の身元確認を当然したんだよな。
はい。
弟だと認めたと記録にはあります。
でも内藤君江がおいの治療費のために嘘をつくことはじゅうぶん考えられます。
(橋爪)「考えられます」だ?本物の高岡賢一の自殺説同様言ってることに何の証拠能力もないのは自分でも分かってるよなお嬢ちゃん。
だからお前は駄目だって…。
・
(日下)姫川予断ではなくちゃんと証拠を揃えてから物を言え。
ドンマイ。
やっぱりちょっと早急過ぎましたかね。
(橋爪)よし次日下あるか?
(高岡)《俺からの二十歳の祝いだ》《えっこれ俺の?》《いいんすか?》
(高岡)《ああお前の道具だ》《しっかり手入れしてしっかり使い込んでいい相棒にするんだぞ》《はい。
ありがとうございます》
(日下)戸部真樹夫は高校生のころから札付きのワルとして通っていたようです。
ただし腕っ節が強いというわけではなく女をたらし込むのがうまいということです。
中には強姦に近いものもあったようですが田嶋組の名前でもみ消しています。
成人後中林ハウジングを経て中林建設に入ったことは前に姫川から報告があったとおりです。
現在は木下興業に出向中ですが木下興業の社長は中林建設かあるいはそのバックにいる田嶋組を恐れて戸部および彼が担当していた保険に関しては口を閉ざしています。
(菊田)それについて補足よろしいでしょうか。
菊田。
(菊田)はい。
本日木下興業に立ち寄ったところ女性社員から戸部についての話を聞くことができました。
(高岡)《へ〜なかなか小奇麗に暮らしてるじゃねえかよ》《そりゃおやっさんとはセンスが違うから》《何がセンスだよ生意気言いやがって》
(高岡)《おっ》
(耕介)《はい》《あ〜ちょっとおやっさん待って待って待って…》《何だよ》《お誕生日おめでとうございます》《お前何で誕生日なんか》
(耕介)《そりゃ免許見れば分かるし》《そうか》
(耕介)《はい。
誕生日プレゼント》
(高岡)《俺にか?》
(耕介)《他に誰がいるんすか》《悪いな》《ったく安月給なのに無理しやがってよ》《いいじゃないですか。
ほら早く巻いて巻いて》《にっ似合うか?》《ばっちりっす》《こりゃあったけえや》《耕介》《ありがとな》戸部に言われ保険書類の改ざんに協力した女性外交員のうちすでに会社を辞めている1名は今後も捜査に協力することを約束してくれています。
以上です。
菊やんやりよるな。
菊田ご苦労。
(菊田)はい。
これで保険金詐欺の線は固まったものと考えます。
それは分かった。
で高岡はどう絡んで殺されたんだ?中林建設の内部資料を探ってみたところ高岡賢一が中林建設を退社するまでの間同社と木下興業による保険金詐欺が疑われる現場には常に高岡賢一がシフトされていたことが分かりました。
(今泉)つまり高岡賢一は戸部による保険金詐欺の内実を知っていたもしくは自らも深く関わってたってことか。
(日下)姫川が言う高岡賢一と内藤和敏の入れ替わり説がどこまで確かなものかは知りませんが。
ちょっとそういう言い方って…。
最後まで聞け。
もし姫川の想像が当たっているとすれば高岡は保険金詐欺以前の戸部の悪行の数々も知っていることになりそれをネタに戸部をゆする可能性は息子の治療費のことを考えてもゼロではないと思います。
以上です。
(今泉)ゆすったはいいがそれが原因で戸部に殺された。
あり得るな。
・では管理官高岡賢一と内藤和敏の入れ替わりを視野に入れるということで内藤雄太とのDNA鑑定を…。
(橋爪)バカヤロー今ある材料でそんな令状とれるわけないだろうが!入れ替わりの断定はまだできん。
しかし遺体の他の部分なかなか見つかりませんね。
(石倉)おう左手首だけじゃなあ死因の特定もできないもんな。
あっもしかして遺棄したんじゃなくて自分の家に隠し持ってるとか。
じゃあ何でわざわざご丁寧に左手首だけ車の下に置くようなことしてんだよ。
(湯田)やっぱ駄目か。
あらゆる可能性を考えることは悪いことじゃない。
そう。
そうよ康平どんどん先輩たちにぶつけてきなさい。
はい。
じゃあですねじゃあですね。
(井岡)お待たせしました。
遅くなりました。
ハハハ。
(菊田)待ってないよお前。
あれ?玲子ちゃん元気ないやないすか。
飲みましょ飲みましょ。
(菊田)うるさいんだよ。
何やねん。
(菊田)うるさいんだよ。
呼んでないだろお前…。
保さん。
はい。
娘さんのために死ねる?そりゃもちろん。
と言いたいところですがそういう気持ちがあっても現実は娘たちのために生きてないとという気持ちの方が強いですね。
生きて支えてやりたいと。
そっか。
そういう意味では内藤も内藤としての人生は捨てたけど高岡として生きて息子を陰から見守ってたわけよね。
けど死んだ人間として陰からしか見守ってやれないってのはつらかったと思いますよ。
(菊田)それもあって同年代の三島耕介をかわいがってたんですかね。
息子の身代わりってことですか?
(葉山)そういえば三島耕介は高岡のそういう裏の顔のことは知ってたんですかね。
(石倉)どうかな。
まったく知らないか知っていても何も言わないのはそれだけ高岡に対して深い情を抱いていたってことになるんじゃないかな。
2人ともどうしようもなく孤独やったんちゃいますかね。
そやから本物の親子のようになれた。
でもその三島耕介の孤独の原因は高岡にもある。
高岡は重い十字架を背負ってまでなぜそんなに彼を愛することができたんだろう。
(石倉)笑顔じゃないですか。
子供の笑顔は理屈なんか吹き飛ばしてしまう。
ただただ心に染みていとおしくてしかたがない。
笑顔。
・
(松本)《ケンさん木下興業またやったみたいだよ。
ドスンて》《どこの現場》
(松本)《中林建設だよ》《武蔵小杉のマンション》《素人とびが10階から転落死だってよ》《中川って人らしいんだけど前は住販会社で営業やってて偶然ほら設計士の島谷さんが知っててさ》《何でも知り合いの借金の連帯保証人になってそれ背負わされてヤミ金に手出したらしいんだよ》《これじゃあ耕ちゃんの親父さんとまるっきり一緒じゃないよ》《にっちもさっちもいかないやつ木下興業に押っ付けて頃合い見計らって足場から落っこちろって》《で事故で処理して保険金取るんでしょ》
(高岡)《松さんその話は》・
(物音)《俺の親父と一緒ってどういうこと》・
(瑞江)お父さん?
(瑞江のため息)
(瑞江)やだまだ夜?
(ため息)嫌な夢見ちゃった。
玲子がね。
誰かを殺しちゃった。
私かな。
私があの日同窓会なんか行かなかったら。
(瑞江のため息)
(瑞江)だからきっと…。
(瑞江)私よね。
何なのよ。
何なのよホントに。
あ〜。
どうやって笑えっていうのよ。
おはよう。
(湯田・葉山)おはようございます。
(菊田)おはようございます。
(石倉)おはようございます。
おはよ。
・
(ドアの開く音)主任昨日のこと。
大丈夫私に任せて。
言ってみりゃあっちの捜査妨害じゃない。
勝俣主任…。
(勝俣)日下てめえ人のヤマつぶす気かこの野郎。
何のことでしょう。
(勝俣)お前が田嶋組の周りをちょろちょろちょろちょろ動き回るから田嶋の野郎がへそ曲げちまったじゃねえか。
殺しのホシの首差し出すという約束お前のおかげでほごにされたんだよ。
相変わらず捜査という名の裏取引ですか。
ケッ裏社会の砂かんだこともねえ野郎がでけえ口たたくんじゃねえ。
いいか田嶋組から手引け。
私はもうあなたの部下じゃない。
(勝俣)こっちは3人殺されたんだ。
うち1人は巻き添え食らった素人衆だ。
田嶋組のあの狂犬野郎早く引っ張らねえと何しでかすか分かんねえんだぞ。
(日下)森恭一郎は組も手を焼いてるようなどうしようもないやつじゃないですか。
それを裏取引でしか引っ張れないなんて勝俣さんもずいぶんと焼きが回ったもんですね。
ケッお前も変わらねえなあ。
あなたにじゅうぶん変えていただいたつもりです。
いいや相変わらずのバカだよ。
森だと?俺がそんな小魚狙ってお前駆けずり回ってると思ってんのか?お前は相も変わらず目先しか見えてねえな。
こっちは裏の裏先の先読んで駆けずり回ってんだ。
もう一遍言う。
田嶋組から手引け。
いいな。
(今泉)おいっす。
(一同)おはようございます。
何があった。
(日下)いえ別に。
(今泉)なるほどそういうことだったか。
係長日下勝俣主任の下にいたんですか?
(今泉)ああガンテツが公安に行く前のことだ。
四係で一緒だったことがある。
そのときのヤマで日下のやつガンテツにはめられてな。
えっ?そのころの日下はまだ勘にも頼れば想像力もたくましくしてた。
あの日下がですか?で自信を持って「ホシを引っ張らせてくれ」と上に言った。
デスク連中も日下の背中を押した。
だがガンテツだけは何も言わなかった。
そいつがホシじゃないって分かってたからだ。
えっ?日下に誤認逮捕させてその後に自分が本ボシ引っ張ってきたんだよ。
嘘何でそんなことを。
ガンテツは日下に実力があることをよく知ってた。
だから蹴落としたんだ。
ガンテツのもくろみどおり日下は立場を失い失点を一人でしょわされ当時1次を通ってた警部補試験も2次を受けるまでもなく落とされた。
それからだ日下が一切の予断を許さない完全無欠の捜査を身上とするようになったのは。
何年かたってガンテツがぼやいてたよ。
「俺はとんでもねえ怪物をつくっちまった」ってな。
(今泉)しかしだからってお前が日下に遠慮することはない。
ひっくり返せるものならひっくり返してやれ。
日下もそれを望んでるとこがある。
えっ?あいつお前を買ってるからな。
まさか。
姫川お前が思うほど今のあいつの懐は浅くねえぞ。
じゃあ捜査の方よろしく〜。
はあ。
(捜査員)遺体だ。
遺体の一部だ。
胴体だって?
(菊田)これです。
(井岡)うわホンマ胴体。
発見された胴体の血液型とDNAが左手首のものと一致した。
高岡賢一本件マル害の胴体とみて間違いないだろう。
おいエース。
ねえこれって。
どうしました?
(高岡)《ブラックな。
2本頼むわ》《はい。
分かりました》・
(戸部)《高岡さ〜ん》
(戸部)《久しぶり元気?》《高岡さん。
ヘヘヘヘヘ》《戸部さん》菊田私とんでもない間違いしてた。
えっ?これ高岡賢一じゃありません。
はあ?
(今泉)何だって?高岡賢一は殺されてません。
何言ってんだ姫川。
高岡賢一がこのヤマの犯人です。
2014/06/04(水) 15:53〜16:48
関西テレビ1
ストロベリーナイト #10[再][字]
「檻に閉じ込められた親子〜ソウルケイジ」
竹内結子 西島秀俊 生瀬勝久 武田鉄矢
詳細情報
番組内容
玲子(竹内結子)は、血塗れの左手首の持ち主と考えられる高岡賢一(石黒賢)の幼馴染に高岡の写真を見てもらい、写真の人物が高岡でないことを確認する。
木下興業の建設現場での転落事故死…借金で首の回らなくなった人間を木下興業の建設作業員として現場に送り込み事故死させ、その保険金で借金を清算させるという闇社会の手口が見えてくる。
木下興業の総務係長で、保険金担当をしているやくざ崩れの男、戸部真樹夫
番組内容2
(池田鉄洋)の行方が分からなくなっていることがわかった。中林建設から出向しており、母親の姓を名乗っているが、父親は田嶋組初代組長、田嶋正勝。母親は田嶋の愛人だったホステスだ。
高岡は、自分が死んだ際の保険金の受け取りを、内藤君江(南風佳子)と三島耕介(濱田岳)宛てにしていた。君江は48歳、独身で小さな定食屋を経営している。かわいがっている三島に1000万の受け取りは分かるが、なぜ血縁でもない内藤
番組内容3
君江を5000万円もの保険金の受取人としたのか。
君江は内藤雄太(森義洋)という20歳の青年を病院に見舞う。13年前、7歳の時の交通事故が原因で全身麻痺になった。母親はその事故で死んだが、父親のことはただ死んだとしかわからない。君江が13年前からずっと世話をしているというのだ。
玲子は捜査会議で、高岡賢一、内藤君江、内藤雄太の関係についてある推測を披露するが…。
出演者
竹内結子
西島秀俊
小出恵介
宇梶剛士
丸山隆平
津川雅彦
渡辺いっけい
遠藤憲一