(谷中寿也)再捜査?
(佐久晋吾)半年前に目黒で起きた女性研究員殺害事件は捜査本部が解散され継続捜査班に引き継がれたと聞いております。
いやまあ確かにそうだが。
いきなり再捜査と言われてもな。
書き込みを読みました。
書き込み?
(小菅光晴)太田なんなの?このメタンなんちゃらって。
(太田文平)はい?すまん。
お前に聞いた俺が悪かった。
(中藤卓)海底の天然ガスですよ。
メタンハイドレートは海底から取り出すのが難しいらしいんですがこの関田教授が画期的な採掘方法を見つけ出したそうなんですよ。
画期的っていうのはどんな方法なの?いやそこまではわかりませんよ。
(屋敷大地)失礼します。
管理官から伝言が。
出動の準備をと。
(島野誠)どういう事だ?要請などないぞ。
管理官は今谷中刑事部長のもとへ。
5分後に正式要請があるだろうとの事です。
深夜3時チャンネル2というネットの掲示板に書き込まれたものです。
(太田)「半年前の目黒の研究員殺害事件はまだ終わっていない」
(加藤善浩)「工学博士関田が全てを知っている」え?
(記者)メタンハイドレートが実用化されれば日本は一気に資源大国です。
莫大な利益が教授にももたらされるんじゃありませんか?お金のために研究してるわけではないですからね。
今日も昼はざるそばでした。
(記者たちの笑い声)ハハハハ。
こんなもの。
いたずらの類いなんじゃないのか?え?ですが1時間後には削除されていました。
調べたところ消したのは投稿者ではなく何者かが強制的に削除させたようです。
(ため息)その書き込みが事実だからか?それはわかりません。
ただ…。
半年前に殺害されたのは関田教授の研究室の研究員です。
再捜査の価値はあるかと。
なるほど。
さすが目の付けどころが違うな君は。
しかしなんで俺たちが半年前の事件のケツ洗いを…。
まったくだ。
確か目黒東は継続捜査班が…。
また厄介な事になりそうですね。
(電話)はい島野です。
はい。
目黒東署に出向いてくれんか?半年前の帝和大の事件にちょっときな臭いものを感じたんでな今管理官の佐久呼び出して再捜査を命じたとこなんだよ。
未解決事件解決に向けてよろしく頼むよ。
わかりました。
出動要請。
目黒東署へ向かう。
(一同)はい!呆れるな。
ぴったり5分後だ。
ハハハ…。
(携帯電話の振動音)屋敷です。
佐久がな余計な事に首突っ込もうとしてるんだよ。
わかってるだろうが佐久の動きは全て俺に報告しろ。
はい。
はあ…ったくもう。
余計な事ばっかり突っ込みやがって。
きな粉が消えちまった。
燃える氷…。
(高橋健一)よくそう言われてます。
メタンハイドレートは水深500から1000メートル以上の深海にあります。
メタンガスと水がセットになったものでメタン分子の周りを水分子が取り囲んだ包接水和物の一種です。
包接水和物?ええ。
見てわかるとおり氷状の結晶の事です。
水分子が立体の網状構造を作り内部の隙間にメタン分子が入り込んでます。
これが石油に代わる資源と言われている…。
はい。
しかもメタンハイドレートが燃焼したあとに排出される二酸化炭素量は石油と比べて少ないため温暖化対策にもなる新しいエネルギー資源です。
それが日本近海に大量に埋蔵されている。
はい。
(関田)ですがメタンハイドレートは低温でかつ高圧という条件が揃わなければ安定してくれません。
ですから温度が低く高い水圧のかかる深海に存在するわけです。
普通に取り出そうとすると途中で水とメタンに分解してしまい気化してしまうんですよ。
しかしそうならないための新しい採掘方法を考案されたのがあなたですか?関田教授。
そういう事です。
教授こちらは…。
警察には半年前に布川君については全てお話ししました。
今日はこれから出かけなければいけないので。
それは?ハハッ。
小学生の頃からの癖です。
(関田)思いついた事をこうしてメモしてしまうんですよ。
亡くなった布川麻奈美さんの手にも同じような数字が書き込まれていました。
この数字に何か心当たりは?さあ…。
それじゃ失礼します。
高橋君警察の方でも入室の際には私に事前に許可をね。
気をつけます。
(関田)それじゃ。
(小川卓郎)捜査本部が解散したあと私も含め新たに招集された者が継続して捜査に当たってます。
捜査本部から引き続き携わっている方はいらっしゃらないんですか?本来は…でも私は命令されて来たまででその辺の事情はわかりかねます。
そうですか。
よろしくお願いします。
こちらこそ。
しかし島野係長がお見えになるとは光栄です。
若くして13係を率いていらっしゃる。
(小川)さすが総監の甥御さんだと話してたところで。
気鋭の13係の皆さんもよろしくお願いします。
ケツ洗いしにきたっていうのにいいんですかね?こんな歓待されちゃって。
あんたらさやる気あんの?こんなんじゃ未解決のまま捜査本部も解散するわけだ。
ちょっと太田さん。
本当の事を言ったまでだろ。
すいません。
さすが13係には生きのいい方がいらっしゃる。
(太田)だからさ…。
(小菅)やめとけやめとけ。
係長。
半年前に犯人とおぼしき男の似顔絵が公開されたと思いますが…。
(小川)ああこれですか。
目撃者の証言をもとに作られたようです。
(小川)死体が発見される7時間前深夜営業の喫茶店でこの男と被害者の布川麻奈美さんが目撃されたようで…。
見ていたのは布川さんと同じ研究室の院生たちだそうです。
(高橋)あの男の車に今…。
布川先輩の彼氏?その後その男は被害者をストーカーしていた男と同一人物じゃないかって結論に至ったようでして。
(風間輝樹)ストーカー?被害者と同じ寮の学生らに似顔絵を見せたところ被害者の部屋を見上げていた怪しい男とよく似ていると。
(小川)その男の事は今も捜査中です。
まだ何もわかってませんが。
(加藤)ストーカーが喫茶店で被害者を車に乗せて移動したあと殺害したという事ですか?うんそういう見立てでしょうな。
被害者の自転車が喫茶店の駐輪場で見つかってますし…。
ご存じのように被害者は後頭部を鈍器のようなもので殴打され殺されました。
死体はその後河原に…。
(小菅)ちょっと待ってください。
なんでストーカーと待ち合わせを?それがよくわからないんですよ。
ちゃんと捜査したかも怪しいもんだな!
(風間)痛っ!佐久管理官です。
(小川)管理官?今この似顔絵の男の話を小川警部補から聞いていたところです。
申し訳ありませんが全て処分してください。
え?それはどういう…。
捨ててほしいという意味です。
これは捜査本部が目撃者の証言を得て作ったもので…。
捜査の邪魔になる。
他に理由はありません。
いやしかし…。
島野係長加藤警部補。
夕食は小川警部補と一緒にお願いします。
はい?ちょうど暗くなりましたね。
(小川)我々の車辺りに止まっていた車に被害者の布川麻奈美さんが乗り込み続いてあの似顔絵の男が目撃されたと調書には書かれてます。
加藤さんすいませんがあの車のそばに立ってみてもらえませんか?…うん。
車に乗り込む前に振り返ってください。
(加藤)了解。
(小川)あっ…。
ここからは逆光で顔は見えません。
あなたはご自分の目で確かめていなかったんですか?繋ぎました。
被害者の自宅にあったものと携帯用です。
解散前に捜査本部が調べ尽くしたと思いますが。
不都合なものが消されたかもしれませんね。
バーベナですね。
花言葉は「忍耐」。
佐久め総ざらいする気か。
恐らく関田教授の研究に関心を…。
この事件の裏にはやはりメタンハイドレートが…。
余計な詮索はするな。
君は君の仕事さえしてればいい。
申し訳ありません。
やはり目撃者の証言は曖昧なものでしたか。
(太田)どうりでな!何から何まで解散した捜査本部の調書の伝聞だ!おいよせ。
継続捜査っていうのは難しいもんなんだよ。
引き継いだものをむげに扱うわけにはいかないしな。
ですが先入観は捜査の支障になるだけです。
事件当日の被害者の足取りを含め捜査本部から引き継いだものは全て洗い直してもらいます。
班割りです。
顔がはっきり見えてなかったのに見えたと言ったのか?全く見えなかったわけじゃないですから。
でも顔は見えてなかったわけでしょ?俺たちはまあ…。
けど高橋は見えたって。
その高橋君っていうのは?
(院生)今確か実験中です。
その実験って何時頃終わるの?
(太田)え?ストーカーを見かけた事はない?
(高峰)はい。
でも布川麻奈美さんの部屋を見上げていた不審な男を目撃したっていうのは高峰君君だろ?
(高峰)あっ多分それ高橋さんですよ。
どういう事なんだ?今までの捜査はなんもかんもいい加減だったって事ですよ。
調書にあった高峰という学生に当たったところストーカーを見たのは高橋っていう大学院生だったようです。
偶然ですかね?こっちにも高橋っていう研究員がいましてね。
喫茶店で男を見たという目撃者の一人ですね?ええ。
今実験中で話が聞けなかったんですがどうやらその高橋に引きずられる形で他の大学院生たちは顔を見たと証言したようでして…。
なんだよそれ…。
昨日メタンハイドレートの説明をしてくれた彼も高橋という名前でした。
石油と比べて温暖化対策にもなる新しいエネルギー資源です。
小菅警部補引き続き高橋という大学院生から話を。
はい。
(携帯電話の振動音)
(携帯電話の振動音)佐久です。
(陶久守)「経済産業省の陶久と申します」ノンキャリアでありながら警視庁史上最年少で管理官におなりになった方だそうですね。
せっかく手に入れたものは大事になさったほうがいい。
「触らぬ神に祟りなし」ですか?正直あの女性研究員の事件には迷惑を被っています。
そして警察の関与はさらなる迷惑を生む。
仮に関田教授を含む周辺の人物が犯人だった場合メタンハイドレートの研究が止まってしまう。
経産省としてはそれはなんとしてでも阻止しなければならない。
国の利益を守るのが我々の仕事です。
確かにロシアも中国もメタンハイドレートには並々ならない関心を寄せています。
(車のドアの開く音)半年前捜査本部へ圧力をかけ未解決のまま解散させたのは経産省…あなた方ですね。
関田教授を告発したネットの書き込みを削除なさったのも…。
私どもの忠告は受けては頂けない。
そう解釈してよろしいですか?申し訳ありませんが殺人事件である以上どのような犯人であれ見逃すわけにはいきません。
国益より瑣末なたった一人の女の事件を取る気ですか?その一人一人が集まって国家というものが成り立っています。
誰もが真実を見る事が出来るとは言えない。
しかし真実である事は出来る。
えー…今朝になりましたが実験を終えた大学院生高橋健一からようやく話が聞けました。
すると呆れた事に自分もよく顔は見えなかったと言い出しまして。
…ったくどいつもこいつも!ただ被害者が住んでた寮でストーカーらしき男を見たというのは本当だと。
(小菅)その時の男の雰囲気が喫茶店で目撃した男に似ていたから混同したという事でした。
捜査も証言もいい加減の極みって事じゃねえか!なんの疑いも持たず事務的に捜査を引き継いだ自分に責任があります。
今後は徹底して捜査を洗い直しどんな事があってもホシをこの手で挙げる。
そう彼らとも話し合いました。
わかりゃあいいんだわかりゃあ…。
これがさくしんの狙いだったか…。
島野係長。
はい。
研究員の高橋と被害者との関係を洗ってください。
皆さんは引き続き捜査を。
以上解散。
(一同)はい。
(ノック)
(谷中)はい。
失礼します。
(谷中)朝から呼び出してすまんね本当に。
あっ…君は名前なんていったっけな?屋敷です。
屋敷…。
あのな俺の田舎からいろいろ届いたんだよ。
漬物とかいろいろ。
これを管理官のホテルに届けておいてくれ。
かしこまりました。
いや…管理官。
話ってのは他でもないんだが…。
経産省の陶久と会ったそうだね。
ご忠告を賜りました。
それでも管理官は聞く耳を持たなかった。
フフフッ…。
それでこそ君だよ。
フハハハハハッ!
(谷中の笑い声)涙が出ちゃう…ハハハハハッ!
(谷中)ただな…捜査がメタンハイドレートに近づいたとなるとこれは話は別だ。
私も防ぎようがない。
あの男が開発したメタンハイドレートの採掘方法が実用化されたらな7000兆円の価値を生むと言われている。
気の遠くなるような数字だろう?経産省が放っておくわけがねえ。
しかも関田はメタンハイドレートの埋蔵地まで見つけ出してる。
まあ日本を囲む海の中で利権を狙う企業スパイや国同士の思惑が入り乱れてる事は確かだ。
つまり関田教授には触れるなと。
ヘヘッ…捜査をするなと言ってるんじゃないぞ。
わかっております。
半年前目黒東署で立ち上がった捜査本部のようにうやむやにしておけばいい。
まあ平たく言えばそういう事だな。
なるほど。
ですが…。
ん?管理官という職務は事件解決に向け全力で指揮を執るものと心得ております。
谷中部長。
私はあなたにそう教わりました。
ああ…。
7000兆円などなんの関係もありません。
ああ…。
やはりこの事件は起きた時から迷宮入りがもくろまれていた。
被害者がスパイ活動をしていた人間と接触していたとしてもおかしくはありません。
口封じのために殺害された可能性も?それはまだわかりません。
海外のサーバーを何か所も経由しているので書き込んだのが何者かは特定出来ませんがこの告発をした人物がカギかもしれません。
研究員を含め関田教授と関係者の口座を調べてください。
わかりました。
ほい。
いただきます。
管理官は好きか?え?つかず離れず癖のあるさくしんの側にいてよくやってると思うよ。
仕事です。
そりゃそうだ。
ただどうして自分から壁を作るのか。
あの人を見ていて不思議に思う事があります。
捨てるものがないのか…それとも守りたいものがあるのか。
どっちだろうな?入って。
じゃあそこへ座って。
喫茶店の事ならついこの前…。
時間は取らせないよ。
「布川麻奈美さんの事を聞きたいだけだからさ」「でも僕は寮と研究室が同じだっただけでプライベートな事は何も…」
(太田)「でも君は寮でストーカーを見たんだろう?」「なんでストーカーだってわかった?」「それは…そんな気がしただけで…」そんな気がしたって…。
じゃあ何か。
実際に布川さんからストーカーの話は聞いちゃいなかったって事か?はい。
いい加減にしろよ。
あっ?じゃあ喫茶店で布川さんを見たってのは本当なんだろうな?「あれは本当ですよ!正確には駐車場です」
(太田)「あのなあ…」
(小菅)「おいおい…」やめやめもう…。
ごめんね。
ごめんね怒らせる気はね全くないの。
たださ事件からもう半年経ってるでしょ?どんなささいな事でもいいから正確な情報が欲しいわけ。
実験のデータと同じだよ。
なんか気になってる事があったらさ教えてくれないかな。
事件とは関係ないかもしれませんけど。
おうなんだっていいんだよ。
先輩殺された当日実験に失敗して…。
実験?関田教授に頼まれてやった実験だったんですけど研究室で爆発が起きて。
(高橋)「初歩的なミスだったんで先輩何か悩み事があったのかもしれません」すいません時間がないので手短にお願いします。
事件のあった当日布川さんが教授に頼まれた実験に失敗していたというのは本当ですか?ああ…確かそういう事がありましたね。
それが事件と関係が?わかりません。
わからないから調べる。
それが我々の仕事ですから。
仕事は違いますが我々と同じ論理ですね。
布川さんはどんな失敗を?布川君が1人でやっていた実験で私はその場にいなかったので詳しい事はわかりませんが確かメタンハイドレートの分解実験時にガス回収の配管ミスが原因だったと聞いてます。
いわゆるガス漏れで引火して爆発を起こしてしまったんです。
ガス漏れ…。
まあ彼女も30の壁にぶつかって悩んでいたようであり得ないミスを犯してしまったんでしょう。
30の壁?我々理系の研究者が一度は乗り越えなければいけない年齢の壁の事です。
私たちの世界じゃ30までになんらかの研究成果を上げなければ将来がないと言われてましてね。
ああすいませんそろそろ時間が…。
お忙しいところありがとうございました。
被害者が実験に失敗した事件当日ですが関田教授は打ち合わせを兼ねた会食をしていた模様です。
どちらへ?先に戻っていてください。
花言葉は「忍耐」。
(関田)まあ彼女も30の壁にぶつかって悩んでいたようであり得ないミスを犯してしまったんでしょう。
(高橋の声)先輩殺された当日実験に失敗して…。
関田教授本人や周辺の研究員たち全員の銀行口座からは不審な入金は見当たりませんでした。
しかし関田教授の妻の口座への多額の入金を確認しました。
これが関田教授の妻関田陽子の口座です。
去年の12月より毎月500万ずつ南関東工業より振り込まれています。
(小菅)計3000万。
女房の口座を利用するなんてどっかの政治家みたいですなあ。
南関東工業を調べたところ日の出造船の孫請け会社だとわかりました。
日の出造船はメタンハイドレートを含む海底資源の開発事業に関しては国内トップの企業です。
推測ですが独立行政法人NADESは関田教授の研究に資金提供しているため表立っては近づけず秘密裏に取引をしていた可能性があります。
つまり日の出造船が裏工作を…。
去年の12月というと関田教授がメタンハイドレートの新たな採掘方法を開発したと公表したその翌月ですね。
はい。
しかも布川さんが殺害された翌月でもあります。
日の出造船の人間がメタンハイドレートの情報を関田教授から入手した。
その事を布川さんは気づき殺害されたとは考えられませんか?たとえそうだとしても証拠がありません。
(太田)クソッ!
(佐藤和彦)確かに世界的な研究者である関田教授とは面識はありますがお尋ねの振り込みに関してはわかりかねます。
ですが振り込みがなされたのは事実です。
わからないものをわからないと言ってるだけです。
だとすれば関田教授の奥さんに渡った3000万はなんの金なんですか?知りませんよ。
メタンハイドレートに関して関田教授と裏取引をしているなどと根も葉もないでたらめです!我が社は真剣に将来のエネルギー資源について考えてる!この国の将来を考えてるんです!彼女にも将来はありました。
殺された布川麻奈美さんです。
彼女の将来は閉ざされてしまった。
彼女のためにも知っている事があれば話して頂けませんか?知りません。
大体布川麻奈美という名前すら知らない。
もう話す事はありません。
何が日本の将来だ。
何兆円って利権に群がってるとしか見えませんね。
あっ社員の中にいたあの男は…。
(宮本正彦)待ってください!僕見たんです。
僕は布川麻奈美さんを…。
本当の事を言えば僕が産業スパイだと認めた事になる。
だからこれまで言えずに…。
けどあなたが言ったとおり彼女の将来は閉ざされた。
その責任が僕には…。
(佐藤)宮本!もう限界なんです!僕は本当の事を話したい!何を言ってるんだ!仕事だろ戻れ!あの夜も…あの夜も彼女に会おうとしました!そしたら見たんです!あの男が彼女に…!よせ!貴様どうかしてるぞ!やめてくださいやめてください!あの時僕が声をかけてさえいれば彼女は…布川さんは殺されずに済んだかもしれない!詳しい話を聞かせてください。
(電話)
(関田)はいもしもし。
何?警察が?
(ガスが漏れる音)
(ガスが漏れる音)何をやってるんだ!?
(ガスが漏れる音)
(警告音)やめろ!爆発するぞ!
(ガスが漏れる音)関田教授なぜ爆発すると思われたのですか?それは…。
これは布川麻奈美さんが殺害された当日彼女が行っていた実験の再現です。
あなたは実験失敗の場にはいなかったはずですが…。
そのとおりだ。
彼女が1人で実験してそして失敗した。
しかしあなたは爆発する事を知っていた。
そして実験に失敗したのならなんらかの形跡が布川さんの体に残っていても不思議ではありません。
ですが彼女の体にはやけどの痕が1か所もありませんでした。
半年前といえば学部長選の前でした。
あなたはささいな失敗も許されない立場にいた。
ですから実験失敗の濡れ衣を布川さんに被せたのではないですか?いい加減な事言わないでくれ。
私はあの時…。
NADESの方と会食をなさっていた。
ですが調べたところNADESの職員の方は誰もあなたと会ってはいませんでした。
関田教授あなたは布川麻奈美さんとなんらかの関係にあった。
実験ミスを自分のせいにされても布川さんが固く他言しなかったのはあなたとの関係を続けたかったからじゃありませんか?憶測だ。
何もかも憶測じゃありませんか!この怪我は家で妻の料理を手伝ってる時に…。
病院を調べればそんな嘘はすぐにバレますよ。
奥さんの口座もすでに調べてあります。
3000万の振り込みの事も…。
日記を読みました。
布川麻奈美さんの手の甲に書かれていた数字はネット上の日記を開くためのログインパスワードでした。
そこに何が書かれていたかあなたなら想像出来るはずです。
(ため息)
(関田)私が見つけたメタンハイドレートがどんなに高値をつけられようと私の知らないところで金が動くだけです。
そしていつか私は不要になる。
研究者の末路なんていつだってそうだ。
だからお払い箱になる前に採掘方法や埋蔵地について小出しに情報を…。
ですが私は彼女を殺してはいない!これは紛れもない真実です!わかっています。
あなたは犯人ではありません。
あなたも先ほど爆発すると思い驚きましたねぇ。
高橋君。
関田教授が行った実験の準備をしたのはあなたです。
もう調べはついています。
あなたは関田教授が実験に失敗するようあの配管に手を加えガス漏れを起こさせた。
なんだって!?爆発が起きたあと関田教授あなたが布川さんのせいにして隠蔽しようとせず警察の捜査が入っていればすぐに高橋君の仕業だとわかったはずです。
僕は…。
見ていたんだよ。
日の出造船の人間が事件の夜君が布川さんのあとをつけていくのを。
布川さんを殺害したのは高橋君君だね?
(爆発音)
(布川麻奈美)先生!大丈夫だ。
それより君に頼みがある。
もうすぐ学部長選があるのは知ってるね?今夜のこの爆発を君が起こした事にしてくれないか?お願いだ。
君にしか頼める人がいないんだよ麻奈美。
(麻奈美)私…だけ?
(関田)ああ君だけだ。
助けてくれ…。
わかりました。
(関田)ありがとう。
悪いようにはしない。
(高橋)布川先輩!高橋君…。
どうして教授の言いなりになるんですか?爆発は教授のせいで起きたんです!その事は黙ってなさい。
研究室を大事に思うなら。
先輩は利用されてるだけなんです!教授が先輩を他の研究所へ派遣しようとしてる事を知ってますか?あの人が大事なのは家族です。
やめなさい…。
あなたはなんでも言う事を聞いてくれる便利な女なだけです!教授の言いなりになって30の壁を越えられなかったかわいそうな人です。
あなたを守れるのは僕しかいない。
だから目を覚ましてください!僕を見てください!あんたに何がわかるの?あんたみたいな子供に何がわかるのよ!
(殴る音)あっ!うっ…。
その後君は研究員仲間を誘い喫茶店へ向かった。
その時間に布川さんが生きていると思わせるために。
あれ?布川先輩。
車に乗り込む男性がいれば誰でもよかった。
あそこからは顔は見えない。
だから布川さんに接触し関田教授の情報を入手しようとしていた日の出造船の宮本さんを利用しストーカーがいたように周囲に思わせたうえで似顔絵の男を作成した。
はい…。
(加藤)管理官。
彼の車のトランクから血痕らしきものが…。
今鑑識がこっちに向かってます。
君は布川さんを河原に遺棄し…。
彼女の自転車を喫茶店の駐輪場まで運んだ。
関田教授をネットで告発したのもあなたですね。
布川さんを踏み台にした関田教授を学部長の椅子から引きずり下ろす目的で…。
ああいう男が注目されて我慢出来なかったんです!高橋お前って奴は…!あなたは自分のした事を恥じるべきだ!人に教える立場であるにもかかわらず体面にだけ目が行き人を利用した。
国から援助を受ける研究者であるにもかかわらず目先の私利私欲に走った。
布川麻奈美さんは彼に殺されました。
だがその前に彼女はあなたに殺されていたも同然だった!
(笑い声)犯人は大学院生だったか。
いやぁ実に見事だった。
ハハハ。
経産省の陶久も電話をよこしてな関田教授の裏取引には目をつむるという事で手打ちにした。
関田教授の今後の研究に支障がない事を大変喜んでおった。
ハハハ…。
いやぁメタンハイドレートが日本の宝の山に変わりはない。
君にもいろいろ言ってすまなかったな。
ゆっくり休め。
はいご苦労さま。
お返しするのを忘れていました。
ん?あっ…。
君はこの先仕事をする気はあるか?失礼します。
(電話)あっ。
これはこれは法務大臣。
今ご報告をと思ってました。
はい。
いやいや綱渡りでしたが無事解決を見る事が出来ました。
はい。
経産省にもたっぷりと恩を売る事が出来ました。
ヘヘヘ…。
え?佐久の事もうお耳に入っておられますか?ハハハ…!いやぁご心配には及びません。
ええ。
あの男は仕事以外何もない男ですから。
管理官はもうお帰りに?いつもの事だよ。
逮捕が済んだらいなくなる。
不思議な人だ。
いや変人だ。
確かにな。
布川麻奈美さんの日記なんて存在しちゃいない。
え?あの手の甲の数字の事は嘘だったんですか?それもいつもの事でさ…。
でもあの人の生の声を初めて聞いた気がします。
(太田)は?ああ関田教授に言ったひと言ですか。
布川麻奈美は高橋に殺される前にあなたに殺されていたも同然だ。
そんな事言ったんすか?あの人も人間なんだなって初めて思ったよ。
それも気のせいかもしれませんよ。
(一同の笑い声)
(太田)絶対気のせいだ。
駒は私の指示に従っていればいい。
10年前の強盗殺人。
再審可能な証拠があれば刑を止める事が出来る。
(中村大蔵)死刑を求刑します。
(稲葉司)さくしん…。
(谷中)副署長だ栄転だよ。
警察のやる事ですか。
2014/06/04(水) 21:00〜21:54
ABCテレビ1
TEAM〜警視庁特別犯罪捜査本部 #8[字]
女性研究員殺人の容疑者に、巨大な国益を生む資源・メタンハイドレート研究の第一人者が浮上。捜査を進める佐久(小澤征悦)に経産省、そして谷中(西田敏行)の魔の手が!
詳細情報
◇番組内容
捜査本部のトップである“管理官”佐久晋吾(小澤征悦)は「あなたたちは駒です」と現場の刑事に言い放ち、大胆不敵な捜査方針を打ち出す。刑事たちはそんな佐久とたびたび衝突するが、彼らに共通するただ一つの目的は“事件解決”。いつしか佐久の策に取り込まれ、<TEAM>となっていく…。
◇出演者
小澤征悦、田辺誠一、塚本高史、神尾佑、田中隆三、猪野学、篠田光亮、渡辺いっけい、西田敏行
【ゲスト】
浅野和之、モロ師岡
◇脚本
吉本昌弘
◇監督
新村良二
◇主題歌
加藤ミリヤ×清水翔太『ESCAPE』(Sony Music Records/MASTERSIX FOUNDATION)
◇スタッフ
【ゼネラルプロデューサー】松本基弘(テレビ朝日)
【プロデューサー】藤本一彦(テレビ朝日)、金丸哲也(東映)、和佐野健一(東映)
◇おしらせ
☆番組HP
http://www.tv-asahi.co.jp/team/
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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