花咲舞が黙ってない #8 2014.06.04

♪〜
(店内のBGM)はじめまして秋本輝夫です。
(花咲舞)あっはじめまして。
花咲舞です。
花咲さん趣味は何ですか?趣味ですか?え〜う〜ん。
読書と旅行ですかね。
あぁそうなんですね。
僕も旅行は大好きなんです。
あぁはい。
(静枝)あっ花咲さん何かもっと聞きたいことないの?えっ私ですか?いや…。
特にないです…。
ダメねそんなんじゃ…お互いをよく知り合えないじゃないの。
今の時代はね女性のほうがもっと積極的に行かないと。
え?ちょっと待ってくださいこれ何かまるでお見合いみたいじゃないですか。
あらそう言わなかった?そうなんですか?えっ違うんですか?いやいや…。
私は久しぶりに静枝さんから「お茶しよう」って言われたから来ただけ…え〜!え〜!いや僕はおばあちゃんが「会わせたい人がいるからぜひ」って。
(静枝)フフフ…。
静枝さん…。
きっかけは何でもいいじゃないの。
私いつかあなた達2人を会わせたかったのよ。
私が思った通り2人ともお似合いだわ。
いやそんな急に言われても…。
そ…そうだよ花咲さんに失礼だよ。
フフフ…秋本君はね京浜銀行にお勤めの営業マンでもういろいろよくしてもらってるの。
あぁ銀行員なんですか。
ええ。
(静枝)花咲さんのことは前に話したわよね?私が赤坂に住んでた時東京第一銀行で一番優秀でかわいかった行員さん。
あぁそんなかわいい…過去形?あ…。
(静枝)久しぶりに連絡したらまだ結婚してないって言うから早くしなきゃと思ったのよ。
あなた達2人とも銀行員だから話が合うんじゃないの?いやでもうちは東京第一さんと違ってしがない地方銀行だからな。
あぁいや…地域に密着した地銀さんのほうがフットワーク軽くていいなぁって思うことも多いです。
ホントですか?はい。
うれしいな。
秋本君はすごく優しくていいコなのよ。
(静枝)あっいらっしゃい!こんにちは
(静枝の声)うちに来るといつも電球替えてくれたり重いもの運んでくれたりして今じゃホントの孫みたい。
そうなんですか。
でも肝心の銀行員としての成績が悪いらしくて心配なのよね。
あっ!悪かったねフフフ…。
フフフ…。
花咲さんはとってもステキな窓口さんだったの。
私なんか花咲さんに担当してもらいたくてこっそり番号札2枚引いてたくらいなんだから。
あぁホント?うん!関口様
(静枝)はいお待たせいたしました
(静枝の声)まだ新人さんだったけど仕事が早くて丁寧で…何より笑顔が良かったのよね。
花咲さんは絶対にいい奥さんになると思うわ。
いや…いやもう静枝さんたら。
フフ…。
(相馬健)あぁ…またご祝儀取られちまったよ。
今年に入ってひのふの…3回目だぜ。
ったく遠慮しろってんだよな。
あぁでもまぁ嫁さんはなかなかかわいかったな。
(東)ハハハ…!何言っちゃってんだよ。
お前だって若い女のコとコンビ組んでんだろ?うらやましい話だぞ。
待て待て…前にも言っただろ。
あいつは女のコなんてたまじゃないんだって。
怒った顔なんて怖いの怖くないの。
そうなのか?あああれは当分嫁のもらいてはないな。
ハハハハ…。
あっなぁ…ちょっとコーヒー飲んでかないか?ここのカフェガトーショコラが絶品らしいんだよ。
ガ…ガ…あっあぁ。
ダメだかみさんがうるさいから帰るわ。
じゃまたな。
またな。
花咲…。
あっ26歳です。
え?あいつとうとうお見合いか。
秋本さんはお幾つなんですか?
(秋本)僕はちょうど2つ上…。
(店員)こちらへどうぞ。
コーヒーとガトーショコラをください。
(静枝)ちょうどいいじゃないの。
(店員)かしこまりました。
(静枝)いいですよ2歳上なんて。
あっでもそんな…同じぐらいかと思ってました。
聞こえねえ。
お客様…。
どうかされましたか?あの…ナプキンどこかなと思いまして。
相馬さん。
あ…!な〜にやってるんですか?ハハハハ…。
いや〜ビックリしたよ。
お前がお見合いしてるなんて。
だから見合いじゃありませんってば。
私はただ静枝さんから「お茶しよう」って誘われて行っただけですよ。
っていうか休みの日まで来ないでくださいよね。
お前に見合い話持ち込むなんて怖いもの知らずもいたもんだなぁ。
ひとの話聞いてます?で親戚か何かか?静枝さんは赤坂支店にいた頃のお客様です。
ん?入行したばかりの頃に知り合ってそれから仲良くさせていただいてるんです。
う〜ん…でお見合い相手誰なんだよ。
あぁ…秋本さんっていって京浜銀行の渉外課に勤めて…。
だから見合いじゃありませんってば!でその静枝さんが秋本さんっていう方を気に入ってそれで私とくっつけようとしたってそれだけの話です。
(花咲幸三)おい舞見合いって何だ?お前見合いしたのか?とうさん何も聞いてないぞ。
だから違うってば…。
相馬さんも余計なこと言わないでくださいよホントに。
あのな別にな見合いがダメだと言ってんじゃないんだ。
ただそういうのはちゃんととうさんに言ってくれないとさ。
相手は銀行員みたいですよ。
えっそうなんですか?ハァ…。
だったらとうさん応援するよ。
バンカーの妻になるのお前の夢だったからな。
そんな夢持ったことないってば!もう…。
頑張れ!舞。
頑張れ!舞。
頑張れ!チャチャチャ。
頑張れ!
(幸三)頑張れ!本日の臨店終了!今週もいろいろありました。
うん。
私もこの仕事すっかり慣れて来た感じです。
ほっ!うんよくやった。
今週は一回もキレなかったしな。
よし!週末は『街道をゆく』一気読みだ!ん?何だウイークエンドの予定ないのか。
特にないですけど。
ん?あの見合い相手とはどうなってんだよ?いや別に連絡取ってないですよ。
何だよ何だよ。
ナウなヤングなんだからもっとエンジョイしないと。
(エレベーターの到着音)「ナウなヤング」。
あぁヤダヤダこれだからおじさんは。
ええおじさんですとも。
(芝崎)大変だ!大変だ〜!大変だよ!あれ?いない…ハァハァ…。
そのうち「おばさん」って呼ばれるんだからな。
まぁその頃には「おじいさん」ですけどね。
口の減らねえ…。
芝崎次長どうしたんですか?ハァ…花咲君大変だよ。
君がお見合いした相手って確か京浜銀行だったよね?はい…あっ何で知ってる…相馬さん喋りましたね?見損なうな誰が言うか。
だったら誰が喋るんですか。
いやそんなことはどうだっていいんだよ!破綻だよ破綻!破談?いや破談じゃなくてこれ!ん?京浜銀行が破綻したんだよ!破綻!?破綻!?あ…。
(リポーター)京浜銀行が経営破綻しました。
本日午後金融庁に正式に破綻を申請したもようです。
先程行われた金融担当大臣の会見によりますと京浜銀行の債務超過は…。
(リポーター)1500億円を超える見通しです。
京浜銀行は東京神奈川を中心に店舗を持つ地方銀行で今回の破綻により300万人以上の人々に影響が及ぶとみられています。
(児玉)京浜銀行の経営は実質的に債務超過だったそうです。
金融子会社も赤字まみれだったとかで…。
(真藤毅)いい材料はなさそうだな。
(リモコンの操作音)しかしまぁ経営破綻など我々メガバンクの常識では考えられませんねうちとは全く…。
甘い!「蟻の穴から堤も崩れる」。
あ…蟻でございますか?小さな油断が大きな失敗につながるということだ。
はい!児玉君…。
はっ。
常に危機感を抱きなさい。
自分の身にいつ何が起こるのか…。
あ…。
自分が一番分からないものだからね。
はいあ…。
破綻かぁ。
ん〜…。
要するに倒産ってことですよね。
まぁそういうことだが普通の企業の倒産とは訳が違うわな。
まぁ銀行にはお客様から預かったお金がたくさんありますからね〜。
うちは大丈夫なんですか?まぁ大丈夫だとは思うが人ごとではないか。
お前のいとしい見合い相手大丈夫なのか?いや〜私も今それを考えてた…。
だから見合い相手じゃありませんってば。
(着信音)おっ。
(着信音)もしもし静枝さん?花咲さん急で申し訳ないんだけどどっかで会ってお話できないかしら?どうしたんですか?実は相談したいことがあるの。
相談…。
分かりましたじゃあ明日静枝さんのお宅に伺いますね。
はい。
(静枝)・どうぞ・どうぞどうぞ。
静枝さんこれ。
『赤坂信濃屋』の練り切りですお好きでしたよね。
(静枝)あらうれしい覚えててくれたの?まぁ。
これ亡くなった主人も大好きでね。
けんかの後はいつもこれでご機嫌取ってたの。
ウフフ。
へぇ。
あっ静枝さん相談ってもしかしてこれのことですか?そうなのよ突然でビックリしちゃって。
幾ら預けてたんですか?えっと普通預金が50万円ぐらいと定期預金が2000万円。
2000万円!?ちょっと失礼します。
(静枝)実はあなたんとこへ預けてた定期預金を解約して京浜銀行に預け替えたのよ。
あぁ…。
ごめんなさいね。
せっかくあなたがつくってくれた定期だったのに。
いえそんなこと気にしないでください。
あっほらこの間会った秋本君。
あのコがノルマを達成できないからってつい…。
静枝さんらしいですね。
ねぇ銀行が破綻したら私のお金どうなっちゃうの?あぁ…預金保険制度っていうのがあって簡単に言うと銀行に預けてある1000万円までの元本とその利息は保証されることになってます。
それ以上戻って来ないの?ん〜それは私は何とも言えません。
ハァそう…。
秋本さんから説明はないんですか?うん何かバタバタしてるみたいで…。
そんな無責任な…担当者じゃないですか。
仕方ないわ担当先は私だけじゃないし。
もっと大口の預金をしてる人もたくさんいるだろうし。
金額の問題じゃないと思いますけど。
えっ。
これってつい半月前じゃないですか!そうなのよ〜ツイてないわ。
(チャイム)
(静枝)あら。
ちょっとごめんなさい。
あぁ…。
(秋本)おばあちゃん遅くなってすいません。
(静枝)よかった〜上がってちょうだい。
お邪魔しますあれ?誰か来てるんですか?先日はどうも。
花咲さんいらしてたんですね。
どうも。
おばあちゃんごめん!
(秋本)こんなことになるなんて全然知らなかったんだ。
僕の力不足でホントに申し訳ありません!あなたのせいじゃないわよ。
(秋本)預金は全額お返ししたいんですけどもう僕の力じゃどうにもならなくて…。
ホントに…何とおわびしたらいいか…。
おばあちゃんの大切なお金を預かったのに…。
(静枝)仕方ないわ気にしないでちょうだい。
あなただって失業しちゃうんだから。
もう責められないわよ。
ホントにごめんなさい!
(コメンテーター)乱脈経営のツケが全部預金者に回ってしまったというこういう感じなんですよね。
京浜銀行の不良債権額は公表額をさらに上回るようですし。
(司会者)となるとやはり預金は1000万円までしか保護されないってことですか?
(コメンテーター)そうなんですよねまぁこうなる前に銀行は何かてを打てなかったんでしょうかね?
(司会者)1000万円を超える預金については今後どうなるんでしょう?ん〜…。
やっぱり何か引っ掛かるんですよね〜。
え〜?静枝さんの通帳見せてもらったんですけどうちの定期を中途解約して京浜銀行に預け替えをした日付が5月14日。
つまり経営破綻の半月前なんです。
だから?いやタイミング的に近過ぎませんか?もちろん担当してた秋本さんも破綻するなんて思わなかったって言ってましたけどよりによってこんな時期に預け替えを勧めるだなんて…。
そいつはちゃんと仕事をしただけだろう?一般行員が自分の銀行の破綻前もって知ってるわけがない。
それはそうなんですけど…。
大事なことは上だけで決めて下には漏らさない。
それが銀行のやり方だ。
その秋本ってヤツも被害者といえば被害者なんだろう。
でも一番の被害者は静枝さんみたいに京浜銀行にお金を預けてた人達です。
まぁな。
しかしいずれにせよよその銀行で起こったことだ。
お前にどうこうできる問題じゃないだろう。
分かってます。
でもあのお金は静枝さんにとっては大事なお守りだったんです。
お守り?はい。
えっ…これ全部定期預金ですか?ええ先月亡くなった主人が遺してくれたお金なの私のためにっていいんですか?定期だと下ろしにくくなりますけど…このお金は使うつもりはないの私のお守りみたいなものだからなるほど〜お守りね。
(芝崎)ハァ〜気持ち悪ぃ。
おはようございます。
また飲み過ぎですか?芝崎次長。
うん京浜銀行に大学時代の後輩がいてさ。
昨日3軒も連れて行かれて終電まで散々愚痴を聞かされたんだよ。
ご愁傷さまでした。
ハァ京浜銀行じゃ破綻前から人材が流出してたらしいんだけどそいつは逃げるタイミングを逃しちゃったって。
え?ってことはつまり行員も知ってたってことですか?うん今年に入ってから破綻は時間の問題だって行内じゃ持ち切りだったらしい。
組織はほとんど空中分解寸前だったって。
あの〜その後輩の方って本部勤務か何かですよね?いや支店の営業課だけど。
(芝崎)あぁ頭振るとズキズキすんなぁ。
はいじゃあこれはんこよろしくね。
あ〜気持ち悪うわ〜。
ハァ…。
話が違うなぁ。
はい。
一般行員も破綻の危機を以前から知ってたってことですよね?秋本ってヤツはウソついてたんだ。
そうですよこうなるの分かってて静枝さんに定期の預け替えをさせてたらひどいですよ。
いや待て待て。
そもそもそいつは何でそんなことしたんだ?え?自分の銀行が破綻するって分かってたんなら営業成績上げたところで何のメリットもないぞ。
ですよね。
静枝さんに何か恨みがあったとか。
そいつのこと調べてみたほうがいいかもしれないな。
はい。
(静枝)・嫌だわ花咲さん・こういう方がいるんなら先に教えといてくれなくちゃ。
え…え?え?道理で秋本君になびかないと思ってたわ。
どうも。
あぁ…。
こちらただの上司です。
言い方あるだろ?どうもただの上司の相馬です。
あっホテルで。
あ…アハハハ…。
お会いしましたね?ねぇ。
あの…そんなことより今日はあの…秋本さんのお話を聞きに来たんですよ。
秋本君の?はい。
彼とはどのようにして知り合ったんですか?どのようにって…。
今年の初めに飛び込みの営業で家に来たのよ。
(静枝)はい失礼します私京浜銀行久が原支店の秋本と申します
(静枝の声)話してみたらすごく熱心でいいコだから京浜銀行に普通預金の口座を開いてあげたの。
それからはわざわざ銀行の窓口に行くのは面倒でしょってしょっちゅう家に来てくれてお金の相談に乗ってくれたり。
私みたいな独り暮らしの寂しい年寄りにはとってもありがたい人なのよ。
あの定期預金の預け替えの時には何て言われたんですか?
(静枝)うん。
何か上司に営業成績が悪いって怒られて落ち込んでてどうにかならないかって頭下げられたの。
おばあちゃんこれを解約してうちに預け替えてくれないかな?金利はうちのほうが上だし長い目で見たら絶対有利だと思うんだそうねぇ絶対おばあちゃんの損にはさせないからお願いします!頭上げてちょうだい頭あなたのとこに預けるわホント?
(静枝)うんよかった〜ありがとうおばあちゃん!ありがとう!フフっ何か孫みたいに思ってたコだから。
あんなに一生懸命頭下げられてかわいそうになっちゃってね。
秋本さん何かおかしなところなかったんですか?おかしなところ?はい。
例えば他の金融商品を強引に勧められたりとかあとはそうですね…。
花咲さん。
むやみに人を疑うもんじゃないわ。
あぁ…でもあのお金は静枝さんにとって大事なものだったんじゃ…。
もういいの。
あれで秋本君を助けることができたんですもの。
まぁそりゃ悔しいことは悔しいけどお金より人のほうが大事です。
はい。
あっ。
ん?お土産があったんだったちょっと渡して来ます。
ああ。
(泣き声)ごめんなさい…。
あなたが一生懸命働いて遺してくれたお金なのに…。
(静枝)ごめんなさいごめんなさい…。
ごめんなさい。
ごめんなさい。
(泣き声)どう思います?相馬さん。
納得行かないね〜。
私もです。
その秋本ってヤツがホントに静枝さんの言うようにいいヤツなんだったらうちの定期が満期になるまで預け替えは待つはずだ。
中途解約は損をする。
しかもそれを静枝さんに説明していないんですよね。
うん。
あの人きっと何か隠してます。
隠してるって何を?いや分かりません。
けど…。
あれ?誰か来てるんですか?先日はどうも何か裏の顔があるような気がします。
私秋本さんに会ってみます。
もし静枝さんをだましてたとしたら…。
絶対に許せない。
よいしょ。
相馬さんあれ誰なんですかね?あ…さぁ…。
もしかして舞の新しい男でしょうか?あぁいえいえ…。
そういうんじゃないと思いますよ。
2人っきりで大丈夫かな。
ちょっと見て来ますね。
あぁあのおとうさん。
「アスパラげんこつ」もらってもいいですか?え?アスパラ…。
アスパラ…。
はい…。
すいません。
どうぞ。
(秋本)すみません。
花咲さんからお誘いをもらえるなんて思ってませんでした。
あ…。
あっ僕がつぎますよ。
あぁどうも。
もうすぐ職場がなくなるっていうのにこんなことしてていいのかな?あぁ…。
じゃあ取りあえず乾杯。
乾杯。
ハァ…。
まぁでももともと僕は銀行員には向いてないと思ってたんですよ。
お金の計算とか超苦手だし。
あぁ…。
自分が働いてた銀行がなくなるのってどんな感じですか?う〜ん…正直ピンと来ません。
昨日までは定期や投信を取って来いってハッパを掛けられてたのが急に…。
破綻したから残務整理しろって言われてもね。
担当者としてはお客様に合わす顔がないですよ。
破綻するって知ってたらおばあちゃんにだってあんな思いさせずに済んだのに。
私回りくどいの苦手なんで単刀直入に聞きますね。
(秋本)え?秋本さん京浜銀行が破綻するのかなり前から知ってたんじゃないんですか?何ですか?急に。
どうなんですか?そんなことあるわけないじゃないですか。
でも行内では今年の初め頃からその噂で持ち切りだったって。
知りませんよ!あなたが静枝さんの2000万円の定期をうちから預け替えたのって半月前ですよね?もし京浜銀行が破綻することを知ってたとしたらどうして中途解約までして預け替えさせたのかな?って。
どうしてもあなたの行動に納得が行かないんです。
静枝さんすごく悲しんでました。
何か理由があるんですか?いいかげんにしろ!
(幸三)ん…。
あぁおとうさん…。
そんなことを言うためにわざわざ呼んだんですか?僕は何も知らなかったって言ってるじゃないですか!少しでも営業成績を上げたかったそれだけですよ!あなたは自分がつくった定期を解約されたのが悔しくて僕に当たってるだけじゃないんですか?違いますよ!証拠もないくせに。
ひとを犯罪者みたいに言いやがって。
何なら名誉毀損で訴えたっていいんですよ?東京第一銀行の花咲舞さん!フッ…。
おばあちゃんはこれっぽっちも悲しんでなんかいないよ。
俺のことホントの孫みたいだって喜んでたんだから。
(幸三)あぁ…もうお帰りですか?あのうちの娘がまた何かやらかしましたかね?ハァ…。
ありがとうございました。
(戸が閉まる音)ムカつく〜!おいどうしたんだ?舞怒って帰っちゃった。
っていうか誰なんだ?あれ。
ハァ…う〜んまぁちょっとね。
(幸三)おぉ…。
チッ。
あの怒りようは痛いとこ突かれたって感じだったな。
ついに本性現したって感じですよね〜。
まっ謎は何にも解けませんでしたが。
ああだがさっきヤツの財布の中に面白いもん見つけちゃったぞ。
え?東京第一銀行のキャッシュカード。
ヤツはうちの銀行に口座を持ってる。
金の動きを調べれば何か分かるとは思わないか?はい!う〜ん…同姓同名が全国に11名か…。
はい。
東京近郊に住んでるのは?和歌山岡山広島福岡。
え〜この5人ですね。
秋本の年って分かるか?確か私より2つ上って言ってたから昭和60年か61年。
ってことは…。
この人かこの人ですね。
こっちだな。
んっどうしてですか?見てみ。
会社名が書いてない!
(呼び出し音)
(女子行員)はい京浜銀行久が原支店でございます。
すいません!間違えました。
ビンゴ!口座番号は…。
残高4210円?毎月同じ不動産会社に振り込んでる。
家賃支払いのための口座みたいだな。
これじゃ何にも分からないですよね。
ん?ちょっと待て!この振り込み何だ?「東京ファースト証券アキモトテルオ」。
銀行員なのに株やってんのか。
これうちじゃ禁止ですよね?うん怪しいな。
あいつ昨日「金の計算苦手だ」って言ってたよな?はい。
これ何の取引してるか調べられませんかね?でも証券会社は難しいか…。
いや…てはあるぞ。
え?今ここに俺の同期が出向してんだ。
東京ファースト証券うちの系列だろ。
あっ。
東支店長をお願いします。
(受付)かしこまりました。
さっすが系列だけあって雰囲気似てますね。
いいかお前はおとなしく座ってろよ?はい。
おぉ!相馬。
急に来て悪いなあっ。
俺の同期の東ここの支店長様だ。
(東)どうも。
花咲舞と申します。
(東)あっ!君が花咲さんか!相馬から話は聞いてます。
え?何だよ!お前が言ってるようなコじゃないじゃないか!いやいやまぁまぁ…。
いやさこいつさ君のこと「全然女っぽくない」とか「怒るとものすごい顔になる」とか言ってたからさ。
あぁそういうことですか。
う〜!何すんだ…!
(東)まぁまぁ。
覚えてろよお前。
ところで今日はどんな用だ?いや…ちょっと面倒くさいことなんだけどな…。
え?この秋本輝夫って男が東京ファースト証券に口座を持ってる。
それで?運用内容が知りたいんだ。
この男が何かしたのか?詳しくは言えないんだが不正にかかわってる可能性がある。
それだけ?そんなの無理に決まってるだろう。
無理は承知で言ってる。
お願いします。
あのな分かってると思うがいくら系列会社だからといってうちと東京第一銀行は別会社。
顧客情報を外部に漏らすのはルール違反だよ。
東。
この男は京浜銀行の行員だぞ。
ホントかよ?はい。
お前んとこ銀行員との株取引は禁止されてるよな?ハァ〜ったく…。
だからといってそう簡単には…。
うちの支店の顧客じゃないか。
(東)う〜ん…ハイテク関連の株がメーンだな。
最近では個人がデイトレードで稼ぐのはそう珍しいことではないがなかなかうまいやり方だよ。
俺らは見ちゃダメ。
どんなふうにうまいんだ?欲張り過ぎずそこそこのところで利益を確定させる。
損失が出てもわずかだ。
常に動向をチェックしないとこんな細かい運用は無理だよ。
知識もあるしかなりのやり手だ。
運用資金はどれぐらいある?聞いて驚くなよ。
株の時価で9500万円。
きゅ…。
えっ…。

(着信音)あっ高木のおじいちゃん?すいません今こちらからご連絡しようと思ってたんですよ。
はい…。
今回は僕の力不足ではいホントに申し訳ありません。
9500万円…。
よっぽどの金持ちのボンボンでもなけりゃ20歳代じゃお目にかかれないぞ。
そんなお金一体どこから…?最初の頃は小さな資金でちまちまと運用してるが今年に入ってからは1000万単位で何度も入金してるぞ。
1月16日1500万円2月3日1300万円5月14日2000万円。
え?ちょ…。
今何て言いました?こら花咲!「5月14日2000万円」だけど。
ほら200万円ずつ10回にわたって入金している。
合計で2000万円。
5月14日といえば静枝さんが京浜銀行に2000万円の定期預金の預け替えをした日です。
200万円ずつってことは入金限度があるATMか。
どこのATMか分かりますか?ああ。
久が原8丁目のコンビニのATMだな。
静枝さんの家の近くです。
つまり静枝さんの京浜銀行の定期預金に預けるはずだった2000万円を受け取った秋本はその足で東京ファースト証券の自分の口座に入金した。
着服…。
うん…。
あっでも相馬さん静枝さんちゃんと定期預金の通帳持っててその中に2000万円の預け入れの記載があるんです。
よし確かめに行こう。
はい。
東ありがとな。
ありがとうございました。
(チャイム)
(静枝)・はい・あらおそろいでどうしたの?あの静枝さんもう一度通帳見せていただいてもいいですか?ええ…あっどうぞ。
あっ。
明日秋本君が通帳取りに来るっていうから用意しといたの。
え?さっき電話があってねお金が下せるようになったんですって。
それでわざわざ1000万円をうちへ届けてくれるんですって。
ついでに通帳も回収して。
ハァやっぱり1000万円は戻って来るってホッとしたわ。
ちょっと確認させてもらいますね。
どうぞ。
すいません。
やっぱりちゃんとありますよね。
うん…。
すいません。
ん?あっ!ん?どうした?ちょっとここ見てください。
あぁ…!?やっと分かりましたね。
(着信音)ハァ…。
(着信音)はい。
(東)秋本様ですか?いつもお世話になっております。
私東京ファースト証券川崎支店支店長の東と申します。
支店長さん?はい特別なお客様にだけご紹介できる非常にいい銘柄が出て来まして…。
秋本様にもご案内したいと思いお電話を差し上げたのですが。
なるほど。
ではこれから伺いますね。
あっかしこまりましたお待ちしております。
どうも。
どうも支店長お願いできますか?
(受付)かしこまりました。
こちらで少々お待ちください。
えっここ?
(ドアが閉まる音)・お待ちしていました秋本さん・花咲さん…。
何やってるんですか!?こんな所で。
秋本さんを待っていました。
少しお話ししたいことがありまして。
話?あなた達と話すことなんてありませんよ。
随分と株にお詳しいようですね。
秋本さんあなたお客様から着服したお金で株を運用してるんじゃないんですか?ふざけるな!そんなことあるわけないだろう!大体俺が何の金で株をやろうがあんたらには関係ない!お言葉を返すようですが関係はあるんです。
何?私達は関口静枝さんの代理人としてあなたとお話をしに来ました。
どういうことだよ?秋本さん。
静枝さんの2000万円の定期預金なんて初めから手続きしていなかったんじゃないんですか?京浜銀行が破綻することを知っていたあなたはそれを利用した着服を思い付いた。
(舞の声)だから2000万円あった静枝さんの東京第一銀行の定期を解約させ京浜銀行に預け替えると言ってその2000万円を受け取った。
(秋本)確かにお預かりいたしましたこちらが預かり証です
(静枝)はいおばあちゃんホントにありがとういいのよお役に立ててうれしいわ今お茶入れるわね
(秋本)うん通帳は明日持って来るねはいでもそのお金は京浜銀行には行かなかった。
なぜならあなたはそれをそのまま東京ファースト証券にある自分の口座に入金したからです。
(舞の声)5月14日久が原8丁目のATMで入金しましたよね?200万円ずつ10回に分けて。
そんなのは言い掛かりだ。
大体何の根拠があるっていうんだよ。
これ静枝さんからお借りして来ました。
定期預金の通帳に印字してある数字と普通預金の通帳に印字してある数字。
どちらも一見同じに見えますがわずかに書体が違います。
恐らくあなたは銀行から未使用の通帳を持ち出して自分で2000万円と印字した。
これ偽造ですよね?京浜銀行が破綻すれば1000万円を超える預金は保護されません。
だからあなたは静枝さんから預かった2000万円を銀行には入れずに自分の手元に置いておいた。
そして銀行が破綻した後1000万円だけを「これは保護されたお金だ」とウソをついて返し残ったお金はそのまま着服するつもりだった。
違いますか?これは銀行員であることを利用した犯罪です。
秋本さん。
弱い立場の人からお金をだまし取るなんて間違ってます。
あなたは銀行員として失格です!ハァ…うるせぇな。
そんなもん関係ない。
俺はもう銀行員なんかじゃない!どうせ使うつもりがなかった金だろう?老い先短い年寄りがあんな大金持ってて何になる?俺は散々面倒見てやったんだ。
だまされるほうが悪いんだよ。
ご主人が遺してくれたあのお金は静枝さんにとって大切な心の支えだったんです。
お守りみたいに静枝さんを守ってくれてた大切なお金なんです!何がお守りだばかばかしい。
金はどの金も同じだよ!違います!静枝さんが大切に守って来たお金とあなたが汚いてを使って手に入れたお金は全然違います!うるせぇ黙れ!黙りません!静枝さんは相手があなただから大切なお金を預けたんです。
なのにあなたはその好意を利用した。
あなたのことホントの孫みたいだって言ってたのに…。
「だから役に立ててうれしい」って。
「お金を失っても人のほうが大事だ」って。
静枝さんはまだあなたのこと信じてます。
本当のことを知っても恐らくお金のことよりあなたのことを心配します。
あの人はそういう人です。
でもたとえ静枝さんがあなたを許したとしても私はあなたを絶対に許しません!
(ノック)お待ちしてました。
久が原署の伊藤です。
秋本輝夫さんですね?署で詳しくお話を伺いたいのでご同行いただけますか。
フフフフ…ハハハ。
クソ〜!
(刑事)おい!こら!離せ!おい!
(刑事)こら!花咲〜!
(刑事)おい暴れるな!
(秋本)おい離せ!離せよ!おい!フゥ〜。
ハァ〜。
ハァ…何て話せばいいんだろう。
静枝さん。
あの秋本さんのことなんですけど…。
ありがとう。
ありがとう花咲さん。
いいえ。

(芝崎)しかしひどい事件だよな。
だまし取られたお金って戻って来んのかね?東京ファースト証券は警察に協力してますしまぁおおかた戻って来るって話ですよ。
そうじゃないと救われないよな。
ですよね。
それにしても君達すごいよな!「東京第一銀行員が逮捕に貢献」。
あっまぁそれほどでも…。
これひょっとしたら警察から感謝状が贈られて来るんじゃないのか?そうですか!?そうだよ〜写真とか載っちゃってさ。
あっヤダやっぱり!えっじゃあ今のうちに美容室とか行ったほうがいいですかね?エステとか…。
これをご縁に見初められたらどうしよう!ヤダ〜!
(児玉)たまたまでしょうがまた臨店班が事件解決に大きく貢献したようで…。
本来他行のことに口出しする立場ではないのだがな。
はい。
ですが結果的に東京第一銀行のイメージが上がったわけですしこれはこれでお手柄と言っても…。
お手柄?あのいえ…。
いいえまた余計なことをしたようで。
本部長伊丹会長との会合のお時間が…。
そうか。
これから始まる伊丹グループの銀座再開発プロジェクト。
そこで主力銀行の座を勝ち取ることこそがわが行の名を世に知らしめる最大のチャンスだ!はい。
ほら相馬さん早く早く!静枝さんもう来てるみたいですから!分かってますって。
でも何なんだろうなぁ急に俺達に会いたいなんて。
あっ私達2人にお礼がしたいそうです。
お礼か…あっひょっとしてお前の見合いのやり直しなんじゃないのか?いやそんなことは聞いてませんけど!よしよし!行こう行こう…!こんばんは〜。
(静枝)ハハハハ…!ただいま〜。
すいません遅くなりました。
花咲さん!楽しいおとうさんね!いえいえ静枝さんこそ!人生経験豊富で。
いやいやいや…。
何か意気投合してるみたいですね。
そのようだな。
座って。
あっはい。
あっありがとうございます。
(幸三)はいどうぞ。
すいません。
このたびはホントにお2人にはお世話になりました。
いえお元気そうで安心しました。
何か前より元気になってません?あっそう?ありがとう。
あっそれでお礼って言ってはなんですけど…。
来た来た!あ…。
静枝さんあの私もうお見合いとかはいいですから。
えっお見合い?いいじゃないか花咲せっかくなのだから。
す〜ごくいい人なのよピッタリだと思うわ!う〜ん。
相馬さんに!え?
(舞:幸三)相馬さんに!?この方も一度離婚されてるのどうかしら?えっいやいや僕はもうそういうのは…。
いいじゃないですか!せっかくなんだから1回やってみれば!
(幸三)俺もそう思うな。
おとうさんちょっと…そうだ。
おとうさんどうですか?
(幸三)え?あっそれもいいわね!いやいやそんな!僕もうそういう年じゃないんで!相馬さんどうぞ!いやいやおとうさん。
いやいや舞のこともあるから。
いやいや相馬さんどうぞ!ホントにおとうさん…!
(幸三)相馬君!お願いしますから!2014/06/04(水) 22:00〜23:00
読売テレビ1
花咲舞が黙ってない #8[字][デ]

舞(杏)は、テラー時代の客・静枝(茅島成美)に秋本(桐山漣)という、京浜銀行の行員とお見合いをさせられてしまう。数日後、京浜銀行の経営破たんが報じられ、舞は…。

詳細情報
番組内容
舞(杏)がお見合いをした秋本(桐山漣)の勤める、京浜銀行が経営破たんした。驚く舞のもとに、テラー時代の客・静枝(茅島成美)から相談が来る。静枝は、秋本に頼まれて京浜銀行に2千万円の定期預金をしていたらしい。銀行が破たんすれば、預金は1千万円までしか保護されない。舞は、秋本が破たんの危機を知りながら静枝に多額の預金をさせたのではないかと疑問を抱き、相馬(上川隆也)とともに秋本のことを調べ始めると…。
出演者

上川隆也
塚地武雅
甲本雅裕
大杉漣
生瀬勝久
桐山漣
茅島成美
原作・脚本
【原作】
「不祥事」「銀行総務特命」池井戸潤(講談社文庫)
【脚本】
横田理恵
監督・演出
【演出】
南雲聖一
音楽
菅野祐悟
得田真裕
【主題歌】
「We Don’t Stop」西野カナ(SMEレコーズ)
制作
【チーフプロデューサー】
伊藤響
【プロデューサー】
加藤正俊
【制作協力】
日テレアックスオン
【製作著作】
日本テレビ

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
ステレオ
サンプリングレート : 48kHz

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