(銃声)
(平松純平)大変です!署内で射殺事件です!
(黛賢一郎)自分の署で府警本部長が殺された気分は?
(池永清美)20年前の殺人?
(滝沢徹)すべてを明らかにします。
冤罪?一課長も比留間本部長も女子高生殺しの捜査本部にいた。
そして…彼もいた。
その2つの事件は見えない糸でつながってます。
俺が…殺した。
一体何があったんですか?20年前に。
俺は認めねえぞ。
人が人を恨まなきゃ生きていけない世の中なんて…。
(黛)陰でこそこそ荒らし回るなら正々堂々現場に戻ってこい!禁じられた捜査が救うものもある…。
(公衆電話のボタンを押す音)
(公衆電話のボタンを押す音)
(電話の呼び出し音)
(携帯電話の着信音)20年前の事件?明日河原町署?…ちょっと待て。
あんた誰だ?
(不通音)落合信二さんですよね?ゆうべ二条大橋で女性に乱暴してケガさせませんでしたか?
(落合信二)ひ…人違いじゃないですか?見られてますね通行人に。
あなたのバイク。
これ被害者の供述で描いた似顔絵ね。
(池永清美)おはよう!おはようございます。
おはようございます。
おはよう!
(一同)おはようございます!
(近藤時男)おはようございます副署長。
おはようございます。
近藤さん今朝ひらたちが婦女暴行容疑の男を任意同行したらしいですね。
今取り調べ中…。
捜査は刑事課の仕事です。
副署長のあなたには本日も山積みの決済書類を粛々とお願い申し上げます。
近藤さん…。
(一同)お願いします!
(ため息)了解しました!我慢我慢…。
任意同行した落合ですがあっさり自白しました。
上出来よ。
刑事になってすぐに検挙点数稼ぐとは…さすがね。
推薦した甲斐があったわ。
あ…はい。
(ノック)失礼します。
落合の指紋の件なんですが念のため前科を調べたらこれとヒットしました。
(野沢健作)「東山女子高生殺人事件」?
(平松)ええ。
この被害者の鞄に付着していた指紋と合致しました。
と言っても事件とは無関係とされた指紋のようですが…。
それどういう事件なの?えーうちの署の管内で女子高生が暴行され殺害された事件…?ああ…ありましたねえ。
(野沢)1989年…20年前か。
(野沢)被害者は南智子17歳。
殺害現場は自宅近くの竹林。
被害者の衣服から本人以外の毛髪が2本。
(野沢)鞄から本人以外の指紋が複数採取されています。
しかしそれらの指紋には前科がなく指紋と毛髪以外の遺留品もなかったため捜査はかなり難航したようです。
(野沢)そんな中やっと浮かんだ被疑者が杉原洋一。
毎朝被害者と同じ電車に乗っていた大学生です。
杉原は被害者の自宅の前で何度か目撃されていたようです。
(野沢)杉原の自宅から被害者の写真が見つかり被害者が殺された時に持ってた鞄から採取された指紋のひとつが杉原のものと一致したため取り調べたところ杉原は自白し逮捕された。
事件発生から11か月後です。
11か月!長いですね。
(野沢)いずれにしてもすでに解決した事件です。
(宮下)被害者から採取された毛髪はどうなったんですか?杉原のものじゃないため事件とは無関係とされてる。
被害者の鞄にあった他の指紋は?前科がなかったのでそれも事件とは無関係となってる。
その指紋のひとつが落合のだったんですか。
20年前の事件の指紋…。
事件とは関係のない指紋です。
放っておいていいでしょう。
被害者に付着していた20年前の毛髪まだあるわよね?うちの鑑識倉庫にあると思いますが…?落合信二のDNAと照合してみて。
署長すでに解決した20年も前の事件なんですよ!?念のためよ。
あとで何かわかったら…面倒でしょ。
はいご苦労さん。
ありがとうございます。
お願いします。
おう!
(銃声)お兄ちゃん今の何?銃声…ですね。
はい。
どこから!?どこからした音だか手分けして探すんだ!
(一同)はい!
(宮下)課長!屋上で中年男性が倒れてます。
え!?脈なし。
頭部に銃創…。
ん?
(平松)うちの署内で銃を使った殺人なんて…。
こっちです!
(平松)大変です!署内で射殺事件です!何!?
(野沢)署長。
本部長!!
(宮下)本部長!?被害者は京都府警トップ比留間本部長だ!
(近藤)「京都府警本部長けん銃使用殺人事件特別捜査本部」戒名はこれでよろしいでしょうか?結構です。
本部の捜査員がまもなく到着します。
はい。
署長落合の婦女暴行傷害は?あなたが中心になって送検してください。
はい。
(記者)黛一課長!撃たれたのは府警本部長ですか?報道の窓口はここの副署長だ。
ルールを守りたまえ。
(記者)待ってください!捜査一課長の黛です。
ここの警備責任者は?自分です。
副署長の池永といいます。
自分の署で府警本部長が殺された気分は?申し訳ありません。
署内の防犯カメラの映像をすべて提供してください。
はい。
自分も捜査会議へ出席します。
その必要はないでしょう。
カメラの映像さえあれば結構です。
いえ。
マスコミ対応にも必要ですので。
知らんよこんな事件。
20年前被害者に付着していた毛髪が2本あったんですが落合さん毛髪提供してもらえませんか?
(ため息)比留間本部長の訪問をあらかじめ知っていた署員は皆無でした。
本部長は秘密裏に我が署を訪れたってことですね。
はい。
防犯カメラにも本部長は映っていません。
それでどうやって事件現場の屋上まで行けたんです?実はですね防犯カメラに映らずに屋上まで行けるルートがひとつだけあるんです。
それは…駐車場から非常階段を通って直接屋上に出るというルートです。
なんだそれは。
セキュリティーがなってないじゃないか。
お言葉ですけどどこの署でもあまり防犯カメラは設置されてません。
そういう予算も本部からいただいてませんし。
副署長。
ハッ。
比留間本部長は出勤後秘書にも運転手にも告げずに私服のまま本部を出たらしい。
理由は不明。
しかし…なんで本部長はそんな行動をしたんですかね?本部のほうではなんか聞いてらっしゃらないんですか?本部に何か落ち度があるとでも?いえそんな話してるんじゃありませんよ。
府警のトップとあろう者が1人で出歩くのが不自然だからです。
池永副署長。
ハッ。
君は何が言いたい?は?副署長ご苦労さまでした。
あなたは通常業務に戻ってください。
いやしかし…。
特捜本部の予算配分マスコミ対応あなたにはやるべきことが山積しているはずです。
了解しました。
(野沢)えー本日署を訪れた部外者のリストをお配りします。
個人情報ですので取り扱いは慎重に願います。
(一同)はい。
副署長!表のマスコミの対応をよろしくどうぞ!わかりました。
予算割りが終わったらすぐ行きますから!
(市川奈津美)副署長!記者クラブから会見はいつだって。
まだわからねえよ。
今日中にやるって言っとけ。
(池端実)副署長!府警本部の会計課から事件の内容と特捜本部の人数を詳しく教えてくれと…。
俺も知らねえよ。
あとでかけ直す。
(林哲夫)警察庁の刑事局からです。
けん銃使用事件なら国費が出るから事件概要を文書でくれと。
国費?いつまでか聞いとけ!
(林)はい!島…。
呼び出されたんですよ匿名の男に。
20年前の殺人事件の真実を教えるってね。
20年前の殺人?「東山女子高生殺人」当時この河原町署に特捜本部が立ったはずです。
それでうちの署に呼び出されたってわけか。
署の屋上を指定されました。
屋上?本部長が殺された?それ偶然ですかね…。
呼び出した相手に心当たりは?さあ。
俺も会ってから確認しようと思っていたんですがね…。
でも2度目の電話は録音しました。
2度目?電話が2度あったんです。
最初の電話は録音できませんでしたが…。
(島の声)「こっちはもう河原町署に着いてるんだ」
(男性の声)「事情が変わった。
行けなくなった」
(島の声)「チッ!やっぱりガセネタか…」
(男性の声)「いやそうじゃない。
…また連絡する」
(島の声)「ちょっと待て。
ガセじゃないんだったら連絡先…」着信表示は公衆電話。
最初の電話もそうでした。
(渡会達明)えー比留間本部長の頭部より摘出した銃弾です。
(船戸和久)その弾から撃った銃の種類がわかりました。
M19。
スミス&ウェッソン社製の回転式けん銃です。
20年ほど前に多く出回りました。
(渡会)弾は38口径。
線条痕に前科はありませんでした。
これ島の携帯の着信記録なんだけどなここんとことここんとここの2つがどこの公衆電話からかかってきたのか調べてくれ。
わかりました。
頼むぞ。
(平松)あっ池さん。
ここ禁煙っすよ。
固えこと言うなよ。
ここカメラねえんだからよ。
(平松)いや消しといたほうがいいですよ。
(宮下)平松さん捜しましたよ!あっタバコ!しーっ!あっ鑑識から20年前の毛髪預かってきました。
なんだ?20年前の毛髪って。
東山女子高生殺人事件の遺留毛髪です。
東山女子高生殺人…。
(平松)20年前の遺留指紋と今朝婦女暴行容疑で連行した落合信二という男の指紋が一致したんですよ。
ああ?で署長が一応毛髪も照合しろと。
こりゃへたするととんでもねえことになるなあ…。
へ〜副署長。
またまたこんなところで…。
(ドアの開く音)マスコミに憶測報道されないうちに至急広報案文をお願いいたします…!やりましょうか?大丈夫です。
あっ…。
移動お願いします。
そちらも至急移動お願いします。
(リポーター)ご覧のとおりこの時間でも報道陣の数は減りません。
(リポーター)「京都府警の所轄署で府警の本部長がけん銃で撃たれて殺されるという…」ねえ佳子ちゃんの署今パニック?それはもう大パニック!じゃあお父さんの帰りしばらく遅くなるね。
ううん大丈夫。
捜査は副署長の仕事じゃないし。
あっそっか。
それにね副署長ができるだけ早く帰らないと他の署員が帰れないもんね〜。
ただいま〜!ほらね。
あ〜あ残念!何が残念なんだよ。
あおかえり〜。
あ〜もうダメだ!今日は疲れたもうクタクタだよ。
お疲れさま〜!流しの片づけ〜。
ああ?洗濯物の取り込み!何!?
(2人)よろしくね!おいちょっと待て!お前らなあ俺をなんだと思ってんだよ。
主夫。
はい…。
我慢我慢…。
(リポーター)「先ほど入りました情報によりますと比留間本部長はかつて刑事部に在籍していたことがありました」「現在捜査陣は同本部長が過去にかかわった…」事件から2日目になりました。
ご覧のように依然報道陣が詰めかけていますが…。
池さん例の電話東山の公衆電話からでした。
東山?…ちゅうと例の。
はい。
20年前の女子高生殺しの現場です。
それともうひとつはうちの署内の公衆電話からです。
うちの署の公衆電話だ?はい。
2回目に島に電話をかけてきた男はうちの署内にいたということになります。
つまり…本部長が撃たれた時も署内にいたってわけだ。
指紋調べたか?署内の公衆電話は調べました。
どれも前科のないものばかりであとはうちの署員のものがいくつか。
ただその中に…これだけ気になるものがありまして…。
「滝沢徹河原町署刑事課」おいこんな刑事いたか?1990年に退職しています。
うわほんとだ。
1990年…19年前。
女子高生殺しの次の年だな。
ええ。
昨日の署の入り口の防犯カメラの映像です。
彼が担当した事件全部調べてくれ。
それと東山の公衆電話の指紋もな。
はい。
ほんとここが好きなんですねえお2人とも。
なんの用だ?報告です!一致したそうですDNA鑑定。
落合のDNAと20年前の遺留毛髪が一致したっつうのか?
(宮下)ええ。
ってことは落合は20年前の事件の真犯人ってことか!でも犯人はとっくに捕まってるんじゃ…。
この鑑定結果を突きつけて落合を取り調べてやる!平松さん!まさか…冤罪か?ああ…俺のDNA一致したんか。
まさか髪の毛が証拠になるなんてな。
納得のいく説明をしてもらおうか。
当時被害者の南智子さんとは面識があったんですか?この事件時効だよな?まあ…20年経ってるし。
じゃあまあいいか…。
すみませんでした。
この女…俺が殺しました。
(笑い声)認めた?はい。
20年前に自分が女子高生を殺したと。
でも犯人は捕まってるはずでしょ?ええ。
杉原洋一現在服役中です。
杉原洋一と落合は共犯だったってこと?いえ落合は杉原を知らないと言ってます。
当時落合も驚いたそうです。
知らない男が捕まって…。
じゃあ杉原洋一は…冤罪。
それで19年も服役してるってこと?副署長。
ハッ。
どうせ聞いてるでしょうけど現在服役中の杉原懲役囚に冤罪の可能性が出ました。
私が戻るまでに広報案文を作っておいてください。
署長はどちらに?府警本部に決まってるでしょ。
対策を立てないと。
供述調書は入念に確認しろよ!
(一同)はい!総合報告書も確認だ!
(一同)はい!捜索差押許可状はどうしましょう?差し押さえたもの確認してくれ。
(一同)はい!副署長刑事課の資料なんか引っ張り出してきて一体何やらかそうと…。
これは広報案文を作成するために必要な書類なんです。
第一今我が署は空前の大ピンチなんですよ?部署の壁なんか超えてみんな一致団結しないと!時間がねえんだ急げよ!
(一同)はい!はい!まず弁解録取書それと逮捕手続書確認!被疑者の供述被疑者が罪を犯したと疑うに足りる…。
おい!誰か鑑定処分の書類持ってきてくれ!はい!どうしました?当時ガイシャの体に付着していた毛髪は2本あるはずなんですよ。
ところが…1本もありません。
1本は落合とのDNAの照合に使いました。
おお。
もう1本は?元から1本しかありませんでした。
でも書類には毛髪は2本とあります。
だろ?じゃあもう1本どこいったんだ?副署長!あのこれ府警本部長のお名前では?ええ?おお比留間本部長だ。
この事件の捜査員だったんですか?あのこれ…。
黛賢一郎…。
捜査一課長じゃねえか。
(宮下)一課長もこの事件を…。
(平松)あ!びっくりした!なんだよ?池さんこれ!ん?滝沢徹…。
彼も当時この事件の捜査員だったんですよ!冤罪?そんなバカな。
別件で逮捕した落合信二が自白しました。
当時の遺留指紋も毛髪も落合のものと一致したんです。
(ノック)失礼。
俺たちは間違った犯人を挙げたってことか…。
それから19年彼はまだ服役してます。
奴は自白したんだ…。
とても信じられん。
自白?発表は待ってくれ。
再度こっちで事実を精査したい。
は?一課長。
この件について府警本部とも協議しました。
今回逮捕された落合は婦女暴行未遂を犯しています。
(黛)それについては発表してください。
しかし…。
一課長には発表されるとまずい何か特別な理由でもおありなんですか?それはどういう意味だ?あとになって発表した場合落合と結びつけるマスコミは必ず出ます。
そうなればなぜあの時に発表しなかったのかと隠蔽したような印象を与えてしまいます。
それだけは避けてくれと府警本部から言われました。
ありがとうございました。
あなたのために言ったんじゃないわ。
本部にとっても河原町署にとっても最も傷の浅い道を選んだだけよ。
会見の準備をしてください。
はい。
自白か…。
「以上が婦女暴行未遂で逮捕した男性40歳の供述です」
(記者)供述?ちょっと待ってください!今の発表だと20年前の東山女子高生殺人事件は冤罪の可能性が高いということになりますが!「はい。
そのように発表いたしました」そんな…!20年も前の事件でもう刑事も民事も時効が成立してるんですよ!真犯人がわかったのに逮捕できないってことですよね?「婦女暴行未遂容疑については送検しますが20年前の事件に関しては公訴できません」それで当時の被害者遺族にどう釈明するんですか?冤罪で服役している杉原氏にどう謝罪する気ですか?
(記者)府警本部長が署内で撃たれて今度は時効の成立した冤罪事件河原町署は一体どうなってるんですか!?そうだ!もっと大きな問題があるんじゃないですか?
(リポーター)では現在杉原さんのご家族は妹さんだけで。
(杉原由美子)はい。
ご両親はいつ…?「父は私が生まれてすぐに…」「母は…兄の刑が確定してすぐに」
(リポーター)「というと15年前?」「はい」その時お母様はご病気か何かで?自殺してニュースになってます。
あっ失礼しました。
当時ニュースになりましたよね。
残念ながら…自殺されてしまったと。
(リポーター)「あっかわいらしいお人形さんですよね!」
(由美子)「あっすいません!」「発送前なんであの…一応商品なんで」あ失礼…。
「こういうお人形を作るお仕事されてるんですね」「はい」いつからこういうお仕事を?15年前からです。
というと…お兄さんの刑期が確定した…。
「就職しても兄のことが知れるといづらくなって…」「それで1人でできるこういうお仕事を」「はい」「お兄さんに会ったらなんと声かけますか?」服役中はお兄さんとどんな会話をされました?「面会には…行ってなくて」
(リポーター)「そうですよね。
会うのもお辛かったでしょうねえ」
(近藤)はい報道の確認はそのくらいにしてどうぞ仕事に戻ってください。
(一同)はい。
冤罪だった杉原さんって今後どうなんだろうなあ。
(奈津美)無罪を求めて再審請求すると思いますよ。
(池端)その裁判の前に釈放されるかもしれないね。
(平松)池さん。
おう。
調べました。
滝沢元刑事が担当した事件です。
彼が最後に担当したのは例の女子高生殺しでした。
女子高生殺しが解決してから辞めてんのか。
うん。
それとやはり東山の公衆電話から滝沢の指紋が出ました。
一課長。
ちょっと…よろしいですか?忙しいんですが。
20年前の事件のことです。
(野沢)それは終わった事件です。
終わった事件だ?我々は今府警本部長が殺された大事件を抱えてるんです。
その2つの事件は見えない糸でつながってます。
20年前一課長も比留間本部長も女子高生殺しの捜査本部にいた。
そしてその捜査本部には…彼もいた。
そうですね?滝沢…。
覚えてるんですか?彼がどうした?20年前の殺人事件の真実を教える。
そんな電話を彼はある雑誌記者にかけてます。
しかも本部長が殺される前の日にです。
これはもう単なる偶然とは思えません。
池永君。
はい。
さすがだね。
君のことを調べたよ。
は?かつては優秀な刑事で捜査一課にいた時もあったとか。
今俺の話はどうだっていいじゃないですか。
それまで捜査の現場一筋だった君が制服組に落ち着いてもう3年。
現場に戻りたいという希望も出していないようだ。
なのに…捜査員でない今の君がどうして重要な事実をつかんでいる?それにその事実をどうして速やかに報告しなかった?いやそれはですね…。
人には人の生き方がある。
それはそれでいい。
ならば捜査に口出ししないでいただきたい!一課長!
(近藤)副署長!仕事にお戻りください。
今の俺の仕事はどうしてこんな冤罪事件が起きてしまったのかそれを明らかにすることじゃないんですか?一課長!
(林)副署長!
(記者)一課長!
(記者)コメントお願いします!
(記者)どういうことなんですか?教えてください!黛さん!黛さん!副署長。
あなたが今すべきことは冤罪事件の原因究明ではなくその火消し作業です。
そのためにはですね副署長…。
(南篤弘)おりゃーっ!
(林)何をしてる!やめなさい!
(南)おらーっ!
(南)やらせてくれ!
(カメラのシャッター音)
(平松)副署長を襲ったのは南篤弘。
南智子の兄でした。
南智子…。
20年前に殺された女子高生です。
ああ…。
でもその被害者の遺族がどうして…?さあ…。
今取り調べてますけど。
これを機にあなたたちも特捜本部に入ってください。
え?あ…いや僕そういう大変な仕事はちょっと…。
署長命令です。
わかりました。
所持品を確認させていただきました。
お返しします。
近藤さん。
これはなんですか?
(近藤)あっ特にマルキではありませんでした。
骨です。
骨?母の遺骨です。
(梶原勇)お母様はいつお亡くなりに?警察らしいですね。
そういうことはすぐに忘れる。
は?15年前です。
娘を守れなかったのは自分のせいだと自分を責め続けたまま…死にました。
15年前っていうと杉原さんの刑が確定した年ですね。
その判決を聞くこともなく。
だから今僕だけです。
殺された妹の家族は。
お父様は?去年…亡くなる時に父は言いました。
お前はいつ幸せになるんだ?って。
(南)幸せになれるのかって。
その時思ったんです。
もう杉原を恨みながら生きていくのはやめよう。
それでやっと…人を憎む気持ちから逃れられたんです。
なのにまたあんな発表されて…。
冤罪だったなんて!僕はまた昔の傷をえぐり出されてまた誰かを恨みながら生きていかなきゃならないんですか!地検護送1名これより出発します!
(平松)落合の罪状はあくまでも暴行と傷害なんですよね。
ああ。
20年前の殺しは罪には問えない…。
やりきれませんね。
滝沢…。
滝沢さんですよね?
(平松)追いかけます!ああいいよひらさん!彼とはゆっくり話がしたいんだ。
住所を調べてくれ。
はい。
(平松)滝沢元刑事は今ここに住んでます。
サンキュー。
あっちょっとちょっと…!
(平松)今行くんですか?俺の我慢もここまでだ。
副署長。
今度は何を調べる気ですか?今から滝沢さんに会ってきます。
失礼します。
待て!それは君の仕事か?ええ。
俺の仕事です。
現場を捨てた君の?お言葉ですが現場を捨てた警察官なんかいるんですかね?捜査一課長も副署長も同じ警察官じゃないですか。
警察官の職務は市民の安全を守るそれだけです。
いい歳して随分きれいごとを言うんだなあ。
しかし君はただの現場荒らしだ。
私も君と同じノンキャリアの現場育ちだ。
副署長も経験した。
一課長になるには通るべきコースだからね。
来る日も来る日も書類にはんこ…。
(黛)2年耐え抜いた。
現場に戻る。
その一念でね。
だが君はその制服を3年も着ている。
なぜだ?そうやって陰でこそこそ荒らし回るなら正々堂々現場に戻ってこい!その気がないならおとなしくデスクに座ってろ。
失礼します。
あっ戻りましたお待ちください。
一課長お電話です。
滝沢という男性の方です。
(黛)滝沢さん!約束通り1人です!滝沢さん!
(滝沢徹)ここに…倒れてたんだな。
20年前南智子さんは。
(黛)ニュースを見たんですね?残念です。
冤罪だったなんて…。
まるで自分の人生を否定された気分です。
(黛)滝沢さん警察辞めて道場を開いたとか。
でも滝沢さんには刑事でいてほしかったな。
そんな資格はない!真実を握りつぶした男に刑事の…資格なんてない。
真実を握りつぶした?冤罪を作ったことを言ってるなら当時あの帳場にいた自分にも責任が…。
どうしたんです?俺が…殺した。
俺が…比留間本部長を殺した。
だから責任は…俺にある。
あの時…お前にすべてを話していたらもしかしたら俺は…まだ警察官でいられたかも…しれん。
あの時…?あの時俺にはその…勇気がなかった。
だから…20年前の責任はすべて…俺にある!滝沢さん署のほうでいや本部で話を…。
頼む。
俺に責任を取るチャンスを…くれ。
滝沢さん!頼む!私だ黛だ。
緊急配備を頼む。
滝沢さん。
滝沢さん!
(平松)池さん?
(梶原)副署長何してんですか?お前らこそ何してんだよ?捜索差し押さえ?一課長の命令で滝沢元刑事が手配されたんです。
何?
(梶原)ではこれより家宅捜索を始めます。
ひら。
(平松)はい。
白手貸してくれ。
え?いいから。
(平松)島の記事ですね。
うん。
だから島呼び出したんだろ。
あのっ!隣の部屋からこんなものが。
(花村一彦)ああDNAの電気泳動写真だな。
誰のDNAだ?わかりません。
あったのはこれだけで。
(滝沢)「始め!」
(子供たち)「おう!」「
(子供たちが応援する声)」
(島の声)「こっちはもう河原町署に着いてるんだ」
(男性の声)「事情が変わった。
行けなくなった」
(島の声)「チッ!やっぱりガセネタか…」
(男性の声)「いやそうじゃない。
…また連絡する」
(島の声)「ちょっと待て。
ガセじゃないんだったら連絡先…」
(男性の声)「事情が変わった。
行けなくなった」似てる。
多分間違いありませんね。
(男性の声)「いやそうじゃない」滝沢は本当に知ってたんだな20年前の真実を。
ええ。
女子高生殺しの真犯人が落合だって。
始め!
(銃声)
(銃声)うっ。
遠くへ…。
もっと遠くへ…。
(人々の悲鳴)もっと…。
もっと遠く…。
もっと…もっと…もっと遠くへ…。
遠くへ…遠く…。
キャーッ!キャーッ!はあ…はっ。
はっはっはあ〜…。
もっともっともっともっと…もっともっと遠くへもっと…。
(滝沢)もっと…。
救急車!ああ!救急車!おい警察!滝沢さん!滝沢さん…!どうして…。
あなたは一体私に何を言いたかったんだ?19年前も…今も…。
待ってください。
その格好は何?すぐ署に戻りなさい!話があります。
今ここでしなきゃいけない話だ。
(野沢)誰か副署長を車に。
あなたここを立ち去るべきじゃない!
(梶原)副署長!滝沢さんは知ってたんですよ。
20年前の事件には真犯人が別にいるってことを。
この連続射殺事件あえて連続って言わせてもらいます。
これはすべて20年前の冤罪事件につながってるんです。
一体何があったんですか?20年前に。
あなたは自分の知ってることを話すべきだ。
現場から逃げ出したお前に…何がわかる!やめなさい!あの時の現場を知らないお前に何がわかる!黛さん!待ってください。
何があったんだ一体!黛さん!捜査に口出し無用。
いつも言ってるはずよ。
『生きてりゃいいさ』「きみが悲しみに」滝沢を死なせたのは自分にも責任があるんです。
彼がこのヤマに深くかかわってたのは随分早くからわかってたんですよ。
それなのに…。
悪い…。
(鈴木豊)池ちゃん今日はもうそのぐらいにしといたら?うるせえよ!俺はね副署長っていう仕事も捨てたもんじゃねえなって思ってたんですよ。
近藤さんの言う人の心の痛みをわかる警察を作るんだったら人々の窓口になる副署長もいいんじゃねえかなって。
でも今回ほど…今夜ほど自分の無力さを思い知ったことはありません。
(近藤)それなら上にお行きなさい。
あなたを本部の捜査一課長にするのが私の夢です。
そのためにあなたに副署長になっていただいたんです。
だから…上に…上にお行きなさい。
(渡会)滝沢の利き手を射手鑑別した結果銃を発射していることが判明しました。
つまり昨日滝沢は銃を撃った。
自殺ってこと?その点ですが滝沢が所持していたM19。
表面には滝沢の指紋だけでしたが弾倉にあった弾2発のうち1発から滝沢以外の指紋が出ました。
(渡会)その指紋に前科はありませんでした。
(船戸)弾を販売した人間の指紋かもしれません。
何者かが滝沢を撃ち銃の表面を拭いたが弾までは拭かなかった。
その可能性は?それにしても滝沢の手についた火薬残渣も銃を持ったまま現場を離れた説明もつきません。
その現場は撃った場所はまだ判明していない。
(水木雅治)確かにその点は気になります。
それについて誰か?え〜その手掛かりになるかわかりませんがシリンダー部分からこれが採取されました。
金色の糸です。
(野沢)金色の糸?事件との関係は?
(船戸)それは不明ですがひとつ重大なことがわかりました。
(水木)重大なこと?このM19の線条痕が比留間本部長を撃った弾の線条痕と一致しました。
(ざわめく声)まさか滝沢が比留間本部長を…。
(滝沢)俺が比留間本部長を殺した…。
(水木)滝沢は比留間本部長を殺し同じ銃で自殺。
その線が濃厚になりましたね。
次に自宅からの押収品について。
(宮下)はい。
(宮下)滝沢の家から押収したDNAの電気泳動写真ですが科捜研は関知していませんでした。
現在民間でこの手の鑑定ができる機関を探してます。
(水木)他に何か?
(平松)はい。
これも滝沢の家にあったものです。
こんなものと一緒に見つかりました。
プレゼント用の包装紙かと。
それとこの包装紙と一緒にこんなものも見つかりました。
これはレシート?いえ店のレジに残される販売記録用紙です。
「ザッカ」というカタカナと数桁の番号がありました。
この番号は人形の製造番号でした。
つまり人形を売った時の記録です。
(黛)報告の趣旨が見えん。
事件との関係は?
(平松)はい。
販売記録の日付に注目してください。
1989年10月10日。
東山女子高生殺人のあった日じゃない?はい。
しかもその時間は19時31分。
被害者の南智子さんの死亡推定時刻は19時から20時です。
偶然とは思えません。
その販売記録はどこの店のものだ?
(平松)わかりません。
ただこの用紙には「Smile」という印字が連続してあります。
店の名前かもしれません。
現在京都を中心にこのような店を探しています。
(水木)滝沢は20年前の捜査本部にいた刑事でしたね。
すべては20年前の冤罪事件につながってるんです。
一体20年前に何があったんですか?あなた自分の知ってること話すべきだ!もっと遠くへ?呟いていたそうです。
死ぬ間際に。
目撃者の話だとまるで逃げているようだと。
何から逃げていたんですかね?滝沢は。
追ってたのかもしれねえぞ。
19年間ずっと…。
滝沢の持ってた銃M19だったそうで。
お前どっからそんな情報…。
やはりそうでしたか。
お前ねえ…。
比留間本部長を撃った銃と同じですね。
つまり比留間を撃ったのは滝沢。
揚げ句に自殺って線で特捜本部は動くんでしょうね。
もし自殺だとするとどうも気になることがあんだよ。
何が気になる?教えてくれ。
自殺だとしたらなんで現場離れたんでしょう?どっかで銃を撃ち瀕死の重傷のまま車で走り…。
それでもまだ遠くへ行こうとした。
とても尋常じゃありません。
滝沢が銃を撃った場所はわからないんですか?じゃあ道路に設置してある防犯カメラには…。
コースをたどれるほど映っていない。
まるで計算して走ったみたいだ。
だとしたらなんのために…。
(平松)一課長!
(野沢)ああ…と副署長。
現場の話です。
席を外していただけませんか?構わん。
なんだ?先ほど報告した販売記録ですが「スマイル・ファーマシー」のものだとわかりました。
外資系の薬局チェーンですが10年前に日本を撤退してから今は1軒もありません。
国内では札幌仙台東京名古屋京都大阪博多にありました。
ではこれは京都の…。
(平松)だと思いますが今調べています。
この販売記録人形を買った時の?
(平松)はい。
人形も滝沢の家から押収されています。
何…薬局でこんなもの売ってるのか?ええスマイル・ファーマシーは薬以外にもおもちゃや雑貨を置いていたようです。
ふ〜ん…。
(林)副署長!はい。
署長がお呼びです。
杉原洋一さんが釈放されました。
河原町署を…いえ京都府警を代表して謝罪してきます。
京都府警を代表して行くなら…。
当時事件にかかわった私も行く。
はい。
(記者)おいこっちに来たぞ。
杉原洋一さんに面会を拒否されたそうですね?果たして今後受け入れてもらえるんでしょうかね?杉原さんの妹さんにも謝罪ですか?帰ってください。
謝る気があるなら当時の責任者を来させて。
当時私はその捜査本部にいました。
当時の捜査員全員を代表して謝罪させていただきます。
許しません…。
いくら謝ったってたとえ殺されたって。
殺されたんですよね?当時捜査してた人。
誰のことをおっしゃってますか?警察の屋上で撃ち殺されたってニュースで見ました。
その人が当時の捜査員だったことは発表していませんが。
忘れられるわけないじゃない。
この20年ずっと…。
いつまでかかってるんだ!周囲の関係者から杉原がクロに違いないという供述はもうとっくに固めてあるんだ。
なのにまだ自白が取れない。
(比留間礼)すいません。
拘留期限が迫ってる。
今夜が勝負だ。
なんとかしろ。
比留間君君のためでもあるんだ。
わかるな?ここ兄の…杉原洋一の捜査本部ですよね?一般の人は立ち入り禁止です。
出て。
これから兄に面会します。
昨日面会したら私の差し入れが届いてないって。
どうなってるんですか?
(比留間)とにかく出て!ちゃんと調べてください!人権問題です!人権問題…同じようなこと言うんだな杉原と。
え?兄が兄なら妹も妹だ。
(由美子)思い出すと今でも…。
兄を偽りの自白に追い込んだのはあなたたち警察です!絶対に許しません!帰ってください。
今度苦しむのはそっちの番です。
私たちと同じぐらい苦しまなければ絶対に許しません。
帰って!帰ってください!
(記者)どんな話をされたんですか?ひと言お願いします!どうなんですか?一課長謝罪すべき場所はもうひとつあるんです。
一緒に来てください。
(南)真犯人が捕まったのに時効だなんて…!あなた方警察が時効を成立させたんです!間違った犯人をでっち上げたせいで。
申し訳ありませんでした。
被害者遺族は犯人が捕まるまで時間が止まってしまうんです。
それがどれほどつらいか…。
犯人が捕まって動き出した時間がまた止まった。
また人を恨みながら生きていかなきゃならない。
もう嫌です。
やっと人を恨む気持ちから逃れられたのに…。
もう嫌です!
(島)いいんですよ人を恨んだって。
島…お前何しに来たんだ。
4時にお約束した『週刊タイムス』の島です。
人を恨んでいい?あなたには警察や検察や裁判所や我々マスコミを恨む権利があるからです。
人を恨んだって幸せにはなれないぞ。
幸せなんかより生きてくことの方が大切なんです。
こちらに来る前に杉原氏の妹さんに取材してきました。
やめろ!冤罪だった人の話を今この人の前で…。
(南)話してください。
(南)なんですか?兄が逮捕されてからはもちろんその刑が確定してからはより一層地獄の日々だったそうです。
自宅に石を投げつけられカミソリや実弾を送りつけられた。
似てるんですね被害者の遺族と加害者の家族は。
その頃自殺を考えた彼女は毒物を手に入れようとしていかがわしい連中とも接触したそうです。
もし今のようにネットが発達して欲しいものが簡単に手に入る世の中だったら彼女はもう生きていなかったかもしれない。
兄が出所しても待ってる人は誰もいなかったかもしれない。
そんなことになるぐらいだったら生きてたほうがいい。
たとえどんなに人を恨んでも…たとえそれで幸せになんかなれなくても…。
(嗚咽)これがあんたら警察や検察や裁判所がやったことです。
もちろん当時犯人扱いの報道をしたマスコミにも責任はある。
だから俺は俺のやり方で責任を取るつもりです。
(平松)池さん一課長この店が見つかりました。
スマイル・ファーマシーだろ?京都の。
いえそれが大阪にある支店だったんです。
大阪?はい。
あとこれですが…。
滝沢は民間の機関にDNA鑑定を依頼してました。
毛髪を2本DNA鑑定に出したそうです。
1本は新しい毛髪でもう1本は古い毛髪だったとか。
DNAは一致したのか?一致したようですが誰の毛髪だったかは不明です。
そいつをすぐ落合の毛髪と照合しろ。
滝沢さんはずっと追い続けてたのかもしれませんね。
20年前の真犯人を。
警察を辞めたのもそのためでしょう。
特捜本部が解散してすぐに辞めてるわけですからね。
特捜本部か…。
1年間の長丁場だったらしいですね。
起訴祝い知ってるよな?ええ被疑者を起訴して帳場解散する時にやる打ち上げでしょ。
あの日の起訴祝いはまるで祭りだった。
(一同)万歳!
(一同)万歳!万歳!
(拍手)
(黛の声)捜査員のほとんどが何か月も家族に会えなかった。
半年以上帰れなかった者も珍しくない。
家庭を壊した捜査員もいた。
過労で倒れた捜査員もいた。
だからこそ誰もがやっと事件から解放されたことに喜んで中には涙していた者さえいた。
それほど長くほんとにつらい帳場だった。
そんな中なぜか滝沢さん1人だけが…。
今思えば滝沢さんは俺に何か言おうとしてた。
滝沢さん一杯。
(黛の声)だがあの時俺は難事件の解決に浮かれていて…。
滝沢さんの言葉が聞けなかった。
あの時も今回も。
黙っていて悪かったが滝沢さんが死亡した日俺は呼び出された。
20年前の責任はすべて…俺にある。
20年前の責任は自分にある?どういう意味ですか?一課長一課長と滝沢さんってどういう関係だったんですか?ただ単に20年前同じ特捜部にいたっていうだけじゃないですよね?俺の先生だ。
先生?刑事として初めて配属された署に滝沢さんがいたんだ。
なるほど…。
つまり一課長の教育係だったってことですか?あの日俺は滝沢さんを追えなかった。
いや恩人を追うのが怖かったんだ。
しかしその結果俺は真実から目を背けてしまった。
19年前も今も…二度も…。
滝沢さんってああいう人形買う男だったんですか?いや…。
(黛)これに包まれていたようだ。
つまり誰かへのプレゼントってことか…。
被害者の女子高生の殺された日だ。
被害者の死亡推定時刻。
どういうことですか?わからん。
この写真お借りするわけにいかないですか?
(はるか)かわいい!うわぁ懐かしい!これ昔はやったんだよね。
昔っていつ?小学生…んん…中学生になってたかなぁ。
大昔ね。
小昔だよ。
なんだよそれそんなにはやったのか?女子の間ではかなり。
だってかわいいじゃん。
もうほんと大人気だったのよ。
京都市内では売り切れちゃって大阪まで買いに行った友達もいたんだから。
大阪まで?そうよ。
私もお兄ちゃんに欲しいって言ったのに!大阪…。
やっぱり。
事件に関係してる写真だと思った。
まったく副署長のくせに捜査なんかして。
何言ってんだ今更。
俺はな…。
現場を捨てられないのよね。
悪いか!現場を捨てて制服を着たのはお義姉さんのため。
最期をみとりたかったから。
そうよね。
フッ…。
でももう許してくれると思うよ。
現場に戻っても。
滝沢が民間に鑑定を依頼した2本の毛髪と落合のDNAが一致しました。
滝沢が照合させた毛髪は20年前の事件の毛髪だったんだな。
退職する時鑑識資料から盗んだんでしょうね。
ああ。
滝沢は20年かけてたどり着いたんだ…真犯人に。
でも当時滝沢はなぜ真犯人がいると思ったんでしょうかね?
(野沢)副署長どこに行ってたんですか?ちょっと席外すとこれだ。
けん銃の鑑定書?M19スイス&ウェッソン社製ってこれ…滝沢が所持してた銃じゃないか。
いいから早くはんこください。
滝沢はこれどっから手に入れたんだ?噂程度の情報ならいくつか入ってますがね。
それより早く…。
噂!?どんな?
(野沢)いいから早く!なんだ…ハッタリか。
10年前に暴力団が抗争用に大量に購入したとか。
15年前に実弾を持ってきてこれに合う銃をくれと買いに来た女がいたとかその程度の情報ですがね。
15年前に買いに来た女…。
つまり誰かへのプレゼント?被害者の女子高生の殺された日だ。
被害者の死亡推定時刻。
お願いします。
おお…。
いえそれが大阪にある支店だったんです。
京都市内では売り切れちゃって大阪まで買いに行った友達もいたんだから。
滝沢は本当に知ってたんだな。
(島)女子高生殺しの真犯人が落合だって。
(平松)でも当時滝沢はなぜ真犯人がいると思ったんでしょうかね。
お願いします。
おう。
なんだまた銃の書類か。
(宮下)銃から採取された指紋と繊維片の書類です。
弾倉に残された弾に前科のない指紋…?シリンダーから…金色の糸?着物の刺繍なんかに使われる糸ですが詳細は不明です。
ご苦労さん。
(由美子)絶対に許しません!狭い日本!そんなに急いでどこへ行く…。
あっ…。
どこへ行っちゃったのかな?副署長…。
杉原洋一さんの刑が確定した15年前あなたはこの銃を手に入れましたね?これを始めたのもその頃だって言ってましたよね。
(リポーター)「いつからこういうお仕事を?」「15年前からです」銃を手に入れたのは自殺をするためにだったんですよね。
でもあなたどうしてもできなかった。
だからこういう布に包んでずーっとしまっておいた。
銃の表面についた指紋はきれいに拭き取られてました。
でも銃の中に残されていた弾からははっきりと指紋が検出されました。
あなたの指紋と照合すればすべてが明らかになるはずです。
でも…そんなことはあなたの話を聞いたあとでいい。
話して…くれますね?5日前に突然…。
(滝沢)私は19年前あなたのお兄さんが無実だという証拠をつかんでおりました…。
それが…これだったんですね。
そんな…!じゃあどうして!?それがわかったのはお兄さんが自白したあとでした。
起訴が決まりマスコミに発表され極限状態だった帳場がやっと解放されたあとでした。
係長!杉原はこれを大阪のファンシーショップで買ったと供述をしました。
(比留間)ああ。
だがそんなものはなかったよ。
奴は大阪なんか行ってない。
帳場の見解もそれで一致したはずだ。
ファンシーショップじゃなかったんですよ。
薬局だったんですよおもちゃや雑貨も置いてある。
大阪にそんな店があるという情報が入ったんですぐ確認に行ってきました。
これ…。
これがその店が残していたレジの記録です。
見てください。
これです。
E‐0017…。
杉原は被害者の死亡時刻大阪にいたんです。
もういい!係長…?
(比留間)やっと肩の荷を下ろした捜査員たちを見ろ。
もう被疑者に有利な証拠を持ってきていい時期ではない。
それぐらいわかれ!今更上にこんなこと言えるか?刑事としての資質が問われるぞ。
いや…我々の今後の人生さえ左右される。
それに杉原は自白したんだ。
我々が強要したんじゃない。
本人の意志で自白したんだ。
(滝沢の声)明日すべてを明らかにします。
今度こそ逃げません。
信じてください…!
(由美子の声)信じられませんでした。
証拠を握りつぶし兄を冤罪に追いやった刑事をどうして信じられますか!?思わず…銃を持ち出していました。
嫌がらせで送られてきた実弾に合わせて手に入れた銃…。
そうですね?あの男が今は京都府警で一番偉い人になっていることも知ってました。
(比留間)兄が兄なら妹も妹だ。
(由美子)だから次の日の朝私は…!
(由美子の声)神様が味方してくれたと思いました。
(由美子の声)あの男は人目を避けているみたいでした。
比留間本部長は滝沢に呼び出されていたんです。
(池永の声)彼は本部長に20年前の遺留毛髪と落合の毛髪のDNA鑑定結果を突きつけるつもりだったんでしょう。
信用できる記者を立ち会わせた上で。
(池永の声)ところがその直前に落合が別件で逮捕されたんです。
しかしそんなことは知らないあなたは…。
誰だ?ここの警察官か?
(由美子の声)あの男は私の顔すら覚えてなかった!私は20年間忘れたことはなかったのに…!なんだ…君は府警本部長の顔を知らんのか。
(由美子の声)それが長年私を苦しめた男の言葉だったんです!
(銃声)
(由美子の声)2日後呼び出されました。
あの男を殺したのが私だと気づいたんでしょう?弾は2発以上残ってますね?1発目はここだ。
確実にここを撃ちなさい。
そして2発目はその銃を私に握らせて地面を撃たせなさい。
そうすれば自殺をしたように見える。
どうして…!?その代わりあなたは生きてください!
(滝沢)約束だ!やっと自由になる杉原のためにもあなたは生きていなくてはいけないんです。
だから…!撃ちなさい。
撃って…。
撃ってもう誰を恨むこともなく…。
撃って!撃ちなさい!撃てー!!
(銃声)あっ…くっ…。
あ…渡し…渡して…。
渡して…渡して…。
(滝沢)引き金…引き金…引き金…引き金…。
(銃声)滝沢も逃げたんです。
その現場からできるだけ遠くへ。
(池永の声)もし現場が判明したら自分を貫通した弾だけじゃなく地面に向けて発射された弾も見つかってしまう。
そうすれば自殺でなくなる可能性がある。
だから滝沢は遠くへ逃げようとしたんです。
自分が比留間本部長を撃ちそして自殺したように見せかけるために。
それが彼のあなたとお兄さんへの償いだったんでしょう。
でも彼は間違ってた。
彼はあなたを止めるべきだったんです。
逮捕してください。
19年前冤罪で逮捕した男の妹を今度こそ殺人犯として…。
由美子さんあなたにはまだ聞きたいことがあります。
19年前お兄さんはどんなにきつい取り調べを受けても潔白を主張し続けていたそうですね。
(比留間)いつまで作り話を続けるんだ?もう証拠はとっくにあがってるんだ。
(杉原洋一)僕はやってません!いい加減にしろ!!吐けや!!おぉ!?そしてそんなお兄さんにあなたは毎日のように会いに行ってた。
ところがある日突然お兄さんは罪を認めてしまった。
そしてその日を境にあなたも面会に行かなくなってしまった。
「面会には…行ってなくて」なぜなんですか?面会に行けない何か特別な理由があったんじゃないんですか?20年前お兄さんが逮捕された時に持っていたものです。
当時人気だったこのキャラクターをあなたも好きだったんじゃありませんか?だから…お兄さんはあなたにプレゼントしようとしたんですよ。
でも当時大人気だったこの人形は京都では売り切れでした。
だからお兄さんはわざわざ大阪まで買いに行ったんです。
あなたを…喜ばせたくて。
兄さん…。
兄さん…!ごめんなさい!兄さんごめんなさい…!私が…私が兄を冤罪にしたんです!兄を自白させたのは私です!引っ越したのか…。
そうだよな。
あの家にはいられないよな。
(由美子)母さんが…倒れたの。
兄さんもう…やってるならやってるって言って。
これ以上私たちを苦しませないで。
(池永の声)あなたの心は過酷な現実の重さに耐えきれずに折れてしまった。
そして一番信じてほしかった家族に裏切りの言葉をあびせられたお兄さんはやってもいない罪を認めてしまったんです…。
本当は…本当は…私が撃たなければいけなかったのは私だったんです…!冤罪を作り出してしまった警察の一員としてあなたを冤罪に加担させてしまったこと…。
あなたにお兄さんを疑わせてしまったことを謝らなければなりません。
お兄さんのこのあなたへの優しさがもっと早くに無実を証明するはずだったんです。
でもその証しを握りつぶしてしまったのは我々警察です。
申し訳ありませんでした…。
兄さん…!
(水木)滝沢徹は銃を使用して比留間礼本部長を殺害後同じ銃で自殺。
以上の線で被疑者死亡送検とします。
(船戸)気をつけー!失礼します。
たった今彼女が自首してきました。
すぐに広報案文を作ってください。
日本一大きな組織である警察が2人の個人に20年間謝り続ける…。
なんの話?もちろん広報案文です。
2人の個人とは?冤罪だった杉原さん唯一の被害者遺族である南さん。
これからもずっと苦しみ続けるであろうこの2人にひと言の謝罪で済ませてはならない。
せめて彼らが苦しんだ20年と同じだけ警察も苦しまなければならない。
そんな広報案文にしようと思っています。
そうね…その2人の涙を思うと本当に胸が痛むわ。
はい。
でもそんなひと握りの涙で警察は前が見えなくなってはいけない。
私はそう思います。
あの起訴祝いの夜君が俺だったら…君があの当時の俺だったら滝沢さんの話を…言葉を聞けたか?わかりません。
でももし自分が今のあなただったら苦しんだと思います。
今のあなたみたいに。
きっとこれからもずっと…。
そうじゃなきゃ警察官として…人として嘘です!自分もこれから一緒に苦しみます。
失礼します。
あぁ…そうだ。
なんで3年も副署長やってるのかって聞きましたよね?2年じゃ足んないんですよ。
いや3年でも…。
それ以上でも足りないかもしれません。
副署長でいるからこそできる仕事が自分にはあるからです。
なぜこんな冤罪が起きたのか説明責任は果たします。
「以上が新しい京都府警本部長の会見内容ですがたとえ時効が成立していても当時の捜査員に法廷で証言させるとの踏み込んだ発言もあり驚かされました」はいご苦労さん。
「警察官連続射殺事件の犯人が杉原さんの妹だったため彼に対する心証が悪くなるのではと…」はい次。
(黛)いえ自分が刑事部長になった時理想の捜査一課を作りたいと誓った言葉に嘘はありません。
そのためにも池永清美のような男が必要です。
自分の後釜は彼に任せるつもりです。
(島の声)この世に悲劇は2つしかないのかもしれない。
力のある悲劇と力のない悲劇だ。
もしあの時警察に対抗する力が杉原氏にあったら…。
もしあの時警察に杉原氏を拘束する力がなかったら…。
もしあの時警察に真犯人を捕まえる力があったら…。
もしあの時警察に真実を握りつぶす力がなかったら…。
だが今我々の目の前にあるのは仮定の話ではなく現実の話である。
その過酷な現実と向き合っているこの事件の被害者遺族の手記でこの記事を終えたい。
(南の声)殺された当時の捜査員には何も感じません。
しかし犯人である冤罪者の妹には哀れを感じます。
(南の声)警察や検察や裁判所やマスコミを恨んでもいいと言った人がいました。
今までそんなことを言った人はいませんでした。
「人を恨んでも生きていくことが大切」。
その言葉が私のような立場の人間にとってどれほどの光になったか…。
(宮下)「時効まで逃げ切った犯人が一番悪いと正論を言う人もいるかもしれません」「しかしそういう人にこの20年を生きてきた私の気持ちは永遠にわからないでしょう」「私がこれからも生きるには恨む人間が必要なのです」すごい記事ですね…。
これ書いた記者なかなかのもんですね。
俺は認めねえぞ。
人が人を恨まなきゃ生きていけない世の中なんてのは。
そういう恨みをなくしたくて俺は警察官をやってるんだ。
忘れるんじゃねえぞ。
これが…俺たちが犯人を逃がすってことだ。
2014/06/06(金) 13:05〜14:56
ABCテレビ1
その男、副署長スペシャル[再][字]
事件は今の日本で起こっている!1+2の銃声…殺された府警トップ!弾倉に残された繊維片の謎!!暗躍する密告者の影
詳細情報
◇出演者
船越英一郎、田中美里、宅麻伸、的場浩司 ほか
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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