(サイレン)
(六車)まあそういうとこだろう。
(有馬)はい。
よしじゃあ俺ちょっと向こうで…。
(有馬)はい。
(六車)ご苦労。
(五十嵐)ああご苦労。
ご苦労。
どいてくれ。
どいてくれどいてくれ。
(有馬)ちょちょちょ…何やってんの?入んない入んない。
駄目駄目入っちゃ駄目。
(五十嵐)最近の所轄は口の利き方がなってないな。
(有馬)何ぃ!?えっ県警?あっ県警本部…これは失礼しました。
(五十嵐)溺死体だって?
(有馬)はいこちらですね。
・よう五十嵐!
(五十嵐)はい。
…って誰だこら!・久しぶりだな。
(五十嵐)六車さん。
(六車)ハハハ。
(有馬)六車さんお知り合いですか?知り合いも何も…なあ?こいつがお前まだひよっこのころ捜査のいろはをたたき込んでやったのこの俺だ。
(有馬)へえ〜そうなんですか。
(六車)なあ?ハハ。
(六車・有馬)ハハハ。
(有馬)えーホトケさんは藤田亜美。
川崎でブティックを経営していたようです。
(六車)事故か自殺かはたまた殺しか。
さあどうみる?
(五十嵐)うーん…。
このバッグはどこに?ああこれですね遺体と一緒に浮いていました。
なら自殺の線は消えたな。
バッグ抱えて飛び込むやつはいない。
おっ!死亡推定時刻は?あっ昨夜の9時から11時の間のようです。
(五十嵐)夜この辺りは真っ暗だ。
女一人で来る場所じゃない。
(有馬)お〜!
(五十嵐)加えてこの傷。
(五十嵐)転落の際岸壁で頭を打ったとしてもせいぜい後頭部か前頭部だろう。
明らかに不自然だ。
お〜!
(六車)ってことは?殺しですね。
六車さんお見事です。
(六車)だろ?えっ?
(有馬)完璧に同じ見立てでしたね。
(有馬・六車)ハハハ。
おい五十嵐。
ちったあ成長したみてえだな。
ええ?ヘヘ。
(五十嵐)分かってて試したのか…。
相変わらず意地の悪い。
(六車)うん?でもやるでしょ?結構俺も。
(六車)おう大したもんだハハハ。
(一二三)それで調べ尽くしたつもり?
(五十嵐)えっ?
(六車)またあんたか。
(五十嵐)知ってるんですか?まあな。
(一二三)ハァー。
お久しぶりね。
えっと…。
木枯らしさん。
五十嵐だよ。
今わざと言っただろ?警察庁のあんたが何でいんの?
(一二三)最新医療の学会で横浜にね。
そしたらパトカーが走ってるのが見えたから。
(六車)ふーん。
鼻口部に微小の泡沫。
死因は溺死に間違いないようね。
死斑が…。
(五十嵐)それが何か?死んでから一定時間体の右側が下になってたみたい。
水中だと体位が安定しないからここまではっきりした死斑は出ないはず。
運ばれた…。
えっ?急いで司法解剖に回して。
私が執刀する。
はい。
これより解剖を始めます。
(五十嵐)失礼します。
(瀬戸)お〜久しぶりだね五十嵐君。
(五十嵐)あっ瀬戸課長ご無沙汰してます。
(瀬戸)ご無沙汰。
えっ?
(瀬戸)現場で出くわしたんだって?財前君と。
これも何かの縁だね。
えっ?しばらく会わなくて清々してたんですけど。
あら。
あっところで五十嵐君さ君まだ独身なの?
(五十嵐)そうですが。
(瀬戸)ああそれじゃあちょうどいいや。
ねえ。
財前君どうよ?
(五十嵐)えっ?どうって?いや最近ね母親からさせっつかれてるみたいでね。
もういいかげんいい人見つけなさいってこう言われてるんだよ。
(五十嵐)嫌ですよあんな性格。
おまけに家事一つできないんじゃ話にならない。
(瀬戸)じゃあ君がやってあげりゃいいじゃないんなこたぁ。
ハハハ。
何で俺が?
(瀬戸)えっ?いやできますけど。
余裕ですけど。
(瀬戸)じゃあやってやろうよ。
分析結果が出ました。
被害者の肺にたまってた水はやはり海水ではありませんでした。
あっそうご苦労さん。
海水じゃないなら何なんだ?温泉よ。
温泉?じゃあ犯人は被害者を温泉で溺死させわざわざ東京湾に運んで捨てたってことですか?事故に見せ掛けるためにね。
うんお手柄だね。
これで犯行現場も絞れるね。
ええ。
えっ?どういうことですか?いや温泉法という法律があってね全国のあらゆる温泉の成分なんかを登録しなきゃいけないんだよ。
なるほど。
じゃあ逆に成分を分析すればどこの温泉か分かるわけだ。
そういうこと。
今科捜研の鑑定待ち。
それと胃の中にこんなものがあった。
何ですか?これ。
石?玉砂利のかけらね。
温泉に敷いてあるものでしょ。
あっなるほど。
ありがとうございました。
じゃあ捜査本部に戻ります。
あっ私も行くわ。
(五十嵐)えっ?ああそうだ。
財前君がね興味持っちゃってね。
県警には話通してある。
ねっ。
ああっ。
嫌ですよこんな自由奔放な人。
面倒見きれません。
私が面倒見てあげるわよ。
行くわよ。
フフ。
この…!だから嫁のもらい手ないんだ。
ハハ。
相変わらず仲いいね。
(五十嵐)こぼしましたよ今。
(瀬戸)ごめんごめん。
(五十嵐)これ片しといてください。
(瀬戸)ああありがとう。
ハハ。
(有馬)これベガスですね。
(六車)ベガス?ラスベガスか?
(有馬)ええ。
(莞治)そうです。
よく買い付けに行ってましたから。
(六車)ああ。
(莞治)あっ。
どうぞ。
(六車・有馬)ああ。
すみません。
失礼します。
しかし妻がどうしてこんなことに…。
お察しします。
まあわれわれとしては殺人事件とみて動いてます。
奥さん何かトラブルを抱えていたようなことは?さあ。
これまああのちょっと小耳に挟んだんですがねこのブティック経営難に陥っていたとか。
らしいですね。
らしい?
(莞治)いやあの妻とは別居中でしたので。
それにここも妻が勝手に始めたことですし私はほとんど経営にはタッチしていませんでした。
なるほど。
でもまあご夫婦ですからね人ごとじゃないですわな。
はあ…。
念のため伺いますが昨日の夜はどちらに?あっ…金銭トラブルで私が殺したと!?あっいやいやあのこれ形式的なことですから。
殺して何になるんです?殺したいほどの熱情すらもう私には残っていません。
それにいざとなったらお金なんて妻ならどうにでもできたでしょうし。
あっご存じないんですか?妻の実家は…。
失礼します。
科捜研の成分分析によると被害者の肺にたまってた水は無色透明の弱アルカリ性泉質。
pH値は7.53。
カルシウムの値が高いのが特徴です。
全国の温泉のうちこれに近いのが…。
五十嵐君。
あっはいはい。
長野県の渋温泉。
(五十嵐)ああここですね。
群馬県の霧積温泉。
(五十嵐)群馬…群馬…。
あっ霧積ありました。
そして神奈川県の野比温泉。
(五十嵐)神奈川…。
あっここですね。
(有馬)戻りました。
(五十嵐)あっご苦労さまです。
そっちはどうだった?
(有馬)ええ。
被害者藤田亜美の夫藤田莞治50歳。
現在別居中ということで被害者の足取りはまったくつかめませんでした。
(六車)まあしかしこの奥さん相当好き勝手やってたらしいぜ。
旦那枯れ果ててたもんな。
(有馬)もう枯れっ枯れですよ。
あっそれよりさこの奥さんの実家すごいんだってよ。
あの北野グループの創業者一族なんですよ。
(五十嵐)海運業で財を成し今や関連企業を含め総資産数百億。
それを一代で築き上げたのが現北野ホールディングス会長北野裕一郎。
(六車)ガイ者はその会長の娘さんだよ。
ブティックは赤字経営だったそうですが実の親である北野氏に泣き付けばどうにでもなったはずなんですよ。
(六車)うん。
待てよ確か…。
どうしたの?2週間前の新聞ありますか?
(五十嵐)ここ。
「北野会長緊急入院」とあります。
(五十嵐)脳梗塞で倒れたようですね。
(六車)これじゃあ資金援助どころじゃねえな。
藤田亜美にしてみりゃ当てが外れたってとこだぜ。
(五十嵐)事件とは無関係か。
ねえ見て。
この入院先。
(五十嵐)神奈川県横須賀市。
近くに…。
野比温泉。
ああ。
つながったわね。
(六車)ああ。
ここですね。
・
(翔子)はい。
(翔子)もう3日間意識が戻ってないんです。
北野裕一郎ってすげえなおい!
(五十嵐)シーッシーッ。
(六車)この…。
この病院建てて理事長やってたんだと。
自分の経営する病院に運び込まれたのか。
いずれにせよ話の聞ける状況じゃなさそうですね。
うん。
(五十嵐)ええ。
・
(ドアの開閉音)
(翔子)あっ院長警察の方です。
(かなえ)院長の大倉です。
警察の方が理事長に何か?北野理事長の娘藤田亜美さんがお亡くなりになりました。
えっ!?
(六車)現在殺人事件として捜査してます。
亜美さんが!?
(六車)はい。
ご存じなんですか?
(かなえ)ええ。
よくいらしてましたから。
お見舞いに?お見舞い…うん…。
資金援助の相談とか?ええ。
ご自身のお店の方が心配だったようで。
裕一郎さんの回復の見込みは?ハァー。
(かなえ)脳梗塞による意識障害内臓機能も弱っています。
このままではおそらく…。
(かなえ)普段は影すら見せないのに父親がこうなってからはしきりに様子を見に来るんですもの。
抜け目のないお子さんたちですよ。
お子さんたち…。
(六車)はあーさすが北野一族の総本家だ。
すげえなおい。
行きましょう。
(六車)はい。
っていうかさ何であのお姉ちゃんが仕切ってんの?大丈夫です。
手綱は握ってますから。
ホントかよ。
(五十嵐)おっす。
(五十嵐)あっ皆さんお揃いですね。
(一尋)院長の大倉から聞いたが本当なのか?亜美が殺されたってのは。
(五十嵐)残念ながら。
(一尋)ハァー。
ご長男の一尋さんですね?でそちらが次男の三晴さん。
次女の茜さん。
(茜)そうですけど。
(五十嵐)まあお聞きのとおり一昨日長女の亜美さんが何者かに殺害されました。
彼女はブティックの赤字補填のため金策に走っていたようです。
ここ最近皆さんの所に来ませんでしたか?
(一尋)来たな。
5日ほど前だったか。
(三晴)ああ私の所にも。
(茜)えっ?私んとこ来てないんだけど。
(一尋)当てにするわけないだろ借金まみれのお前なんか。
借金じゃないわよ。
むしろ私が彼氏養ってあげてんだから。
(一尋)その金は実家から巻き上げたんだろうが!そうやってうち食い尽くすのか?このシロアリめ!何よバカ!自分だって。
(一尋)さっさと嫁に行け嫁に!
(三晴)2人とも。
では亜美さんに対しどう対応しましたか?すぐに追い返したさ。
当然だ。
私も。
(三晴)《次のアメリカ出張いつだっけ?》
(秘書)《はい予定では…》
(亜美)《久しぶり》
(三晴)《姉さん…》《アハハ》《あのさちょっと相談なんだけどいい?》《困るよ。
何なんだよいまさら》《ちょっと三晴!》
(三晴)姉は20年前駆け落ち同然で家を出たんです。
北野家には何の関係もない。
そうよ。
おかげで私が自由を奪われたんだから。
どこがだ。
それより刑事さんこんなとこ来てる暇あるのか?他当たってくるべきだろう。
まあまあ一応仕事なんで。
おい。
(五十嵐)はい?念のため伺いますがおとといの夜皆さんはどちらに?
(一尋)何だそれ。
(六車)はっ?話すと何かまずいことでも?ドライブしてた。
ほうどなたと?
(一尋)1人だ。
どの辺りで?湘南の辺りかな。
湘南。
おい。
(五十嵐)はい。
じゃあ三晴さんは?何時ごろですか?夜といっても私分刻みのスケジュールで動いてるもので。
こりゃどうも失礼しました。
何時ごろだ?夜9時から11時の間です。
都内のマンションで仕事してました。
家は鎌倉なんですが帰りが遅くなる日はそこに泊まることにしてるんです。
お一人で?
(三晴)フッ。
ええ。
ああ。
じゃあ次は茜さん。
えっと…。
友達といました朝まで。
確認させてもらってもよろしいでしょうか?いえあの…。
どうせまた伊勢佐木町辺りのホストに貢いでたんじゃないのか?違うわよ。
歌舞伎町よ。
おんなじだろうが!そもそもお前だってしばらく音信不通だったくせに何だ?今ごろ。
親父が倒れたのを知って急に湧いて出てきやがって。
そんなにさっさとくたばってほしいか!?カズ兄だって遺産が目当てなんでしょ!?ミツ兄に対抗しようとして見え張って無理して事業拡大なんかしちゃってさ。
おかげで大損。
遺産で巻き返しでも狙ってるんでしょ?茜今その話じゃないだろう。
(茜)その話なんだよ。
(一尋)ああそうだ全部つながってんだよ!亜美が現れたことで俺たちの取り分が減るんだ。
あっ。
何だったらそのせいでお前が殺したんじゃないのか?ハッ。
まったく筋が通ってないよ。
これだから兄貴は。
いいかい?僕には遺産なんか必要ないんだよ。
何しろ僕は北野グループの正当な後継者なんだから。
そんなことはまだ決まってない!俺は認めんぞこら!
(三晴)あんたが認めまいが取締役会でじき決まるんだよ!だいたい子会社の人間に何の権限があると思ってんだ。
(一尋)貴様!
(三晴)何だよ!
(茜)都合が悪くなるとすぐ手が出る。
昔っからそう。
刑事さん犯人カズ兄ですよきっと。
(一尋)何だと!?こら!このシロアリ女こっちに出てこい!くそ兄貴こっち来い!俺は認めんぞ!認めんぞ!俺は長男だ長男!
(茜)関係ないじゃないそんなこと。
(一尋)茜!
(五十嵐)絵に描いたような骨肉の争いでしたね。
(六車)フッ。
しかし今どきなかなか見られるもんじゃねえぜ。
笑い事じゃないけど。
(六車)いやいやいや。
しかしよ日ごろ取り澄ました金持ち連中なんてな一皮むきゃみんなあんなもんだよ。
人間なんてしょせん色と欲よ。
(五十嵐)そのとおり。
今回の事件はずばり遺産を巡る相続争い。
(六車)だな。
(五十嵐)犯人はあの3人のうちの誰かでほぼ決まりでしょう。
(六車)うん。
(五十嵐)じゃあ六車さんは近所の人から北野家の人間関係洗ってください。
俺と警視は北野グループの実情をもう少し調べてみようと思い…。
・
(車の走行音)
(六車)あら?
(五十嵐)勝手だなもう。
おいちゃんとお前手綱握ってんのかよ。
ハァー。
(かなえ)行かれましたか?北野家。
ええ。
どうしようもなかったでしょう?あの人たち。
北野理事長は人生でたった一つ大きな失敗をした。
子供の育て方。
院長は理事長を尊敬なさってるんですね。
えっ?ここへ来るとき看護師から聞きました。
院長は理事長を心から尊敬し理事長もあなたのことをとても大事に思ってた。
まるで実の親子のようだったと。
(かなえ)そうですね。
理事長が10年前に奥さんを亡くしたことはご存じですか?いえ。
当時この辺りには救急指定病院がなくあちこちたらい回しにされた揚げ句救えるはずの命を救えなかった。
そのことを理事長はずっと悔やんでいました。
それでこの病院を?
(かなえ)病院経営も北野グループの事業の一環ではありますが医療法人ですので営利目的ではありません。
そもそもうちくらいの規模の病院は半数近くが赤字経営なんです。
それでも…いやだからこそ理事長は病院建設にこだわった。
自分の生まれ育った地域に少しでも貢献したいその一心からです。
(かなえ)理事長は本当に素晴らしい方です。
実業家としても人間としても。
・
(ノック)
(翔子)失礼します。
院長柿沢さんがおみえになってます。
あらそう。
今行くわ。
もう一つよろしいでしょうか?
(かなえ)何でしょう?北野温泉病院ということは温泉治療もなさってるんですよね?ええ。
うちに限らずここは街中至る所で温泉が湧いてますから。
一般の方にも開放してるんですよ。
そうですか。
・
(ドアの開く音)
(美登里)あっ大倉院長。
いらしてたんですね。
(美登里)ええ。
今日は体調が良かったんで。
(かなえ)あっこちら柿沢美登里さん。
(美登里)柿沢です。
財前です。
理事長の新しい奥さん。
そうなんですか。
あっいえ違いますよ。
親しくさせていただいてはいるんですけど。
私7年前に夫に先立たれてしまって。
まあ色々大変だったときにお茶会で裕一郎さんと知り合ったんです。
そうなんですか。
でもほら理事長の方からプロポーズされてたじゃないですか。
ええ。
フフフ。
(かなえ)今からでも遅くないです。
形だけでも。
理事長きっと喜びますから。
いいの。
だって私あの子たちからよく思われてないから。
というと?遺産相続の件ですよ。
あっ…。
(美登里)今のままで私はじゅうぶん幸せです。
それに私ももうあんまり長くないかもしれないし。
フフフ。
(美登里)ところで財前さんは大倉院長のご友人?あっいえ。
私は刑事です。
(美登里)刑事?えっ刑事さん?実はね美登里さん。
亜美さん亡くなったのよ。
ええっ!?あの亜美さんが!?
(五十嵐)じゃあ事件を整理しますね。
北野ホールディングス会長北野裕一郎氏は2週間前脳梗塞で緊急入院。
現在意識不明の重体が続いています。
妻の智恵さんとは10年前に死別。
北野グループを一代で築き上げた彼の個人遺産は60億を下らないと言われています。
60億!?
(有馬)はあー。
(五十嵐)長男の一尋は子会社北野物流の社長。
長男にしては冷遇されている印象です。
(六車)近所の住民から色々聞いてきたんだけどなこりゃあとても長男の器じゃねえな。
何せあだ名が…。
(有馬)「トイレの電球」ですからね。
その心は?すぐキレる。
フフ。
(一尋)《ああそうさ!どうせ俺は経営者失格だ!》
(六車)でけえこと言って不慣れな商売に手ぇ出しちゃあやけどする。
んで物に当たる。
オリンピックに椅子投げって種目があったら結構いいとこまでいくんじゃねえか?殺されちまった長女の亜美もあれだな。
まあ情熱的っつうか何つうかこうと決めたら突っ走るんだと。
「メロドラマのヒロイン」っていわれてたらしいぜ。
何すか?それ。
20年前亜美さんはある男性と恋に落ち駆け落ち同然に家を出ています。
それは聞いたよ。
(有馬)一度目は家族に連れ戻されて未遂に終わってるんです。
一度目?ええ。
何とその1週間後に今の旦那と出会ってまーた駆け落ちしたんだと。
ハハ。
どんだけ家出たいんすか。
それじゃあ実家から縁を切られてもおかしくないわね。
それにこの次女の茜も相当なタマだったらしいぜ。
付いたあだ名が…。
(有馬)「開きっぱなしの蛇口」
(六車)北野家の財産だだ漏れってこった。
《ドンペリ頂きました!》《来たー!》
(ホストたちの歓声)
(茜)《がんがんやっちゃってね!》
(有馬)ブランド品は買いあさるわホストに1,000万単位で貢ぐわおまけに借金まであるそうなんです。
それで「開きっぱなしの蛇口」か。
うまいこと言うわね。
(五十嵐)ホントどうなってんだこのきょうだい。
あっでも次男の三晴はまあまともですよ。
彼は石橋をたたいても渡らないというかむしろたたき過ぎて砕いちゃうという。
駄目じゃない。
あだ名は「歩くマニュアル本」な。
(五十嵐)それだけ堅実な性格ということです。
そのため父親からの信頼も厚く現在北野ホールディングス社長。
次期会長の座はほぼ間違いないといわれてます。
さてどうみる?本来なら遺産の60億はこの3人が相続するはずだった。
長女の亜美さんさえ現れなければね。
邪魔な存在であったことは確かだな。
(五十嵐)俺は…。
俺はですねこの2人はいかにもって感じがし過ぎる。
次男の三晴が怪しいと思います。
何を素人みたいなこと言ってるかな。
動機がねえだろ動機が。
いいか?亜美が現れたことによってだよもらえる遺産が多少減ったところで三晴にとっちゃお前痛くもかゆくもねえよ。
何たって父親の正当な後継者なんだから。
(五十嵐)うーん…。
(六車)それにだなこの2人はがきのころ仲良かったらしいぜ。
正反対の性格だから気が合ったってことですか?おう。
じゃあ六車さんの見立ては?
(六車)おう。
そりゃお前これだよ。
本命。
なっ。
大本命一尋だよ。
対抗で茜。
なっ。
(五十嵐)はい。
(六車)大穴で三晴だよ。
競馬じゃないんだから。
そういう警視殿はどうなんですか?うん何ともいえないわね。
ただお金絡みできょうだいを殺すには動機が弱い。
というよりリスクが高過ぎる。
リスク?民法第891条。
遺産相続人が他の相続人を殺した場合相続権は失われる。
そんなものはバレなきゃいいんだろ?だからそのリスクが高いって言ってるの。
バレたら逮捕される上にもらえる遺産はゼロになる。
3等分で20億。
長女の亜美さんが入って4等分になっても1人15億。
普通ならそれだけあれば十分でしょ。
だから普通じゃねえんだって金持ちの金銭感覚ってやつは。
ねえ?まあ取りあえずあの今日のところは店じまいだ。
お疲れ。
(五十嵐)お疲れっす。
(有馬)お疲れさまです。
(五十嵐)おっお疲れさん。
相変わらずがさつなんだから。
でも何だかんだ言ってなかなか優秀ですよあの人。
あなたよりはね。
なっ…。
いいかげんその性格直した方がいいですよ。
あいにく大好きなのこの性格。
黙ってりゃそこそこいい女なのに。
何?いや別に。
じゃ俺もそろそろ。
ちょっと待って。
えっ?今夜ちょっと付き合ってくれないかな?えっ?
(百代)お久しぶりね。
えっと木枯らしさん。
五十嵐です。
まさか一二三さんとのお付き合いが続いていたなんて。
よかったわ。
えっ?分かったでしょ。
だからもう勝手に縁談なんか進めなくていいですから。
そうは言ってもまだ五十嵐さんのお考えを伺ってないから。
・
(ケトルの鳴る音)あっお紅茶入れてきますね。
ちょっと失礼。
お構いなく。
ハァ…。
もうてっきり飲みの誘いかと思ったのに。
ごめんなさいね。
縁談断る口実ですか?いい年こいて何やってんすか。
それより分かってる?私が刑事だってことは絶対…。
分かってますって。
お父上の財前十五警視は強盗犯の凶弾に倒れ殉職した。
娘までそんな危ない仕事に就かせたくない。
そのお母上の気持ちを酌んであなたは医者になった。
これでいいんでしょ?OK。
あと言うまでもないけど私はあなたと結婚する気なんてさらっさらないから。
お互いさまだ!
(百代)懐かしいわ〜。
つい昨日のことのよう。
あ〜かわいらしいですね。
このころまでは。
(百代・五十嵐)フフフ…。
うっ!つかまり立ちをしていた状態ね。
一二三さんは一人で歩けるようになるのが遅くってね。
へえ〜。
(百代)ホントに心配しましたのよ。
ハハハ。
お母さま。
余計なことおっしゃらないで。
私がいけなかったのね。
過保護だった。
危ない所から遠ざけたくってそれでいつまでもおんぶに抱っこで。
あなたの成長を邪魔してしまったのね。
子供ってある瞬間に突き放さないと成長しないのよね。
その反動がこのざまだ。
あっうっ…。
(百代)五十嵐さんはあれでしたよね?病院の事務員さん。
(五十嵐)えっ?えっ…ああそうでした。
(百代)でした?
(五十嵐)はい事務員です。
私も早く孫の顔が見たいもんだわ。
今の流れでどうしてそうなるんだ。
で2人の結婚はいつなの?
(五十嵐・一二三)えっ?あっごめんなさい。
はい財前です。
(瀬戸)ごめんねこんな時間に。
さっきニュース速報見たんだけどね亡くなったんだって。
北野裕一郎。
えっ北野理事長が?どうしたんですか?分かりました確認してみます。
行くわよ病院。
えっ今からですか?何?どうなさったの?せわしいわね。
僕にも何のことやら。
何があったんです?説明は後。
車出すから急いで。
あっそういうことで縁談なんていりませんから。
ではお母さまお元気で。
えっ?北野会長なら危篤状態だったじゃないっすか。
そんなに急がなくても。
このタイミングよ。
事件性があるかもしれないじゃない。
(あくび)着いたら起こしてください。
起きろ!早いよ。
道が分かんないのよ。
方向音痴っすか?ナビあるじゃないすか。
使い方が分かんないのよ。
世話が焼けるな。
うんっ。
このたびはご愁傷さまです。
院長は?今処置室で急患の処置に当たっています。
急患?昼間刑事さんもお会いになってましたよね?柿沢美登里さんという方。
柿沢さん?
(翔子)病院を出た後路上で倒れて救急搬送されたんです。
誰なんすか?その柿沢美登里って。
北野理事長の恋人。
えっ?院長。
(かなえ)ああ財前さん。
柿沢さんのご容体は?手は尽くしたんですがつい先ほど…。
どうして…。
昼間はお見舞いに来るぐらいお元気だったのに。
私も正直ショックです。
あのう手を合わさせていただいても…。
はい。
もう角膜混濁が始まってる。
亡くなったのはつい先ほどですよね?ええ。
美登里さんは緑内障の治療でβ遮断薬を点眼していました。
ああその副作用ですか。
はい。
死因は?心筋梗塞です。
これから死亡診断書を作成します。
そうですか。
北野理事長とその恋人だった柿沢美登里。
その2人が相次いで亡くなるなんていかにも不自然ですね。
でも私が見たかぎり特に不審な点はなかったわ。
いずれにせよ籍は入れてないわけですよね。
だったら相続争いには無関係なわけだ。
そうね。
ああこれじゃ帰る方が手間だわ。
今夜は泊まり込みね。
えっ。
泊まり込み…。
温泉宿…。
過ち…。
どうしたらそんな発想が出てくるわけ?この状況で。
あなたの頭の中だけは一生解剖したくないわ。
えっ。
(かなえ)お待たせしました。
皆さんゆうべからお疲れのことと思いますがお集まりいただいたのは他でもありません。
これから当院理事長であり皆さんのお父上でもある北野裕一郎氏の遺言を読み上げます。
(一尋)遺言?
(茜)そんなのがあったの?
(かなえ)なお私の方からお願いをして警察の方にもお立ち会いいただいております。
その前に何で院長のあんたが…!
(かなえ)「遺言公正証書」「本職は遺言者北野裕一郎の嘱託により後記証人の立ち会いのもと次のとおり遺言者の口述を筆記してこの証書を作成する」「第一条遺言者の所有する一切の財産のうち5分の4を柿沢美登里に遺贈する」何だと?
(茜)えっえっ?い…遺贈って何?法定相続人以外の人に遺産を贈与することです。
えっじゃあ5分の4…嘘。
えっ何それ?「第二条残り5分の1の財産は遺言者の子が均等に相続する」以上。
ふざけんな!そんなバカな話あるか!なお亡くなった長女の亜美さんにはお子さんがいないため残り5分の1の財産は一尋さん三晴さん茜さんによる3等分になります。
ってことは60億の5分の1が12億だからその3分の1…。
たったの4億!?4億もらえりゃ十分だろうよ。
(五十嵐)ねえ?
(三晴)いくら何でも赤の他人に48億もくれてやるってのは気前が良過ぎますね。
北野家の財産ですよ?お父上のご遺志ですから。
(一尋)ちょっと待て。
柿沢美登里は既に死んでる。
その遺贈とやら無効になってるんじゃないのか?
(茜)そうよ!
(かなえ)いいえ。
美登里さんが亡くなったのは理事長よりも2時間あとです。
遺贈は有効です。
(一尋)だからその女に家族はいないんだろ!?相続人がいなきゃおんなじことだって言ってんだよ!ご存じなかったようですね。
美登里さんには一人娘がいるんです。
(かなえ)柿沢真白さん。
北海道で看護師として働いています。
美登里さんの訃報を受け朝一番の飛行機で現在こちらへ向かっています。
この場合美登里さんに遺贈される財産はそのまま娘の真白さんが相続することになります。
一人勝ちだな。
(一尋)俺は認めん。
こんな茶番認めんぞ!こうなったら裁判よ!そんな誰が書いたのか分っかんないような遺言書!確かにその遺言書には信ぴょう性がない。
捏造された可能性もある。
私も裁判に賛成です。
どうぞご自由に。
万に一つも勝ち目はないでしょうが。
フッ何でそう言い切れる?そもそも弁護士でもないあんたが何を偉そうに!ハァ…。
(かなえ)これは失礼しました。
先に提示しておくべきでしたね。
私は医者であると同時に…。
弁護士です。
(三晴)えっ?
(かなえ)この遺言書は公正証書遺言といい最も信頼性のあるものです。
4月の8日理事長の体調のいいときを選び私が下書きをした遺言を裕一郎さん本人に読み上げてもらい公証役場の公証人に口述筆記してもらったものです。
何か問題でも?
(かなえ)真白さん。
(真白)母は…母はどこですか?お母さん。
ごめんねお母さん。
死に目にも会えないで…。
お母さんは分かってくれてるはずよ。
あなたが地域医療に貢献してること。
(真白)お母さん…。
(真白の泣き声)柿沢真白さん。
こんな場で何なんだが挨拶をと思ってね。
君とは今後何度も顔を合わせることになるだろうから。
何度もね。
(六車)いやーしかしおったまげたな。
弁護士兼医者とはよ。
(有馬)ああ。
恐ろしいな。
財前警視より頭いいんじゃないすか?司法試験と医師国家試験?これ両方合格したってわけだろ。
確かにとんでもないわね。
しかも両方で現役なんて日本でも数えるほどしかいないはず。
いやそんな秀才がよ何でこんな片田舎の病院長なんかにおさまってんだ。
(五十嵐)さあ。
それより気になるのは弁護士の肩書を公表していなかったことよ。
病院のパンフレットやプロフィルにも載っていなかったし。
あまり頭いいとみんなどん引きするからじゃないすか?ああ友達もいねえだろうしな。
(五十嵐)そうそう。
何よ。
(五十嵐)いやいや。
いやそんなに気になるんなら調べておきますよ。
ところでどうします?柿沢真白の登場で流れががらっと変わった感がありますが。
いやあ俺らの捜査はあくまでも藤田亜美殺しだよ。
遺産の件なんか知ったこっちゃねえよ。
おい行くぞ。
(有馬)はい。
失礼します。
はい。
警視?北野理事長はいつ亡くなった?死亡診断書によれば昨夜…21時54分です。
その約2時間後23時47分に柿沢美登里さんは亡くなった。
やっぱりちょっと気になるわね。
司法解剖?はい。
美登里さんのご遺体を。
(かなえ)事件性はありません。
それを判断するのはわれわれ警察です。
医者である私が処置をしこの病院で最期をみとったんです。
死因は心筋梗塞。
明らかな病死です。
不自然だと思いませんか?昼間あれだけお元気だった美登里さんが…。
(かなえ)何をおっしゃりたいんですか?財前警視…。
(真白)私からもお願いします。
真白さん。
母は日頃から体調管理に気を使っていましたしお薬も飲んでいました。
私は看護師です。
私から見てもやっぱり納得がいきません。
では承諾解剖はどうでしょう。
承諾解剖?ハァ…ご遺族である真白さんが望むのであれば私からは何も。
お願いします。
それでは早速準備を。
最寄りの大学の法医学教室へご遺体を搬送します。
五十嵐君連絡を。
はい。
院長にも立ち会っていただきます。
ですが私には解剖医の資格はありません。
そもそも予約もなしに誰が執刀するんですか?私です。
えっ?私は医師免許を持つ刑事医療捜査官です。
医療捜査官?これより解剖を始めます。
は〜気持ちいい。
(五十嵐)ああここでしたか。
お疲れさまです。
どうでした?病理検査の結果待ち。
調べましたよ院長の過去。
ねえ。
ちょっとねえ入るつもり?えっ?だってここ共同…。
何かやだ。
院長のことですけど。
どうぞ。
分かりましたよ弁護士だったころのこと。
仕事早いじゃない珍しく。
仕方ないわね。
はい。
ああ。
ハハハ…。
う〜やだ〜。
ではあの後美登里さんとお二人で食事を。
ええ。
お見舞いのついでによくご一緒するんです。
ここの食堂で。
何時ごろですか?19時ごろでしたね。
美登里さんは何をお召し上がりに?うーん。
エビの天ぷらとおうどんホウレンソウのおひたしだったかしら。
エビ小麦粉ホウレンソウ。
胃の内容物は一致。
「消化具合から食後4時間ほど」死亡時刻にも矛盾なし。
その後自宅へ帰る途中倒れ搬送された。
20時ごろでした。
なるほど。
これで美登里さんの当日の足取りが全て確認できました。
ありがとうございます。
それにしても驚きました。
医療捜査官だなんて初耳なんで。
私も驚きました。
ああ私ですか?もともとは医者の家系なんですけど不器用だし自分には向いてない気がして…。
だから法曹界の道へ進みました。
それで受かるのがすごい。
財前さんはどうして刑事に?もともとは医者なんでしょ?恋人を亡くしたんです。
病院側の医療ミスでした。
助かるはずの命でした。
私は病院と担当医を告発しました。
でも刑事が医療知識が疎いことをいいことにのらりくらりとかわされて結局不起訴処分でした。
もう二度とあんなことを繰り返してはいけない。
うやむやにしておいてはいけない。
そのためには医療知識のある刑事が不可欠だと思いました。
それでご自身が医療捜査官に。
大倉院長はなぜ弁護士の肩書を伏せていたんですか?えっ?お子さんのことですか?お調べになったんですね。
7年前あなたの息子さんはある男性とトラブルになった。
駅のホームでね。
肩がぶつかったとかぶつからないとかほんのささいなことでした。
息子さんは勢い余って男性を突き飛ばした。
ちょうどそのときホームに電車が入ってきた。
(五十嵐)男性は即死。
少年審判の争点は殺人か過失致死か。
いずれにせよ息子さんの罪は免れようもなかった。
付添人にはあなた自ら申し出たんですよね?息子を守りたい。
ただその一心でした。
(かなえ)《相手は大人の男性です》《その相手に正面から見下ろされ大声でまくし立てられたらどう思いますか?》《ましてやこの子はまだ15歳の子供です》《相当な恐怖を感じたことでしょう》《ねっ怖かったわよね?寛也》《相手側の男性由津木邦正さんは昔暴行罪で警察のお世話になったこともあります》《普段から粗暴な行為が見られ今回の件も彼の方から言い掛かりをつけてきたそうです》《さらに由津木さんは事件当時酒に酔っていたとみられ…》《以上の点を考慮し重過失致死罪または殺人罪には当たらず…》
(かなえ)私は弁護士としてありとあらゆる手段を使い息子に有利に相手男性に不利になるよう働き掛けました。
その結果…。
正当防衛が認められた。
実質完全勝利だ。
私は息子を守りきったんです。
この手で。
《言ったでしょ。
寛也のことはお母さんが全力で守るって》
(寛也)《うん》記録によればあなたはこの件以来ぱったりと弁護士としての活動をストップしています。
そしてこの病院で医師として働きだした。
それはなぜですか?息子が死んだんです。
失意のどん底にいたころ北野理事長に出会いました。
私は彼の理念に共感しこの病院に人生を捧げようと思いました。
弁護士ではなく医者として。
(六車)よっ毎度。
(一尋)いきなり何だ勝手に。
出てってくれ。
一尋さんあんた嘘ついちゃいけないな。
あっ?事件の夜あなた湘南までドライブに行ったとおっしゃいましたよね。
(一尋)そうだが。
ところがだあんたの奥さん言ってたぜ。
あの夜帰ってきたあんた酒臭かったって。
(有馬)えっ?ドライブしてんのにお酒飲んじゃったんですか!うわ〜。
(六車)社員にバラしちまおうか。
バラしましょうええええ。
(六車)社長が飲酒運転したってな!
(一尋)待て待て待て…。
待って。
こっち…。
こっち。
あんたらの言うとおりだ。
だから最初から素直に言ってくんなきゃ。
えっ?で何してたのあの時間。
神楽坂の料亭。
(六車)密談か。
相手は?親会社の役員。
北野ホールディングス。
ああ。
目的はクーデター…だな?
(六車)父親である会長が倒れこのまんまじゃ次の取締役会で弟が後継者になっちまう。
そいつを阻止するためにあんたは役員を一人一人取り込もうと工作していた。
どう?図星だろ?だったらどうだっていうんだ!何か問題でもあんのか!?ましてやあんたらに関係あるのか。
いや別にねえけどよ。
長男のくせにこすいことやってんなって。
あーイライラすんなあもう!もっとどっしり構えてりゃいいじゃねえかよ!えっ?弟ができるやつってのがそんなに嫌か?むしろ俺が全部動かしてんだぐらいの器なくてどうすんだよ。
長男よ。
えっ?北野裕一郎の息子さんよ。
どうも失礼しました。
行こう。
(有馬)はい。
お邪魔しました。
(五十嵐)ご苦労さまです。
(六車)ご苦労さん。
(有馬・一二三)お疲れさまです。
(五十嵐)なるほど長男の一尋が。
うん。
取り込み工作で金が必要だったのは確かだ。
けどこれで逆にアリバイが成立しちまったよ。
あっそっか。
本命だと思ったんだがなあ。
あっ財前警視これ届いてました。
ありがとう。
何すか?美登里さんの病理検査の結果。
えっ?何か?嘘どうして…。
何だよ。
美登里さんが亡くなる前スマトリプタンを服用した形跡があるの。
ウズベキスタン?
(六車)アフガニスタン?あなたたち言いたいだけでしょ。
スマトリプタン。
いわゆる偏頭痛薬。
(五十嵐)美登里さんって偏頭痛持ちだったっけ?俺に聞くなよ。
そういうことじゃなくてこれは血管を収縮させる薬なの。
心臓の悪い美登里さんが飲むはずがない。
ってことは…。
何者かに薬を盛られた。
殺しかい?いったい誰が?何のために?皆さん皆さんここは落ち着いて考えましょう。
あなたが一番落ち着きなさいよ。
あのですねこういう場合は基本に立ち返る。
つまり一連の事件で誰が一番得をしたのか。
はい。
(六車)えっ?得をしたってそりゃ柿沢真白だろ。
(五十嵐)そうです。
彼女は何もせずに48億もの遺産を受け取ることができたわけですから。
彼女は北海道の上川にいたのよ。
長女の亜美さんを殺すなんて不可能だし何で母親まで殺す必要があるの。
いや美登里さんの死は真犯人にとってはむしろ計算外。
本来はやはり美登里さんが遺産のほとんどを受け取る予定だった。
さてそのように遺言書を作ったのは誰でしょう。
そりゃだって北野裕一郎だろ?
(五十嵐)それに関与したのは…。
あっ大倉院長。
(五十嵐)そう!全て大倉院長が仕組んだとしたらどうです?
(六車)柿沢美登里と遺産を山分けにするつもりだったってことか?そこまでする動機は何?確かに彼女は北野家の息子たちを毛嫌いしていたけどお金に困ってる様子はなかった。
病院のためです。
調べてみたら大赤字でしたあの病院。
でも彼女にとっては生きがいだ。
守るためには金がいる。
うん確かに筋は通ってんなあ。
じゃあ長女の亜美さんはなぜ殺されたの?それはですね。
うーん…。
何だ考えてねえのかよ?いや。
あれですよあれ。
(六車)あっ?藤田亜美は遺言書の内容をあらかじめ知っていた。
そう。
そうなんだ!
(六車)はっ出任せの割にはいいとこ突いてんな。
(裕一郎)《一切の財産のうち5分の4を柿沢美登里に遺贈する》
(五十嵐)藤田亜美は遺言書の内容を事前に知ってしまった。
そのせいで大倉院長と柿沢美登里に殺された。
藤田亜美は温泉で溺れ死んだ。
あの病院には温泉がある。
(六車)女同士なら怪しまれることもねえ!
(五十嵐)決まりですよ。
(有馬)そうっすね。
(六車)ああ!じゃあ玉砂利のかけらはどう説明するの?玉砂利?亜美さんの胃の中から見つかった玉砂利のかけらよ。
病院の温泉も見たけど玉砂利なんて敷かれてなかった。
うーんそれは…。
あしたもう一度調べてみましょ。
(六車)人間なんてしょせん色と欲よ。
(五十嵐)今回の事件はずばり遺産を巡る相続争い。
美登里さんが亡くなったのは理事長よりも2時間あとです。
遺贈は有効です。
まだこの事件は終わってないわ。
(五十嵐)調べるっていってもね街中にどれだけ温泉があると思ってんすか。
温泉なのかしら?はっ?だってあなた自身が司法解剖で…。
ううん。
普通の温泉なのかしらって意味。
あの玉砂利は無理やりお湯の中に沈められたときにのみ込んだものだとしたら…。
うーん。
湯船の底に玉砂利なんか敷かないですよね普通。
お尻が痛くてしかたがない。
そうあれは例えば…。
(五十嵐)ちょっと!勝手だなあもう!足湯…。
玉砂利は足つぼを刺激するためのものか。
ちょうど病院から駅へ向かう途中にあるわ。
亜美さんがここを通った可能性は高い。
これは…。
殺害現場はここだったのよ。
とういうことは大倉院長と柿沢美登里以外の人物も犯人の可能性が出てきた。
大至急鑑識呼んで。
はい。
警視どこへ?あなた言ったわよね。
今回の件で一番得をするのは柿沢真白さんだって。
逆に言えば真犯人にとって一番邪魔なのも…。
柿沢真白。
何かあるといけないから。
(チャイム)真白さん?
(呼び出し音)
(チャイム)真白さん?結露…。
まさか。
真白さん?真白さん…。
真白さん?真白さん?真白さん?相続協議書に早くサインしろって催促の連絡が来た。
このままだとほとんどの遺産は柿沢真白に渡ってしまう。
私納得いかない。
(三晴)もう決まったことなんだ。
遺言書に従うしかないだろう。
これ以上遺産のゴタゴタに巻き込まれるのは勘弁だ。
じゃ僕はそろそろ会社に。
(五十嵐)あっ。
(三晴)ああ刑事さん。
えーご報告があります。
先ほど柿沢真白さんが北野温泉病院に救急搬送されました。
えっ?
(五十嵐)練炭による一酸化炭素中毒。
部屋は中から鍵が掛かっていました。
母親の死にショックを受け後追い自殺を図ったものとみられます。
ハァー何てことを。
現在意識不明の重体。
大倉院長によれば今夜が峠だそうです。
失礼します。
そこまでよ!殺人未遂の現行犯ね。
北野三晴さん。
わなだったのか?真白さんは私が無事に救助しました。
そのことをあなたは知らない。
だから逆に利用したんです。
部屋は自殺を装い密室状態でしたが…。
ひもを使えば外から鍵を掛けるのは可能。
実際鍵の部分にひもの繊維片が付着していました。
(一尋)三晴お前!
(茜)ミツ兄何でこんな…。
違う!違うんだよこれは!今回の件は北野裕一郎氏が残した莫大な遺産が原因であることは確かです。
しかしあなたは表向きお金には困っていなかった。
つまり動機がなかった。
そもそも北野家の人間であればいずれ遺産は受け取ることができた。
亜美さんが現れたことで取り分が減ったことくらいで殺すはずがない。
リスクが高過ぎるんです。
でもあなたには動機があった。
われわれが見落としていた遺産よりもっと重要な動機が。
(六車)亜美さんがやってたブティックにバイヤーがいましてねちょっと興味深い話を聞いたんですよ。
(秘書)《あのとき社長…弟さんを見掛けたんです》
(六車・有馬)《えっ!?》
(六車)亜美さんとラスベガスへ買い付けに行ったときあんたがいたそうだよ。
《あらっ!》
(五十嵐)おそらくあなたはカジノにはまっていた。
昔から優等生。
脇道にそれることなく父親の期待どおりの人間であり続けた。
それがアメリカ出張で父親の目が届かないことでつい気が大きくなった。
初めは軽い気持ちでギャンブルに手を出してみたんでしょ?そして負けた。
失敗を極度に恐れるあなたは損失を取り戻すためにさらに勝負に出た。
そしてまた負けた。
気が付けばあり地獄の中だった。
膨れ上がった損失を補填するためについにあなたは禁断の果実に手を付けた。
会社のお金。
つまり横領。
えっ!?
(茜)横領!?そのことをよりによって姉の亜美さんに知られてしまった。
このスキャンダルはあなたにとって父親の遺産より大きな問題だった。
(六車)横領が発覚すれば北野グループから追放。
もう二度と復帰の目はねえやなあ。
だからあなたは殺したんでしょ?血を分けたきょうだいを。
ハハッ。
証拠は?そんな証拠どこにあるんですか?ここから駅へ向かう途中に足湯がありますよね。
そこが殺害現場です。
(五十嵐)足湯から指紋が検出されました。
亜美さんとあなたの指紋がね。
(六車)北野ホールディングスの内部監査にもぶつけてきたよ。
担当者真っ青になってたぜ。
まっざっと見積もって億単位だってよ。
あんたが横領してすった金。
悲しいわね。
あなたと亜美さんは4人の中でも一番仲が良かったんじゃないの?
(三晴)《見てのとおり親父はもう長くない》《そのうち遺産だって手に入る》《それでいいじゃないかよ》《そんなの待ってらんないのよ》《今月中に1,000万用意しないとお店つぶれちゃうの!》
(三晴)《だったら旦那さんに用立ててもらえばいいじゃないかよ。
姉さんはもう北野家の人間じゃないんだから》《そんなこと言っちゃっていいのかな?》《こないだ見たのよあんたのこと》《どこだと思う?》《ラスベガスのカジノ》《エヘヘッ。
こんなことってあるのね》《いくら負けが込んでるからって会社のお金横領しちゃまずいでしょ?》
(三晴)《あー!》《その話どこで?》
(亜美)《フフフ》《フフフ》《まさか…鎌かけたのか!?》《ハハハ…やっぱりね》《何年あんたの姉ちゃんやってると思ってるのよ?》《手に取るように分かるわよ。
フフフ》《昔から失敗しないように生きてきたもんね》《あっその反動が今ごろ出ちゃったんだ?》《これがバレたらあんた終わりね》《フフフ。
じゃここに振り込んどいて》《フフフ。
フフフ》《あっそうそう。
カズ兄も茜もその人の遺産当てにしてるみたいだけど残念ね》《遺産のほとんどは恋人に遺贈するんだって》《バッカみたい。
以上ご報告》《姉さん…》
(三晴)《姉さん姉さん》
(三晴)《姉さんは僕の味方だったじゃないか!》《いつだって味方だったじゃないか!》《何でそんなこと言うんだよ!?》《何でだよ!?》《えっ?》それから亜美さんの死体を車で運び東京湾に捨てた。
(一尋)お前何てことを!
(茜)お姉ちゃん…。
話はまだ終わっていません。
三晴さん頭どうしました?持病の偏頭痛ですか?薬はちゃんと飲んでいますか?飲んでいませんよね?柿沢美登里さんに飲ませたんですから。
偏頭痛の薬を?そんなことをしたら…。
そう。
わざと薬をすり替えたんです。
美登里さんの命を奪うために。
わざと薬をすり替えたんです。
美登里さんの命を奪うために。
亜美さんから遺言のことを聞いたあなたは何としても遺言の執行を阻止しようとした。
あの時点ではまだ遺産で横領の穴埋めができましたからね。
遺言を無効にする唯一の方法。
それは裕一郎さんより先に美登里さんが死亡すること。
あなたは美登里さんが心臓病を患っていたことを知っていた。
そこで美登里さんの処方薬を自分のものとすり替え心筋梗塞を意図的に引き起こさせた。
北野三晴殺人未遂現行犯および殺人容疑で逮捕する。
おい。
(三晴)うー!
(六車)静かにしろ!あと少し…。
あとほんの少し親父が長く生きてくれてたら俺は…。
(五十嵐)あれ?ちょっといいですか?ご苦労さまです。
いまさらどうしたんですか?柿沢美登里のカルテなんか調べて。
北野三晴の言葉には一理あるわ。
えっ?彼は周到に薬を飲ませ美登里さんを殺害した。
なのにほんの数時間の差で理事長が先に亡くなるなんて。
まあ人生なんて皮肉なもんですね。
結果的に彼は罪を重ねただけ。
策士策に溺れるってやつですよ。
ねえ。
(翔子)はい。
柿沢さんって心臓以外にも緑内障の治療してなかった?緑内障?いいえなかったと思います。
おかしいわね。
うん?ご一緒していいかしら?
(真白)どうぞ。
やっぱり親子ね。
同じ物食べてる。
えっ?お母さんのこととか色々あってつらいと思うけど食べないと持たないわよ。
はい。
(五十嵐)いただきます。
それでちょっと聞きたいんだけど院長とお母さんはいつどこで知り合ったの?詳しくは知りませんが北野理事長と引き合わせてくれたのは院長だって母が言ってました。
どうしてそこまで美登里さんのために…。
あの今同じ物食べてるって言われましたけど。
ええ。
母は食べませんよ。
えっ?エビは…。
アレルギーか何か?単に苦手なだけでしたが。
どういうこと?《美登里さんは何をお召し上がりに?》《エビの天ぷらとおうどんホウレンソウのおひたしだったかしら》院長が嘘をついてたってことですか?いや嘘っていうか実際胃の中から検出されたわけだし。
まだこの事件は終わってないわ。
(かなえ)色々手続きとかあるからもう少し辛抱してね。
私正直困ってます。
いきなりよく知らない人から遺産を譲るって言われても。
真白さんは地域医療を充実させたいんでしょう?はい。
それが私の夢です。
って一看護師にすぎないんですけど。
だったらその夢のために使えばいいのよ。
きっとお母さんだって北野理事長だって喜ぶわ。
そうでしょうか?いかに崇高な理念だとしても人の道を外れた時点でそれはあなたのエゴにすぎません。
(かなえ)何のことかしら?本当は美登里さん。
理事長より先にお亡くなりになっていたんでしょ?でもそうなるとせっかく作った遺言書が無効になってしまう。
真白さんに遺産を渡せなくなってしまう。
だから…。
美登里さんの死亡時刻をずらす細工をした。
理事長より後に亡くなったことにするために。
あの夜美登里さんが食堂で食事をしたことにしミキサーを使い胃の中で4時間ほど消化したものと同じ状態にした。
それをすでに亡くなっている美登里さんの胃の中に流し込み私たちが来る直前まで電気毛布で美登里さんの遺体を温めておきつい先ほど亡くなったように見せ掛けた。
でもすでに角膜の混濁は始まっていた。
それをあなたはとっさに緑内障治療の副作用だと言い逃れた。
どうして?どうしてそこまでして私たち親子に遺産を渡そうなんて。
息子さんの事件と何か関係があるんじゃありませんか?息子さんの事件って?7年前駅のホームで発生したトラブルのことです。
7年前…駅のホーム。
もしかして?そう。
相手側の男性は由津木邦正さん。
あなたのお父さんなの。
知らなかったのも無理ありません。
少年審判ですから相手の名前は非公開。
当時はまだ被害者遺族の傍聴は認められていなかった。
よって付添人だった大倉院長の姿を見ることもなかった。
院長の息子さんに私の父が?だったらなおさら分かりません。
父は相手の正当防衛で死んだはずです。
あなたの息子さんに危害を加えようとして。
だから私たち親子はむしろ恨まれる方。
それは無実を勝ち取るために私が作り上げた話。
あれは正当防衛なんかじゃなかった。
私の息子が故意に突き飛ばしたの。
あなたのお父さんを。
どうして?どうしてそれが正当防衛になったんですか?私ずっと恨んでた父を。
少年に暴力を振るおうとして死んだ父親だって思い込んで。
仕事にも影響するからって名前だって母の旧姓に変えて生きてきたんです!何だったんですか?これまでの7年間は。
許してもらおうなんて思ってないわ。
私はただ寛也を守りたかったの。
あの子が何を考えていたのか分からなかったし分かろうともしなかった。
あの子が自ら命を絶つまでは。
(かなえ)日記の最後のページにこうありました。
「これから…」
(寛也)《「これからずっとウソつきのまま生きていく自信がない」》
(寛也)《「許してくださいお母さん」》
(寛也)《はっ?意味分かんないんだけど》
(由津木)《電車の中ではボリュームを絞りなさい》《みんながみんなその音楽が好きなわけじゃないんだ》《他の人の迷惑だろう?》《あんたには関係ないじゃん》《待ちなさいまだ途中だ》《放せ!》
(由津木)《待ちなさい!》
(由津木)《何をする!》《あっ!あー!》《寛也…》《ごめんね》《寛也…》
(かなえ)《寛也…》私は寛也を救ったつもりでいた。
でもあの子の心は罪悪感に押しつぶされていたの。
守るということをはき違えていたのね。
私はあの子から自分と向き合う機会を罪を償う機会を奪ってしまった。
永久に。
あなたはずっとそのことで心を痛めていた。
だからせめて柿沢さん親子のために力になれることはないかと考えてきた。
北野理事長に美登里さんを引き合わせたのもそのためですね?あなたの7年間は贖罪の日々でもあった。
柿沢さん親子に遺産を渡そうとしたのも全ては償いのため。
そんなの望んでません。
私は真実が知りたかった。
知っていればこんなに苦しむこともなかったのに。
私も院長のやり方は間違っていると思います。
償いのためとはいえあなたは医者の立場を利用して真実を覆い隠そうとした。
本当の償いとは真実と真っすぐに向き合うことなんじゃないでしょうか?あなたの息子さんがそう望んだように。
そのとおりね。
真白さんごめんなさい。
私が間違っていました。
ずっとつらい思いをさせて本当にごめんなさい。
よっ。
毎度。
(一尋)ああ刑事さん。
(六車)いや〜あれからどうなったのかなって思ってさ。
(一尋)見てのとおりです。
弟があんなことやらかしてくれたおかげで俺までグループを追放。
結局会社は銀行が外部から招いた人間が仕切ることになりました。
株価も大暴落。
(六車)うん。
(一尋)遺産は戻ってきたけどほとんど紙くず同然。
会社に与えた損失を補償するために根こそぎ持っていかれました。
文字通りゼロですよ。
ゼロ。
けどマイナスばかりじゃねえだろ?ええ。
今になって親父の意図が分かった気がします。
遺産なんかに頼らず自分の人生は自分で切り開け。
そう言いたかったんじゃないですかね。
(一尋)そうそう。
(六車)うん?一つだけ守り抜きました。
あの病院だけは。
よかったじゃねえか。
たぶんお父さんが一番守りたかったものだもんね。
まっ何とかやっていきます。
頑張れよ。
(真白)わざわざありがとうございます。
いいえ。
(真白)あんなことがありましたけど私大倉院長のことはもう憎んでません。
お父さんが人として間違ったことはしてなかったって分かったしそれに院長も大事な息子さんを亡くされたんですよね?親が子を思う気持ち子が親を思う気持ちって形は違っても重さはみんな同じのように感じます。
そうね。
(真白)それじゃ。
頑張ってね。
よかったらメル友にでも…。
(一二三・真白)ヘヘヘ。
(真白)ありがとうございます。
(五十嵐)バイバイ。
バイバイ。
頑張れよ。
(瀬戸)いや〜ご苦労さんだったね。
頼まれてもいない事件に首突っ込んで解決するなんて財前君らしいね。
えっ?いえ。
(五十嵐)このアクティブさを婚活に生かせればいいんでしょうけど。
あなたねセクハラで訴えるわよ。
ならこっちはパワハラで訴えてやりますよ。
あっそれじゃ私はねいい弁護士紹介するわ。
ねっ?結構です。
いい弁護士ならいずれ復帰しますから。
えっどういうこと?2014/06/06(金) 21:00〜22:52
関西テレビ1
金曜プレステージ・医療捜査官 財前一二三5〜湯けむりに沈む殺意!温泉病院殺…[字][多]
【病院長の遺産60億を巡る最中、長女の死体から温泉が検出された!相続人は院長の愛人!?湯けむりに沈む殺意…完璧な医療トリックに財前が挑む】高島礼子ほか
詳細情報
正式タイトル
金曜プレステージ・医療捜査官 財前一二三5〜湯けむりに沈む殺意!温泉病院殺人事件〜
番組内容
東京湾でブティック経営者・藤田亜美(比企理恵)の溺死体が上がった。遺体の様子から川崎南署の六車(石倉三郎)と神奈川県警本部の五十嵐(西村雅彦)の見立ては殺人で一致するが、医師免許を持つ医療捜査官・財前一二三(高島礼子)は死斑から、亜美はどこかで殺された後に東京湾まで運ばれ、遺棄されたのではと推測。
解剖の結果、肺には温泉水がたまっており、その成分から温泉地も絞られた。また、亜美は総資産数百億と
番組内容2
いう北野ホールディングス会長、北野裕一郎(藤木孝)の長女ということがわかった。野比温泉にある裕一郎が理事長を務めるキタノ温泉病院に一二三らは向かう。院長兼理事の大倉かなえ(戸田恵子)の話から亡くなった亜美は資金繰りに関して頻繁に裕一郎のもとを訪ねていたことがわかる。裕一郎の他の子供たち、長男の一尋(矢島健一)、次男の三晴(津田寛治)、次女の茜(猫背椿)も裕一郎が入院してからというもの、しきりに様子
番組内容3
を見に来るようになったらしい。
一二三は、かなえから裕一郎が好意を寄せている女性として柿沢美登里(一柳みる)を紹介される。
その夜、裕一郎が息を引き取る。病院に一二三が駆けつけると、美登里が路上で倒れて救急搬送されたのち、裕一郎の後を追うように2時間後に亡くなったことを知らされる。
裕一郎は遺言を残していた。遺言書の中身は財産の5分の4を美登里に、残りを子供たちで均等にというものだった…。
出演者
財前一二三: 高島礼子
大倉かなえ: 戸田恵子
北野一尋: 矢島健一
藤田亜美: 比企理恵
北野三晴: 津田寛治
北野茜: 猫背椿
柿沢真白: 白羽ゆり
柿沢美登里: 一柳みる
北野裕一郎: 藤木孝
財前百代: 草村礼子
五十嵐鞘次郎: 西村雅彦
スタッフ
【原作】
酒井直行
【脚本】
入江信吾
【編成企画】