さわやか自然百景「伊吹山 春」 2014.06.08

(テーマ音楽)岐阜県と滋賀県の県境にそびえる伊吹山。
むき出しの岩が荒々しさを見せる石灰岩から成る山です。
春山の斜面では色とりどりの花が咲き誇ります。
急しゅんな崖を移動するカモシカ。
恵みを求めて生き物たちは活発に動き始めます。
春の伊吹山で命の輝きを見つめます。
本州のほぼ中央陸地が最も狭まった場所にある伊吹山。
琵琶湖の東にそびえています。
標高は1,377m。
その高さの割に多くの雪が降ります。
日本海から吹く冬の季節風を直接受けるためです。
深い雪は時に独特の景観を見せます。
雪の上をヒラヒラと舞うものがあります。
薄い氷です。
太陽の光で雪の表面付近が解け低温で再び凍って出来ました。
強風を受けて舞い上がる氷。
雪の多い伊吹山で見られる不思議な現象です。
3月下旬。
すっかり雪が解けた伊吹山。
標高700m付近に広がる森ではようやく春の足音が聞こえてきます。
枯れた葉が残る地面。
よく見ると春一番の花が咲きだしています。
花の大きさは僅か2cm。
森に春を告げる事から「スプリング・エフェメラル」「春の妖精」と呼ばれています。
中腹には切り立った険しい崖が広がっています。
岩場にたたずむ動物。
ニホンカモシカです。
体の大きさは90cmほど。
雪が解けた地面で伸び始めた草や落ちている葉を食べます。
山は少しずつ命の息吹で満ちていきます。
5月。
伊吹山はまぶしいばかりの緑に染め上げられていきます。
中腹の森は彩り豊かな花でにぎわいを見せます。
こちらはスズシロソウ。
高さ10cmほどのかれんな花です。
(鳥の鳴き声)せわしく動き回る鳥がいました。
ヤマドリです。
長い尾にきれいな羽赤い顔が特徴です。
この時期芽吹いたばかりの葉や地面の虫を食べます。
木に開けた穴から出てきたのはアカゲラ。
大きさは25cmほど。
毎年新しく巣穴を作り子育てを行います。
森の隣には広い草原が続きます。
ここもたくさんの花々であふれます。
こちらはオドリコソウ。
花が笠をかぶった踊り子に見える事からその名前が付きました。
これはフデリンドウ。
花の大きさは2cmほどです。
本州の高山や北海道など寒冷地に育つ…西日本で見られるのはまれです。
年間300種類もの花が咲く伊吹山は「花の山」とも呼ばれます。
草原で動くものがいました。
アナグマです。
大きさは60cmほど。
夜行性ですが繁殖期を迎えると昼間でも活発に動きます。
ミミズを食べています。
(鳥の鳴き声)木々の緑に覆われる中腹。
しかし山頂付近は岩肌がむき出しになっています。
それは伊吹山の成り立ちと関係があります。
伊吹山はおよそ2億5,000万年前に海底で発達したさんご礁が徐々に移動して出来ました。
大部分が石灰岩で出来ているため水分を蓄える事ができないのです。
そのため大きな木が育ちません。
山頂付近は乾燥した厳しい環境なのです。
その山頂で咲く花がありました。
一面に広がる花の群落。
大きさは2cmほど。
なぜニリンソウは水分の少ない山頂で群落をつくる事ができるのでしょうか?その秘密は霧にあります。
風の通り道となる伊吹山。
山頂では年間290日以上も霧が発生します。
ニリンソウのような小さな花には掛けがえのない恵みです。
それがお花畑を支えているのです。
(鳥の鳴き声)中腹の森にオオルリがいました。
繁殖のため東南アジアなどから来たのです。
オオルリが巣を作るのは岩のくぼみ。
石灰岩は雨に溶けてくぼみが出来る事があります。
大きな岩の陰にオオルリの巣がありました。
巣で卵を温めるのはメスの役目です。
けれども食事の時だけは巣を離れます。
卵がありました。
産卵から2週間ほどでヒナが誕生します。
石灰岩のくぼみが多い伊吹山はオオルリが子育てがしやすい環境なのです。
切り立った崖に大きな動物の姿がありました。
ニホンカモシカです。
(鳥の鳴き声)カモシカが食べているのは芽吹いたばかりの木の葉です。
カモシカは主に単独で行動し1km四方ほどの縄張りをつくります。
このカモシカどうやらおなかが大きいようです。
別のカモシカがやって来ました。
近づいても争わないところを見ると2頭はペアのようです。
オスはメスを見守るように立ち止まりました。
間もなく赤ちゃんを連れたカモシカの姿が見られる事でしょう。
春伊吹山。
森と草原多様な自然に抱かれてたくましく生きる生き物たちの姿がありました。
2014/06/08(日) 07:45〜08:00
NHK総合1・神戸
さわやか自然百景「伊吹山 春」[字]

300種類以上が育つ「花の山」として知られる伊吹山。春、競い合うように咲く色とりどりの花、子育ての時期を迎えてにぎわい出すカモシカや鳥たち。命の物語を見つめる。

詳細情報
番組内容
岐阜と滋賀の県境にある伊吹山(1377m)。冬、日本海からの湿った季節風は大量の雪を山にもたらす。3月下旬、雪どけを迎えた中腹の森ではセツブンソウの花が春を告げ、カモシカは地面の草を食べて活動的になる。5月、ピンクのオドリコソウや淡い紫のエゾノタチツボスミレなど色とりどりの花が咲き誇る頃、森ではヤマドリやオオルリなどの鳥が躍動し、カモシカはやがて出産を迎える。伊吹山でたくましく生きる命を見つめる。
出演者
【語り】山本志保

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
趣味/教育 – 旅・釣り・アウトドア

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

OriginalNetworkID:32080(0x7D50)
TransportStreamID:32080(0x7D50)
ServiceID:43008(0xA800)
EventID:22417(0×5791)