長野県の中西部北アルプスの山麓に広がる安曇野市。
初夏の日ざしが3,000m級の山々に降り注ぐとやがて残雪を解かし始める。
風薫る信州。
この地に多くの友人が住んでいるという…京都・大原からやって来た。
豊かな自然と山の恵み。
安住の地を求めてここに移り住む人は後を絶たない。
山の中腹に住む友人を訪ねる途中大好きな道祖神を発見。
(ベニシア)何かかわいいの。
夫婦みたいだけど神様かな?何か木も…ちょうど陰がある場所に置いてくれてるから幸せそう。
向こうに山が見えて。
私久しぶりに来てるんですけど山登ったのは…主人と最初会った時は結構登りました。
だから山を見たら想像できる。
中はどういう世界があるか。
ここから見たら木と岩しか見えないけど実際歩くと花畑がすごいたくさんあるからちょっとリフレッシュ。
楽しみにしてます。
長野には数えられないほどやって来ていると言うベニシアさん。
けれども安曇野の名産であるこれを見るのは初めて。
すごい。
これわさびの農場みたいね。
誰かいますね。
こんにちは!
(草深)こんにちは。
わあすごいたくさん。
これわさびですね。
こんなたくさん。
初めて見た。
そんなたくさん。
緑がすごいフレッシュな感じ。
初めてわさび食べた時びっくりしました。
辛かったですか?ちょっとでいいと知らなかったからたくさん食べた。
(草深)ちょうどこの時期にこういう色になってくるんです。
この水は全部湧き水ですよ。
向こうの山に降った雪が解けて地下へ染み込んで湧いている。
これみんな湧き水です。
湧き水でないと水温が上がっちゃってこれが出来なくなる。
ですからこれは夏冬通して12〜13℃。
ホント。
それ初めて聞いた。
これ1つ取りますね。
ほらここんとこに。
ありますね。
湧き水が豊富な安曇野は日本有数のわさびの産地。
15か月かけて育ったわさびが収穫を迎えていた。
ここをかじってみて下さい。
ちょっと甘い。
甘い?スイートな感じ。
わさびの風味はここが一番すると思う。
ここから?そこが。
葉っぱは食べないよね?食べるの?
(妻)お握りとかねそれからお煎餅の中に入れたり。
食べてもいい?いいですよ。
これ何かに似てるのね。
何に似てるかな?うんおいしい。
ヨーロッパではホースラディッシュがあるのね。
(妻)あ〜セイヨウワサビ?あれと少しこの葉っぱが似てる。
清らかな水の恵みはおいしい幸福をもたらしてくれる。
北アルプスからの雪解け水が田んぼを潤す頃里では田植えが始まる。
山の水はおいしい米を育てる。
初夏の風物詩水鏡にアルプスが姿を現す。
この時期里の清流には新鮮な水を求め魚が産卵にやって来る。
人は昔からその恩恵を受けてきた。
豊かな水量は動力となる。
ゆったりとした水車の回転が風味豊かなそば粉を作る。
信州名物のそば。
ミネラル豊富な水のおかげで麺に甘みとコシが出る。
郷土料理は水によって生まれ何百年も人々に愛されている。
北アルプスの水は人の暮らしをつくる。
「長野の山に暮らす心の友がいるの。
とても美しい所に住んでいるのよ」とベニシアさん。
あ〜けいさん!
(白沢)ベニシア〜!会いたかった〜!ホント会いたかった〜!何年ぶりかな?8年ぐらい。
白沢けいさん。
若き日に京都でベニシアさんと出会った。
何か2人おばあちゃんになっちゃった。
初めて会った時は…40年ぐらい前かな?うんうん。
30年前パートナーと共に長野の古民家に越してきた白沢さん。
今は1人詩作の日々を送る。
離れた場所から白沢さんを見つめてきたベニシアさん。
再会を待ちわびていた。
こういう風景がずっと残ったらいいけどね。
こういうワイルドな所があるっていう事驚いた。
ああ〜。
山がまだ向こう山で人間が全然いないじゃないですか真ん中にね。
新緑のアルプスってホントきれい。
是非ベニシアに見せたいとこいっぱいある。
おいしい。
この水どこの水?これ普通の水ですけど。
白い花が満開のリンゴ畑を抜けて今日泊まる宿へ。
ここもまたベニシアさんの友人が営んでいるという。
こんにちは。
こんにちは〜。
お久しぶりで〜す。
オーナーの…元気ですか?まあまあです。
全然変わらない。
変わらない?以前福田さんからハーブの講師として招かれたベニシアさん。
ここで使われるせっけんなどのレシピを教えた。
初めて会った時から意気投合したという2人。
ここが今日ベニシアが泊まる部屋です。
わあすてき。
景色がいいでしょう?景色すばらしい。
この壁もいい。
この壁は土壁?そう。
ここの土にわらともみ殻を交ぜて石灰を少し交ぜてやったんです。
かっこいい。
何か呼吸してるみたい。
何か森の中にいる感じでなかなかこういう経験できる人いない。
自然のままだから作ったものじゃないからいいよね。
そうそう。
手入れをした訳でもないしホントに自然のまんまだねここは。
かつて大阪から長野に移住した福田さんは鍼灸師だった。
自然こそが人を癒やすと確信して26年前に始めたこの宿。
およそ7万坪の敷地には宿泊施設だけでなく畑もある。
無農薬野菜の食事と森林浴でみんなに元気になってほしいと言う。
食っていうのはホント大事だと思います。
食事と運動とリラックスや睡眠というものが大事だという事で3本柱に考えて自分のライフスタイルを改善する事で自分の健康を自分で守れるようにしていこうという事です。
福田さんの考えに共感して集まった若いスタッフと共に敷地内の木材や石を使い建物も自分たちで造ってきた。
ユニークな福田さんの試みは口コミで広がりさまざまな人がここを訪れるようになった。
もう出来ましたね?出来ましたね。
ホントだ。
きれい。
前回訪れた時は建設中だったカフェ。
個性的で温かみを感じる出来栄えはベニシアさんが想像したとおり。
すごくいい。
だってこの木はここの土地から?ここに生えてたクリの木を使ったんだけど。
すごい味があるっていう感じ。
何かちょっとアジアの雰囲気もあるのね。
ちょっと行ってみましょう。
カフェの前にハーブ園を造った福田さん。
ハーブの先生ベニシアさんに見てもらう。
ハーブの手入れにいそしむのは…カフェで使う食材はここで育てていると言う。
何か結構葉っぱが大きいから。
これオレガノね。
オレガノ元気そう。
(矢口)オレガノ元気。
オレガノはピッツァの上に置いたらおいしい。
あとヘアリンスも出来るよオレガノ。
何の色が出る?赤い花が咲きます。
ホントの…赤が一番強い。
これレディスマントル?何でレディスマントルっていうか。
レディースは女でしょ?マントルはマント。
女の人の体を守るために。
子宮に問題があったらそれのお茶飲んだらいい。
でもすごくきれい。
色もきれいだしやっぱりここの空気がいいし水もいいし。
幸せなハーブよね。
場所がいいからね。
絵美ちゃんはねお野菜を使ったスコーンを作るのが上手なんだよね。
何の野菜入れるんですか?タマネギとニンジンとシイタケ。
聞いた事ない。
作ってくる?ちょっと習いたいな。
是非。
いつもは先生役のベニシアさん。
今日は教えてもらう事に。
野菜だけですね。
…で出来るの?お砂糖使わないで作ります。
シイタケは半分ぐらいにします。
ニンジン。
適当なんですけどこのぐらいの大きさで。
このままでいいですか?無農薬のニンジンだから皮も全部食べられます。
地元で取れた季節の野菜をスコーンに使う。
重ねに塩を少しだけ底にパラパラッとして塩と野菜の水分だけで火を入れるっていうところで味が薄まらないし甘みも全部引き出してパワーもあるっていう。
一番最初にキノコを入れます。
次にタマネギ。
野菜の性質に合わせて食材を交ぜずに重ねて鍋に入れる。
水を使わずに炊く事で野菜のうまみを最大限に引き出す。
弱火で20分。
置いとくだけ。
ふ〜ん。
ちょっと開けてみます。
わあ〜!水なしでこうなるのね。
すごいね。
生地には全粒粉と薄力粉ベーキングパウダーに菜種油を使う。
ミキサーにかけた野菜を生地に加え交ぜる。
これ大きい?軽くまとめる感じ。
大丈夫そう。
大丈夫?何かたこ焼きみたい。
一口大に丸め180℃のオーブンへ。
25分焼き上げれば野菜の香りが利いたスコーンの出来上がり。
頂きま〜す。
へえ〜すごい。
ヘルシー。
僕も初めて食べた。
ホント?でもここで作ってるみたいだけど。
食べさせてもらった事なかった。
みんなに結構任してるよね。
作ってるもの。
作る人の…何て言うんだろう作りたいものっていうか僕がこういうふうにって決めるよりもみんな作りたいもの作った方が楽しいよね。
ここ来たら若い人が面白いと思ってるね。
何かここ来たら散歩行きたいとか1週間でもやったら自分の中の体のバランスがよくなるからまた来たいとか自分でやりたいとか思うでしょ。
ふだん体動かしてなかったなという事を気付いたりとかやっぱりもっとゆっくりした方がいいんだなという事。
環境変わる事によって気付くっていうのがあるよね。
すごくそれ大事よね。
自分の体の声に耳を傾ける。
バランスが狂っているところはないだろうかと。
「僕と同じように森の魅力にはまった面白い人がいるよ」と福田さん。
誘われて近くの山に出向くベニシアさん。
いたいた。
あそこにいる。
文平さ〜ん。
頑張ってますね〜。
ちょっと友達を紹介しようかなと思ってさ。
京都から来たベニシアさん。
(槇野)初めまして。
初めまして。
木工家具を作っているんだけどすごい面白い家具で。
きこりではなく椅子を作る職人。
これはね椅子の材料にするんだけど。
これは何の木ですか?これはリョウブっていう木でね。
へえ〜初めて聞いた。
リョウブって使いやすいいい木なもんだからこれを目がけてよく取るんですよ。
手慣れた様子で次々とリョウブを切り出していく槇野さん。
ちょっと細めのこの木でどんな椅子を作るのだろうか。
槇野さんがリョウブを使って作った椅子。
この椅子をこよなく愛した人がいる。
本物を見抜く作家として知られる…原木の形を生かしたその風合いが気に入っていたという。
19歳の時旅をしながら自然の中へ飛び込んでいった槇野さん。
心落ち着ける生活を求め各地を巡りたどりついたのが長野の森の中だった。
やっぱり木がうっそうと生えている所をちょっとだけほんの住む所だけ切り開いてそういう所に住みたいなっていつも思ってたんだよね。
木に守られているというか春夏秋冬季節によって随分と木の表情が違ってきてるし。
何か木に囲まれてないと駄目ですね僕は。
森の中に住み木を生活のパートナーとして暮らしていきたいと木工の道へ進んでいった。
それから40年長野の木材と手作りにこだわり椅子を作り続けている。
これはクリなんですけどね。
ねらってる味というのがなかなか出ないし特にこういうタッチをつけるものは機械ではそんな機械ないでしょ。
一つとして同じ形のない木材から自分のイメージに合ったものを選んでいく槇野さん。
あとは自分の手を使いひたすら木と向き合っていく。
僕の場合は設計図があるようでないみたいな感じだからね。
作りながら考えるっていう事が多いですよね。
原木の形を生かした槇野さんの作風は設計図が作れない。
だから木に任せるところが多いと言う。
まっすぐじゃないでしょ。
だから「なんとかお願いします。
こっちの言う事聞いて下さい」っていう感じですよね。
ホントに言う事を聞いてくれないから木は。
「お前が勝手にやってるんじゃないか」みたいな感じだからね。
ホントに偶然が重なってぴったりうまくいったっていう事がたま〜にあるけどね。
そういう時はやった〜だけどね。
時間をかけて作った材料をくぎを使わずにつなぎ合わせる。
この瞬間はいつも緊張。
脚がうまくつながったら木と呼吸が合った証し。
一つ一つの木の個性を生かしながら出来上がった槇野さんの椅子。
他人の手に渡っていく時槇野さんの心には一抹の寂しさが宿ると言う。
翌日槇野さんの椅子を見てみたいと工房を訪れたベニシアさん。
自分で作ったから?そうですね。
何か大きい。
すごいいっぱい。
これ昨日の木ですね。
リョウブなんだけどね。
すごいな。
木のものの方が何か温かみを感じる。
何か呼吸してるみたいな感じするのね。
そうですね。
姿がこういう感じしてるからいかにも死んでるように見えるんだけどやっぱり生きてるよね。
だんだん味が出るでしょ?古くなるとね。
最近作ったのはねこの辺…。
これはちょっと先なんだけど。
これ何かイギリスの感じの…。
ロッキングチェアには漆が塗り込まれている。
ベニシアさんにとっては年齢を重ねた人しか座ってはいけない憧れの椅子。
素朴な感じね。
ちょっと座っていい?座ってみて。
おばあちゃんになって80歳になったら買いに来るかもしれないね。
ホントだね。
すごい。
でも何かあれやなあ。
居心地がいい。
そう?うれしいねえ。
やっぱり手でやってるから柔らかい感じする。
槇野さんが白洲正子さんのために作った正子椅子。
3本脚の椅子は木が変形してもがたつきにくくバランスがいい。
この後ろが面白いのね。
バランスがすごくいいんだよね。
バランスのために?ここがおかしくならないからね。
3本だとひっくり返るんじゃないって思うかもしれないけどそういう事ないよね。
ちょっと座ってみて。
これも気持ちいいね。
何か人間の体にフィットしてるみたいな感じよね。
そう言われるとうれしいな。
木の香りと椅子のぬくもりがベニシアさんを包み込む。
山々を眺めれば友の笑顔が思い浮かぶ。
確かに人も自然の一部なのだと改めて感じた旅だった。
2014/06/08(日) 18:00〜18:30
NHKEテレ1大阪
猫のしっぽ カエルの手「山々をながめて〜長野県〜」[字]
北アルプスの山麓に広がる長野県安曇野市。この旅ではベニシアさんと同じように手づくり暮らしを楽しむ友人たちを訪ねる。新たな出会いにも期待して、長野を旅する。
詳細情報
番組内容
ベニシアさんが、北アルプスの山ろくにのどかな田園風景が広がる長野県安曇野市を訪ねる。緑豊かなこの土地はどこか京都・大原を思わせ、親しみを感じる。今回は、ベニシアさんと同じように手づくり暮らしを楽しむ友人たちに会う旅。20人の仲間と共に、心と体を癒やすすてきな施設を森で営む福田俊作さん。その友人で、一本一本の木と向き合い、イスを作る槙野文平さん。山々をながめて暮らす人々とベニシアさんの心が通じる。
出演者
【出演】ベニシア・スタンリー・スミス,【語り】山崎樹範
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
趣味/教育 – 園芸・ペット・手芸
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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