奇跡の地球物語 京都宇治川の女性鵜匠に密着〜華麗な技を生み出す匠と鵜の絆〜 2014.06.08

かがり火が宇治川の川面を照らす。
京都の夏の風物詩鵜飼漁がいよいよ始まる。

(掛け声)
(舟を叩く音)掛け声とともに舟を叩く。
岩陰で寝ていた魚は驚いて動き回りかがり火を反射して光る。
それを鵜が捕らえるのだ。
平安時代皇室や時の権力者へアユを献上するために行われていたといわれおよそ1300年受け継がれてきた伝統漁法だ。
(掛け声)
(舟を叩く音)鵜匠は元々男性ばかりだったが今女性の鵜匠が各地に誕生している。
中でもここ京都宇治川にはキャリアを積んだ女性がいる。
鵜匠になって13年のベテラン澤木万理子さん。
伝統的な鵜飼を受け継ぎたいとこの道に入った。
宇治市の観光センターで事務の仕事をしながら日々腕を磨いている。
やっていくうちに鵜飼が…今私がやってるっていう事はずっとそれが続いてきたっていう事の大きさ…歴史の深さっていうのを感じるようになりましたしその中でじゃあ自分がやっていくっていう事がどういう事なのかなっていう部分も考えるようにはなりましたね。
澤木さんの師匠にあたる松坂さんは鵜飼に携わっておよそ60年の大ベテラン。
最初は…来た時ですか?来た時はちょっとか弱いしどうかなとは思うたけどなかなか根性あった。
根性でやってきたんやと思うわ。
動物好きやし。
おおかた一人前でっしゃろ今は。
そしてそんな澤木さんに憧れて9年前にこの道に入ったのが江洋子さんだ。
鵜って本当に…なんだろう?人との関係にもすごい似てて…。
知らん顔してたらやっぱり知らん顔するし嫌な事したら嫌われるし。
でずっと見てたらだんだんわかるし。
もしかしたら片思いの部分も多いとは思うんですけど。
鵜匠は毎日鵜の世話を焼き信頼関係を築いていく。
宇治川の中州に建てられた鵜小屋。
ここに通うのが2人の日課だ。
(澤木さん)ほらおいで。
(澤木さん)この中で14羽の鵜を飼育してます。
(松坂さん)はいおいで。
はいおいで。
(澤木さん)1日ねこれで全体で4キロぐらいあげてますね。
(スタッフ)あげる魚はなんですか?
(澤木さん)これはねハスっていう川魚とあとアジ。
海の魚とか。
(鵜の鳴き声)なんやねん。
フフ…。
はいアジです。
イタタタタ…噛まない。
そりゃそうやな。
1日1回の楽しみやもんな。
餌の魚は1羽につき5〜6匹。
鵜が少しでも慣れるように直接手から与えている。
(スタッフ)魚は丸飲みなんですか?
(澤木さん)そうです。
もうそのまんま。
頭から飲み込んでしまいます。
「鵜呑み」っていう言葉のとおりですよね。
鵜飼漁で活躍するのはウミウ。
ペリカンに近いグループで体長はおよそ90センチ体重は3キロほど。
青い目と長いくちばしが特徴の海鳥だ。
あと鵜の特徴としては足の水かきですね。
カモの水かきは3本の指に2枚。
一方鵜の場合は4本の指に3枚の水かきがある。
この幅広い水かきによって上手に泳ぐ事が出来る。
泳ぎ方も独特だ。
まるでイルカのドルフィンキック。
器用に羽をたたみ水の抵抗を減らし素早く移動する。
そのスピードは秒速1.6メートル。
水中を泳ぐ鳥の中で最も速いといわれるペンギンに匹敵するスピードだ。
実は鵜の生態にはいまだに謎が多い。
人工で繁殖する事が出来ないため野生の鵜を捕まえ訓練する。
鵜に限らず保護のため基本的に野鳥の捕獲は禁止されているが鵜飼など伝統文化を受け継ぐために欠かせない鳥は例外的に捕獲が認められている。
県から特別な許可を受け捕獲が許されている茨城県日立市。
日本で鵜飼に使われる鵜はほとんどここで捕獲されている。
貴重なウミウは鵜匠がトレーニングして鵜飼の鵜に育て上げる。
野生でしかも警戒心が強い鵜と人間が信頼関係を築くのは至難の業だ。
キャリア13年の澤木さんでもいまだに鵜の扱いには気を使う。
こうして手の上に乗るほど人間に慣れるのは限られた鵜だけなのだ。
(江さん)新入り。
この2羽ですね。
手前の2羽。
今年5月新たに2羽の鵜が澤木さんたちのもとにやってきた。
8年ぶりに加わった新米の鵜だ。
目標はこの夏のデビュー。
うん。
期待出来ますね。
フフフ。
(澤木さん)うまい事慣れていってくれたら夏一緒に舟乗ろうねっていう感じ。
訓練は道具の装着に慣れる事から始まる。
(澤木さん)危ない危ない危ないはい。
これがね追い綱って言ってるんですけれども…。
鵜飼をする時に鵜に装着させる紐です。
新米の鵜はまずこの追い綱の装着に慣らす事が必要だ。
師匠が首を押さえ澤木さんが追い綱を結んでいく。
(澤木さん)そんなきつうは括らへんからな。
でも逃げへん程度に。
こっち向かんといてや。
小突かないでね。
この子まだおとなしいほうやから…。
(澤木さん)出来た。
はい。
はいはいはいはいはい…。
おとなしくして。
おとなしくしなさい。
大丈夫大丈夫大丈夫はい大丈夫大丈夫…。
最初は興奮した様子だったが次第に落ち着きを取り戻した。
この新米の鵜は鵜飼の適性があるのかもしれない。
次に向かったのは宇治川。
追い綱を装着したまま初めて川に入れる。
どうでしょうね?この綱つけてどんだけ泳げるか。
下手くそやったら裏返ったりするしね。
はいほら行け!どんなに優秀な鵜でも最初はうまく泳げない。
(江さん)泳げへんな。
(澤木さん)ああひっくり返ってる。
あっ引っかかったな。
綱が絡んでひっくり返ってしまった。
(江さん)よいしょ…。
(澤木さん)泳ぎづらいな。
絡まんようにせなあかんな。
潜って魚獲ろうっていう感じではないですね。
追い綱をつけたまま自由に泳げなければ魚を獲る事は出来ない。
慣れるまで少しずつ訓練を続ける。
訓練が長すぎると鵜がやる気をなくし逆効果になる。
様子を見て早めに切り上げる。
これを根気よく繰り返し慣らすのだ。
(鳴き声)痛っ!ああ…きた。
(澤木さん)怒ってるの?まだまだ難しそう。
宇治川の鵜飼は6月14日から9月21日まで。
新米の鵜は夏のデビューまでに間に合うのだろうか?解禁を10日後に控えた6月3日。
本番直前の実践トレーニングをする日がやってきた。
澤木さんと江さんも鵜匠としての正装で現れた。

(シャッター音)
(能年)なんか夢中になって画面しか見えなくなる感じが気持ちいいです。
あっまつ毛。
EOSM2
まつ毛がある。
(シャッター音)
(能年)あっ失礼します。
なんかかっこいい。
(シャッター音)ああ速い。
タッチ。
(シャッター音)
(シャッター音)すげー。
EOSM2
ぴゅーん。

SNSの写真そのままだといいね。
ですが
(観客)うんうん。
「PIXUS」でプリントすると
(無音)
(桐谷)いいね〜!
…になります
タブレットからもう一度
いいね〜!!
もちろんカメラからも直接
(無音)やっぱりいいね〜!!
(拍手・歓声)
どんな写真もカンタンキレイ
京都宇治川の鵜飼。
1300年の伝統を受け継ぐ女性鵜匠澤木万理子さんと江洋子さん。
本番に向け鵜たちの実践トレーニングの日がやってきた。
まあ多分やれば思い出してきます。
毎年の事なんで。
鵜のトレーニングと言いながらむしろ私たち鵜匠のトレーニングですね。
この独特の出で立ちは鵜匠の正装だ。
頭に着けているのは風折烏帽子。
かがり火の火の粉を避けるとともに素材の麻が電気を通しにくい事から夏に多い落雷避けのお守りでもあるという。
解禁前は夜に鵜を放つ事が出来ない。
直前でも訓練は昼に行われる。
ベテランの鵜に鵜飼の方法を思い出させる。
一人の鵜匠が操る鵜は6羽。
難しいのは綱を絡ませない事だ。
鵜も自由にそれぞれが泳ぐのでやっぱり絡んでくるんですよ。
絡むとどんどん鵜が泳げる範囲っていうのが短く…狭くなってしまって当然潜りにくくもなるし。
なので綱は常にさばいて一番長いいい状態で鵜が泳げる状態を作らないといけないから…。
(澤木さん)難しいですね。
広がりを持たせて放射線状に鵜を持っていくのが一番きれいかな効率がいいかなと思うんですけれどもそういうふうにするのにはやっぱりそこそこ時間と経験していかないと出来ないかなと思います。
魚を捕らえた鵜を引き寄せる。
鵜匠は何を合図に鵜を引き寄せるのだろうか?この鵜はのど元が袋状になってるんでのどに魚を溜めておく事が出来るんです。
実際食べさせてみると…。
はい。
はい。
はいどうぞ。
はい。
もうちょっと食べる?はい。
何個食べるの?まだ食べる?はいだいぶのど膨らみました。
はい。
今のどの付け根のとこが紐で括ってあるので今食べた魚は全部のど元に溜まってます。
アユなどの小型の魚なら一度に10匹ほどのどに溜める事が出来るという。
鵜匠は鵜飼の時に鵜の首元を見て引き揚げるタイミングを計っているのだという。
首に沿って太い食道が走りこれが広がる事で魚を溜める事が出来るのだ。
魚を獲るために鵜が採用されたのには他にも理由がある。
例えば同じ水鳥のカモ。
カモは体の大部分が浮かんでいて水に潜る事は出来ない。
一方鵜は水面から首が出ているだけで体はほとんど水中に沈んでいる。
この違いはどこからくるのだろうか?専門家に聞いた。
鵜の羽毛は水にすぐ濡れるようになってるんですね。
そのために羽毛の中の空気が追い出されて浮力が少なくて体が下に沈んで見えるわけです。
浮力の少ない体は水の中での動きをより自由なものにしてくれる。
水中で魚を捕まえるため鵜は独自の進化を遂げたのだ。
水中で魚を捕まえる能力に長けたウミウ。
ただしその力を最大限に引き出す事が出来るかどうかは鵜匠の腕次第だ。
今年やってきた2羽の鵜が訓練を始めて3週間。
解禁日直前綱をつけた状態で魚を獲るトレーニングがスタートした。
果たして結果は…?
(シャッター音)
(妻夫木)僕は…。
なぜわかったんですか?…影?
(シャッター音)
(シャッター音)
EOS70D
(男性)今日は写真と言葉で想いを届けるフォトレターを作ります。
気持ちをまっすぐ伝えることの大切さを感じてほしい
そんな願いを込めて私たちはフォトレター出張授業を行っています
(女の子)いつもおいしいご飯を作ってくれるのでフォトレターで感謝の気持ちを伝えたいです。
(一同)ありがとう!
「PIXUS」で「想い」を届けよう!
今年5月に宇治川にやってきたばかりの新米の鵜2羽が初めて魚を捕獲する訓練に入った。
(江さん)おっ!この間よりましじゃ。
(澤木さん)うんそやそやそや。
あんた前よりバランスよくなったやん。
おっおっおっおっおっおっいい感じ。
ちょっと落ち着いてますもん。
追い綱にもちょっと慣れてきたかな。
追い綱をつけての泳ぎにも慣れたので次のステップ餌の魚を投げてみる。
魚放ってみる?
(江さん)探すか?探すか?そしてついにその瞬間が訪れた。
(江さん)おお食いよった食いよった!
(澤木さん)そうやそうやっていくねんで。
(江さん)いったいった…!
(澤木さん)食べた食べた…。
(江さん)よっしゃ潜る潜る!潜る潜る!
(澤木さん)当たり前や鵜やし。
(江さん)当たり前やけど。
探すか?いけるか?おおやるやん!見事に水中の魚を捕らえた。
よしおいで。
2羽とも大量の魚をのど元に蓄えていた。
(澤木さん)よしよしよう獲ったよう獲った。
ぎょうさん獲ってきたな。
思った以上に慣れるのが早かった。
うん。
このまんま順調にいったら川開きにも使えるやん。
ねえ。
(江さん)うん。
楽しみになってきた。
(江さん)今日はいい日ですよ。
2羽とも成長が早い。
うまくいけば解禁日にデビュー出来るかもしれない。
澤木さんたちの期待も膨らむ。
最後に2人に鵜飼そして鵜の事について聞いてみた。
確かに魚を獲るだけ考えたら鵜飼じゃなくて他のやり方をしたほうが効率はいいとは思うんだけど…。
(江さん)効率だけじゃなくて理にかなってる部分。
そして見て美しいっていう視覚も含めてそれはやっぱり…。
今は観光用にやっているけれどもこういう漁法があるんだよっていう事はずっと伝えて…日本人として伝えていきたいですよね。
家族のような存在でもあるし仕事の…一緒に仕事をしてますから仕事のパートナーでもありますしかけがえのない存在ですね。
一緒に仕事をしててもやっぱり毎日違うんですよ。
鵜とともに一緒に成長していってるのかなって思います。
1300年の歴史が育んできた鳥と人間の共同作業。
いよいよ京都に夏の到来を告げる鵜飼が始まる。
今年の解禁日は今週末6月14日だ。
伊勢志摩の風物詩海女漁が最盛期を迎える。
親子三代にわたって海女を続ける一家に密着。
水深6メートルを一気に潜りアワビを獲る。
次回『奇跡の地球物語』海女家族三世代で挑むアワビ漁。
2014/06/08(日) 18:30〜18:56
ABCテレビ1
奇跡の地球物語 京都宇治川の女性鵜匠に密着〜華麗な技を生み出す匠と鵜の絆〜[字]

京都の夏の風物詩、宇治川の「鵜飼」。その宇治川で鵜を巧みに操る女性鵜匠に密着。鵜の生態を知り尽くすからこそ成せる華麗なる技に迫ります!

詳細情報
◇番組内容
京都宇治川の夏の風物詩「鵜飼漁」が、来週から始まる。かがり火が照らす宇治川で、鮮やかな手つきで綱をさばき、鵜を操る2人の女性鵜匠。日々の飼育から訓練まで、鵜の一生に責任をもって育て上げる鵜匠。日本伝統の華麗な技の裏側にある鵜匠と鵜の絆に迫ります!
◇番組内容2
古代のミステリーから日常のふとした疑問まで、人間を取り巻くあらゆる物事を最先端科学で紐解いていく…。明日誰かに話したくなる、新しい発見がいっぱいの番組です。
◇出演者
【ナレーター】山寺宏一
◇おしらせ
☆番組HP
 http://www.tv-asahi.co.jp/miracle-earth/
◇おしらせ2
この番組は、朝日放送の『青少年に見てもらいたい番組』に指定されています。

ジャンル :
バラエティ – その他
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
ドキュメンタリー/教養 – 宇宙・科学・医学

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日本語
サンプリングレート : 48kHz

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