軍師官兵衛(23)「半兵衛の遺言」 2014.06.08

天正7年11月有岡城はついに落城。
官兵衛は家臣たちの手で救出された。
(善助)お道〜!お道!殿はご無事じゃ。
湯を持て!どんどん沸かせ!
(お道)殿!
(文四郎)殿!
(九郎右衛門)お道殿!ただいま!姫路に早馬を!
(官兵衛)皆…。
大儀であった…。
(太兵衛)殿…。
(九郎右衛門)案ずるな。
ご無事じゃ。
(職隆)光!光!
(光)いかがなされましたか?
(職隆)官兵衛が…救い出された。
無事じゃ。
今は善助たちの手の内にある。
(泣き声)
(職隆)光!
(テーマ音楽)
(一同)キャ〜!
(武将)奥方ならびに荒木殿のお身内は上様の命により京へ連れてまいる。
立ちませい!さあ立たれよ!おい来い!立て!さあ急ぐのだ!急げ!
(だし)お別れです。
達者に暮らすのですよ。
きっとデウス様がお守り下さいます。
奥方。
だし様…。
だし様!だし様!
(村次)母上はじめ城に残っていた者は全て織田方に捕らわれました。
(村次)父上!あ…み…水を…。
殿…。
お目覚めでございますか?光…。
はい。
助かったのだな…。
…はい。
(せきこみ)水を…。
はい。
早く水を…水を…。
(善助)殿水にございます!殿!お目覚めじゃ!
(お道)殿…。
(太兵衛)殿!…有岡城は?落城致しました。
城に残っていた者は全員織田方に捕らえられ恐らくだし様も…。
(太兵衛)うわごとに申されていた牢番のせがれは救い出しました。
(お道)奥で休ませております。
そうか…。
(鳴き声)羽柴様!
(秀吉)官兵衛…。
羽柴様…。
お主…誠官兵衛か?こんな姿になって…。
よう生きておった…。
よう生きておった!ハハハハハハハ。
官兵衛…。
秀吉様…。
何じゃ?三木城は…?こんな体になってもまだ戦場の事を気にするか?
(秀吉)まだ落ちてはおらん。
しかしお主と半兵衛の策に従って城を囲みもはや兵糧は尽きておる。
落城まであと僅かじゃ。
…半兵衛殿は?半兵衛は…死んだ。
半年前じゃ。
平井山の陣所で…。
半兵衛は…最期までお主の事を気にかけておったぞ。
回想
(半兵衛)これからは…何事も官兵衛をお頼り下され。
(秀吉)官兵衛今から上様に会いに行く。
今から…?そうじゃ。
上様はいまだにお主が裏切ったと信じ込んでおる。
何としても一刻も早く上様のお疑いを晴らさねばならぬ。
(信長)何用じゃ?猿。
はっ。
有岡城にて思わぬ拾い物を致しました。
拾い物?はっ。
頼む。
はっ。
黒田官兵衛にございます!
(秀吉)官兵衛は荒木村重により有岡城の地下牢に1年にわたり幽閉されかような姿に成り果てました。
この姿をご覧になればお分かり頂けたと思います。
黒田官兵衛決して裏切ってはおりませぬ!上様何とぞ官兵衛の事をお許し願いとう存じまする!許す。
ありがたき幸せ!官兵衛。
わしはそちにわびねばならぬ事がある。
恐れながら!上様実はいま一人お目通りを願っておる者がおります。
小六!
(松寿丸)父上!私松寿です!し…松寿か…?はい松寿です。
松寿…。
父上!松寿…。
松寿…。
父上…。
(泣き声)父上!松寿!父上!ご覧のとおり松寿丸は生きております。
殺さずに匿ったのは今は亡き竹中半兵衛にございます!この松寿丸の事も併せて何とぞ何とぞお許し頂きとう存じまする!半兵衛め…。
わしをたばかったか…。
さすがは希代の軍師…。
死してなおこの信長を手玉に取ったか。
(秀吉)はっ!よかろう。
わしの負けだ。
官兵衛。
許せ。
猿。
はっ。
官兵衛を手厚く介抱してやれ。
(秀吉)ありがたき幸せ!父上!若…。
若…。
よくぞご無事で…。
本当にようございました。
全て竹中様のおかげだ。
半兵衛殿…。
よかった。

(秀吉)おね!おねおね!
(おね)はい!お帰りなさいませ!ご首尾は?ハハハハハハハ全てうまくいった!よかった!官兵衛殿は大事ありませぬか?1年も牢に入れられて…。
まるで化け物じゃ。
うわっ。
元に戻るまでしばらく時がかかるであろう。
されどあやつには頼もしい家来がついておる。
心配ご無用じゃ!ハハハハハハハハハハハハ。
あ〜全ては半兵衛殿のおかげですね。
己が死んだあとの事まで全て見通しておった。
あっぱれな男よ。
はい…。
なれどお前様にはまだ官兵衛殿がおります。
二度と官兵衛殿を手放してはなりませぬぞ!分かっておる。
おね。
はい。
お前も離さんぞ!ちょっとお前様!官兵衛は弱った体を癒やすため湯治場として名高い摂津の有馬に身を寄せていた。
この有馬の湯は肌にもよい上膝にも効くといわれております。
きっと以前のようなお体に戻られるでしょう。
うわっ…うわっ!うわ〜っ!開けてくれ〜!誰か〜!誰か開けろ〜!うわ〜っ!うわ〜っ!殿!いかがなされました!?うわ〜っ!殿!大事ありませぬか?
(右近)だし様…。
だし様!右近様…。
(右近)お会いしたかった。
村重様を裏切った私があなたに合わせる顔もありませぬが…。
今となってはどうでもよい事。
殿はどうしておられますか?尼崎城に籠もったままで…。
村重様の事恨んでおいででしょうな。
いいえ。
これも定めでございます。
殿には私の代わりにいつまでも生き続けて頂きとう存じます。
官兵衛様はご無事でしたか?ご家来衆に助け出されたようです。
それはよかった。
ずっと気になっておりました。
死ぬのは…ここにいる荒木の一族だけで十分。
女子どもには罪はありませぬ。
上様に助命をお願いしております。
決して諦めてはなりませぬ。
殿の足は…もう元には戻らんかもしれん。
くそ!もっと早くお救いしていれば…。
(九郎右衛門)何を言うておる。
殿の足が戻らんのならわしらが生涯をかけ殿の足になればよい。
分かっておる。
歩かれますか?あっ…。
光…。
殿…。
よくぞ…ご無事で…。
何故…?矢も楯もたまらず…来てしまいました。
(松寿丸)母上!松寿!母上…。
松寿…。
松寿!母上!松寿…。
母上…。
松寿…。
母上…。
松寿…。
前代未聞の成敗が行われた。
なんて事を…。
(荒木)何事じゃ!
(村次)父上!キャ〜!
(泣き声)
(子どもたち)キャ〜!わしは信長には負けぬ…。
断じて負けぬ…。
断じて負けぬ!負けぬ…負けぬ!今何とおっしゃいましたか?昨日の事です。
尼崎城外でおもだった者122名を磔とし残った500人余りを家4軒に押し込め火を放ち焼き殺してしまいました。
そんな…。
上様のお怒りは尋常ではございませぬ!もはやなすすべがございませぬ。
これが…裏切りの報い…。

(一益)摂津での仕置きは滞りなく終わりました。
村重に見せつけたか?はい。
(光秀)これで村重への見せしめは十分でございます。
京へ連れてまいった荒木の一族はほとんどが女子ども。
恐れながらこの上の殺生はおとどまりを!
(信長)村重とその一党は城を捨てて逃げた。
武士にあるまじき卑劣な行い。
罰を与えねばならぬ。
女子どもであろうが見逃す訳にはゆかぬ!
(信忠)されど中にははらみ女もいるとの事。
それがしの妻もみごもっております。
それがしに免じて何とぞ女子どもだけでもお許し下さいますよう…。
(信長)信忠!さような事で天下を治められるか!…はっ。
(信長)荒木の一族郎党は草の根分けても捜し出し根絶やしにするのだ。
(一同)はっ。
なんと美しい…。
おかわいそうに…。
なあ。
(さと)だし様!
(兵1)声かけるな!
(兵2)よい。

(泣き声)何も怖くありませんよ。
すぐに終わります。
(子どもたちの泣き声)
(「InParadisum楽園にて」)
(一同の歌声)イエズスマリア…イエズスマリア…イエズスマリア。
殿…。
えいっ!
(一同)キャ〜!
(泣き声)12月16日。
だしをはじめ荒木村重の一族36人が京の六条河原で処刑された。
(村次)父上!父上!父上…。
母上が…。
(雷鳴)わしは信長には負けぬ…。
断じて負けぬ!
(雷鳴)あ〜っ!
(雷鳴)信長〜!あ〜っ!
(泣き声)その後荒木村重は城を捨て逃亡した。
その行方はようとして知れなかった。
わしは負けぬ!終わりだ。
太兵衛。
(太兵衛)はい。
殿諦めるのが早うございます。
しかし…。
太兵衛!…はい。
(善助)殿!
(善助)高山右近様よりお使者が参られました。
だし様が…京の六条河原にてご成敗と相なりましてございます。
殿はさぞかしご心痛であろう。
(太兵衛)ああ。
いま一歩でという時にのう。
(九郎右衛門)いま一歩?
(太兵衛)殿の足はどんどんよくなっておる。
元のようにとはいかぬだろうがいずれご自身で歩けるようになろう。
(善助)お前に分かるのか?毎日朝から晩まで肩をお貸ししております。
あとは殿のお気持ち次第という事か。
うむ。
あ〜。
あ…あ…。
あ〜。
殿…。
あ…あ〜。
殿!あっ!殿…。
随分とうなされておいででした。
眠るとわしは…あの土牢におる…。
じめじめとし…虫がはい回り…わしは一生そこから出る事はかなわぬ…。
殿!心を土牢の中に置いてきたかのようだ。
こんな足では…もう馬にも乗れぬ…。
以前のわしにはもう戻れぬ。
戻れずとも…殿は殿でございます。
気休めを申すな!こんなざまでは…戦場では何の役にも立たぬ。
わしは…わしはもう…。
殿。
九郎右衛門が松寿を連れて姫路へ戻ると申しております。
殿のお加減もよくなられたようなので一足お先に。
分かった。
父上姫路に戻る前にお渡ししたいものがございます。
軍配?竹中半兵衛様からお預かり致したものです。
最後にお別れする際に父上に渡してほしいと。
半兵衛殿が…?半兵衛様はご自分の命が長くない事を悟って自らの思いをこの軍配に込められたのでしょう。
それを受け継ぐ者は殿のほかにおりませぬ。
回想
(半兵衛)ただ最良の策を考え実行する。
そのため嫌われ憎まれ命を落とす事があってもそれこそが軍師というもの。
後を継ぐのはお主しかおらぬと思っておる。
半兵衛殿はわしにまだ働けと申されるか…。
殿。
殿。
父上。
光…。
はい。
養生は終わりだ。
はい。
姫路へ戻るぞ!
(善助太兵衛九郎右衛門)はっ!年が明けた正月。
官兵衛たちはそろって姫路城に戻った。
(善助)殿ご帰館おめでとうございまする!
(一同)おめでとうございまする!官兵衛…。
よくぞ戻った。
(休夢)この日を…待っておったぞ。
父上叔父上。
ご心配をおかけし申し訳ございませぬ。
足は…大事ないか?皆の者心配をかけた。
皆も知ってのとおり…わしは以前のようには動けぬ。
(善助)殿!我らにお任せ下さいませ!お使い下さいませ!
(家臣1)わしらもおりまする!
(家臣2)殿についてまいりまする。
(家臣一同)殿!
(家臣一同)殿!頼むぞ!
(一同)はっ!半兵衛殿…。
黒田官兵衛様ご着到にございまする!秀吉様!官兵衛!長らく留守を致し申し訳ございませぬ。
官兵衛…。
(蜂須賀)もうよいのか?はい。
(小一郎)よく戻ったな。
皆の衆官兵衛が戻ったぞ!
(一同)オ〜!さあ官兵衛!佐吉。
官兵衛じゃ官兵衛じゃ!
(三成)はっ!残るは小寺でございます。
(政職)逃げる。
(信長)どこへ逃げてもお主の首をはねてやる。
(政職)許してくれ官兵衛!何故官兵衛を!あ〜!地獄からの使者として参上つかまつりました。
立ち去れ!わっ!黒田の者は皆命の重みをかみしめ共に力強く生き抜いていくのだ!
古くから名湯として知られた有馬温泉。
戦国時代には刀傷などの療養のため多くの武将が訪れました。
中でも秀吉は滞在のための宿湯山御殿を建てるほど足しげく通っています
天正7年有岡城から救出された官兵衛は池坊左橘右衛門の屋敷に身を寄せ衰弱しきった体を癒やしたと伝わっています
官兵衛はその後も湯治に有馬を訪れました。
7日間で11回も湯へ入った事からは温泉の効能を頼みとしていた事がうかがえます
官兵衛再起の地有馬温泉。
これから秀吉との二人三脚が始まります
2014/06/08(日) 20:00〜20:45
NHK総合1・神戸
軍師官兵衛(23)「半兵衛の遺言」[解][字][デ]

救出された官兵衛(岡田准一)は、光(中谷美紀)と再会するが、心と体の重い後遺症に苦しむ。一方、信長(江口洋介)は、だし(桐谷美玲)ら荒木一族の処刑を命じる。

詳細情報
番組内容
官兵衛(岡田准一)は救出され、療養先の有馬温泉で光(中谷美紀)との再会を果たす。秀吉(竹中直人)は官兵衛を信長(江口洋介)のもとに連れていき、謀反の疑いを晴らすことに成功する。一方、村重(田中哲司)から見捨てられた、だし(桐谷美玲)ら荒木一族には信長から過酷な処分が下る。幽閉の後遺症で心身の傷が癒えず自暴自棄になる官兵衛だったが、思いがけぬ形で亡き半兵衛(谷原章介)から戦陣復帰の決断を迫られる。
出演者
【出演】岡田准一,中谷美紀,谷原章介,内田有紀,春風亭小朝,生田斗真,田中哲司,桐谷美玲,濱田岳,速水もこみち,高橋一生,田中圭,勝野洋,阿知波悟美,ピエール瀧,嘉島典俊,川野太郎,立川三貴ほか
原作・脚本
【作】前川洋一

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
ドラマ – 時代劇

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
サンプリングレート : 48kHz

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