自ら海に入り手鏡を太陽に向けその光をカメラのレンズに反射させる写真家。
光時間をテーマに制作を続ける…蛍のような生き物の光なのか。
佐藤の作品は白昼夢を目にしたような不思議な感覚へいざないます。
特異な光を使って詩情豊かな映像美を撮り続ける佐藤時啓の展覧会です。
階段に伸びる細長い光の線。
リズミカルに人が上り下りするような光景。
一体どのような方法で光を捕まえたのでしょうか。
まずカメラのシャッターを開放にし長時間の露光で撮影します。
手にしているのはペンライト。
暗闇の中カメラのレンズの前で思い描く光を表現していきます。
体の動きがそのまま光の線となって写し出されます。
作品にはペンライトの軌跡だけが現れています。
そこには佐藤の姿はありません。
長時間露光は強い光を放つものか被写体が静止していないとフィルムに写らないのです。
光の痕跡は佐藤が居た存在の証し。
経過した時間の厚みも表現されています。
少しずつ角度を変えて撮影された24枚の写真。
360度の景色が写し出されています。
手製の撮影装置。
24個の長方形の箱はピンホールカメラになっています。
光がさし込み景色を写し出します。
撮影する場所の存在感をいかに写し取るか。
佐藤はさまざまな手法で試行錯誤を続けてきました。
佐藤が捉えた光は強さや形が一つ一つ違い意のままにならない面白さを見いだしています。
光や時間が積み重なり詩情に満ちた写真が生まれます。
光を反射させながら作っている途中に割と自分にとっては意味があるんですね。
自分自身が生きてる事というのが当然ながら作品のテーマの根底にあるんですけど心臓が毎日少しずつ動いていて呼吸を繰り返してというその何というかすごく単純な事単調な事その事を根底にして表現ができないかなという事ですね。
生涯長野の風景を描き続けた画家奥田郁太郎の展覧会が開かれています。
長野県の北西部白馬村。
白馬岳を望む田園風景です。
秋の刈り取りのあとの作業にいそしむ人々。
こちらも同じく白馬村。
白く輝く白馬岳を背景に春の田植えが始まろうとしています。
清らかな湧き水が豊富な安曇野。
人々の営みと雄大な自然が一体となった日本の原風景です。
この長野の自然と人を愛したのが奥田郁太郎です。
明治の終わり東京・日本橋で生まれた奥田。
画家を志し洋画家安井曾太郎に師事します。
しかし戦後すぐに中央画壇を離れ制作の場を長野県の白馬村に移します。
幼い頃父親と山歩きをした鮮烈な記憶が山への強い憧れとなりました。
窓の外に大きなつらら。
青白い冬の光を受ける少女。
奥田は厳しい寒さの中で生きる人々の強い心に触れていきます。
信州には道祖神が点在し通行する人々を見守っています。
奥田が好んで描いた題材です。
れんげに囲まれた道祖神。
奥田は喜びの言葉を残しています。
「春は突然やってくる。
せきとめられていたものが溢れ出る勢いでそれは小さな洪水の様な春だ」。
奥田は自分の絵について至って未熟であり唯一子供時代の山への感動が絵を描かせているのだとも語っています。
蓮の花が描かれた焼き物と写真家六田知弘の蓮の写真が同時に並ぶ展覧会です。
朝鮮時代に作られた俵形のつぼ。
蓮は吉祥文様として描かれています。
揺れる蓮は生気に満ち鳥は男性魚は女性。
子孫繁栄の願いが込められています。
六田の写真は風に揺らぐ蓮の姿を捉えています。
太古の人々が蓮に込めた祈りが写し出されているようです。
お菓子のデコレーションをモチーフに制作する現代アーティスト渡辺おさむの展覧会です。
渡辺は身の回りのものに食品サンプルを作る技術を使ってデコレーションを施します。
伝統ある縁起物にも。
だるまを覆うのはカラフルなロールケーキやマカロンです。
身体にまつわる表現を通して作品の奥深くにある美しさに着目した展覧会です。
小谷元彦のドレス。
三つ編みにした髪の毛で作られています。
この一本一本に持ち主の記憶がとどめられています。
おびただしい水玉模様が人の魂を思わせる草間彌生の作品。
この世とあの世をしなやかに漂う魂を表しています。
フランスアンフォルメルの先駆者ジャン・フォートリエ。
没後50年日本で初めての本格的な回顧展が開かれています。
フォートリエは19世紀末パリに生まれ早くから絵の才能を発揮していました。
デッサンの名手でもありました。
年老いた女性を過剰な陰影をつけて描いています。
次第に伝統的な絵画に反感を抱き画壇から遠ざかります。
第2次大戦中ドイツ軍のパリ占領をきっかけに連作に取りかかります。
「人質」のシリーズ。
ふ虜となり虐殺拷問された人々を描いています。
キャンバスの上に紙を貼り絵の具が分厚く塗られた独特の質感。
半ば抽象化した表現は絵の具をそのままぶちまけるような物質感が強くなります。
フォートリエの新しい表現は当時生まれた絵画の潮流「アンフォルメル不定形なるもの」の先駆者として後世の美術に大きな影響を与える事になりました。
近代の日本画家30名による展覧会が開かれています。
明治維新以後急激な西洋化の中で新しい日本画を創造した画家たち。
橋本雅邦は狩野派の伝統的な技法を基礎に西洋絵画も積極的に学びました。
羽を淡い墨の線で表しています。
雅邦は東京美術学校の初代教授として育成に励みました。
初め京都で学んだ川合玉堂。
後に雅邦の門下生となりました。
雅邦譲りの豪快な筆遣いで表した松の木。
一方鷹は京都で学んだ写実的な描写。
2つを巧みに融合しています。
小林古径は古典絵画の研究と写生を重んじました。
朽ちた葉には琳派特有のにじみを生かしたたらしこみの技法。
簡潔な形や厳しい線描で瀟洒な日本画を次々に生み出しました。
2014/06/08(日) 20:45〜21:00
NHKEテレ1大阪
日曜美術館 アートシーン▽佐藤時啓 光—呼吸 そこにいる、そこにいない展 ほか[字]
「佐藤時啓 光—呼吸 そこにいる、そこにいない」(東京都写真美術館 5月13日〜7月13日)ほか、展覧会情報
詳細情報
番組内容
「佐藤時啓 光—呼吸 そこにいる、そこにいない」(東京都写真美術館 5月13日〜7月13日)ほか、展覧会情報
出演者
【司会】井浦新,伊東敏恵
ジャンル :
趣味/教育 – 音楽・美術・工芸
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
情報/ワイドショー – その他
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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