ソロモン流【賢人:大野和彦】 2014.06.08

(船越)大都会に面した東京湾。
実は魚の宝庫で漁師町もたくさんあるってご存じでしたか?東京からほど近いここ船橋もその一つ。
実にスズキの水揚げ量は日本一で今江戸前の船橋スズキに注目が集まっているんだそうです。
今宵は旬のスズキを追い求める船橋漁師に密着。
江戸前漁を次世代へとつなぐその心意気に迫ります。
それでは始めましょう。
賢人の生き方には明日のヒントがきっとあります。
時代を切り開く賢者の鍵を回せば人生の謎が解き明かされるだろう。
進むべき輝く未来へ。
江戸の前にあることから江戸前と呼ばれた東京湾の魚。
颯爽と波をかきわけ2隻の船で追い詰めます。
待ち受ける江戸前の魚たちは逃げようと思っても逃げられません。
寿司ネタとして愛されてきた江戸前の魚。
それを親子代々6代に亘って獲り続けてきた漁師東京が誇る郷土料理もちろんネタ勝負。
都内の人気店を訪ねてみました。
大野さんの魚評判は?これから旬のすすぎ洗いしたようなきれいな身だからその名がついたといわれる美しい魚。
味は淡泊で深いコクがあります。
いかがですか?イタリアンならカルパッチョ。
フレンチならポワレ。
大野さんのスズキを使うお店はあとを絶ちません。
期待に応えるため徹夜の奮闘を続ける脇を固めるのは14人の凄腕漁師軍団。
高齢化が進む漁師の世界で若いパワーを見せつけるツワモノたちなのです。
(かけ声)大野さんの役割は3隻の船を束ねるトップ。
それと同時に漁業会社海光物産の社長です。
スズキの水揚げ高日本一の船橋でその4分の3を占めるというから驚き。
辿り着いたのが業界注目の新技術。
鮮度を逃さない独特の方法で最大限旨みを閉じ込めます。
瞬〆と呼ばれる10秒の魔法とは?船橋を盛り上げるのはふなっしーと大野さん率いる漁師軍団。
江戸前にこだわり情熱を燃やす日本一の漁師大野和彦さんに迫ります。
密着初日。
ご自宅に伺ったのは夜8時。
この時期は夜から漁に出かけるからです。
(スタッフ)ちょっと早かったですか?いえいえ…。
命の危険を伴う漁師の仕事。
家を出る前には今日の無事を先祖に祈ります。
でもそれだけじゃない。
どこへ祈っているのか…。
更に奥様はどんな天気のときも必ず見送りをするとか。
やはりそこには祈りの気持がありました。
すぐに出航です。
船の名前は大傳丸。
あとから来るもう1隻を加え3隻で1つのチームになっています。
向かう先は内湾と呼ばれるところ。
東京湾は南北80キロ東西30キロもあり外側を外湾内側を内湾と呼びます。
大野さんの漁場はこの内湾。
海の上にはこんなところも…。
巨大タンカーが停泊しているこの場所は京葉シーバース。
東京湾の岸壁が浅くて近づけないため巨大タンカーは地下のパイプで工場に原油を送っています。
もちろん魚を探すのが第一ですがもうひとつの目的は…。
他の船をよけるため。
東京湾は輸出入品の取り扱い高が日本一。
行き交う船も1日520隻。
よけるだけで大変です。
走り始めて1時間。
何かを海に投げた大野さん。
これはこの下に魚がいるという目印の光る浮き。
この浮きのまわりを網で囲んで魚を追い込む仕掛けです。
大野さんが出す合図をきっかけに2隻の船が離れていきます。
その間に広がっているのは網。
魚が動く速さと向きを予想しながら網で囲っていくのです。
円を描いて再び2隻が出会いました。
これが巻き網漁。
目印の浮きのまわりを2隻で囲うようにして魚の大群をとらえる漁法です。
さあ江戸前漁師腕の見せどころです。
機械と手作業で700mの網を引き上げます。
海水を含み魚がのった網をたぐり寄せるのは重労働。
そこへ運搬用の船が到着しました。
ここから一気に引き上げます。
群れには出会えたのか?大漁です。
目指すスズキは?江戸前の代表スズキとコハダがたっぷりとれていました。
魚を傷つけないよう手作業で選別します。
スズキは特別扱い。
鮮度を保つため海と同じ状態にした水槽に入れます。
(スタッフ)まずまずですか?今日はこれで終わりと思いきや勝負はこれからでした。
同じ作業を朝まで10回以上繰り返すのです。
午前1時レーダーに魚群の反応がありました。
スズキの群れに特徴的な波形を捉えています。
魚が逃げる前に囲い込めるかスピード勝負です。
しかし網の中にスズキの姿はありませんでした。
何かが網に絡まっています。
背びれ胸びれがトゲのようになっているので巻き網に絡みついてしまうギマ。
1匹ずつ手ではずさないととれない上網に穴が開くのでその場で縫わないといけないのです。
これでロスタイム1時間。
大野さんハチマキ姿に変身です。
この時間が実は勝負時なのです。
魚群を捉えやすく漁獲高も一番多く見込まれます。
果たして結果は?大漁です。
しかも大ぶりのスズキばかり。
これなら文句はありません。
次から次へよく育って脂ののったスズキが揚がってきます。
大野さんも思わず笑顔。
操舵室に入るとすぐ出てきました。
いったい何があったのか?手に何か持っているようです。
それは?奥様が持たせてくれたおにぎり。
富士山の袋は「望みを高く」という意味でしょうか?船出して8時間でようやく食事休憩。
朝日に照らされての朝食。
味は格別でしょうね。
漁は時間との勝負。
魚は待ってくれません。
すっかり夜が明けて10回目の網。
不思議な光景を見ることになりました。
いったいこれは何?この日の水揚げはスズキが目標の倍以上。
十分な成果です。
お昼前仕分け作業を終えて家に帰ります。
今年54歳の大野さん。
あれだけの仕事に耐えられるのは家庭に恵まれているからに違いない。
ならば見せていただこうと伺いました。
昼夜逆転の生活。
これからが大野さんのディナータイム。
今日のメニューはフッコ。
フッコとは成長過程のスズキのこと。
スズキよりも身がやわらかいのが特徴です。
(スタッフ)何ですか?それ。
(スタッフ)缶のサーバー。
そうですね。
フッコの切り身に天ぷら粉だけをつける独特の調理法。
衣が薄い分あっさりと揚がり旨みが引き立ちます。
フッコの天ぷらできあがり。
衣に閉じ込められた深いコクが噛めば香りとともにフワッと広がる。
お味はいかがでしょうか?うまっ!近所でエステティシャンをしている次女の充起さんが帰ってきました。
大野さんは娘さん2人息子さん1人の5人家族。
こうした団らんが元気のもとなのです。
危険と隣り合わせ海の男の大野さん。
お守りを見せてもらいました。
姉さん女房の奥様と知り合ったのはダンス教室。
先生をしていた奥様にひと目惚れして通い詰めたといいます。
第一印象は?
(笑い声)では。
ではでは。
(スタッフ)おやすみなさい。
スズキのおいしさを最高に引き出すにはどうしたらいいか?たどり着いた方法があります。
それがこちら。
頭とお尻に切り込みを入れ魚のストレスを最小限に抑えるため日本でもこの方法で処理するのはごくわずかです。
1本ずつ大切に箱詰めにされ瞬〆ブランドとして出荷されているのです。
小売しますよ。
瞬〆のスズキ。
いったいどんなところで食べられているのか?トラックのあとをつけてみることにしました。
最初に着いたのは世界最大の魚市場そこから他の市場へと回っていきます。
こちらは都内にある大田市場の仲卸この店は素材にこだわる料理人が集まるそうですが…。
できればどんな料理になるのかも見てみたい。
更に追跡してみることにしました。
(スタッフ)すみません。
『ソロモン流』なんですけども…。
はいテレビです。
この瞬〆を追跡してて…。
ちょっと僕らもついていってもいいですか?取材許可をもらって追いかけた先は自由が丘に程近い大岡山。
商店街から少し離れた裏路地に到着しました。
いったいどんな店なのか?実はここ近隣のセレブたちに愛される瞬〆が入りしだい使っているそうです。
他のスズキと比べてみると確かに瞬〆のほうが色鮮やかに見えます。
こちらでは鮮度のよさと歯ごたえをそのまま味わってほしいという気持からお刺身で出していました。
コリッとした食感と旨みで店の名物に。
続いて見つけたのは日本橋のイタリアンダノイ。
カルパッチョで瞬〆のスズキを使っていました。
オリーブオイルと下味で更に引き立つ旨み。
透き通る身の美しさも印象的です。
更にカマの部分を揚げ新タマネギのソースに合わせたフリット。
人気メニューになっているとか。
こちらは大井町の繁盛店。
ニンニクとオリーブオイルでグツグツ煮込むアヒージョやフレンチの定番ポワレで瞬〆のスズキは使われていました。
評判はいかがでしょうか?
(スタッフ)いかがですか?大野さんが瞬〆を始めたのはおいしさだけではありませんでした。
魚を獲るだけでなく営業戦略も練る。
その発想で日本一の漁師となりました。
この日山形にやってきた大野さん。
ふだんとは違う服装でどこへ向かうのでしょうか?おはようございます。
お疲れさまですご苦労さま。
やってきたのは山形市の市場。
目的は?おぉ〜!瞬〆がどう評価されているかその市場調査です。
漁師さん自ら営業回りする人はほとんどいないとか。
大野さんは気持を伝える大切さを知っているのです。
瞬〆が浸透してきた証しです。
市場に乗り込んだ伝説の漁師大野家4代目繁次郎さん。
その腕に抱かれ賢人は6代目として育ちました。
おじいちゃんは憧れの存在。
5代目だった父親はあとを継げとは言いませんでした。
明治大学でマーケティングを学び商社マンを夢見ますがおじいちゃんが亡くなります。
祖父への思いを胸に父親のもとで修業に励む日々。
(スタッフ)お父さんは教えてくれたりとか…。
そして大野さんが仕事に慣れた頃父親にも不幸が…。
亡くなる数日前に渡された薬の袋。
言葉少なだった父親の溢れるような思いがそこには綴られていました。
大野さんの人生を変えた父親の遺言とは…。
亡くなる数日前父親は大野さんにあるものを残しました。
薬袋の裏側にびっしりと書かれた遺言。
そこには自らが命をかけ見続けてきた東京湾の姿が綴られていました。
そういうふうにもとれるんですよ。
大野さんは江戸前漁師の灯を絶やさぬため同じ志の中村さんと手を組み海光物産を設立。
その4分の3を担うまでになりました。
6代目の重責を果たした大野さん。
54歳の今後継者はどう考えているのか?どうもこんにちは。
どうも今日はよろしくお願いします。
大野さんでいらっしゃいますか?どうも船越です。
はじめまして。
今日はよろしくお願いします。
こんな立派なんですね。
ここまで来たからにはぜひ味わってみたいと船越さん瞬〆したばかりのスズキを食べさせていただくことに。
さばいてくれるのは大野さんの船の上で待っていたこの方。
どうもこんにちは。
うちの長男の志勇といいます。
板前目指して今修業中なので1匹おろさせてください。
長男志勇さんは現在寿司店で板前修業中。
漁師ではなく料理の道を選んだその裏には父和彦さんへのある思いが…。
いやいやでかい!なるほどね!なんか目頭が熱くなるような話ですね。
本当ですか!父への思いがこもった瞬〆スズキのお味は?うん!うまい!お父さんが釣ってきた魚をいちばんいい状態で日本中の誰よりも俺が食わせるんだっていうのがやっぱり一つのご自身のモチベーションにもなるそういうことですよね。
だったら応援したいと思いますね。
いやいやそういう形の親子鷹がねここでこうこれから…。
僕まず第一発目の雰囲気の料理をいただけたっていうのがこれちょっと嬉しいですね。
ありがとうございます。
大野さんの平均年齢31歳。
後継者を育てるためいつも若手にチャンスを与えています。
例えば船の操縦。
網を張りながらの舵取りは熟練が必要です。
こうやって教えることもあるんですか?若手のリーダー的存在ですが運転技術にはまだ不安を抱えています。
特に苦手なのはバックの車庫入れに相当する着岸。
おお〜!顔がこわばる山崎さんとは対照的に大野さんは笑顔。
どうしてなのでしょう?手塩にかけて育てる一つがシケで漁に出られない日はテキストで知識を教えています。
見て覚えるのが常識な漁師の世界では珍しいことだとか。
実は全国で問題になっている漁師の高齢化。
なり手も少なくなっています。
そんな現状を打破するため19年前から大野さんは画期的なことをはじめました。
それは就職雑誌への掲載。
初心者でも入れるよう窓口を作り更に一般的でなかった最低保障や保険も整備したのです。
就職雑誌1回目の募集で漁師になった湯村さん。
年2回のボーナスの上に変わった待遇もあります。
マッスル手当て?筋肉がつくとお金がもらえるの?体力自慢が多い大野さんの乗組員たち。
そこには秘密がありました。
大野さんだけではなく若い乗組員が新たな試みを始めたこともあります。
(スタッフ)ちなみにこれは何ですか?作詞作曲は山崎さん。
はい失礼しました。
5月中旬。
大野さんは若い乗組員を伴ってどこかへ。
向かった先は開設45周年の記念イベント。
ふなっしーが出演するとあってお客さんはなんと5万人。
暑いなか来てくれたなっしーよありがとなっしー!!そんな会場に大野さんのブースも。
スズキを広める活動です。
乗組員たちも積極的にスズキをPRします。
ここからが江戸前漁師ご自慢のパフォーマンス。
いったい何をやるのか?市場だよ。
今が瞬〆!はい実演始まります。
やり始めたのはあの瞬〆の実演でした。
1匹10秒の早業にお客さんもビックリ!船橋でとれました船橋で水揚げされたんですよ。
試食用に瞬〆のお刺身を500人分用意。
飛ぶようになくなっていきます。
お味はいかがでしょうか?スズキを求めて長い行列。
大野さんにとってはいちばん嬉しい光景です。
あっという間になくなりました。
このあとはイケメンの新人漁師歓迎会。
賢人が彼らに託すものとは?5月末ある催しが開かれました。
この日の主役は19歳の石井さんと24歳の松永さん。
宴もたけなわになった頃大傳丸恒例の歌が響き渡りました。
(歌声)船橋の漁師たちに長年受け継がれてきた歌合唱するのが習わしです。
最後に大野さんの夢を聞きました。
(スタッフ)乗り続けるんですか?30年。
やる気でいますよ。
江戸前漁業の伝統を守るため型破りな挑戦を続ける大野さん。
その思いを継ぐ立派な江戸前漁師が後継者としてたくさん育つといいですね。
それではまた次回。
『ソロモン流』で輝きを放つのは果たして…。
2014/06/08(日) 21:54〜22:48
テレビ大阪1
ソロモン流【賢人:大野和彦】[字]

スズキの水揚げ高日本一を誇る千葉県船橋で、その4分の3以上の漁獲量を占める海光物産社長・大傳丸船団長の大野和彦。東京湾の未来に人生を賭ける日本一の漁師に密着!

詳細情報
番組内容
「江戸前」と呼ばれる東京湾の魚たち。中でも初夏に旬を迎えるスズキをこよなく愛する大野社長。船長として追い求めるだけでなく、スズキの認知度や需要を増やすべく、全国行脚で営業回り。10秒で鮮度を閉じ込める“瞬〆”という独自の技では、今までに無かった食感を生み出した。そして未来へ残したいのは、人。漁師人口が低下・高齢化する中、その思いは切実だ。他にも、絶品の江戸前料理のお店や知られざる東京湾の姿も大公開。
出演者
【案内人】船越英一郎
【ナレーション】魚住りえ
【賢人】大野和彦(漁師)

次回の賢人
蛭子能収(漫画家・タレント)
ソロモン流とは
様々なジャンルで強烈なこだわりを持ち輝きを放つ、今、最も注目される旬の人物の仕事や生活に密着。その個性的なライフスタイルや人生哲学を紹介する人間ドキュメンタリー。
音楽
エンディング曲
「GRACELAND〜ソロモン流のテーマ」
溝口肇
ホームページ

http://www.tv-tokyo.co.jp/solomon/

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – その他
趣味/教育 – 旅・釣り・アウトドア
情報/ワイドショー – グルメ・料理

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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