聖母・聖美物語 #50【成長篇〜娘の反旗】 2014.06.09

(聖美)ひかりと一緒って。
それホントですか?
(繁郎)星川先生と一緒に?
(聖美)どうして?ひかりはいったい今どこにいるんですか?
(星川)愛美さんの店です。
愛美の?うん?お店?
(波津子)何であの人のところへ?どういうことですか?まさか先生がひかりをそこへ?・
(星川)私が会ったのは偶然だ。
ひかりちゃん。
愛美さんに会うために一人でここを捜し当てて来たんだよ。
愛美に会うために?・
(星川)陽君のことは聞いた。
ご家族皆さんの心中お察しします。
それと今ひかりちゃんが置かれている状況のことも本人の口から。
話したんですか?ひかり。
愛美に骨髄ドナーの話を。
何で愛美にそんな話を。
ちょっと貸して。
先生。
ひかりを出してください。
ひかりと話をさせてください。
僕らはあの子にドナーを強要なんかするつもりはない。
ひかりは誤解してるって。
陽もひかりも僕らにとっては2人とも同じ大切な子供なんだっていうことをひかりに伝えたいんです。
(星川)今日のところはお互い少し冷静になった方がいいように思います。
これは家族の問題です。
よそで話したって解決しない。

(星川)愛美叔母さんに思いの丈を話して少し気持ちが落ち着いてきているようですよひかりちゃん。
えっ?思い出しました。
彼女が赤ちゃんだったあの子をまるで自分の娘のように大事に育てていたことを。
10年たっても会わずにいてもそういう絆は消えないものなんですね。
今夜のところはその絆を信じてひかりちゃんを任せてみてはどうですか?迎えに行くんでしょ?ねっ。
繁郎さん。
家の中で心を吐き出す場所が見つからなくなってそのときふっとひかりの胸に浮かんだのが愛美さんだった。
今まで反発らしい反発をしてこなかったあの子が初めて反旗を翻した。
それをねじ伏せるように連れ帰ったってますますこじれるだけでしょう。
ねじ伏せなきゃ駄目なのよこの話は!力ずくで。
火種がもっと小さいうちに。
もし愛美さんが口滑らしてもっと厄介なことをひかりに話しでもしたらあんたどうするつもり?
(愛美)叔母ちゃんも隣で寝ていいよね?何しろ10年ぶりだもん。
さすがに叔母ちゃんのパジャマはでかかったか。
(愛美)でもびっくりしちゃう。
最後に会ったあんたはこんなにちっちゃかったんだから。
さあ寝よっか。

(愛美)さっき言ってたじゃない?自分は自分のために生まれてきたんじゃないって。
それだけは絶対に違うから。
パパとママは確かにあんたが持って生まれてくる臍帯血に期待してた。
先々のことを考えて白血球の何とか型が陽と一緒だといいって願ってた。
叔母ちゃんもあんたと同じでね。
「それってどうよ?」って最初は思った。
「そんなこと考えて赤ちゃん産むなんて人間として不純じゃないの?」って。
でもあんたが生まれたらそんなのどうでもよくなっちゃった。
だってあんたはごく普通の…。
ううん。
普通よりもっとめちゃくちゃカワイイ幸せ成分てんこ盛りの赤ちゃんだったから。
(ひかり)てんこ盛り?ドナーとかそんなの関係ない。
ぷるっぷるでふわっふわのカワイイ赤ちゃん。
ただそれだけ。
(ひかり)叔母ちゃま。
(愛美)パパとママも同じ気持ちだったと思うよ。
(ひかり)ホントにそうかな?かわいくてかわいくて食べちゃいたいって。
(ひかり)本当の本当に?ひかりちゃん。
あったかい。
あったかくて柔らかくて何だか懐かしい。
ひかりちゃんはね叔母ちゃんのこの胸の中で育ったのよ。
叔母ちゃまの?
(愛美)ひかりちゃんが生まれたときママは入院してる陽の看病でいっぱいいっぱいだった。
だから叔母ちゃんが呼ばれたの。
ママの代わりにひかりちゃんの面倒見てちょうだいって。
(ひかり)ママの代わりに?叔母ちゃんはいっつもあんたを抱っこして寝ても起きても一緒だった。
ひかりちゃんは私が編んだ服を着て私の胸の中で眠ったり笑ったりそれから…。
(ひかり)叔母ちゃまだったの?ママじゃなくてひかりを育ててくれたのは叔母ちゃまだったの?もちろんママだって。
私が子守を手伝ったのは最初だけ。
ほんの何カ月のことよ。
いろんなことがあったわ。
それからどうして一度もひかりに会いに来てくれなかったの?プレゼント。
叔母ちゃまが持って会いに来てくれたらもっともっとうれしかったのに。
どうして?おいしい。
こっちのジャムも試してごらん。
こっちも手作りなんだから。
はい。
よいしょ。
やっぱりいいなぁ女の子は。
峻も男の子にしちゃかわいかったけど最近じゃすっかり理屈っぽくなっちゃって。
何だか夢見てるみたい。

(ドアをたたく音)何なの?・
(ドアをたたく音)・
(ドアをたたく音)
(ドアをたたく音)愛美。
開けて。
(ひかり)ママ。
ひかりはどこ?来てくれたんだ。
ママ。
(愛美)あっ。
ちょっと待ってひかりちゃん。

(ドアをたたく音)
(愛美)叔母ちゃんねママと会うのも10年ぶりなの。
少し2人で話をさせてもらえないかな?愛美。
愛美。
愛美。
近所迷惑。
ひかりだってびっくりしてる。
ひかりはどこ?ひかり。
ひかり。
ひかり。
どこにいるの?2階で朝ご飯食べてるわ。
ゆっくりさせてやってよ。
耐えられなかったのよあの子。
自分の家のぎすぎすした空気が。
ぎすぎす?でもやっぱり子供よね。
ゆうべはめそめそしてたけど一晩ぐっすり寝たらけろっとなっちゃって。
おいしいおいしいって。
あの子が抱えてるのはそんな単純な問題じゃないの。
陽の命が懸かってるの。
ひかりの命もね。
ゆうべ何を話したの?あの子と。
あの子はいったいあなたに何を?姉さん。
私たち10年ぶりに会ったんだよ。
他に何か言うことないのかな?「お久しぶり」とか「元気だった?」とか。
私たちっていつもそう。
久しぶりに会うときはたいてい何か大事件が起こってる。
お母さんが自殺したときでしょう。
それに私が藪野を刺したとき。
あのときはちょうど陽が白血病だって分かって姉さんが死に物狂いでドナーを探してるときだった。
そして今また陽とひかりを巡って大きな問題が。
これあなたじゃないわよね?何これ?あなたひかりが恋しくなったんじゃないの?一人で生きるのがさみしくなってあの子に会いたくて。
後悔してるんじゃないの?ひかりを手放したことを。
あの子がここへ来たのだってあなたが裏から手を回して。
もしかしたら星川先生もグルなんじゃ?何の話?こんなもの使ってあの子を追い詰めてその上で手なずけようって腹なんでしょう。
あんた本気で言ってるの?10年前何で私が身を引いたと思ってるの?乳飲み子のひかりを置いて引き裂かれる思いで私が柳沢の家を出ていったのは何のためだったと思ってるのよ!確かにあなたのおかげで秘密は守られた。
感謝したわよ。
してきたわよ。
今までずっと。
だけど人の気持ちは変わるのよ。
10年会ってない人の心なんかどうやって信じればいいの?
(愛美)優しくされたかっただけだと思うよ。
ひかりはただ誰かに優しくされたかっただけだと思う。
それでたまたま私のことを思い付いた。
だいたいあんたがそうやって四六時中般若のお面みたいな顔してたら誰だって逃げ出したくなる。
何のためにひかりを育ててきたのよ?あんた。
こういう日が来ることを見越して保険のために今日まで育てたの?バカなこと言わないで。
10年間あの子は私の宝物だった。
いとしくていとしくてずっと私が産んだ本当の子だって…。

(物音)
(愛美)シッ!ひかりが下りてくる。

(足音)・
(足音)・
(ひかり)叔母ちゃま。
ママ。
ひかり?ひかり。
(ひかり)ママ。
心配かけてごめんなさい。
帰りましょうひかり。
パパもおばあちゃんも心配してる。
おやすみひかり。
ママ。
何?おやすみなさい。
よかったよ。
ひかりが意外と落ち着いていて。
星川先生が言ったように思いを吐き出していくらかほっとしたのかもしれないな。
きっと相手が愛美だったから。
怖いの。
あの子の本能が愛美を求めた気がして。
ひかりは僕と聖美の子だ。
君がそんなこと言ってどうする。
保険にするつもりだったんじゃないかって愛美にそう言われたわ。
保険?陽に万一のことがあったときすぐに骨髄を提供させるためにひかりを育てたんじゃないかって。
分からない私自身。
そんなふうに育てたつもりはなかった。
ただの一度だってなかったつもりなのに。
聖美。
私はひどい女なの?鬼のような母親なの?教えてあなた。
陽が元気な間はそういうことを忘れてた。
考えなくて済んだ。
僕だって聖美と同じだよ。
一つだけはっきりしてるのはあくまでもひかりの意思を尊重すべきだってことだ。
親のものでも誰のものでもない。
小さな小さな受精卵としてこの世に生を受けたときからあの子の命はあの子のものだったということだけだ。

(陽)ハァー。
(ひかり)お兄ちゃん。
(陽)ひかりか。
(ひかり)具合どう?お兄ちゃん。
(陽)治るかどうかも分かんないのに一日中ベッドに縛り付けられてどうやって時間つぶしてたのかがきのころの自分に聞いてみたいよ。
ああ。
もういっそ死んだ方がましだ。
こんな生活が延々と続くぐらいなら。
(ひかり)そんなこと言わないで。
ひかりはお兄ちゃんには立派な院長先生になってほしい。
だから死ぬなんて言わないで。
なれるわけないじゃん。
もう無理なんだよ。
こんなぼろかすみたいな体で医者になるなんて。
(ひかり)なれるよきっと。
お兄ちゃんならなれるって。
なりたいって思えば。
そしたら私お兄ちゃんのために…。
(陽)骨髄をくれるっていうのか?パソコンで調べたんだろ?ドナーベビーの意味。
臍帯血もらってちょうど10年。
骨髄をもらったところであと何年持つ?フッ。
そうまでして生きたいなんて思っちゃいないよ。
(ひかり)お兄ちゃん。
パパやママの言うことなんか聞くな。
絶対に。
聞くなよ。
(ひかり)お空の神様。
私はどうすればいいんですか?峻君。
(峻)どうしたの?こんなところで。
(峻)またウサギさんの目だね。
(峻)愛美叔母さんに会ったって?喜んでたよ。
ひかりちゃんのことカワイイカワイイって。
(ひかり)何かあるの?峻君のママ。
私が生まれたころパパとママと何かあったの?
(チャイム)
(星川)いかがですか?その後陽君は。
一進一退といいますか。
もう少し薬の効果が出ないものかと期待をしてるんですが。
となるとやはり望みは骨髄移植ですか。
ええ。
まあ。
その場合ドナーは当然ひかりちゃんということに。
そうなりますよね?ええ。
それはまあ。
そういう可能性も。
先生。
どうして急にそんなことを?ひかりちゃんはドナーになる意思はないそうです。
えっ?先生。
今何て?陽君のドナーになりたくない。
ひかりちゃんがそう言ってるんです。
何ですって?もしどうしても強要するのなら両親を。
つまりあなた方お二人を提訴します。
2014/06/09(月) 13:30〜14:00
関西テレビ1
聖母・聖美物語 #50[字][デ]【成長篇〜娘の反旗】

聖美(東風万智子)はひかり(小林里乃)が愛美(三輪ひとみ)のもとにいると知り、衝撃を受ける。自分の出生について悩み苦しむひかりは、本当のことが知りたいと…

詳細情報
番組内容
 聖美(東風万智子)は、星川(風間トオル)から、ひかり(小林里乃)が愛美(三輪ひとみ)のもとにいると知らされ、衝撃を受ける。星川は繁郎(原田龍二)に、今夜一晩は様子を見ることを提案。繁郎はそれを受け入れるが、聖美は、愛美が余計なことを言うのではないかと気が気でなかった。
 愛美は、初めてひかりと一緒に眠れることにうれしさを隠し切れない。多くの悩みを抱え、苦しむひかりをつい抱きしめてしまう。
番組内容2
実の母のぬくもりに包まれているとは知らぬものの、穏やかな表情で眠りにつくひかりを、愛美は愛おしげに見つめる。
 翌朝、聖美は愛美の店に駆けつけるやいなや、ひかりを連れて帰ろうとする。愛美は10年ぶりの再会にもかかわらず、人を非難するような態度を取る聖美は般若のようだと指摘する。さらに、ひかりが自分を訪ねてきたのは、聖美といても心が休まらないからだと告げる。
出演者
柳沢聖美:東風万智子
森尾愛美:三輪ひとみ
柳沢繁郎:原田龍二
柳沢弘明:金子昇
柳沢波津子:丘みつ子
星川真輔:風間トオル ほか
スタッフ
企画:横田誠(東海テレビ)
原作・脚本:いずみ玲演
演出:西本淳一(東海テレビ)
プロデュース:西本淳一(東海テレビ)
中頭千廣(TSP)
神戸將光(TSP)
齋藤頼照(TSP)
音楽:辻陽
主題歌:「炎の花」ハルカ ハミングバード(ユニバーサル ミュージック)
制作著作:TSP
制作:東海テレビ
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ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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