極悪がんぼ #09【今夜号泣、幼き兄妹へ愛の抱擁】 2014.06.09

(小清水)皆さんお待ちかねの監査結果が出たんで一応報告しておこうかと思いましてね。
(小清水)あれ?あれあれ?食べないの?
(一同)いえ。
(小清水)まず冬月君は警備会社の件ありがとね。
(冬月)いいえ。
私は所長のためでしたら。
(小清水)でも小口が多過ぎますねぇ。
もうそろそろゼネコンとか宗教法人とか億単位の案件に挑戦してもいいんじゃないでしょうかねぇ?
(薫)億!?分かりました。
何とかやってみます。
(小清水)夏目君は保証人代行業者に安目を売りましたねぇ。
その対価は払っていただかないと。
あっそうだ。
ビル1棟丸ごとプレゼントしてもらおうかな?
(夏目)ホホホ。
ビ…ビルを!?
(小清水)収益性がよくて海が見える物件なんかいいですねぇ。
(夏目)ううっ。
し…死んでも。
死んでも見つけますけえ。
(小清水)次に抜道君だけど。
(抜道)はい。
(小清水)うん。
まあ。
特にいいや。
(抜道)あれ?
(小清水)神崎君にはそろそろ自分で仕事を見つけてもらわないと。
あなたにしかできない仕事がきっとあるはずですよ。
(薫)はい。
頑張ります。
(小清水)さてと後は金子君か。
金子君にはうちの看板返してもらおうかな。
(金子)わしと手を切るっちゅうことですか?
(小清水)なんちゃって言っちゃったりなんかして。
(一同)ハハハ。
(小清水)いやー。
本当は今度東京に進出しようと思っていて。
金子君にはそちらをお願いしようと思っているんですよ。
東京?いや。
でもまだこっちに仕込んでるシノギが。
(小清水)そうですか。
じゃあそれが済んだら考えてみてください。
ぶっちゃけ仕事ってどうやって見つけんの?
(夏目)おう。
鼻じゃ。
(嗅ぐ音)
(夏目)こうして犬みたいにのうくんくんくんくん嗅いで見つけんのじゃ。
フフフ。
ねえ?冬月さん。
(夏目)冬月に聞くんかい。
簡単だろう。
2〜3カ月前のお前を見つけりゃいいんだよ。
私?最低最悪でどこにも行き場のないやつだ。
私?最低最悪のやつねぇ。
(男性)おどりゃあ!こら!
(男性)おい。
(男性)おいおいおい。
社長。
おい。
(巻上)おう。
お前らいつまで時間かかっとんのじゃ?
(一同)すいません。
(天枝)すいません。
(男性)おい。
早電話せえや。
(天枝)はい。
あっ。
もしもし?父ちゃんか?わしじゃ。
太郎じゃ。
あんな。
突然なんじゃが今すぐ600万必要なんじゃ。
これが支払われんとわしも家族も。
あれ?父ちゃん?もしもし?
(巻上)ぼけが。
あっさり切られとる。
(巻上)われホンマに坊さんの息子なんか?坊さん?
(小清水)《宗教法人とか億単位の案件に挑戦してもいいんじゃないでしょうかねぇ?》
(天枝)すんません。
もう1回かけさせてもろうても?
(巻上)もうええわ。
わりゃタコ部屋行きじゃ。
タ…タコ?
(巻上)ほうじゃ。
海の底みたいに深うて暗いところに連れていかれて借金返し終わるまで働き続けるんじゃ。
そんな。
それだけは勘弁してつかぁさい。
(巻上)遊びは終わりじゃ。
手間かけさせおって。
(一同)おい!立て!ほら!ほら!あれ?巻上社長。
(巻上)おう。
金子ちゃんとこの姉ちゃんじゃねえか。
偶然ですね。
(巻上)おう。
何かお困りでも?
(巻上)ああ。
借金踏み倒したタコ助がタコ部屋行くことになっただけじゃ。
ああ。
あの。
何なら私が取り立てましょうか?
(巻上)うん?そりゃええけどのう。
もしこいつ逃がすようなことになったらわしゃ姉ちゃんに追い込みかけることになるで?フフフ。
分かってますよそんなこと。
フフフ。
(巻上)うん?アハハ。
(剛)食べへんの?
(抜道)うん?ああ。
さっきちょっと食うてしもうてな。
(剛)あっ。
すいません。
(剛)これお持ち帰りにしてください。
(従業員)かしこまりました。
ああー。
で?
(天枝)あっ。
実家を出てもうかれこれ10年になります。
一人息子なんで一応坊主の資格は取りましたけんど。
親父の敷いたレールに乗って生きるんが嫌で。
レールがあるだけぜいたくだよ。
借金はどこで?スナックの経営に失敗しまして。
嫁も子供もおるんにいったいどうしたらええんか。
あんたの実家って資産あんの?一応300年ぐらい続いとる寺なんでそれなりには。
じゃあさ私があんたの親父に金を出させてやるからうまくいったら寺の経営にかませてくれない?そりゃもちろん。
借金返せるんやったら何でも協力します。
おお。
オホホ。
(天枝)うわー!いって。
(住職)どの面下げて帰ってきたんじゃ!このがんぼったれが!ちょっと待って!息子さんですよ息子さん!
(住職)何がスナック経営が失敗したじゃ!寺の金持ち出して開いた店じゃろうが!罰当たったんじゃ!
(天枝)あっ!い…。
許してくれや父ちゃん!
(住職)お前のこと心配して母さんも死んでもうたんじゃ!お前のようなやつはヤミ金にでもやくざでも追われてとっとと死んじまえばええんじゃい!
(天枝)痛っ。
死ねって。
あんた仮にも坊主でしょうが。
何じゃ?われ。
ああ?取り立て屋か?
(天枝)父ちゃん。
頼む。
ホンマに金払わんと身の破滅なんじゃ。
(住職)勝手に破滅せえ!こんな惨めな人間になんならがきのうちに捨てちまえばえかったわい!
(天枝)ひいー。
捨ててしまえばいいってそれどういうことよ?それでも坊主なの?何じゃ?われ。
捨てられる子の身にもなってみなさいよ!えっ?えっ?な…。
ふざけんなよ!
(住職)何じゃ?貴様。
(天枝)ちょっちょっちょっちょっ…。
ケンカはやめてください!
(住職)誰にしたんぞ?くそ坊主!くそ坊主だと?くそ坊主じゃろうが!坊主がくそして何が悪いんじゃい?子供を何だと思ってんだよ?あのくそ親父。
(天枝)すんません。
何であんたが謝んだよ?すんません。
このお寺ホントに資産あるんだよね?はい。
重要文化財も幾つか所有してます。
ホンマはそれを売れば借金なんて楽勝なんですけどね。
重要文化財か。
うん。
ううっ。
(薫)《ねえ?お父ちゃんはどこ行ったん?》
(薫の泣き声)
(薫)《お父ちゃんは?》
(薫の泣き声)
(母)《お父ちゃんは遠いところに行ってしもうたんじゃ》
(薫)《うちらお父ちゃんに捨てられたん?》
(薫の泣き声)お父ちゃん!ハァー。
(バイクのエンジン音)
(天枝)法事じゃな。
あと1時間は帰ってきません。
よし。
(天枝)こちらです。
えっ?寺のお宝は蔵とかにあるんじゃないの?蔵なんてありませんよ。
あっそう。
文化財は本堂の中に隠してあります。
それ10年前の話でしょ?あんな文化財みたいな頑固親父ですから絶対一緒ですよ。
こちらです。
あっ。
ていていていてい。
離れて。
いや。
ちょっちょっちょっちょっちょっちょっ。
えっ?大丈夫ですって。
えっ?ほら。
がきのころからこん手で親父の時計とか盗んじょったんで。
おおー。
おっ。
はあー。
こちらです。
おっ。
おおー。
あった。
ありました。
おおっ。
これですよ。
おっおっおっおっ。
(息を吹き掛ける音)うわっ。
(天枝・薫)あっ。
ちょっ。
すいません。
すいません。
ふーん。
おおー。
(五味)こりゃあ無理じゃわい。
えっ?でも本物ですよ。
ちゃんと指定書も。
(五味)ホンマもんの重要文化財じゃけえ買えんのじゃ。
はあ?
(五味)文化財は盗まれたら必ず警察に届けんといかんのじゃ。
つまりこの指定書は盗品っちゅう証拠でもある。
(天枝)甘かったですわ。
あんた使えない。
(夏目)おう。
分かった。
これから顔出すけえ資料揃えといてくれや。
ああ。
夏目。
ちょっと聞きたいことあんだけど。
何じゃ?早言え。
宗教ってどうやったらもうかんの?
(夏目)んなもん霊園開発じゃろ。
宗教法人にしかでけんからのう。
墓を転がしゃがっぽりもうかるわい。
ハハハ。
霊園開発ねぇ。
(抜道)何や?ええ話でもあるんか?いや。
そういうわけじゃないけど。
下手に手出したらケガするぞ。
えっ?寺っていうのはな会社を乗っ取るようなわけにはいかないんだ。
宗教法人の代表はあくまで坊さんの資格を持った住職だ。
その住職は信者である檀家の信頼があって寺を運営している。
無理くり介入しても檀家の反発を食らうだけだ。
跡継ぎをつかまえたらええんちゃうか?えっ?
(抜道)坊さんの資格を持ってる跡継ぎをこっちで別に抱え込むんや。
それやったら檀家も文句は言わんやろ。
資格。
(天枝)《一人息子なんで一応坊主の資格は取りましたけんど》そうだよ。
あいつ資格持ってんじゃん。
(抜道)なあ?神崎。
びっくりした。
手伝おうか?いや。
一応自分で見つけた仕事だから。
何もお前の初仕事を邪魔する気はないがな。
手間賃だけでももらえりゃええんや。
ホンマに?ホンマに。
フフフ。
フフフ。

(夏目)駄目じゃ!高過ぎるわい!こげなビル買うたら破産するで。
(地揚)ほんでも夏目ちゃん。
ウオーターフロントいうたらみんなこれぐらいするわ。
ああ。
お疲れ。
(地揚)あっ。
金子。
おう。
ほんじゃ。
(地揚)あっ。
ああ。
(夏目)待たんかい。
おどれ最近事務所で見掛けん思うとったらこげなところに出入りしとったんかい。
ちょっと涼みに来ただけじゃ。
うん。
不動産がらみか?うん?しゃあないのう。
(一郎)カンチョー。
カンチョー。
(抜道)何しとんだ?このがき。
(一郎)カンチョー。
子供いたら話できないでしょ?
(天枝)すんまへん。
嫁が体調崩しとるもんで。
ほら。
一郎。
部屋戻っとき。
(一郎)はい。
(天枝)あっ。
どうぞ。
えー。
(綾)パパのお仕事の人?そうだよ。
パパの同僚だよ。
嘘つき。
(天枝)すんません。

(住職)あのがんぼったれめ。
寺を乗っ取る!?声が大きい。
(天枝)あっ。
(抜道)そうや。
親父さん追い出してあんたに住職になってもらいたいんや。
(天枝)いや。
でも坊主が嫌でわしは家を飛び出したんですけえ。
そんなにタコ部屋に行きたいんだ?やります。
(抜道)宗教法人は会社と違ういうても基本的な仕組みは似たようなもんや。
役員から信用されん代表は解任させられることもある。
寺の場合はその役員に当たるのが檀家でそのトップが檀家総代や。
(天枝)ほんなら檀家総代に親父の引退を迫ってもらうっちゅうことですか?あんたに信用がないさかいその手しかないがな。
大丈夫かいな?息子を捨ててもいいなんて言うような人間に偉そうに坊主なんかさせらんないよ。
檀家総代は誰や?茶柱っちゅう小学校の同級生ですわ。
そいつに何か弱みがあったらええねんけどな。
うん。
(抜道)うん。
愛人がいるとか借金してるとか。
ああ。
あいつ超が付くおっぱい星人ですわ。
おっぱい。
(茶柱)高級クラブやんけ。
(茶柱)ホンマにおごってくれるんか?
(天枝)当たり前じゃ。
おう。
ママ。
(今日子)紹介しまーす。
うちのナンバーワンのミルクちゃんです。
はっ!?ああー。
(キリコ)ミルクでーす。
今日も搾りたてやで。
(茶柱)モウー。
ハハハ。
(茶柱)住職が重要文化財を?
(天枝)売ってしもうたらしいんじゃ。
(天枝)こちらの興信所から連絡があってのう。
古美術商から依頼を受けて調べたところ発覚しまして。
(天枝)おかしい思うて調べてみたら親父のやつ認知症が始まっとるらしい。
(茶柱)だ…。
住職ぼけとんの?
(天枝)本人は認めんけどもうあかんのじゃ。
じゃけえわしが寺を継ぐしかない思うちょる。
えっ?
(天枝)うん。
なあ?茶柱。
総代のお前から親父に引退するよう説得してもらえんかのう?俺?いやいやいやいや。
引退させるとなると役員全員に聞いてみにゃあなぁ。
うーん。
けどほら。
お前も知っとる思うけど今は会社が大変でのう。
のう?フフフ。
ほんでも御子柴電機っちゅうたらめっちゃ大手じゃろ。
(茶柱)大手じゃいうても今家電業界はこの韓国とこの中国こう押され押されてもうリストラの嵐。
ブラックもええところじゃ。
転職でもできりゃあもうとっくにあんな会社辞めとるわい。
(キリコ)ほんならうちええ人知っちょるで。
えっ?班田電気?あたしもったいない思うね。
茶柱さんどう考えてもリストラおかしいね。
宝の持ち腐れね。
(茶柱)フフフ。
そうですかのう?
(抜道)うちの会社茶柱さん欲しいね。
(茶柱)えっ?シェイシェイ。
年収5倍払うね。
(茶柱)たっ。
5…5倍!?部長待遇運転手家政婦愛人。
もう一人愛人。
これ全部つけるね。
えっ?いや。
フフフ。
ちょっと待って。
あのう。
本気で言うとるんですか?私嘘つかないね。
(茶柱)それ2人の。
2人の愛人。
こんな。
こん。
ちょっ。
分かった!もう機密でも何でも教えちゃるわい!シェイシェイ。
ヘヘヘ。
(夏目)ああー。
まだビルが見つからないのか?アホ。
そんなんじゃないわい。
チッ。
(夏目)ホホホ。
(夏目)わしじゃ。
どうじゃ?腹は決まったか?ああ。
昨日からずっと考えとったんじゃがやっぱリスクが大き過ぎると思うんじゃがのう。
ハァー。
ビビったんかい?もうええわ。
後でかませろいうても知らんからな。
(通話を切る音)
(夏目)おう。
金子!
(不通音)金子?班田にだまされた。
ミルクちゃんもグルじゃ。
もうあのクラブ辞めとった。
(天枝)いったい何があったんじゃ?
(茶柱)さっきメールが来たんじゃ。
(茶柱)もう機密でも何でも教えちゃるわい!
(抜道)シェイシェイ。
ああー。
これは厄介ですねぇ。
ややこしい組織がバックにいる可能性も高いと思います。
えっ?ややこしいってまさか。
後腐れなく話をつけるのなら500万は必要かと。
(茶柱)そんな。
わしはとてもそんな大金払えんで。
(天枝)何ならわしが立て替えちゃろうか?ええんか?
(天枝)けんど茶柱。
(茶柱)うん?
(天枝)その代わり親父んことは。
ああ。
そっちは任せとけ。
うん?ぼけとる住職なんか総代として認められんわ。
(住職)認知症?誰がですか?
(茶柱)あんたじゃ。
(住職)ハハハ。
誰がそんなデマを?
(茶柱)じゃったら重要文化財のすずり見せてもらえるか?いや。
それが…。
(茶柱)ほれ見てみい。
売ってしもうたことを覚えとらんのじゃろう?役員会にも通さずにあんな大事な寺の宝を売られちゃ檀家総代として示しがつかんがな!
(住職)いやー。
ほんでもなぁ。
(茶柱)なあ?住職。
頼むわ。
うん?これ以上晩節を汚したらいかんで?でもわしが辞めたら誰がこの寺継ぐんかいな?息子しかおらんじゃろうのう。
(住職)太郎が!?・
(茶柱)おーい。
ハァハァ。
どうでした?
(茶柱)ああ。
大丈夫です。
たぶん。
たぶんって。
(茶柱)いや。
途中から住職の顔見ておられんようになって。

(住職)お前か。
お前があのバカ息子唆して文化財盗ませて総代にデマ流したんじゃろう?誰が認知症じゃ!こんなくだらんことに巻き込みよって。
貴様の親の顔が見てみたいわい!親の顔なんて思い出せもしないわよ。
何?私もあんたみたいな冷酷な父親に捨てられたから。
どう?血のつながった者に捨てられる気分は?何じゃい?あんたの息子もこの計画に参加してるんだよ。
あんたは実の息子にかたにはめられたの。
罰が当たったんじゃ。
あのさ。
頼みたいことがあんだけどさ。
(茸本)うん?脱光寺っていう寺の住職を見張っててほしいの。
警察に駆け込まれたら厄介だから。
(茸本)うん。
5万円になります。
チッ。
ずいぶん偉くなったもんじゃのう。
嫌な感じじゃ。
もしもし?
(天枝)天枝です。
神崎さん。
ありがとうございます。
はっ?何が?
(天枝)とぼけないでくださいよ。
今巻上金融から連絡がありましたよ。
600万の借金がのうなったって。
はあ?
(巻上)確かに。
どういうこと?天枝の借金がなくなったって。
(巻上)抜道さんが全額支払うてくれたんじゃ。
えっ?どうして?
(抜道)どうもこうもあらへんがな。
天枝使うてビジネス仕掛けるんやったらまずはあいつの借金肩代わりして身柄を引き受けんのが筋やろ。
社長に聞いたらお前はやってないいうからわしがやっただけや。
(巻上)今正式に書類を交わした。
これで完全に天枝は抜道さんのもんじゃ。
ってことは?
(抜道)寺の乗っ取りはわしがやらしてもらうで。
そんな。
(抜道)抜け駆け横取り何でもあり。
お前がこの世界に入って最初に教えてもろうたことと違うんか?ふざけんなよ!
(巻上)おい。
やめんか。
(巻上・薫)ううっ。
ほれ。
ううっ。
事件屋はな慈善事業やないねや。
責めるんやったらちゃんと保険掛けとけへんかった自分を責めろや。
(巻上)おい。
やめえって。
ほれ。
やめえって。
んっ。
(巻上)痛い。
引っかいたもう。
痛ぁ。
(恵瀬)抜道さん。
ご無沙汰してます。
(抜道)おう。
ご苦労さん。
(巻上)これか?ああ。
(抜道)こいつはな俺が昔面倒見てたやつでな。
今は葬儀場でサラリーマン坊主やっとんねん。
天枝は内情を知り過ぎてて後々めんどくさいからこいつを住職に据えるわ。
(巻上)うん。
(恵瀬)誠心誠意頑張らせてもらいます。
でも檀家は?檀家が納得しなきゃ住職は。
(抜道)そこでお前が盗んできた重要文化財を使うんや。
(巻上)うん。
(抜道)こいつがそれを取り戻してきたっちゅうことにしたら檀家も納得するやろ。
檀家総代の茶柱はこっちの言いなりやしな。
(巻上)神崎ちゃん。
抜道さん恨んだらいけんで。
天枝はのううち以外にもあっちこっちに借金があるんじゃ。
えっ?
(巻上)うん。
(抜道)今社長と話して他でこしらえた借金は巻上金融に一括して買い取ってもらうことにしたわ。
(巻上)その代わりうちも寺ビジネスにかませてもらおう思うてのう。
じゃあ天枝は?まっ最初の予定どおりタコ部屋行きやな。
(巻上)あの嫁も色々と使えそうじゃしのう。
フフッ。
(抜道)あした中には文化財こっちに引き渡してもらうで。
そのときに手間賃は払うたるわ。
(男性)ああ。

(住職)おはようございます。
(男性)おう。
こりゃこりゃ。
住職じゃないですか。
(住職)朝早うにすいませんなぁ。
ちょっと話があるんじゃが。
(男性)うん。
どうぞどうぞ。
入ってください。

(天枝)それ。

(一郎)やった。

(天枝)ほら。

(一郎)もっと。

(天枝)いいな。

(一郎)うん。
よっ。
うわー。
えい。
(天枝)ああ。
ちょっと待っとれ。
(天枝・一郎)うん。
もしもし?もしもし?神崎さんでっか?天枝ですわ。
ああ。
どうも。
(天枝)電話したんは寺に移る日はいつになるか聞いとこう思いましてね。
ああ。
あの。
実は。
(天枝)はい。

(一郎)その調子。
もっともっと。
もっと。
すごい。
いいぞ。
いや。
実はこの間盗んだ寺の文化財が必要になったんだけど。
ちょっと今忙しいからいいや。
また電話するわ。

(剛)ウスターソースが。
(抜道)お前それインスタントか?
(剛)しょうがも入れて。
(抜道)おう。
(抜道)先帰っとき。
(剛)うん。
(抜道)すぐ行くわ。
文化財持ってきてくれたんか?最初っから横取りするつもりだったんでしょ?
(抜道)しゃあないやろ。
こっちも家族がおるんや。
家族が心配なら天枝の子供たちのことも考えてよ。
このまま両親がタコ部屋に連れていかれたらあの子たちはどうやって生きていけばいいの?親と離れ離れになることがどんだけつらいか抜道さんだったら分かるでしょ?それやったらうちの息子は不幸そのものやな。
はあ?剛はな別れた嫁はんの連れ子でな。
わしとは血がつながってへんねや。
こうと決めたら自分を抑えられん女でな。
ほれた男ができて子供をほったらかして出ていきよった。
せやから最初は難儀したで。
全然懐きよらへんでな。
けど今はわしのことを親父や思うてくれとる。
子供なんかそんなもんと違うんか?私は自分を捨てた父親を今でも恨んでる。
子供は何があっても親と一緒に…。
借金漬けの親でもか?借金は麻薬みたいなもんや。
痛い目に遭わんかぎり天枝はまたどつぼにはまってあっちこっち逃げ回ることになるんや。
そんな親と一緒におってあの子らホンマに幸せなんか?・
(足音)
(剛)父ちゃん。
飯まだ?
(抜道)おう。
今行くで。
(抜道)文化財は今日中の約束や。
息子に飯作ったら事務所行くし。
おう。
すまんすまん。
行こう行こう。
(剛)早行こう。
(抜道)おう。
腹減ったな。

(茸本)あっ。
そうそうそう。
あの住職さ一日中檀家回ってたんだよね。
たぶん自分が寺に残れるように何か説得してたんだと思います。
はい。
ごめん。
言い忘れてたんだけど。
私降りたんだ。
(茸本)えっ?何で?何で?
(茸本)だって自分で初めてゲットした仕事でしょ?下手打ったんだよね。
天枝はタコ部屋行きで子供たちは施設にでも入ってもらうしかない。
えっ?何?何?それ。
えっ?ミルクちゃんの報酬まだやで。
今そんな。
チッ。
悪魔。
(キリコ)チッ。
アホか。
あのどスケベに何回もまれた思うとんじゃ?お願い。
もうちょっと待って。
(茸本)でもさそれあの。
どうにかなんないの?それ。
子供と親が別々に住むのって駄目でしょ?分かってるよそんなこと。
(茸本)えっ?だってそれ薫ちゃん自身が薫ちゃんと同じ境遇の子をつくるってことだよ?いいの?それ。
何でそんなはっきり言うんだよ?バカ!ハァー。
(抜道)ハハハ。
(巻上)ええのう。
おう。
(巻上)おう。
待っとったで。
(巻上)どこ?どれ?悪いけど文化財はまだ渡せない。
(巻上)えっ?
(抜道)どういうこっちゃ?天枝の子供たちの受け入れ先を見つけるからそれまで待ってほしい。
(巻上)何眠たいこと言うとるんじゃ?そんなにがきが心配ならがきごとまとめてタコ部屋連れてきゃいいんじゃ!駄目よそんなの!
(巻上)じゃったらどうするんじゃ!?これは私が始めたシノギだからちゃんと自分で落とし前つけたいの。
天枝にも私が引導を渡す。
何?いまさら!それで気済むんやな?
(薫の泣き声)
(薫)《ねえ?お父ちゃんはどこ行ったん?》
(薫の泣き声)
(薫)《うちらお父ちゃんに捨てられたん?》
(薫の泣き声)・
(戸の開く音)・
(足音)何の用じゃ?申し訳ありませんでした。
昨日あなたが乗っ取りを阻止するために檀家を説得に回っていたことは知っています。
でもあなたがどう抵抗しようがこのお寺はもうすぐ他人の手に渡ります。
そしてこの寺を継ぐのは息子さんじゃなくまったくの赤の他人です。
何じゃと?息子さんは私が考えてた以上にあちこちに借金をしていたんです。
その付けを親であるあなたにも払ってもらわなければならないんです。
そんなことをしておいて。
でもそれでもあなたにお願いがあるんです。
息子さんには2人のお子さんがいます。
あなたのお孫さんです。
その子たちを引き取ってもらえませんか?お願いします。
頭下げにゃならんのはわしの方かもしれんのう。
檀家回っとったんは説得のためじゃない。
息子のことをお願いするためじゃ。
(男性)《息子さんが住職に?》
(住職)《ええ》《あのバカ息子がやっとやる気になったみたいなんじゃ》
(住職)いくらバカ息子でもこの寺継いでくれる思うたらうれしゅうてのう。
けどあんたはそれも駄目じゃ言うんか?はい。
もう手遅れです。
因果応報じゃのう。
寺守るつもりが気付いてみたら家族は誰もおらんようになって。
全部わしの責任じゃ。
そこまでいろんな人に迷惑掛けたんならあの子にもそれなりの罰を与えるべきじゃ。
いや。
あの子だけじゃない。
わしだってのうのうと住職なんぞしとられん。
寺引き渡すで。
それがあのバカ息子つくってしもうたわしの責任の取り方じゃ。
孫のことは心配すんな。
申し訳ありませんでした。

(天枝)これ約束の文化財です。
嫁も連れてきましたけど。
何か?
(麻未)雨降っとるし早うしてくれる?神崎さん?
(天枝)ちょっちょっ。
何じゃ?あんたら。
(男性)ほんなら行こか。
(麻未)ちょっと。
何すんの?あんたと奥さんにはタコ部屋に行ってもらう。
ちょっと待ってくれ。
どういうこっちゃ?私に秘密にしとった借金があったじゃろ?だからじゃ。
何じゃと!?わりゃ!わりゃ最初っからわしをはめるつもりじゃったんか!?そうなんじゃろ!ああ。
そうじゃ。
最初からあんたをはめよう思うとったんじゃ!ふざけんなこのアマ!放せ!放せぇや!天枝!もう抵抗せんでぇや!このままじゃあんたの子供らも一緒に連れていかれてしまうけえ!犠牲になるんはあんたと嫁だけにしてぇや!
(天枝)うわー!
(住職)よう来たな。
じいちゃんやで。
うん?ほれ。
ほれ。
こっち来い。
ちょっと。
(一郎)放せ!こんな人知らんもん!
(綾)お母ちゃん!
(一郎)放せや。
家に帰らせてぇや!駄目だって。
(一郎)放してや!家に帰りたいんじゃ!泣いたら駄目だって。
(一郎)放してくれって言うとるじゃんか。
泣くなっつってんのよ!
(綾の泣き声)泣いたって何にも変わりゃしないんだから。
いつまでも泣いとったらいけん。
(綾の泣き声)あんたらの父ちゃんと母ちゃんがおらんようになったんは全部私のせいじゃ。
恨むなら私を恨んで。
(綾の泣き声)私みたいな人間に二度とだまされんような人間になりんさい。
あんたらは自分の力で生きていかにゃいかんのじゃ。
いつまでも泣いとったらいけん!
(一郎)自分だって泣いとるじゃんか。
こんな。
こんなくそみたいな世の中に生きとったら泣いたって始まらん。
たとえ一人になっても一文無しになっても何とかしのいで生きていくしかないんじゃけん。

(地揚)よし。
(地揚)金子。
これで全部の土地ツモったのう。
ああ。
社長のおかげじゃ。
(地揚)われながらよう頑張った。
よーし。
これで妖怪じじいの息の根止めちゃるわ。
うん。
チッ。
もしもし?小清水です。
折り入ってお話があるんですが。
話?
(小清水)《やっぱり東京へ行ってもらえませんか?》
(小清水)《もう金子君もこの町にやり残したことはないでしょ?》《いや。
しかし今仕掛けとるシノギが》
(小清水)《この金暮でうちの看板を使うことは許しませんよ》《その仕事は神崎君にでも任せたらどうですか?》『極悪がんぼ』はドラマです。
法律に触れることがたくさん出てきましたが本当にやったら捕まります。
もちろん被害にも遭わないように皆さんお気を付けください。
2014/06/09(月) 21:00〜21:54
関西テレビ1
極悪がんぼ #09[字]【今夜号泣、幼き兄妹へ愛の抱擁】

「泣くな!こんな世の中で生きるには、泣いても始まらん!」薫は寺の道楽息子・天枝と寺乗っ取りを企むが、計画が狂い…天枝の子に己を重ねる薫は彼らのために奔走するが…

詳細情報
番組内容
 小清水元(小林薫)による監査結果が発表され、神崎薫(尾野真千子)は、薫にしかできない仕事を見つけるようにと通達される。一方、金子千秋(三浦友和)は、東京に進出した際には事務所を任せると言われる。冬月啓(椎名桔平)や夏目大作(竹内力)は、それが左遷を意味するのではと気にするが、金子は意に介さない。
 そんな時、薫は借金返済ができずに困っている天枝太郎(六角慎司)と出会う。天枝は、200年ほど続く
番組内容2
寺の一人息子だが、住職の父親・史郎(片岡鶴太郎)とは絶縁状態のため借金の相談はできないと明かす。薫は、史郎から金を引き出せたら寺の経営に参画することを条件に、太郎の支援を約束する。薫は早速、太郎を連れて寺を訪ねるが、史郎は10年ぶりの再会を懐かしがるどころか、ほうきで息子をめった打ちにする。寺の金に手を付け事業に失敗した息子が許せない史郎は、薫にまで罵詈(ばり)雑言を浴びせる。
 史郎の態度に
番組内容3
怒った薫は、寺が所有するという重要文化財を奪う計画を立てる。茸本和磨(三浦翔平)に頼み、バールを用意した薫は、太郎とともに寺の蔵に忍び込む。そこには情報通り、重要文化財の指定書が付いた骨董品が置かれていた。
 別の日、薫が寺の経営について夏目らに聞いていると、抜道琢己(板尾創路)が自分にも手伝わせてほしいという。薫の初仕事の邪魔はしない、手間賃だけもらえればいいという抜道に、薫は応援を頼み…。
出演者
神崎薫: 尾野真千子 

冬月啓: 椎名桔平 

茸本和磨: 三浦翔平 

真矢樫キリコ: 仲里依紗 

夏目大作: 竹内力 

抜道琢己: 板尾創路
  ・  
小清水元: 小林薫
  ・  
豊臣嫌太郎: 宮藤官九郎 
伊集院保: オダギリ ジョー
  ・  
金子千秋: 三浦友和 

ほか
スタッフ
【原作】
「極悪がんぼ」(講談社「イブニングKC」所載) 
田島隆 
東風孝広 

【プロデュース】
後藤博幸 
草ヶ谷大輔 

【演出】
河毛俊作 
林徹 
石井祐介 

【脚本】
いずみ吉紘 
池上純哉 

【主題歌】
「喧嘩上等」氣志團(影別苦須 虎津苦須) 

【制作】
フジテレビドラマ制作部

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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